2020年07月29日

読書雑記(290)うおやま『ヤンキー君と白杖ガール 4』

 『ヤンキー君と白杖ガール 4』(うおやま、KADOKAWA、2020年6月)を読みました。

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 ヤンキーの黒川とユキコがお互いの愛情を表現するのに、回りくどい方法と考えでドタバタ喜劇を演じます。若者の気持ちをうまく描き出しています。
 ユキコの姉のイズミは、シシオが好きです。しかし、シシオは男にしか興味がない、同性愛者でした。これが、今後どのように展開していくのか、大いに楽しみです。
 この巻では、強く生きる弱視のユキコが前面に出ています。この逞しさに満ち溢れる話には、読む者に問題点の所在を気付かせ、やがて共感と元気を与えてくれます。心憎い表現手法だと思いました。
 アルバイトを諦めそうになった時、「やりたいこと」が大事だ、と教えられます。そして、最後に「メリットがありますか? ハンデのあるあなたを あえて雇うメリットが」というフレーズが印象に残りました。作者は読者に、登場人物を介していろいろなメッセージを送ってきます。その多彩さは、再読するとまた別の視点から新たな気付きに導かれます。
 特に大きな問題提起がある巻ではありません。しかし、思うように物が見えない人を取り巻く人々の反応や変化が、手堅く着実に描き出されています。共感を得ながら理解が深まる環境が生まれていく様が、こうしたコミックというスタイルを通して若者たちに読まれていく意義は、非常に大きいと思います。
 前向きに生きる若者たちの群像が、弱視の少女の生きざまを通して語られていくのです。
 次巻が、また楽しみです。【4】
 
 
 
posted by genjiito at 22:56| Comment(0) | ■読書雑記