2020年08月26日

読書雑記(293)船戸与一『鬼畜の宴』

 『ゴルゴ13 ノベルズU 鬼畜の宴』(船戸与一、小学館文庫、2017年6月)を読みました。

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 アマゾンで凄惨な殺戮が行われる場面から始まります。その仕掛け人がいかに非情な人間であるかを象徴するものです。
 その話の展開として、ゴルゴ13とスパルタカスの対決が、ローマのコロッセオで設営されます。しかもそれが、中継されるのです。作者は、この現場をことばで表現することに挑戦しています。その迫力は、ことばだけではなかなか伝わりにくいようです。
 勝ったゴルゴ13にスパルタカスが言います。道楽のために人間の命を弄ぶ3人の鬼畜を始末してくれと。それも160万ユーロで。その様子を中継で見ていた3人は、マフィアによって身を守ろうとします。
 背後には、シエラレオネの孤児を守る話も展開しています。話は、イタリアから南アフリカに飛びます。マザー・ミランダへの誕生日のプレゼントが3万ヘクタールの土地です。シエラレオネの子供たちの役に立つものです。この辺りは、もっと語ってほしいところでした。
 全体的なまとまりがないのは、原作が劇画だということに起因します。あまり完成度は高くありません。作者の苦労が偲ばれました。【1】
 
 
 
posted by genjiito at 22:24| Comment(0) | ■読書雑記