いつものように自転車です。道の走り方を覚えたせいか、30分で着きました。
陽明文庫での調査については、本ブログで何度か報告しました。
「陽明文庫で聞いた水の音」(2007年10月 4日 )
「京洛逍遥(42)仁和寺と陽明文庫」(2008年7月 8日)
「京洛逍遥(58)仁和寺の裏道」(2009年3月19日)
今日も朝の10時から夕方の4時過ぎまで、じっくりと、重要文化財に指定されている鎌倉時代の文字を凝視してきました。第30巻「藤袴」だけは、後補の写本でした。
この写本の特徴は、書写の誤りに気づくと、すぐに修正をしていることです。
文字が書きかけの状態のままに、すぐに削ったりなぞったりして、親本に正確な文字を写そうとしています。
だらだらと、とにかく写しているのではないのです。
書写の誤りに気づくと言うことは、そして即座に修正という対応をしていることは、書写者の『源氏物語』に対する意識が高かったことを示します。地下ではなくて堂上の人の手になるものだと思われます。
今日は文庫長である名和先生のご許可をいただいて、顕微鏡カメラで、判読に困る箇所を撮影しました。
帰ってから、どのようにでも読める文字の写真判定をするためです。
次の写真の場合、何か1文字の上に重ねるようにして、「女」という文字がナゾリ書きされています。
この下の文字が、まだ私には読めません。
ひらがなの字母も、鎌倉時代特有のものが散見します。
この写本は、文字のみならず、内容も再検討すべきことが多いものです。
『源氏物語別本集成 続』では、陽明文庫本の校訂本文を掲載しています。
『源氏物語別本集成 続』も、あと2冊後の第八巻で、第二部に入ります。
可能であれば、これまでに掲載してきた陽明文庫本の校訂本文だけを、まとめて利用してもらいやすい形で提供したいと思っています。
また、陽明文庫本の語彙索引も必要でしょう。
私がやるべき仕事は、まだまだあります。牛歩の整理屋を自認していますが、1つでも実現したいと思っています。
活字になっていない、読まなければならない古写本は、山のようにあります。
いろいろな人の手を借りながら、1冊でも多く翻字していきたいと思います。
今日予定していた写本の調査を終えて、さあ帰ろうとしたところ、外は雨でした。
最近あまりすぐれない天気だったので、傘は持っていました。しかし、これで自転車で帰るには躊躇します。
すると、先生が雨合羽を貸してくださいました。大峰山に行くときに持って行くものだとか。
また、鞄を包むビニール袋も。
ご好意をありがたく拝受し、お借りして帰路につきました。
小雨の中を、前回教えていただいた札所のある裏道から、快適に帰りました。
先生、いつもありがとうございます。
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