2008年06月29日

宇治川での生と死の記事を見て

 『源氏物語』で、浮舟が身を投げようとした宇治川の流れは、結構早いのです。
 宇治川の動画があるので、紹介しておきます。


http://jp.youtube.com/watch?v=F4JcLOsiC4Q&feature=related



 今から30年ほど前のことですが、私は高校の遠足の付き添いで担任をするクラスの生徒たちを連れて、宇治川の上流で飯盒炊爨をしました。その時に、ボートで遊んでいた生徒の数人が、突然川中に流されたのです。流れが穏やかだったので、思っても見ない事態に、必死で河原を走って追いかけて捕まえ、何とか事なきを得ました。
 とにかく宇治川には、流れの急な所があるのです。

 今週の京都新聞の記事に、宇治川での生死を扱ったものがあったので、紹介します。
 不幸なことでもあるので、不謹慎かもしれません。しかし、興味本位ではなくて、宇治川の流れの怖さを書いておきたいのです。

 6月22日(日)に、「流れる携帯 転落女性流さず 増水の宇治川 市民4人が救助」という記事が掲載されました。
 21日のお昼前に、宇治の朝霧橋上流100メートルの宇治川右岸で、散歩中の近くの81歳の女性が、誤って川に落ちたということです。そして、10メートル下流に流された所で、助けられたそうです。男性3人がかりと、それに加えて宇治署員も手を貸して、25分後に救出されたとのことです。
 前夜の大雨の影響もあって、水位は、1メートル60センチにまで上昇していたのだそうです。

 不幸中の幸いと言えるでしょう。いい方々に、それも早く救出してもらえて、本当によかったと思います。

 翌週の26日(木)には、宇治川で不幸な出来事がありました。
 午後7時半ころ、宇治金井戸の白虹橋から、1人の女性が宇治川に飛び込んだのが目撃されました。
 2時間後に、4キロ下流で発見されましたが、搬送先の病院でお亡くなりになりました。
 翌日の京都新聞で、その身元が判明したことと、30歳の大阪の女性であったことが報じられました。

 誤って転落して10メートル流された所を救助された方と、いわゆる自殺と思われる理由で川に飛び込み、4キロ下流で2時間後に発見されたにもかかわらず亡くなられた方という、まさに対照的なニュースでした。

 身を投げた方にも、いろいろと理由があるのでしょう。お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、宇治川が今も人の命を左右するほどの勢いを持った川であることを、いまさらのように思い知らされました。

 平安時代の宇治川の流れはどうだったのでしょうか。
 『平家物語』にも、この川の流れの激しさは語られています。
 『源氏物語』の作者は、この川の流れを、どのような気持ちで見たのでしょうか。少なくとも、その勢いを知っていたはずです。

 不幸なニュースからの連想で不謹慎かと思いつつも、改めて宇治川の流れを思い知り、認識を改めるためにも、記したしだいです。





posted by genjiito at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語
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