清張ゆかりの日南町でも、さまざまな取り組みがなされています。
日南町は、鳥取県の最南端で、岡山、広島、島根の県境に位置する、山峡の町です。米子からは、岡山に向かって一路南へ1時間半のところにあります。
「松本清張生誕100年記念事業実行委員会」の会長である足羽隆さんに、早朝より昼過ぎまで、お昼ご飯抜きで町内を案内してもらいました。ご高齢の足羽さんご自身が車を運転しての案内だったので、お心遣いが身にしみました。ありがとうございます。
松本清張、井上靖、池田亀鑑の3人の、ゆかりの地巡りです。
たんさんの収穫がありました。あまりにも多いので、少しずつ報告します。
日南町総合文化センターでは、松本清張の展示がありました。好評のため、会期を1ヶ月半も延長しての開催です。
清張の生い立ちについて、足羽さんからいろいろと興味深いことを伺いました。
祖父や祖母について、まだ確認されていないことが多々あるようです。清張文学の現状について疎い私ですが、今後の研究が期待されるように思いました。
この施設には、図書館があり、松本清張と井上靖の本を集めたコーナーがありました。
共に多作の作家なので、立派なコーナーになっています。
地元新聞の切り抜きなど、貴重な資料も多く、たくさんコピーさせていただきました。
そして、『日南町史』(全3冊)も購入しました。松本清張については、今後の補訂版でその出生にまつわる項目が詳細に記されることを望みます。これは、足羽さんのご健筆に待ちたいと思います。
松本清張の資料展は、通路を利用してのパネル展示が主体です。
入口の幟で白い方は、北九州市でのイベントに使われたものを譲り受けられたそうです。それに加えて、日南町で作成されたのが橙色です。
パネル展示も、北九州市の図録から転載のものがいくつかありました。このあたりが、この日南町と松本清張の接点が緩いところです。しかし、清張自身も若いときにこの地をそっと訪れているのです。自分の家系についての興味を掻き立てる問題があったようなので、そのあたりから日南町と松本清張の接点を強調されたらいいのではないでしょうか。清張作品を形成する背景にあるもとして、この町の存在は大きいと思います。
清張の文学碑は、整備されたところにあります。
今回新たに建立されたものは、文学碑の左下にあります。
碑の裏側に記された説明がわかりにくいので、新たに説明板を設置されたのです。
清張の祖父たちがいた地域は、清張がこっそりと来てスケッチを残した時のままに、今も時間が停まったようにそのままです。
伝記研究などには、いろいろな問題が関係してきます。むつかしいことも多いでしょうが、作品理解には重要なことが多いので、今後の進展に待ちたいと思います。
今回伺った話によるかぎりでは、この墓石に刻まれた字句の解釈から再スタートすると、興味深いと思われます。
この分野に疎いのですが、すでに研究があるのであれば私も立ち寄ってみたい気になりました。
地図の中央左寄りにある松本清張の文学碑から、今度はその右下にある井上靖文学碑へと移動します。
なお、昭和35年の作家所得番付によると、第1位が松本清張(3842万円)です。まだ、作家歴5年目にして、これだけの売れっ子作家になったのです。そして、第7位に井上靖(2397万円)がランクしています。
この2大作家と縁の深い日南町は、この文化遺産を大切にしていかれることでしょう。これからが楽しみです。
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