2011年02月13日

【復元】京博の「大絵巻展」へ行く

 昨日、東博(東京国立博物館)のことを書いた後、京博(京都国立博物館)の展覧会の記事のことを思い出しました。
 確かクラッシュした記事の中にあったと思い、雑多なデジタル資料の中を掻き回していると、文章の断片がいくつか見つかりました。それらをつなげて、元の記事を作り上げました。自分史の記録の復元です。

 奈良に住んでいた頃のことなので、5年ほど前の展覧会の話です……
 
 
(※本記事は、平成19年3月に消失したブログの復元です。)
 
 
********************** 以下、復元掲載 **********************
 
 
2006年4月24日 公開分
 
副題「突然の停電の中でも充実した絵を見る」
 
 
 京都七条にある国立博物館で、昨日の土曜日から「大絵巻展」が開催されています。
 日曜日の今日、小雨の中を、車を走らせて見に行きました。

 少し早めに着いたので、三十三間堂で時間潰しをしました。
 ちょうど、EUの方々がお見えになっており、耳にイヤホンをしたガードマンに囲まれた一団と一緒に、諸仏を見ることになりました。

 改めて気付いたのですが、二十八部衆の仏像は、インドと深い関係のある諸仏だったのですね。インドに魅せられてからこのお堂を訪れるのは初めてだったせいか、説明板に、サンスクリットとかインドとかヒンドゥーということばを使って解説されていることに、一々反応している自分に驚きました。

 国宝の中に浸ると、日本の素晴らしさを再認識します。

 1時間ほど、1001体の観音様のオンパレードを見てから、京博へ行きました。
 入館料は1300円だったので、3000円で友の会に入ることにしました。東京・京都・奈良・九州の国立博物館に自由に入れるのです。3回行けば元がとれるのですから、これはいいシステムです。奈良博にはよく行くので、今後とも有効な活用ができます。

 「大絵巻展」は、開催2日目の日曜日ということもあってか、大盛況でした。
 『源氏物語絵巻』『信貴山縁起絵巻』『鳥獣戯画』などを、じっくりと見ました。特に『信貴山縁起絵巻』は、我が町、平群町唯一の国宝なので、それこそ丹念に見ました。

 ちょうど、2000円札に採用された『紫式部日記絵巻』を見ていた時に、突然館内が停電となりました。多くの人が携帯電話を取り出して、その小さなモニタの明かりで周りを照らしていました。これは、なかなか綺麗な光の世界を作っていました。
 とにかく、一点でも多くの絵巻を見たい、という雰囲気があったので、みんな何とかして見たい一心で、明かりを求めたのだと思います。真っ暗な中での心細さを、一刻も早く何とかしたいという思いもあったのでしょう。場内に混乱はありませんでした。とにかく、思ってもみない出来事なのですから。
 停電は3分ほどだったでしょうか。明かりがついた時には、みんながホッとして、すぐにまた列を作っての鑑賞が始まりました。何事もなかったかのようにして。

 『源氏物語絵巻』は「蓬生」が陳列されていました。地味な絵柄なので、人々は足早に次の『鳥獣戯画』のコーナーに移動していました。
 『信貴山縁起絵巻』は、今回は朱色の鮮やかさに驚きました。

 『玄奘三蔵絵』では、説明文の中の「沙河」という言葉に目が留まりました。ガンジス川のことかと思ったからです。しかし、これは中国の地名のようです。先日読み終わったばかりの『坂の上の雲』にでてきた、日露戦争における沙河会戦の地でもないようです。
 明治26年に刊行された漢訳『源氏物語』である『紫史』(川合次郎著)に、「恒沙」(ガンジス川)という言葉が記されていることを知ったばかりだったので、「沙河」はガンジス川ではないか、とその場では思いました。「恒沙」は「恒河沙」の略であり、「恒」はガンジス川のガンガーの音写で、「沙」は砂のことであることが、帰ってから調べるとわかりました。
 それはともかく、「沙河」と「恒沙」は、関係ないようです。

 今回の展覧会は、国宝や重要文化財が贅沢に並べられており、いくら時間があってもいい展覧会となっています。

 出口のところで、たくさんの『源氏物語』のグッズを買ってしまいました。

 その後、近くの和菓子屋さん「甘春堂」で、禅風の懐石料理を食べました。安くて雰囲気のいい店でした。
 この店で、明後日お会いして懇談する、ロシア語訳の『源氏物語』を著されたタチヤーナさんのために、和菓子の洲浜を買いました。

 文化の香りに浸った一日でした。
 
 
********************** 以上、復元掲載 **********************
posted by genjiito at 22:11| Comment(0) | ■古典文学
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