2020年06月19日

コロナ対策について観光学の分野から成果が社会還元されているのか?

 大阪市内での打ち合わせに出席するため、京阪電車で出かけました。通勤時間帯ではなかったこともあり、車内はガラガラです。40席ほどある大好きなダブルデッカーには、道中4〜10名の方が乗り降りしておられました。旅行者らしき人はゼロです。京橋駅の手前の枚方市駅を過ぎると、少し増えました。しかし、それでも、2人シートに1人がせいぜいなので、広さの半分以下の乗客です。この沿線住民の問題意識が高く、新型コロナウイルスの感染拡散に注意が行き渡っていることを実感します。
 さて、これから海外の旅行者が日本に来だした時、移動手段として交通機関を使うようになると、この状況はどうなるのでしょうか。今のような整然としたマナーは、望むことができないことはわかります。その事態にどう対処すべきか、各機関は検討しておられるとは思うものの、不安な思いを抱いています。
 本日より、国内の移動の制限が緩和されました。都道府県を跨ぐ移動が解禁となったのです。観光客の増加を、これまで通りに是とするのであれば、早急に対応策が求められます。これまでの観光客を呼び込む施策を見直し、新しい観光の規範を考える時です。一日も早い検討が求められます。さて、国は、都道府県は、このことでどのように動いているのでしょうか。大阪を中心とする関西は、すでに検討が進んでいることでしょう。他府県に跨る問題だけに、全国的な動きが気になります。
 お金儲けが前面に出る問題だけに、ここには難儀な課題が突きつけられています。それだけに、観光地とその周辺で生活する住民のことをどこまで視野に入れて検討がなされているのか、大いに気になるところです。「観光客はもういらない」という考えが、京都では住民に広がっています。経済が最優先のメンバーによる検討に終わらないことを願います。住民を抜きにしての観光の見直しは、もう時代遅れです。オーバーツーリズムの問題にどう対応するかが、議論の中心となるべきでしょう。
 それにしても、観光に関する研究をしている、して来た研究者は、こうした問題にどのような対応策を持ち、それを提示しておられるのでしょうか。新聞や雑誌を含めて、マスコミが流す報道には、観光分野の研究者の発言が見られないように思います。旅行業者や宿泊施設やお土産物屋さんの苦境ばかりが報じられています。
 私は、日本では観光学が未成熟だと、本ブログでも以前から公言しています。今も変わりません。観光学は、これまでの研究成果を基にして、現状の対処策を社会に還元してしかるべきです。それがいまだに見られない(と思われる)のは、観光に関する研究が、学問として体をなしていなかったと言わざるを得ません。私が「未成熟」と言って来たこの「学」のことは、期せずして新型コロナウイルスの問題が国の重要な課題となり、今はここに行きついていると思っています。
 専門外の立場からの発言なので、観光を専門に研究なさっている方々や、関連諸科学の分野の方からは、ご批判やご批正があることでしょう。今を機会にご教示いただけると、さらに広く観光に関する学問的な理解が深まると思われます。そして、私もこの分野の勉強をして、いろいろと考える一助にしたいと思っています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:24| Comment(0) | ◎情報社会