2010年11月10日

2年分の京都新聞をまとめ読み

 源氏物語千年紀だった2008年は、国文学研究資料館で源氏物語展を開催する関係で、その準備などに奔走していました。東京と京都を、これまで通り毎週はもちろんのこと、週2回も3回も往復したことが何度もありました。
 そのために、京都新聞の読み切れなかったものが、私の部屋に山のように積まれていました。

 朝日新聞は東京と京都で購読しているので、関西版と関東版の違いを楽しみながら読んでいました。

 京都新聞は、私にとっては毎日届く週刊誌のような存在です。興味深い情報が盛りだくさんなのです。
 私が、平安時代を中心とした日本の古典文学に興味があるからでしょうか。とにかく、京都新聞はおもしろいのです。
 私にとって京都新聞は新聞ではなくて、まさに毎日届くタウン誌でもあります。
 それだけに、忙しかったこの2年間は、じっくりと読む余裕がなかったのです。しだいにその分量も増え、いつかいつかと思いながらも、少しずつしか、その山は崩せませんでした。

 今回の病気療養という機会を利用して、この京都新聞の山を崩していきました。そして、ようやく2年分を確認し終えました。
 この2ヶ月間は、頭の中で2年前からの出来事が同時進行していたので、非常におもしろい生活でした。

 昨年の秋は、民主党の政権交代で新聞も湧いていました。それが、今の民主党の堕落した体たらくは、1年前の勢いからは想像もできないことです。期待と実力の違いがこのような結果として出てくるとは、誰が想像したでしょうか。
 もうすぐ、また首相がビデオの流出を理由に辞任しそうです。
 コロコロと変わる日本の総理大臣をよそに、京都新聞の文化欄は、培われた伝統とぶ厚い文化を背景にして、日本のよさを実感させる興味深い記事が満載です。

 さて、新聞が配られたときには絶対興味を惹かなかったはずの記事が、今見ると目が釘付けになるものがありました。それは、京大病院に新病棟として積貞棟が完成した、というニュースです。
 今年の5月14日の京都新聞に、「高さ規制 市特例第1号」という記事があります。任天堂が75億円を寄付したことでできた、最新のガン病棟の話です。
 私がガンの告知を受け、京大病院へ飛び込んだのは7月21日でした。8月に新病棟である積貞棟に入院し、手術をしました。したがって、5月にこの記事を見ても何も反応しなかったはずです。今となっては、この積貞棟のニュースは、我が家の新築完成のような性格の記事となっています。

 「びわ湖108霊場」についても、昨年の9月9日に発足のニュースが載っています。私は、このことはネットで昨秋しりました。
 活字で読むのと、ネットで記事を見るのとでは、記事内容の伝わり方が違うようです。活字の方が、理解しやすいし、内容をイメージしやすいように思います。やはり、ネットのニュースは、光の点で構成される字らしきものを視認するので、疲れないように流し読みしているようです。それだけ、意識に残りにくいのでしょう。

 これは、メールがそうです。
 毎日数百件のメールを見る生活をしていると、自然と読み流す癖がついています。まともに読むメールは、1日に受け取ったものの内の、せいぜい数十分の一というくらいです。これも、自分の目を守るために、光の点を視認することによる疲労を避けるという、自然の自衛行為なのかもしれません。

 その他、戦国時代にはまだ三条に橋が架かっていなかった、という情報がありました。
 これは、京都と東国との出入口が今の三条通の延長ではなかったということになります。平安時代はどうだったのか、改めて調べ直したいと思うようになりました。

 また、祇園祭の起源は平安時代にまで遡るということもそうです。
 私は、御霊会との関係では理解していても、それは淵源としてのものであり、あくまでも室町時代からのものだと思っていました。平安時代と関連する資料がいくつもあることは、恥ずかしながら知りませんでした。

 明治天皇の詔書の草稿が見つかった記事も意外でした。
 その中にあった「行宮を置き」という文言が、実際の詔では削除されている事実は、非常におもしろいことだと思います。つまり、現実には遷都の宣言を避けた、ということがわかるからです。
 やはり正式には、都を京都から東京に移すという遷都の詔は出されなかった、ということのようです。
 資料によるかぎりでは、天皇はちょっと東京へ出かけたまま、まだ京都には帰っておられない、という理解も十分に成り立つのです。記事にあるように、「なし崩しの遷都」ということになるようです。
 京都の人がよく言うとされる、天皇さんは今は東京に出かけてはるだけで……、ということも、あながち負け惜しみではなさそうです。

 時間差で読む新聞も、いろいろな発見があり、確認があり、楽しいものです。特に京都新聞は、その内容が時の流れを踏まえたものが多いので、余計に時空間を楽しめるのでしょう。
 もう、こんなに貯め込んで読みたくはありません。しかし、これはこれで、おもしろい新聞の読み方をしたように思います。
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ◎情報社会
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