今日は、東京都立川市で『源氏物語』に関する講演会&シンポジウムがありました。自分の職業のことをブログに書く機会が少ないので、報告がてら紹介します。
来年は、『源氏物語』が書かれて千年目にあたります。その根拠は、『紫式部日記』にあります。難しいことは擱いて、とにかく今年から来年にかけては、この『源氏物語』に関するイベントが目白押しです。
私の職場の正式名称は非常に長く、誰も一度で正確には復唱できません。寿限無寿限無のようなもので、「大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館/国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科日本文学専攻国文学研究資料館」(通称「国文研」)です。1つだけでもややこしいのに、1つの組織が2つの役割を果たしています。2年前に、国立の機関から法人の組織となりました。
この組織が、来年の4月から立川に移転します。現在は品川の戸越公園の横にあります。もと細川家の屋敷があったところです。国の方針により、来年から、極地研究所(南極観測で有名)と統計数理研究所と一緒に、立川の建物に活動の拠点を移すのです。その立川移転を控え、記念事業として『源氏物語』の講演会を開催し、地元の方々との親睦をスタートさせようということになったのです。
写真をご覧いただければ分かる通り、大岡信・岡野弘彦・丸谷才一・加賀美幸子という著名な方々をお呼びしての開催です。
あらかじめ葉書で申し込んでいただいたのですが、1,000名の募集に対して2,000名以上もの方が出席の意思を示されました。多くの方々をお断りすることとなり、本当に申し訳ないことです。
さて、満席の会場の最初の挨拶は、今月初旬に当選されたばかりの市長でした。その中で、「国文学研究所」と最後まで何度も仰っていたのが印象的でした。よく間違えられるのです。一緒に立川の建物に入るのが「極地研究所」と「統計数理研究所」です。そして隣の建物には「国立国語研究所」があります。「国文学研究資料館」という名称は、どうも覚えにくいようです。また、海外では、京都にある「国際日本文化研究センター」(日文研)とよく間違えられます。正しく認知されるように、ピーアールすべきなのでしょうが、日本文学を勉強しているせいか、みんな奥ゆかしくて、自己主張が苦手なのです。
講演は、大岡氏がトップバッターでした。「近江の君について」と題して、会場の笑いを誘いながらのお話でした。
2人目は岡野氏。「いろごのみ」に関するお話です。学生時代から個人的に教わることの多かった先生なので、親近感を持って聞きました。
3人目は丸谷氏。「昭和が発見したもの」との演題でしたが、話題が広大でなかなか『源氏物語』に繋がらずハラハラしました。
最後は加賀美氏。「私にとっての『源氏物語』」と題し、元NHKのアナウンサーとしておなじみの朗読を交えることによって、会場の雰囲気をシッカリと掴んでおられました。
後半のシンポジウムは、会場の笑いを誘いながら、司会の伊井春樹国文学研究資料館長の言葉巧みな進行で、大変和やかな雰囲気で行われました。
今回の聴衆は、『源氏物語』のことをよくご存知というよりも、古文を理解できる方が多かったように思います。参加者の年齢層が高かったこともあるのでしょうか。講演内容と、引かれる文章や和歌に対する会場の反応は、非常にレベルの高いものでした。
この講演会は、来月の10月14日(日)の午後6時より1時間、NHK教育テレビで放映されます。一人でも多くの方に、ぜひご覧いただきたいと思います。
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