2011年10月08日

国立小劇場での雅楽「越殿楽」

 昨日、国文学研究資料館で開催された陽明文庫展の内覧会が終わるとすぐに、立川から永田町に速攻で移動しました。K先生から雅楽を一緒にと誘われていたからです。

 国立劇場は、学生だった40年ほど前に一度行ったことがあります。その後、何かでもう一度行ったような気がしますが、それがいつ何でだったのかは思い出せません。
 私にとって国立劇場は、なかなか行く機会のない場所でした。K先生はさすがに日本の古典芸能にも造詣が深くご著書もあるので、しばしばお出でになっているようです。

 今日は、日本雅楽会の第50回公演でした。K先生の教え子が舞人として出るので、ということでした。今、私のところに仕事で来てもらっている方のお友達でもあるそうです。

 第一部は管弦でした。

黄鐘調「音取」「西王楽破」「越殿楽」

 楽器の演奏だけなので、目の前に整列して座っておられる楽人の方々の動き以外には、その風景は何も変化がありません。眠気を催すのかな、と思っていたら、意外と聴き入ることができました。
 中でも、「越殿楽」は一般的には「越天楽」と書き、よく知っている曲です。しかし、じっと聴いていましたが何か違うのです。

 いただいたパンフレットの説明によると、次のようにあります。

今日演奏する「越殿楽」は黄鐘という調子(洋楽で言うところの主音の宮音がラの音)の曲ですが、越殿楽はこの黄鐘調のほかに盤渉調(宮音がシの音)と平調(宮音がミの音)の曲があります。
 雅楽では、移調するとメロディーが変わり、別の曲のようになってしまいます。学校の教科書などに載せられている「越天楽」は平調のメロディーなので、本日演奏するものはそれとはまた違った曲に感じられることと思います。


 先にこの説明文を読んでおくんでした。聴きながら、こんな曲だったのかな等々いろいろな事を思っていたのも、素人なりの聴き方でまた楽しかったのですが……

 第二部は舞楽でした。

「賀殿」「林歌」「納曾利」「長慶子」

 先生の教え子の方は、「賀殿」の舞人でした。オレンジ色の美事な衣装を身に纏い、キリッとしていて爽やかさを感じさせる容貌でした。平安時代の若者そのままの雰囲気を醸し出しておられました。光源氏が舞っている、と言っても褒めすぎではないと思います。
 相当練習されたのでしょう。4人とも、動きが揃っていて感心しました。

 私のことに引き付けると、エアロビクスなどで右足や左手を先に出して隣の人とぶつかったり、お茶などで手を伸ばす場所や順番を間違えて流れが違ったりすることがよくあります。
 そんな卑近なことを思うと、派手な動きのない実に抑制された動作が連続する舞楽の中で、脚を微妙に動かし首を左右に振ったり手を上げ下げするのに、4人がほとんど同じ角度で動いておられたのです。驚嘆するばかりでした。

 「納曾利」は、四天王寺や天理などの雅楽会などでも何度か見ました。関西の舞楽と微妙に違うように思いましたが、素人なので本当にそうなのかはわかりません。何となくそんな感じが……
 前半と後半の動きの違いがよくわかり、じっくりと見ることができました。

 帰りは、神楽坂でK先生とご一緒に食事をしました。私の糖質制限の食事に付き合って下さり、ハマグリの焼き物、マグロとアボガドのワサビ和え、お刺身の盛り合わせ、ブリカマなどを焼酎を飲みながらいただきました。糖質制限食にしてから、お酒のおつまみのレパートリーが拡がりました。ただし、食事となると何かと不便な思いをします。そのために、神楽坂の通りをいろいろと経巡ることにお付き合いしていただくことになり、恐縮しています。

 いつも楽しい話に花が咲く先生との一時ですが、今日は結婚した娘たちの話題が中心でした。父親としての話です。本当は研究の話をすべきなのでしょうが、K先生とはいつも気楽にお話ができます。気分一新元気になって、またの再会を約して帰路につきました。
 内覧会と舞楽という、慌ただしい中にも充実した一日でした。
posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | ■古典文学
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