出版社別にまとめておきます。また、京都府立図書館で整理された教科書だけを対象としているので、戦前の教科書は今は考えないで記します。
また、ここで扱う教科書は、昭和26年から昭和60年までの範囲でのコメントであることも、あらかじめご了承ください。
教科書における教材の採否については、学習指導要領の変化・変遷が影響していると考えられます。ただし、私は国語教育の専門家でもないし、今はその余裕がないので、ここでのコメントではそのことには言及していません。それらは、また後でとりまとめます。
戦後の小学校国語科教科書のページを捲りながら、自分がどの会社の本を使っていたのか、ずっと気になっていました。
私は、小学4年生までが島根県出雲市立古志小学校、5年生から6年生7月までが、大阪市立菅原小学校、6年生の9月から大阪府八尾市立南高安小学校と、3つの小学校へ行きました。
そのこともあってか、教科書のことが完全に記憶から欠落しています。
正直言って、がっかりしています。今回見た教科書823冊の中に、私が使った教科書が7種類14冊あるはずなのです。それが1冊も思い出せないとは、なんとも本当に情けないことです。
さて、ここでは、小学校の教科書に、平安朝らしさを伝えるものがどれくらいあるか、ということを見て行きたいと思います。
その手がかりとして、すべての教材に目を通しましたが、特に小学校の教科書らしく、多用されている挿絵などに注目しました。貴族男女の衣服や、乗り物としての牛車に着目しています。中世の説話や近世などの話に、お姫様が出てきます。しかし、それは適宜ケースバイケースで、私なりに判断しました。
なお、参考までに、平安時代以前のものとして奈良時代に属する作品も、古代のものとしてメモを記しています。また、インドに関する教材も、チェックしたので備考として記しています。
【中京出版】(12冊)
昭和36年度用のみ
1年2 一寸法師
2年1 かぐや姫
※古典の中でも、平安朝らしさを感じさせる教材としては、「一寸法師」と「かぐや姫」の2つだけでした。ともに、お姫様の衣装がそうです。1、2年で、昔話として取り上げています。
【大日本図書】(31冊)
昭和31年度用
1年2 金太郎
2年2 八岐大蛇(古事記)
5年2 古都の秋(京都)
6年1 宣長と真淵(万葉集+古事記)
昭和36年度用
1年1 一寸法師
1年2 金太郎、浦島太郎
2年2 竹取物語
3年1 羽衣
昭和40年度用
1年2 金太郎
2年2 竹取物語
3年1 羽衣
※竹取物語も羽衣も、昔話として取り上げています。奈良時代や平安時代を感じさせる教材と、上代の古事記・万葉集については、昭和31年度用だけです。本居宣長の紹介において、『源氏物語』には言及していません。
【二葉図書】(38冊)
昭和24年度用
ナシ
昭和31年度用
2年1 かぐや姫
3年2 つりばりをたずねて(古事記)
6年2 万葉集の話と和歌
※大日本図書版と同じように、昭和31年度用には古事記・万葉集が取り上げてあります。
昭和34年度用
ナシ
昭和36年度用
3年下 海さち山さち(古事記)
※「海さち山さち」は、昭和31年度用の「つりばりをたずねて」を書き直したものです。
以上3社の教科書において、日本の古典文学の香りは、低学年に昔話として採択された教材にうかがえます。高学年になると、古事記や万葉集が見られます。ただし、それは昭和31年度用に限られます。このことは、他社の動向も含めて、後で考えましょう。
それにしても、平安朝らしさは、これらの3社に限っては、あまり感じられません。
一応、参考のために、学習指導要領の改訂年をあげます。
(1)1947年(昭和22年)
(2)1951年(昭和26年)
(3)1956年(昭和31年)高校のみ改訂
(4)1961年(昭和36年)
(5)1971年(昭和46年)
(6)1980年(昭和55年)悪名高いゆとり教育
(7)1992年(平成4年)
(8)2002年(平成14年)
(9)2011年(平成23年)
なお、次回は、【学校図書】の小学校用教科書の内容に見る平安朝の香りです。
これは、129冊もあり、しかも池田亀鑑が関わった時期があるので、改めてまとめるものです。そして、ここには、古典がさまざまな形で取り上げられます。紫式部が出てきたり、インドの話もあります。監修者によって、こんなに教材が変わってくるものなのか、ということに驚きます。
こうした教科書について、小学校のものだけに、国語に限定しても、さまざまなエピソードがあるかと思います。
いろいろとコメントがいただけると、非常におもしろいと思っています。ご協力いただけると助かります。
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