2008年05月09日

源氏千年(45)朝日「人脈記」12

 第12回目のタイトルは、「モテ男 タイムスリップ」(関東版)/「現代作家 奇想天外の発想」(関西版)です。

 『源氏物語』をもとにしたエンターテインメントとしての現代文学作品として、清水義範氏の『読み違え源氏物語』の紹介から始まります。
 ただし、私は以下のブログで、この清水氏の作品を酷評しました。

読書雑記(6)清水義範『読み違え源氏物語』
http://blog.kansai.com/genjiito/159

 この作品が大きく取り上げられたことに、私としては不満です。小説は好みもあるので、その評価は千差万別ですが、作者の知名度からとりあげられたのかな、と思いました。

 私なら、次の二つを俎上にのせて、その話の展開の意外性に触れたことでしょう。

(1)井沢元彦『猿丸幻視行』(講談社、1980年)
    第26回江戸川乱歩賞受賞作
(2)長尾誠夫『源氏物語人殺し絵巻』(文芸春秋、1986年)
    第4回サントリーミステリー大賞読者賞受賞作品

 2人目の柴田よしきさんは、私はまったく知りませんでした。ここで紹介されてる『小袖日記』は、早急に読んでみるつもりです。

 3人目の森谷明子さんの『千年の黙』は、鮎川哲也賞を受けたものです。私も読みました。ただし、あまり印象に残っていません。なんとなく中途半端な印象が拭えませんでした。決して悪くはなかったのですが。
 その続編が、今年発表されるとのこと。次作は期待できると思います。

 本記事の筆者である白石さんの文章について、私は最後のとじめの言葉が好きです。簡潔明瞭にその回の内容を踏まえた寸言が、記事をキリリと絞めています。


『源氏』はいまも作家たちの想像力を刺激してやまない。


 『源氏物語』の二次的受容資料としての現代作品は、なかなかいいものが多いと思います。
 確かに『源氏物語』は、作家の想像力を刺激する作品なのでしょう。平安時代にできて以来、ずっとさまざまな形で受容されたのです。

 読み継がれる中で、受容を経ての再生産される『源氏物語』は、まさに生き続ける古典です。
 一人でも多くの方に、この千年紀を奇縁として、通読していただきたいと思います。

 なお、「人脈記」は、残す所あと1回となりました。
 来週の月曜日の最終回は、どのような内容なのか、今から待ち遠しい気持ちです。

posted by genjiito at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語
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