2020年08月31日

35年前の活字タイプライタ式プリンタの資料

 資料を整理していたら、珍しいものが出てきました。
 日本語タイプライタとパソコンが連動する、昭和60年(1985)当時としては画期的な製品です。「デルクプリンタ」という名前でした。発売元は日本タイプライターです。
 まさに、日本語を駆使する日本人ならではの発想の産物だといえます。
 この商品に注目したのは、当時、私は新設の高校で日本語タイプライタ部を立ち上げ、顧問をして生徒に日本語タイプライタの指導をしていたことも関係しています。パンライタと言う、日本語の活字を並べたものでした。コンピュータが社会に出現し、その印字をどうするかを試行錯誤していた時代の話です。
 コンピュータの草創期は、こんな豊かな発想を実現する人たちが多くいた、夢を実現する時代でもありました。

 このプリンタは、箱の中に仕組まれた活字のプレートが上下左右のみならず前後に動き回り、必要な活字の箇所を選び出して紙に押し付けて印字するものです。

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 それまで市中に出回っていたワイヤを使ったドット・インパクト・プリンタの概念をまったく打ち砕く発想に感激し、いてもたってもいられなくなりました。そこで、発売されてすぐに、その販売元であるランドコンピュータへ足を運びました。新大阪駅に近い西中島南方という地下鉄の駅の近くにあるビルに、35年前のちょうど8月末日の暑い日に行きました。その時、その会社に一緒に行ったのが、昨年から大阪大学で私が研究ができるようにしてくれたO氏です。人間は、いろいろなところでつながっていて、いろいろなことを一緒にやってきたことを感慨深く思い出しています。

 さて、このデジタルとアナログが合体したプリンタは、目の前でボコボコと音を立てて文字を打ち出してくれました。常識を打ち破るものだったので、大きな感動を受けたことは、今でも忘れません。
 印字テストも今回出てきたので掲載します。上段がこの「デルクプリンタ」での印字。下段が、同じデータを、当時一般的だった8ピンのドットプリンタで印字したものです。

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 このプリンタに目を付けたのは、『源氏物語別本集成』を刊行するのに、版下を自宅で作成してオフセットで印刷することを考えていたからです。最終的には、キャノンのレーザーショットにしました。しかし、この「デルクプリンタ」の印字品質の高さには、しばらく後ろ髪を引かれる思いでいました。
 ランドコンピュータを訪問し、実物を確認して、見積書をいただきました。日付は、昭和60年8月30日となっています。騒音や外字のことなどで、結局は発注しませんでした。記念すべき見積書なので、掲載します。ワープロソフトは、「松」から「一太郎」に移行した時代であることが、備考欄から伺えます。

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 以下に、その時にランドコンピュータからいただいたパンフレットを掲載します。コンピュータの歴史を記述する上で、これらは貴重な資料となることでしょう。

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posted by genjiito at 23:54| Comment(0) | ◎情報社会