2009年09月11日

京洛逍遙(102)無名舎

 京の町家を見学するために、祇園祭で賑わった新町通りに行きました。
 京都生活工藝館というよりも「無名舎」という呼び名で知られている、吉田さんのお宅の特別公開があったからです。
 明治42年に建てられた町家を、可能な限り修復復元されているようです。
 
 
 
090906mumei1無名舎正面
 
 
 
 ここは、もとは白生地問屋だったそうです。
 家の中には、2つの中庭があります。
 まずは、入口に近い庭です。
 
 
 
090906mumei5中庭西向き
 
 
 
 この庭を反対側から見ます。
 華やかさがあります。
 
 
 
090906mumei2中庭東向き
 
 
 
 目を転じて、振り返ると……。
 奥の庭は、しっとりとした感じです。
 
 
 
090906mumei3中庭西向き
 
 
 
 庭が2つあることにより、1つが煙突の役割をすることで、家の中を風が通るようになるのだそうです。
 そういえば、我が家も2つの庭があるので、夏も涼しいことが実感できます。生活の知恵によるものなのでしょう。

 江戸、明治、大正、昭和と、京の商人の生活文化が、この家のそこかしこから感じ取れます。
 2階もなかなか凝った造りになっていました。
 家に自然を取り入れることの意味が、この家の中を歩くことによってわかりました。
 谷崎潤一郎の『陰影礼賛』を思い出させる雰囲気が、畳や壁や障子や天井や、そして窓から、目に飛び込んできました。
 住んでいるときには不便なことも多かったことでしょう。しかし、今となっては、合理的な仕掛けがなされていたことにも気づかされます。
 今の住宅に、こうした英知といえるものがどれだけあるのでしょうか。不動産屋さんや建築設計者の思惑で建てられた家がほとんどとなった今、自分で設計することは不可能としても、機械化とは別のスタンスで家を考えるのもおもしろいものです。
 具体的には、今私がやっている、車を手放し、クーラーのスイッチを入れず、間接照明を取り入れた居住空間に身を置くことも、これまた楽しさがあります。
 東京の宿舎では、クーラーすら付けていません。

 生活をしていく中から改善を重ね、そして自然との共存を無意識のうちに叶えていた家を見て、人の居住空間というものを考える一時を持つことになりました。
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎京洛逍遥
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