2009年11月01日

京洛逍遙(106)知恩寺で古書と出会う

 百万遍の交差点から東へすぐの所に知恩寺があります。ちょうど、道を挟んで京都大学があります。
 この知恩寺で、秋の古本まつりがありました。
 
 
 
091030furuhon1山門
 
 
 
 大殿で古本供養の法要をしてから開店というのが、おもしろい企画だと思います。そして、チャリティーオークションも。おまけに、阿弥陀堂では特選オークションもあり、趣向を凝らしての古書市です。京都古書研究会は、みやこメッセで大きな古書市をしていました。元気な仲間が集まっているようです。今回は、約20万冊の出品だそうです。

 阿弥陀堂の周りには、全集本が取り巻いていました。
 
 
 
091030furuhon2阿弥陀堂
 
 
 
嵩張る全集本をこのようにして並べるのは、物色する方としては助かります。お堂の周りをこのように使うのもいいものです。

 大殿の前に本の病院というものがありました。そこでは、手作りの製本の実演が行われています。
 世儀義夫さんは、カルチャーセンターなどで製本教室を開いておられる著名な方だそうです。
 
 
 
091030furuhon3実演
 
 
 
 家庭でできる楽しい製本を、洒落や冗談を交えながら、懇切丁寧に実演してくださいました。
 私も製本が大好きで、いろいろと作品があります。裏技など、たくさん見せてもらいました。今後、私家版を作る時などに役立ちます。

 ちょうど実演が終わった頃に、いつも使っているデジタルカメラが、突然ブルブルと震え出しました。
 以前にもその兆候があったのですが、手ぶれ機能が壊れたためのようです。
 一応、シャッターを切ったところ、こんな写真が写っていました。
 
 
 
091030furuhon4ブレ
 
 
 
 この後、とても使い物にならないくらいに大きく震えるので、ひとまずこのカメラを諦めることにしました。
 ソニーのカメラで、小さくて高性能なので愛用していました。数ヶ月前に修理をしたのですが、毎日のようにシャッターを切っているので、酷使に耐えられなくなったのでしょうか。

 この日の収穫は多かったのですが、中でも古典文庫は幸運でした。 
 
 
 
091030furuhon5古典文庫
 
 
 
 手元になかったので、不便でした。これで、安心していつでも内容が確認できます。複数箇所で仕事をしているので、同じものが何セットも必要になるので、こうして格安の時に入手しているのです。
 この本の間には会報が挟んであったので、会員に頒布されていた当時の状況がよくわかります。この伏見天皇本の『源氏物語』は、だいたい2000円くらいで配布されていたようです。
 私は、吉田幸一先生に直接お電話をし、何冊か分けてもらったことがあります。勉強する者への温かい思いやりに、感謝して本をいただきました。研究成果といい、古典文庫を通しての資料提供といい、その姿には敬意の念だけでは納まらない存在の先生でした。今回手にした本も、大切に活用させていただきます。

 これ以外では、『校註国文叢書 源氏物語 下』(池辺義象編、博文館、大正元年十一月三十日)の初版を入手しました。これは、『首書源氏物語』を底本にしたものです。
 特に、その巻末にある『校註国文叢書』の宣伝が、他の版には見あたらなかったのでおもしろいと思いました。
 
 
 
091101hakubung0広告
 
 
 
 今回は上巻(大正元年八月十六日発行)は手に入らなかったのですが、別に持っているものは、上巻が昭和2年に発行された第五十四版、下巻が大正13年に発行された第二十九版です。
 奥付だけでも、初版と二十九版では、こんなに違います。
 
 
 



091101hakubung3下巻初版
 
 
 
091101hakubung2下巻二十九版
 
 
 
 この本は、大正から昭和にかけて、幅広く読まれた『源氏物語』として注目していいと思います。

 探し求めていると、本の方からお出でお出でをする、とよく言われます。
 たしかに、そのような経験は何度もしています。今回も、今手元にあったら、と思っていたものが、古本市の会場を去ろうとしていたときに、何気なく並んでいるのを目にして手にしたものです。
 本との縁を、いつも感じています。
posted by genjiito at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎京洛逍遥
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