2008年04月23日

源氏千年(28)朝日「人脈記」2

 朝日新聞夕刊の連載記事である「千年の源氏物語2」のタイトルは「よみがえれ平安の恋歌」です。
 『源氏物語』と和歌とのつながりから、現代文学や新訳へと話は展開します。現代における『源氏物語』の受容を経て生まれる、現代人の感覚による作品の生成へと、話題が流れていきます。
 第2回の話題となり、掲載されている写真は、俵万智さん、田辺聖子さん、大塚ひかりさんです。
 昨日の2人の源氏学者とは打って変わって、著名な女性の源氏読みの登場です。
 昨日は、80代半ばの男性、今日は80と40代半ばの女性です。『源氏物語』を担う世代のバランスがうまく配された構成です。

 まずは、俵万智さん。
 冒頭で紹介されている『サラダ記念日』は、和歌とは無縁であっても、万智ちゃんの短歌を知らない人はいないくらいに、とにかく親しまれている歌人です。
 私も、高校や大学で、これを教材にしておもしろい授業を組み立てたものです。さらには、『サラダ記念日』をデータベース化しました。それをもとにして、「データベースを活用した国語教育」(『国語教師のパソコン』1989年、エデュカ)と題する拙文を発表したりもしました。

 それはさておき、万智ちゃんが魅せられたという田辺聖子の『新源氏物語』へとバトンが渡ります。そしてさらに、今秋より刊行が開始される、大塚ひかりの新訳へとつながります。田辺聖子さんが言われるように、「その時代の文章で訳せばいい。」とされる『源氏物語』は、本当に幸せな作品だと思います。
 ただし最後は、万智ちゃんに全訳への意向を尋ねます。それに対して「『源氏』って奥深いから」と言ってやんわりとかわされて終わるところが、この記事の執筆者である白石さんのまとめ方のうまさだと思います。

 1つ不満を記すならば、取り上げられた話題が少しインパクトに欠けるのでは、ということでしょうか。源氏礼賛に逆らう受容者が登場してもよかったのではないでしょうか。

 さて、明日は誰が登場するのでしょうか。
 毎日が楽しみになりました。



posted by genjiito at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語
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