2009年09月02日

井上靖卒読(88)詩集『星蘭干』

 これは、井上の第八詩集です。
 平成2年10月に刊行されました。
 半数以上の詩が、『すばる』に発表されたものです。
 書名の「蘭」は、実際にはクサカンムリがない文字です。

 井上靖の詩は、散文の形をとります。しかし、「某月某日」は、このままで詩になっています。このスタイルに出会うと、何かホッとします。 
 「歳月」は、『星と祭』の後日譚となっています。エベレストを思い、心豊かにピンジョという少年のことを想い、「人生というものは信じていい」と言います。
 「アカエリヒレアシシギ」は、小説『海峡』の舞台である青森県下北郡風間浦村下風呂に、井上靖文学碑として刻まれています。
 「天」を読むと、生きて成す仕事として、写し置くということがあることに気づかされます。愚考を記し残すことと同じほどに、書写は意義があるものなのです。
 「月光」は、最後の「月光が労ってくれているのだ。」が印象的でした。
 「天龍川・讃」は、静岡県磐田郡佐久間町中部上島の天龍川河川敷に、文学碑として刻まれています。
 「無声堂」は、短編小説「無声堂」よりも好きな作品です。広がりを感じます。
 「飛騨高山・讃」は、岐阜県高山市飛騨民族村文学散歩道に、碑文として建っています。


平成2年10月10日
集英社
49篇収録


井上靖全集1︰詩篇
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | □井上卒読
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