全体的に、人間が織りなすドラマ性は極力控え目にしてあります。
山の自然がメインの映画です。
それだけに、見終わって、何となく物足りなさを感じました。
しかし、もう一度観たくなります。
映像の合成やコンピュータグラフィックを一切排除したところが、この映画の一番の売りです。ただし、自分がそのライブ感覚について行っていないことを痛感しました。つい、眼が人工的な作為に向いているのです。それを無意識に求める自分がいることに気づかされました。
人工的な映像に慣れてしまっているからでしょうか。
自然と人間との闘いが中心なので、軍部や家族の扱いが難しかったと思います。
今回観た限りでは、その配合がどこかぎこちなく感じました。
生田信は、もっと反抗し、小島烏水も、もっと対立してもよかったのではないでしょうか。
芝崎芳太郎の妻は、存在するだけで役割を果たしていました。宇治長次郎の妻も。
女性がポツンと置かれていたので、家族に支えられたドラマ、という説明に説得力を欠きます。
脇役が優等生的な扱いだったので、そんな印象を持ちました。ただし、主役が自然なので、これでいいのかもしれません。
次回は、視点を改めて観たいと思います。
この映画は、映像芸術の原点に立ち返って観ないと、その良さが伝わって来ないようです。
週末だったこともあってか、映画館は満員でした。年齢層は高かったように思います。
椅子に座り、じっくりと観ました。
ドタバタや、アクションや、お涙頂戴のシーンはありません。これ見よがしの感動的なシーンが用意されているわけでもありません。
画面を観ながら、自分で感じることが求められる映画でした。
落ち着いて、自然体で観られる映画です。
もし可能ならば、全編モノクロで観たいと思わせる映画でした。
朝日、夕陽、紅葉は、セピアで十分です。
DVDで出たら、そんな観方をしたいと思っています。
自然を自然として観たので、少し自分のイマジネーションというフィルターを通して観る、という遊びをしたみたくなりました。
いろいろな意味で、いい映画を観ました。
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