2009年08月07日

京洛逍遙(97)陽明文庫の『源氏物語』

 『源氏物語別本集成 続』の第七巻に収録する、底本としての陽明文庫本の第28巻「野分」から第32巻「梅枝」までの本文を確認するために、陽明文庫に行きました。
 いつものように自転車です。道の走り方を覚えたせいか、30分で着きました。

 陽明文庫での調査については、本ブログで何度か報告しました。

「陽明文庫で聞いた水の音」(2007年10月 4日 )

「京洛逍遥(42)仁和寺と陽明文庫」(2008年7月 8日)


「京洛逍遥(58)仁和寺の裏道」(2009年3月19日)


 今日も朝の10時から夕方の4時過ぎまで、じっくりと、重要文化財に指定されている鎌倉時代の文字を凝視してきました。第30巻「藤袴」だけは、後補の写本でした。

 この写本の特徴は、書写の誤りに気づくと、すぐに修正をしていることです。
 文字が書きかけの状態のままに、すぐに削ったりなぞったりして、親本に正確な文字を写そうとしています。
 だらだらと、とにかく写しているのではないのです。
 書写の誤りに気づくと言うことは、そして即座に修正という対応をしていることは、書写者の『源氏物語』に対する意識が高かったことを示します。地下ではなくて堂上の人の手になるものだと思われます。
 今日は文庫長である名和先生のご許可をいただいて、顕微鏡カメラで、判読に困る箇所を撮影しました。
 帰ってから、どのようにでも読める文字の写真判定をするためです。

 次の写真の場合、何か1文字の上に重ねるようにして、「女」という文字がナゾリ書きされています。
 この下の文字が、まだ私には読めません。
 
 
 
090806onna女の下の文字は?
 
 
 
 ひらがなの字母も、鎌倉時代特有のものが散見します。
 この写本は、文字のみならず、内容も再検討すべきことが多いものです。

 『源氏物語別本集成 続』では、陽明文庫本の校訂本文を掲載しています。
 『源氏物語別本集成 続』も、あと2冊後の第八巻で、第二部に入ります。
 可能であれば、これまでに掲載してきた陽明文庫本の校訂本文だけを、まとめて利用してもらいやすい形で提供したいと思っています。
 また、陽明文庫本の語彙索引も必要でしょう。
 私がやるべき仕事は、まだまだあります。牛歩の整理屋を自認していますが、1つでも実現したいと思っています。

 活字になっていない、読まなければならない古写本は、山のようにあります。
 いろいろな人の手を借りながら、1冊でも多く翻字していきたいと思います。

 今日予定していた写本の調査を終えて、さあ帰ろうとしたところ、外は雨でした。
 最近あまりすぐれない天気だったので、傘は持っていました。しかし、これで自転車で帰るには躊躇します。
 すると、先生が雨合羽を貸してくださいました。大峰山に行くときに持って行くものだとか。
 また、鞄を包むビニール袋も。
 ご好意をありがたく拝受し、お借りして帰路につきました。
 小雨の中を、前回教えていただいた札所のある裏道から、快適に帰りました。

 先生、いつもありがとうございます。
posted by genjiito at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎京洛逍遥
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/178934144
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック