2010年08月17日

25年越しの仲間とのデータベース談義

 比叡山の麓に国立京都国際会館があります。
 2008年11月1日には、天皇皇后両陛下をお迎えして、盛大に源氏物語千年紀の一大イベントが開催された会場です。
 
 
 
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 その施設の中にある、グランドプリンスホテル京都で、25年越しの仲間との暑気払いをしました。
 
 
 
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 今から25年も前のことになります。
 コンピュータの草創期に、文学研究と情報処理の分野では草分けと言われる壮大な仕事をした、知的好奇心に満ち溢れる4人の熱血漢(?)がいました。日本文学データベース研究会(略称NDK、会長は伊井春樹先生)を立ち上げ、さまざまな仕掛けを用意し、国文学の分野に斬新な提案をし続けました。
 その成果が実り、いまでは文学研究とパソコンの取り合わせは、ごく普通の情報文具として活用されています。
 しかし、われわれが目指したものは、こんなに陳腐で低レベルのものではなかったはずです。
 現状には大いなる不満を持ちつつ、年とともに日々の仕事に追われる世代となってしまっています。

 その仲間が、私のために暑気払いと壮行会をしてやろう、ということになりました。入院と手術を控えたこのタイミングに、いい気分転換になりました。
 非常に楽しい会食でした。

 気の置けない仲間というのは、久しぶりに逢ってもずっと一緒にいたように変わりません。
 文学研究にコンピュータを導入することでは、20数年にわたり苦楽をともにした仲間だけに、話し出したら止まりません。今でこそデータベースということばは、完全に死語と化しています。しかし、その目指すところは高遠な理想に満ちたものでした。
 この点については、ゆっくりと話す時間はありませんでした。しかし、共に現状に消化不良の気持ちを抱えていることは感じられました。

 まずは、病気の話から。この話のネタには事欠きません。
 そして、アップルの iPad や Macintosh のこと。
 みんなプロ意識に支えられた、アップルユーザーです。

 4人が顔を合わせた当時は、みんな高校の教員であり図書館員でした。それが、今ではみんな大学に職を得た研究者です。いい仕事をして来た、という自負に支えられながら、それなりに前の見えない道を切り開きながら歩んで来た4人です。

 食後は、帰り道ということもあり、我が家でティータイムです。
 自然が好きな仲間なので、草花や植物に反応してもらえました。
 
 
 
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 坪庭も見てもらいました。
 
 
 
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 妻も旧知の仲間なので、一緒に加わっての話はいろいろなことへ展開します。
 お互いの家族を知っているというのも、気安く話せる要因になっています。

 いい仲間と一緒に、そして支えられながらここまで来られたことを実感すると共に、感謝しています。
 みんな、時代を先取りした最先端を先導していただけに、その投資額も半端ではないのです。それが無駄ではなかったことが、こうして振り返りながら確認していると、わかってきます。妻は資金調達の苦労を語り、今では職場でコンピュータ関連の機器が購入できる時代になったことに、みんな複雑な反応をします。
 自費で投じた機材に命をかけた者としては、公費などで購入したり貸与される機器の活用が、いかに中途半端な利用に留まっていることか。
 投資額に見合う成果以上のものを求めて、骨の髄まで使い倒そうという気概がありました。昔は良かった、ではなくて、自分の懐を痛めないと、迫力のないものとなるのは致し方のないところです。

 その意味では、今の若者たちに情報文具の更なる有効活用を説くのは、すでに老残のお節介と言うものかもしれません。しかし、情報の中を漂うだけで精一杯の今だからこそ、かつてのブームを仕掛けたわれわれの出番ではないか、とも思われます。

 一昔前、いやコンピュータの分野では大昔に、角川書店から『CD-ROM 角川古典大観 源氏物語』(伊井春樹編、角川書店、1999年)を刊行するにあたり、統括責任者である伊井春樹先生のもとで、われわれは持てる力を余すところなく発揮して取り組みました。
 そして、もう一度あの仕事の続きを開始することの確認を、今日することが出来ました。これは、また新しい収穫であり、新たな目標の設定となりました。
 楽しい仕事にすべく、またみんなで取り組めることは、大いに元気が出る話です。

 プロジェクトの仮の名前は、《古典大観 平安文学》というところでしょうか。平安時代の物語と日記の本文をデータベース化するものです。これには、『源氏物語』も含みます。
 乞う ご期待、というところです。

 私も元気に社会復帰をして、仲間と一緒にいい仕事に仕上げたいと思います。
 そして、若者を巻き込んで、活字化された流布本に縛られない次世代の文学研究者が生まれる場面に、また立ち会いたいと思うようになりました。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎情報社会
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