2008年01月28日

京洛逍遥(23)京都府立陶板名画の庭

 朝から小雪がチラつく日でした。坪庭に雪が覆いかぶさる日を楽しみにしていますが、それほどは降りませんでした。

 家でジッと座ったままで仕事をしていると、足腰が弱ります。散歩を兼ねて、ミゾレ混じりになった頃に、北山大橋の先にある「京都府立陶板名画の庭」へ出かけました。

 名画が陶芸と結びついたのはすばらしいことです。
 比叡山の山頂にある「ガーデンミュージアム比叡」では、印象派の陶板名画を堪能しました。本ブログの「京洛逍遥(14)比叡山のルノワール」(http://blog.kansai.com/genjiito/60)で報告しています。

 「京都府立陶板名画の庭」は、以前から行ってみたかったのですが、それ以上に行きたいところがたくさんある京師なので、その機会がなかなかなかったのです。いつも、ここは素通りでした。
 しかし、陶板の名画なので、こんな天気の日には最適です。


Rsd2dpwx_s名画の庭の入口



 写真の右端に写っているように、この施設の下に、地下鉄烏丸線の北山駅があるのです。
 交通の便のよい割には、参観者は誰もいませんでした。寒い小雪の日に来る人はいないのでしょう。受付の方も、トイレに行っておられたようで、しばらく入口で待ちました。

 入って驚きました。吹き抜けでコンクリートを打ちっぱなしにした壁に、10点に満たない陶板画が飾ってあるのです。陶板画は全部で8点とのことでした。もっとたくさんの陶板画が見られると思っていたので意外でした。
 今思い出しても、解説のパンフレットにある、モネの「睡蓮・朝」(オランジェリー美術館蔵)を見た記憶がありません。あまりにも奇抜な設計だったので、最初の方にあったものを見逃したのでしょうか。

 この建物は、建築家の安藤忠雄氏の設計で、サインデザイン優秀賞を受賞したそうです。独特の雰囲気を持った空間でした。

 スロープを歩いて行くと、まず鳥羽僧正の作とされる「鳥獣人物戯画」(京都高山寺蔵)があります。壁に沿って、巻物が原寸を縦横約2倍に拡大した大きさで、22メートルも続きます。それが甲・乙2巻あります。実物よりも大きいせいか、この方がじっくりと見られます。これは、もう一度見て確認したいものです。
 
 続いて、ミケランジェロの「最後の審判」(バチカン・システィナ礼拝堂)が見えてきます。


3v0edue1_s「最後の審判」




 これは圧倒される大きさで、14メートル×13メートルと、ほぼ原寸大です。近くからではよくわからないので、少し離れてスロープに戻って見るといいようです。実物を見たときよりも、この陶板画の方がインパクトがあります。絵が置かれた場所と景観が、印象に大きく作用するようです。

 レオナルド・ダヴィンチの「最後の晩餐」(イタリア サンタ・マリア・ディレ・グラツィエ修道院)は、ミラノで修復中に見ました。何かと話題になったマグダラのマリアをジッと見ましたが、少しボケているように思えたのは、目の錯覚なのでしょうか。これも、4メートル×9メートルと、ほぼ原寸大でした。これは、2倍にしてほしい絵です。

 続く(伝)張澤端作の「清明上河図」(台湾 台北故宮博物院蔵)は、私には興味がない図柄のせいもあり、パス。

 出口には、スーラの「ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後」(シカゴ美術館蔵)と、ルノアールの「テラスにて」(シカゴ美術館蔵)、そしてゴッホの「糸杉と星の道」(オランダ クレラー・ミュラー美術館蔵)があります。いづれも、原寸を縦横約2倍に拡大した陶板画です。


8xnquss3_s印象派



 この絵の見せ方には疑問を持ちました。
 こんなに解放感のある施設なのに、この3点は隅に押しやられた感じです。また、ガラス越しに見ることになります。私には、こうした意図がわかりません。印象派のものなので、もっと光が当たる広い場所に置いたらいいのに、と思ったのが素直な感想です。


 帰ってから、ホームページでここを確認しました。
 その中に、陶板画の説明が要を得てなされていたので、それを引いておきます。


 陶板画は原画を撮影したポジフィルムから写真を製版して転写した陶板を焼成して鮮やかな色を出したもので、それを組み合わせて一つの巨大な絵画としたものです。
 変色も腐食もしないので永く保存することができ、焼物と芸術の複合した新たな芸術ジャンルと言われています。
 陶板画を製造しているのは、滋賀県信楽町にある大塚オーミ陶業株式会社信楽工場です。




 昨年は、学芸員の資格取得のための授業で、徳島県鳴門市国立公園内にある「大塚国際美術館」のことを知りました。これを機会に、ぜひ徳島まで足を延ばしてみたいと思うようになりました。









posted by genjiito at 02:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎京洛逍遥
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