2009年11月04日

予期せぬ夜の祝祭

 突然連絡があり、話があると……。
 あまりいいことは考えられません。
 チョッと気の重い話なのでしょう。

 東京駅で6時に待ち合わせは?、との指定です。
 しかし、その時間までに立川からは行けません。
 新宿では、と言うと、アルタの前になりました。

 昨日、松本清張の『ゼロの焦点』を読み終えたばかりです。
 月に10日は東京、20日は金沢の生活をする男の話です。
 似たような私ですが金沢の断崖に立つことはなさそうです。

 てっきり一人かと思ったら、もう一人のツレ。
 あやしげな、それでいてよく知っている男女。
 何事かと、思いをめぐらしながらのネオン街。

 新宿駅からは外れにある、とあるビルの地下に連れて行かれました。
 私には不似合いな、モダンなイタリアン・バーの片隅に座りました。
 まったくこの状況が読めないままに、トマトのお酒を注文しました。

 雑談をしているうちに、こんな言葉を書いたものを渡されました。
 私が大好きな、井上靖の『星と祭』の1節が書かれているのです。
 『星と祭り』の「り」は不要だよ、などとは言えない雰囲気です。
 
 
 
091104birthday1
 
 
091104birthday2
 
 
 
 実は、このフレーズは、私にとっては思い出深いものです。
 伊豆の海辺で星を見ながらプロポーズらしき時の言葉です。
 結婚を意識しての照れながら交わした会話の一部なのです。

 やがて、こんな綺麗なお皿が運ばれてきました。
 チョコで書かれたアルファベットが読めません。
 最初の大文字は何か、しばらく眺めていました。
 
 
 
091104birthday3
 
 
 
 家族以外から誕生日を祝ってもらう。
 これまでになかった出来事なのです。
 記憶にないことが今日起きたのです。
posted by genjiito at 23:57| Comment(4) | TrackBack(0) | *身辺雑記
この記事へのコメント
たまたま11月3日に池田亀鑑の略歴の碑の除幕式をしたことで、あなたのブログにであいました。わたしの町には井上靖と松本清張と池田亀鑑の文学碑があります。清張さんは生誕100年で町がいろいろ取り組んでいます。
 井上靖は、妻と子どもさんを鳥取県・日南町に疎開させていたことが縁で、松本清張は、父峯太郎の生まれた町ということで、池田亀鑑は、鳥取県日南町神戸上というところで生まれたことで、3氏の碑があります。またよろしかったらお出かけください。
Posted by 久代安敏 at 2009年11月05日 06:09
コメントをありがとうございます。
 ブログを楽しく拝見しました。
 私が好きな井上靖、松本清張、そして仕事に直結する池田亀鑑と、魅力的な町ですね。
 お尋ねする機会を探してみます。

 池田亀鑑先生の除幕式というのは、どのようなものだったのでしょうか。
 よろしかったら、もっと詳しく教えていただけると幸いです。
Posted by genjiito at 2009年11月05日 13:15
わたしの町ではたいへんな過疎と少子化で、1年に25人くらいしか子どもが生まれないのです。で、今春町内6つの小学校が1校に統合したのです。池田亀鑑文学碑は、先生が生誕され、ご両親が勤めていられた石見東小学校の校庭の角に、昭和43年に「学才にあらず 閥派にあらず たゞ至誠にあり」の碑が建立されていたのですが、先生の略歴がちょっと粗末なものでした。小学校が統合してもこの文学碑はしっかり保存して継承しようということで、略歴を石に刻んだのです。その除幕式でした。これから先生のことを、先生の著されたものを勉強しようという計画もしています。まぁこんなところです。

池田亀鑑先生略歴

池田亀鑑先生は、明治二十九年十二月九日厳父宏文慈母とらの子として神戸上に生まれる。幾多の困苦と欠乏に耐え、よく努力し鳥取師範を経て東京高等師範に学び東京帝国大学文学部国文科を卒業する。女子学習院、第一高等学校、二松学舎、慶応義塾、早稲田、帝国女子専門学校、東洋等各大学の講師又は助教授。大正大学、東京大学の教授等を歴任し、昭和二十二年には文学博士号を授与される。中世古典文学、特に源氏物語の研究においては斯界の第一人者と称せられ、爾後の指針とされた。著書は源氏物語大成全八巻他多数。毎日学術奨励賞、朝日文化賞等を受賞する。昭和三十一年十二月十九日病を得て東京に没す。行年六十才。その悲報に衝撃を受けた厳父宏文氏も同日逝去される。先生のふるさと神戸上への想いは随筆集「花を折る」等で熱く述べられている。尚文学碑は、昭和四十三年十二月九日建立除幕された。
          池田亀鑑文学碑を守る会

このような略歴を刻みました。
Posted by 久代安敏 at 2009年11月06日 07:41
詳細なご報告、ありがとうございました。
 池田亀鑑先生の顕彰は、すばらしいことだと思います。
 地元のみなさまが、松本清張氏・井上靖氏とともに、池田亀鑑先生のなさったお仕事を理解されることは、大切なことですね。日本の古典文学研究においては、重要な役割をなさった先生ですから。
 特に、『源氏物語』の本文を整理された功績は、偉大なものです。「中世古典文学」とあるのは、正確には「中古古典文学」でしょうか。
 池田亀鑑先生の足跡を確認する作業などは、どなたかなさっているのでしょうか。
 『源氏物語大成』という偉業の背景も、まだ確認されていません。
 今後は、池田亀鑑先生の業績の意義を再確認する研究が、若い人によってなされると思います。
 ますますのご活躍を、楽しみにしています。
Posted by genjiito at 2009年11月07日 09:11
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