2007年10月11日

井上靖卒読(16)『春の海図』

 純粋な恋愛小説なのでしょうが、登場人物に精彩がありません。体調の悪い時に読んだせいばかりとは思えません。
 さらには、ストーリーも変化に乏しくて、描写も粗雑なものとなっています。井上靖は、もっと読ませる文章を書く人だったはずです。
 ストーリーが穏やかなのは、いつものことです。人物設定も、3人の男女の関わりで進みます。いつものパターンなのですが、物語を作り過ぎたせいか、一人一人がガラスの人形のようです。
 これは、書かれた時期が影響しているのでしょう。多作の中での1つとして見るべきものなのかもしれません。
 軽く流れていった小説でした。
 私が井上靖の作品の中で注目している「湖」と「月」は出ますが、とりたてて井上らしさはありません。
 残念でした。【1】

初出誌:主婦の友
初出号数:1954年2月〜10月(9回)

角川文庫:春の海図
posted by genjiito at 23:11| Comment(0) | □井上卒読
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