2009年05月08日

京洛逍遙(71)東寺で源氏物語の見立て絵

 先週の東寺の手作り市では、おもしろいものをたくさん見ました。
 「手作り」というのは名ばかりで、実際にはもう骨董市です。
 昭和30年代から40年にかけてのものが、ゴロゴロ並んでいます。
 やはり、着物が圧倒的に多いのが、最近の特徴ではないでしょうか。

 とにかく、なんでも手にとって見られるので、触れる展示博覧会、といった感じです。
 博物館の学芸員の資格を取得して1年が経ちました。これはこんなテーマの展覧会で使えるな、などなど、目の前のモノを見ながら想像が膨らみます。



090403toji1東寺の境内



 そんな中で、江戸時代の浮世絵が額に入ってるのを見かけました。
 値段を聞くと、3万5千円とのこと。
 こうしたものに疎い私は、これが高いのか安いのか、さっぱりわかりません。


090403toji20見立て絵


 
 近寄ってよく見ると、『源氏物語』の見立て絵のようです。
 右上に「見たて五行 金」とあり、その左に「匂みや」と書いてあります。
 大判3枚つづりで、絵は江戸時代末期の歌川国芳(1798〜1861)の作品です。
 国芳は広重と同い年の浮世絵師です。



090403toji2


 絵の下に捺された落款印章には、「一勇斎/国芳」とあり、版元は「佐野喜」(佐野屋喜兵衛)です。


 そもそもが、私にこうした絵に興味がないことと、その価値がわからないので、写真だけ撮って帰り、後で何かわかればいいか、という程度でした。
 帰ってからいろいろと調べてみたのですが、ますます、よくわかりません。

 ただし、ネットで見た限りでは、以下のようなことがわかりました。

(1)浮世絵ぎゃらりぃ「印象派と浮世絵」


「見立て五行/水 浮舟」歌川国芳/嘉永4年〜5年(1851〜52年)

 (浮世絵は省略、上記サイトで確認できます。)
ちなみに余談ですがこの国芳の浮世絵、あのゴッホもこれと同じものを所有していました。

(ただし三枚全てではなく、いちばん左の鴨と女性が描かれた部分の一枚だけです。)




(2)国芳プロジェクト




「Alphabetical List of Kuniyoshi’s Print Series」

Japanese Name︰Mitate go gyô
English Name︰Select five elements
Description︰Prince Genji with beauties (triptychs)
Date︰c. 1850
Robinson︰139





 この2つの情報から、素人ながら勝手な推測をしてみました。

 まず、(1)で国芳は「見立て五行/水 浮舟」という絵を描いているので、これもそうしたシリーズの1枚のようです。
 次に、(2)で「光源氏と美人たち」という3枚つづりの絵が5組あったようなので、後は「木」「火」「土」もあったようです。
 共に、1850(嘉永3)年の作品です。


 見立て絵のおもしろさは、国文学研究資料館のプロジェクトでの発表や出版物で見たり聞いたりしていました。しかし、近世の受容の問題ということもあり、まだ自分には遠いテーマのように思っていました。
 それが、こうして目の前に、現物がヒョッコリと顔を見せてくれたのです。

 今回は勉強不足のため、これがどのような意味を持つものか、私には皆目わかりません。
 今後のこともあるので、少し勉強するつもりです。
 それにしても、こうした絵は、見る人が見ると、これは『源氏物語』のこんな場面を、こんなことに見立てて描いたものだ、というように、絵を解きながら楽しめるのでしょう。
 いつかは私も、『源氏物語』の読まれた時代背景を追い、こうした受容作品を通して、描かれた時代の『源氏物語』の読まれ方を知りたいと思っています。

 どなたか、正確なこの絵説きをしてくださいませんでしょうか。
posted by genjiito at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎京洛逍遥
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