2009年12月22日

谷崎全集読過(4)「秘密」「The Affair of Two Watches」

■「秘密」

 最初から英語が出てきます。 「obscure」
 次にカタカナ語と英熟語が。 「アーテイフイシヤルな、Made of lifeを」
 英語の書名も。 「The Sign of Four」「Murder,Considered as one of the fine arts」「Sexuology」
 映画の字幕の一部は3回も繰り返し出てきます。 「……Arrested at last.……」

 今に通ずる、コスプレ、ゲテモノ、伊達者、ニューハーフ、突っ張る若者が描かれていて、非常におもしろい物語です。一言で言えば「変態」です。しかし、そこが今となっては古色でカムフラージュされているように見えます。

 男が女物の着物を身につけ化粧をする場面は、これまた今でもあることです。いつの世も、という感があります。秘めやかなされるところに、その美しさがあるのです。
 入念に女装して夜道を歩くくだりは、不思議な世界が語られています。自己陶酔の世界です。「男」という秘密を隠すのです。そして、昔の女に出会い、再会に臨みます。
 いつしか、女の秘密が知りたくて、夢の中の女の秘密を知ることになります。知ると目が覚め、さらなる刺激を求めることになります。
 谷崎潤一郎らしい作品です。【4】


初出誌︰明治44年11月号「中央公論」



■「The Affair of Two Watches」

 意味不明な英語のタイトルと、冒頭近くの英単語「Tabaks-Collegium」。
 明治時代の学生の様子がわかります。しかし、ただそれだけの語り口に留まります。
 単なる身辺雑記で終わっているように思います。【1】


初出誌︰明治43年10月号「新思潮」
posted by genjiito at 00:09| Comment(2) | TrackBack(0) | □谷崎読過
この記事へのコメント
明治のころの文章はストレートな感じがして感情などが良く伝わりますよね
このころから変態文化があったことには驚きです(笑)
Posted by guri at 2014年07月05日 21:36
変態文化は、太古より今に至まで、連綿と文化の一つとして受け継がれているようです。垣根越しに隣の家の様子を窺うようで、興味深いものを感じますね。
Posted by genjiito at 2014年07月06日 08:48
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