いつものことながら思いつきで、西国三十三カ所札所巡りを始めることにしました。
父が亡くなった26年前に、はじめて一周しました。
そして、毎年お盆には、表装したお軸を飾っています。
妻の実家の母が秋田から来られたときに、2周目を回って持ち帰ってもらいました。
娘のために3周目。
そして、母が亡くなったときに4周目を回りました。
いずれも、自家用車を使っての、家族みんなで行楽を兼ねた札所巡りでした。
これ以外にも、家族のために新西国三十三カ所札所巡りも満願を果たしています。
中央の「南無釈迦牟尼佛」の文字は、私が見よう見まねで書いたものです。
まだ周り終えていないものに、四国八十八カ所、近畿三十六不動の赤不動と青不動、そして、昨年から始めた洛陽三十三所があります。
とにかく、私はスタンプラリーが大好きなのです。
行楽がてら、遠出も厭わず、近畿を走り回っています。
これまでは、亡くなった父や母のために回っていました。しかし、今度は自分のために回ることにしました。それも、自動車のない生活をしているので、今度は公共交通機関と自転車と徒歩です。これまた、楽しいことが始まりました。
最初はどこにしようかと、しばし思案しました。
自転車で行けて一番近い寺町通りの革堂、それとも五条坂の清水寺と、いろいろと考えた挙げ句、電車で行きやすい瀬田川沿いの石山寺にしました。『源氏物語』にゆかりの深い寺だということもあります。
いつも車だったせいもあり、石山駅に降り立つのは初めてです。
山門を潜り石段を登ると、境内にそそり立つ奇岩の前では、蓮がちょうど咲くところでした。
本堂の入り口にある「源氏の間」では、源氏千年紀の折に作られたロボットが、『源氏物語』の巻頭を読みながら解説をしていました。
実物は置いてあるだけで、その動きとお話はモニタに映し出されていました。
千年前と現代が、微妙にクロスします。実物が動いたら、もっと良かったのですが……。
本堂の裏手に回ると、源氏苑に紫式部の像があります。
この像は、かつて『源氏物語の鑑賞と基礎知識 蜻蛉』(拙編、至文堂、2003)という本を編集したとき、巻頭に書いた「源氏ゆかりの地を訪ねて 石山寺散策」で、取材をした折の写真をたくさん掲載しました。その記事の扉にあげた紫式部の像の写真には、中央下にブルーのポリタンクがかすかに写っています。すみません。うっかりしていました。今、白状しておきます。
本堂では、朱印軸に御詠歌を書いてもらいました。
後のよを
ねがふこゝろは
かろくとも
佛の誓ひ
おもき
いし山
まずはスタートを切ったばかりのお軸を、床の間にかけてみました。
中央に西陣織で刺繍されているのが、石山寺のご本尊である勅封二臂 如意輪観音菩薩像です。
この観音さまの周りを、三十三カ所のお寺の御詠歌で埋めていきたいと思います。
さて、何年かかるでしょうか。
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