2011年07月28日

読書雑記(39)【復元】楽しい『源氏物語』

 
(※本記事は、平成19年3月に消失したブログを復元したものです。)
 
 
********************** 以下、復元掲載 **********************
 
 
2005年8月21日公開分
 
 
副題「少しだけ怪しげな物語」

 忙しい時ほど、小説が読みたくなります。
 学生時代に、試験勉強をしていると、やたらと別のことに興味が湧いたり、日ごろは読まない本を読んだりした経験が、誰にでもあるのではないでしょうか。

 この夏は、公私共に、とても消化しきれないほどの「やるべきこと」を抱えていました。まだ過去形ではなくて、抱えています。こんな時だからこそ、本が読みたくなるのです。また、時間がないはずなのに、読めるのです。何といっても私には、新幹線と近鉄特急という読書空間からあるのですから。

 まずは、『源氏物語』に関するものから備忘録として書いておきます。
 富樫倫太郎の『妖説 源氏物語 壱』(中公文庫、2005.5)は、読みやすくて、楽しめました。帯に「魑魅魍魎現る 平安の闇と謎に挑む、妖しき源氏物語」とあるように、気分転換になる、肩の凝らない読み物です。これは3冊のシリーズで、『弐』が7月25日に、『参』が9月25日に発売されることになっています。すでに『弐』が刊行されていると思うのですが、書店でこの本を探すことを忘れるくらいにバタバタするばかりの毎日で、残念ながらまだ手にしていません。

 『壱』に関してだけですが、少しコメントを記します。

 登場人物は、『源氏物語』の宇治十帖に出てくる男たちです。
 薫、匂宮が話を引っ張ります。『源氏物語』の読者が知っているヒロインたちは、まだ一人も登場しません。強いて言えば、明石の君親子と女三宮でしょうか。男が語る『源氏物語』となっています。

 おもしろい話にしようということで書かれたものなので、細かなことは差し控えますが、どうしても気になったことを一つだけ。
 薫の出生の秘密の隠し方に不満を覚えます。これは、今後の二巻で趣向が凝らされることでしょう。しかし、最初の巻だからこそ、もっとうまく語っておいたほうが、『源氏物語』を知っている読者をもっと引きつけることができたのではないでしょうか。
 その意味でも、巻頭の「人間関係図」は不要です。それに続く「主要登場人物」だけでいいと思います。
 
 
********************** 以上、復元掲載 **********************
posted by genjiito at 22:59| Comment(0) | ■読書雑記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]