2008年12月10日

背景が欠落する青春の記憶

 母校の大学で会議があり、休憩時に1人で外を散歩しました。

 校舎のすぐ前にある、よく行った神社へ足を向けました。この境内に来るのは三十数年ぶりです。
 学生時代の当時は、お昼ご飯を妻が毎日のように作ってくれていたので、この境内でよく2人でその弁当を食べたものです。
 石段に腰掛けて食べた記憶があります。

 帰ってから妻に見せて懐かしがらせようと思って、写真に撮ろうとしました。しかし、あたりを見渡しても、記憶にない光景なのです。
 デジカメの液晶画面に映る画像は、まったく記憶とは無関係のものとしか思われないのです。
 2人で座ったはずの場所らしきところも、どうしても見当たりません。
 神域が作りかえられたとも思えません。雰囲気は、こんな感じだったはずなのですから。

 とにかく、2人で何度も歩いたはずの参道に向かって、シャッターを切りました。

081210hikawa2氷川神社の参道


 側道も写しました。


081210hikawa1黄葉の氷川神社



 このアングルにも、思い当たるものがありません。

 二十歳そこそこの頃のことです。
 若い頃なので、鮮明に覚えているはずです。
 作ってくれたお弁当のおかずや、フレンチフライのサンドイッチの色や形は目に浮かぶのです。
 それなのに、その背景になるこの神社を取り巻く映像が欠落しているのです。

 これは、いったい何なのでしょうか。
 どうしたことなのでしょうか。

 校舎は、もう妻と一緒に通った頃のものはありません。すべて、建て替えられているからです。
 学生時代を思い出させるものは、ほんの少ししかありません。
 それでも、かつてあった校舎などは記憶の中にあり、それは鮮やかに、今でも思い出せます。
 研究室、教室、図書館、学生食堂、立ち食いソバ、事務室、床屋などなど。
 それなのに、あの神社の景色が消えているのです。

 妻に申し訳ない気持ちを感じながら、母校の新しい校舎に戻りました。
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | *回想追憶
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