2010年12月09日

井上靖卒読(115)書誌情報の備忘録

 井上靖の資料を整理していて、いくつか気づいたことをメモとして残しておきます。
 私は井上靖の研究者でもないので、あくまでも愛読者としての視点からの備忘録です。

(1)貴重な情報発信がなされているウエブサイト「井上靖作品館」は、小まめに井上靖に関する情報を収集し整理されています。日々弛まぬ情報更新のたまものです。折々に更新情報を拝見しています。
 ただし、その作品一覧の中で次の2作品の初出発表年月日が『井上靖全集』と一致しません。細かなことですが、念のために報告しておきます。


 ◎作品名︰ 桶狭間
  初出号数︰1952年1月号

  この情報源は『井上靖ノート』(坂入公一、1978年、風書房)のようです。
  『井上靖全集』(第三巻、別巻)では、「昭和二十七年(1952)2月号」です。

 ◎作品名︰ 天目山の雲
  初出号数︰1953年2月32号

  この情報源も『井上靖ノート』(坂入公一、1978年、風書房)のようです。
  『井上靖全集』(第三巻、別巻)では、「昭和二十八年(1953)4月号33号」です。
 
 
(2)『井上靖全集』(別巻)の「井上靖書誌」に、『日本文学全集 60 井上靖集』(筑摩書房、昭和45年11月1日)に関する情報がありません。
 
 
 

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 これに関連すると思われるものとして『井上靖全集』(別巻)には、『現代文学大系60 井上靖集』(昭和38年10月10日、筑摩書房発行、全69巻、第2回配本、四六判、函、カバー、口絵写真 筆跡(「天平の甍」冒頭)、520頁、定価430円)が取り上げてあります。

 私の手元にある『日本文学全集 60 井上靖集』は、全集の種類こそ違え、内容に関してはまったく一致します。同定できないこととしては、定価が印刷されていないことと月報がないことの2点です。

 なお、『井上靖全集』(別巻)の上記『現代文学大系60 井上靖集』の備考には、『筑摩現代文学大系70 井上靖集』(昭和50年7月20日、全97巻、第6回配本、定価1600円)として再刊されたことが記されています。
 この本については、その前の昭和45年にも、昭和38年版と同一内容の新装本として刊行されていたようです。
 
 
(3)『現代日本文学アルバム 第15巻 井上靖』(昭和48年8月1日、学習研究社発行、函、カバー、250頁、定価2300円)の新装版のこと。
 
 
 

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 『井上靖全集』の「井上靖参考文献目録」の「2.解説・月報等」(975頁)に、『現代日本文学アルバム15』(昭和48年8月、学習研究社刊)という簡単な項目があります。
 『井上靖全集』では、こうしたアルバム類の詳細な書誌情報は取り上げていません。
 以下、手元の資料によって備忘録として記しておきます。

 昭和48年版と同じ内容の新装本が『現代日本文学アルバム 第15巻 井上靖』(平成16年3月6日、学習研究社発行、函(ナシ?)、カバー(ナシ?)、252頁、定価ナシ)として刊行されています(上記写真の下段の本)。この本の奥付は「1973年8月1日 初版発行/2004年3月6日 新装版第1刷発行」となっています。
 ここで気づくことは、総頁数が違うことです。平成16年版が2頁多いのです。
 これは、巻末資料の「年譜」で、昭和48年版では「昭和四十八年」までだったところを、平成16年版では「昭和五十四年」までを追補し、さらに、井上靖が死去する平成3年までの主な作品名を、簡単に列記しているのです。

 また、それに続く「註記」で、昭和48年版に初出誌不明として明記されていた【詩「元旦に」「夏の終わり」】の2作品を、平成16年版では削除しています。これは、『井上靖全集』(別巻)では、昭和32年1月と昭和31年11月と特定しています。
 出典が確認できたための補訂だったようです。

 この「年譜」以降に「著作目録」、「主要参考文献」、「その他の主要参考文献」がありますが、いずれも昭和49年以降の情報は追補されていません。頁が増えることを配慮してのものでしょうか。

 また、巻頭の目次の頁表記で、平成16年版は昭和48年版をそのまま引き継いでいるため、「年譜」以降で追補された2頁分が足してありません。そのため、「著作目録……245」、「主要参考文献……247」が正しいものとなります。
 
 
 

 以上、(2)と(3)の本は、ブックオフの棚に105円で並んでいたものです。全集や写真集などの端本は、古本に限ります。
 ネットで本を探して注文するのとは違って、古本屋さんの店頭では、本との出会いの楽しみがあります。
posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | □井上卒読
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