2011年10月13日

読書雑記(44)森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』(角川書店、平成18年511月)を読みました。
この作家の作品は初めてです。本のカバーデザインに惹かれて手にしました。
 
 
 

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京大構内と下鴨神社が主な舞台となって展開します。
私は、ファンタジースタイルの作品を読むことが少ないので、奇想天外な物語の展開に戸惑いました。
しかし、しだいにその面白さに引き込まれていきました。
三階建ての電車がいいですね。

下鴨神社の古本市は、私が身近に体験している世界なので、イメージを膨らませながら楽しめました。
この古本市を妖怪の集会とは、言い得て妙といえます。

ちょっとしたネタの奇抜さと小気味よさが、気持ちよく読み進めさせてくれます。
ただし、盛り上がりには欠けるので、少し飽きる時が間歇的にあります。
これも、この作者の味でしょうか。

京大構内で、「阿呆」な人たちの演劇が展開します。
登場人物たちの『阿呆」さ加減に慣れることが、この作家の作風に寄り添うことにつながります。
この読書感覚がわかると、別の作品が読みたくなります。
何となくいい味が出ているので、また味わいたくなります。

温かく、ほんわかしていて、それでいて天空を見つめる視線が心地よいのです。

また、ここで語られる愛は、非常に純粋です。
大学一年生の乙女をとりまく男たちは、若さの中に青くさいながらも清々しいところがあります。
こうした点に、その若いがえゆのぎこちなさにうまくつながっています。

読後感がいいのは、作者の自由な表現力と夢を語ろうという意志がつたわってくるからでしょう。【3】
posted by genjiito at 22:15| Comment(0) | ■読書雑記
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