2008年11月23日

ハーバード(6)古写本『源氏物語』2冊

今回の国際研究集会のプログラムの一つとして、ハーバード大学付属サックラー美術館所蔵の貴重な古典籍を参加者で閲覧する、ということが用意されていました。

研究集会初日の午後は、みんなでフォグ・アーツ・ミュージアムへ行き、特別室で拝見しました。

私は、ハーバード大学所蔵の『源氏物語』に関する研究発表をした関係で、一応この本の紹介役をさせられました。
ハーバード大学所蔵の『源氏物語』(「須磨」と「蜻蛉」の2冊)は、非常に古い古写本です。鎌倉時代の写本です。
古典籍に詳しい何人かの先生も、みなさん鎌倉中期以前で初期に近いものだとの評価でした。鎌倉時代の初期の本、と言ってもいいのではないでしょうか。
平安時代の面影を残す写本だとも。
いい雰囲気を持った写本です。表紙はありませんが、書写された紙面に品格があります。
同席されていたクランストンフミコさんに再確認したのですが、ハーバード大学本は、反町氏からハイド氏の手を経て、ハーバード大学に収まったものです。

この写本のツレが、千葉県の佐倉にある歴史民族博物館にあります。中山本の「鈴虫」がそれです。国の重要文化財になっています。
先月の国文学研究資料館で開催した源氏展でも、この中山本は展示しました。
墨流しの料紙に書写されていることなどが、ハーバード大学本との関係を納得させてくれます。

現存する『源氏物語』の写本の中でも、特に古いものと思われるこのハーバード大学本と歴博の中山本は、いつか一緒に見られるような機会を得たいものです。
日本の重要文化財をアメリカに移動するよりも、このハーバードの本を日本に持ってくる方が問題は少ないようです。所蔵先の担当者も、問題はないとのことでした。
近い将来には実現したいと思っています。

異国の地で、海を渡った日本の古典籍と対面しました。
この『源氏物語』は、3年前に拝見して以来です。
かつて一緒にあった本(中山本)は、つい先日まで国文学研究資料館で展示していました。
なかなか得難い体験をしています。
posted by genjiito at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎国際交流
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