2020年09月13日

京洛逍遥(656)三条から四条を10分割する呼称は便利か?

 昨日、ネットの「まいどなニュース」に、「3.1条、3.2条…京都の三条、四条間を10分割して呼称しようというアイデアが話題に」(中将タカノリ、2020.09.12)という記事がアップされていました。提案者は、「京大が誇るネタツイマスター」を名乗るミライさん、ということです。

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 確かに、待ち合わせなどで所在地を示す場合には便利そうです。しかし、住所を郵便番号(7桁)と番地の組み合わせの数字列だけで表示することを考えると、この「三条、四条間を10分割して呼称」する提案には、文化がごっそりと抜け落ちていることが気になります。私は、「まる たけ えびす に おし おいけ〜」と覚えているせいもあってか、「3.1条、3.2条……」とされると、かえってピンポイント過ぎて場所がイメージできません。その前に、置き換えに戸惑います。
 コメントとして「京都以外の人に距離感を伝えるユニバーサル呼称として普及してくれればいいなと思います。」とあります。「京都以外の人」とか「ユニバーサル呼称」と説明されると、固有名詞に込められた歴史と文化と使う人の想いが削ぎ落とされていて、文化的な軽薄化や堕落に直結しそうで賛同できません。
 また、「(提案者である)ミライさんによると三条四条間の東西の通りはそれぞれ「六角通=3.25条」、「蛸薬師通=3.5条」、「錦小路通=3.75条」となるらしい。」ともあります。ここまで来ると、住んでいる人たちの想いは完全に無視されています。便利さだけを追求した結果なのでしょう。便利なケースは想定できても、トータルとして今の地名に置き換わるものではないように思われます。
 かつて(1996年まで)一世を風靡したポケベル(携帯型の無線端末機、ページャー)の、数字だけでコミュニケーションをしようとした時代への逆行という連想も働きます。今では、「724106」=「ナニシテル(何してる?)」という表現は伝わらなくなっています。

 京都市営地下鉄には、次の番号が付いています。

 K01 国際会館駅
 K02 松ヶ崎駅
 K03 北山駅
 K04 北大路駅
 K05 鞍馬口駅
 K06 今出川駅
 K07 丸太町駅
 K08 烏丸御池駅
 K09 四条駅
 K10 五条駅
 K11 京都駅
 K12 九条駅
 K13 十条駅
 K14 くいな橋駅
 K15 竹田駅

 これを、最初のアルファベット一文字「K」(烏丸線)と2桁の数字の組み合わせによる3文字だけで示すと、どこの駅なのか、かえってわからなくなります。「K11」で乗り換えてください、と言われても、すぐにはわからなくて、変換表が必要になります。一時的に街を訪れる海外からの旅行者にとっては、移動の時には助かるでしょうが。

 伝統と文化が絡み合うものごとには、なかなか変えられない背景と事情がある例として、ここに取り上げてみました。
 
 
 
posted by genjiito at 20:35| Comment(0) | ◎京洛逍遥