2009年12月05日

絵や書を縁取る表装の妙技

 京都文化博物館では、さまざまな展覧会が開催されています。
 特別展などは、見応えのあるものが多いので、よく行きます。
 その上の階などで開催されている地味な展覧会も、いいものがたくさんあります。

 今日は、5階で開催されていた「第94回表展(表装展覧会)」(協同組合京都表装協会、12月6日まで)を見ました。
 これまで、表装というと、襖の張り替えの時や、西国33箇所札所巡りを終えから、集印軸を掛け軸に仕立ててもらうときにしか縁がありませんでした。それが、今回の展覧会を見て、その周りを包む表装の意匠のおもしろさを教えられ、興味を持ちました。

 書籍の装丁は、仕事柄いつも気をつけています。紙や布地など、さまざまなものを目にします。書物がどのようにして作られ、どんな修復技法がなされているのか、注意しています。その背景にある表具師の方々の世界が、こんなに興味深いものだとは…。

 絵や書などを見るとき、それを包み込む額縁や軸について、何も意識せずにいました。
 目の前にある絵や書だけを見ていたのです。しかし、その周りの装いが、作品と協力関係にあるとは驚きでした。
 額のデザインと色合いや、表装の裂の選択によって、作品の印象がまったく違ってくるのです。当たり前のことですが、これまで、そこに注意は向いていませんでした。

 今日は、京都の表具師である宇佐美修徳堂の宇佐美直治さんが、丁寧にわかりやすく説明してくださいました。

 作品を写真に撮ってもいいとのことだったので、紹介します。

 「鶴」は、今回の展覧会で宇佐美さんが受賞なさったものです。
 
 
 
091205jiku4
 
 
 
091205jiku5
 
 
 
 銀と金のバランスに創意があるようです。
 作品を引き立たせるために、その背景にはこのような方の助力があるのです。

 会場で私が一番気になったのは、ペルシャ文字風の書の軸装でした。
 
 
 
091205jiku6
 
 
 
091205jiku7
 
 
 
 ここに書かれた文字もそうですが、この表装が醸し出す雰囲気は、海の彼方遠い異国に誘います。
 書と表装のコラボレーションと言えばいいのでしょうか。
 明年2月にインドへ行くので、その時にこの作品を見てもらうつもりです。
 どんな反応があるのか、楽しみです。

 会場には、「人物画」「花鳥画」「山水画」「仏画」などなど、たくさんの作品がありました。絵や書を見るときに、その絵や書の縁取りを見て回るのも、これまた楽しいものです。

 気づかなかったおもしろさを、今日は新たに知ることができました。
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | *身辺雑記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/178934269
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック