読み慣れた井上靖の作品の中では、一文が長いように思いました。
ドキュメンタリータッチの、事実の羅列なので、物語としてのおもしろさに欠けます。井上にしては、めずらしいものです。 晩年のところで、その傾向が見えるのではないでしょうか。
話に盛り上がりが欠けるのは、すべてが回想談だからでしょう。活気に欠けるせいだろうと思われます。【2】
初出誌︰新潮
初出号数︰1951年10月号
新潮文庫︰ある偽作家の生涯
旺文社文庫︰猿狐・小盤梯 他八編
井上靖小説全集4︰ある偽作家の生涯・暗い平原
井上靖全集3︰短篇3
■「鵯」
律子の性格が、よくわからないままに終わりました。
女の冷酷さを言いたいのか、無意識のたわむれなのか。
最後の、鵯に対する律子のしぐさは、よくわからないままです。
子供と大人の行動は、ごく自然に描かれています。【2】
初出誌︰別冊文藝春秋
初出号数︰1951年11(12?)月25号
角川文庫︰楼門
角川文庫︰花のある岩場
井上靖小説全集4︰ある偽作家の生涯・暗い平原
井上靖全集3︰短篇3
■「楼門」
これもまた、退屈でした。
月が出てきたので、少し安心しました。
低調で元気がないのは、どうしてでしょうか。
年譜などで、この時期の井上の環境や情況などを、確認する必要がありそうです。【2】
初出誌︰文芸
初出号数︰1952年1月号
集英社文庫︰楼門
角川文庫︰楼門
潮文庫︰桜門
井上靖小説全集4︰ある偽作家の生涯・暗い平原
井上靖全集3︰短篇3
〔参照書誌データ〕
井上靖作品館
http://www2.plala.or.jp/baribarikaniza/inoue/
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