2011年10月14日

名和先生の近衛家陽明文庫談を堪能

 楽しみにしていた陽明文庫の名和修先生の連続講演会が、国文学研究資料館で始まりました。
 12月までに5回の講演が組まれています。
 今回のタイトルは「平成23年度 連続講演 古典資料の創造と伝承」です。
 早くから事前の申し込みが殺到していたこともあり、会場は早々に満席となりました。

 名和先生のお話は、いつものように、柔らかな語り口で始まりました。
 今日はその第1回目で、「近衛家陽明文庫の名宝」です。

 枕のお話の後、受付で配布されたプリントに「1 近衛家及びその祖先歴代の創成になる資料」とある項目の「(1)歴代関白記 自筆本が伝存するもの」という内容に移ると、しだいに話に熱が籠もってきました。


 「御堂関白記」に始まり、21番目の「篤麿公記」(明治時代)までの近衛家に伝わる貴重な関白日記の意義と価値について、配布資料をもとにスライドを映写しながら、懇切丁寧な解説がありました。
 代々非常によく似た文字で書かれているので、区別が付きにくいものでした。

 続いて、陽明文庫のお蔵の中へスライドで案内してくださいました。
 みなさん初めて見るお蔵の中なので、目はじっとスクリーンに釘付けです。

 陽明文庫の所蔵品に関する説明の中でも、もらった手紙に合点を付し、行間に返事を書き込んで返信したものの話では、会場は聴き入る雰囲気に満ちたように思います。多くの方が、始めて聴く話だったからです。ただし、これは目下の者に対して許され、目上に対しては首が飛ぶ行いになるとか。
 今のメールの返信に、相手の文が引用されたままで届くことを思い出しました。

 時間を大幅にオーバーした今日の講演は、本邦初公開の『和漢朗詠集』で締めくくられました。
 スクリーンには、国宝でも重文でもない、しかし見事な巻子本が映し出されました。昨夜デジカメで撮影したものだとか。
 名和先生からの、聴講者へのサプライズとなっていました。

 さらには、ちょうど現在この会場の下で開催されている特別展で展示している国宝『和漢朗詠集』を、特別にもう少し皆さんに見ていただく、ということも実現しました。まさに、特別展と連続講演がリンクしたイベントとなりました。

 さまざまなお宝の話を伺うだけでもいい勉強なのに、その実物が講演会場の真下の展示室に並んでいるのです。お話を聞いてすぐに原典が自分の目で確認できるのですから、贅沢な空間に身を置いていることが、気持ちを豊かにしてくれます。

 今回のイベントに参加された方々は160名ほどだったでしょうか。まさに至福の時を体感なさっていました。もちろん私も。

 講演会が終わるとすぐに、私は新幹線で京都へ向かいました。
 列車は満席で、立っている方もたくさんおられました。

 今夜の京都は大雨です。先ほど、夜の賀茂川散歩に出かけてきました。
 川は大水で、遊歩道にまで水嵩が増していました。
posted by genjiito at 23:54| Comment(0) | ■古典文学
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