2008年04月24日

源氏千年(30)朝日「人脈記」4

 第4回のタイトルは「運命 招き寄せた小猫」です。

 猫を巡っての話でまとまっています。
 白石さんの幅広い取材活動のすばらしい成果です。
 よくもこれだけの情報を収集し、それをこのようにうまくまとめられるものだと、一読して感心しました。

 出久根達郎さんから始まるのが、意外で楽しめました。そして、昨夏お亡くなりになったサイデンステッカー先生へと移るのも絶妙です。
 さらには、田中貴子さんを挟んで、河添房江先生へと続きます。
 河添先生のところで紹介されている『光源氏が愛した王朝ブランド品』(角川選書、2008.3)は、誰でも読める好著です。『源氏物語』をネタにしたもので、こんなに楽しく読んだ本はありません。語りかける口調が柔らかで、内容も意外な視点で読む『源氏物語』となっていて、多くの方にお薦めしたい本です。
 今回の記事で紹介されている唐猫に関して言うと、最終章である「十四 舶来ペットの功罪」は、ぜひ立ち読みでもいいのでどうぞ(すみません、よくないですね、ご購入を)。
 小見出しだけでも紹介しましょう。

・『あさきゆめみし』の黒猫
・『枕草子』の「命婦のおとど」
・昌子内親王と選ばれた唐猫
・女三宮の身代わりとしての唐猫
・『狭衣物語』と『更級日記』のロマネスク
・『古今著聞集』の不気味な唐猫

 実は、ちょうど私がこの本を読んでいた時に、河添先生から電話をいただきました。読んでいた本を置いて受話器を取ると、何と今読んでいる本の著者だった、という滅多にない出来事でした。意外な、おもしろいことがあるものです。
 先生の用件は、教え子の一人を国文学研究資料館の特別共同利用研究員として受け入れてもらえないか、ということでした。国文学研究資料館は大学共同利用機関なので、全国の大学院生の研究指導のお手伝いをするのも仕事なのです。その時に電話を少し代わってもらい、本人と話をしました。また後日、『河海抄』を研究テーマとするM君に会い、いろいろと話を聞きました。テーマに取り組む姿勢が真摯で、きちんと研究指導を受けた、なかなかの好青年だったので申請を了解し、その後の審査を経て、無事に受理されました。
 M君の今年度の成果は、下記のホームページで公開されることになります。

http://www.nijl.ac.jp/~t.ito/kinoshita/index.html

 『源氏物語』の古注釈を調べることのある方は、しばらくお休みしていたデータベースが再開されますので、お楽しみに。そして、この『湖月抄』のデータベースを一日も早く完成させるためにも、全国の大学院で勉強している学生の方々の積極的な参加を待ち望んでいます。遠方の方でも、遠慮なく問い合わせてください。平成の『湖月抄』を作成するプロジェクトに、若い方々の協力を期待しています。

 駄弁ばかりで恐縮します。

 とにかく、今日の「人脈記」は、非常によくまとまっていたと思います。またまた、欲を言わせていただくと、河添先生の話をもう少し読みたいと思いました。字数の限られた連載なので、毎度のことながら無理を承知の勝手な注文ですが … 。



posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語
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