2020年02月22日

第8回池田亀鑑賞授賞式-2019

 昨秋予定していた第8回池田亀鑑賞授賞式は現地の都合などで延期となり、いろいろとご心配をおかけしていました。関係者のみなさま方のご尽力が結集することにより、無事にイベントを終えることができました。ありがとうございました。
 以下、2019年度の第8回池田亀鑑賞授賞式の様子を、速報として取り急ぎ報告します。

 今回は、このイベントを後援しているNPO法人〈源氏物語電子資料館〉の若手育成プロジェクトの一環として、大学3回生の吉村君を同道しました。2年前には、大学2回生の田中君を引率して参加しました。とにかく、百聞は一見に如かず、です。貴重な体験を通して、これからのNPO活動に活かしてもらいたいと思っています。

 いつもより早いお昼前に、伯備線の生山駅に着く特急「やくも」で日南町に降り立ちました。町役場の松本さんが出迎えてくださり、町内を案内してくださいました。これは、若者に日南町という町を実際に歩いて体感してもらうことが本旨です。

 まずは、今回の主役である池田亀鑑の文学碑です。今年は例年と違って雪がまったくない中で、碑の前には少しだけ雪がありました。

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 井上靖の小説『通夜の客』に出てくる上石見駅では、通過する特急「やくも」と出会えました。

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 井上靖記念館である「野分の館」の前にも、少し雪が残っていました。

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 この中の展示品に、翻訳本があります。ほんの少ししかないので、いつか手持ちの翻訳本で、補充のお手伝いをしようと思っています。

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 松本清張文学碑の建つ地にも連れていっていただきました。清張の父が生まれた矢戸の家は、この文学碑から目の前、写真に写る緑の信号の向こうに望めます。

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 清張は、『父系の指』の中で次のように言います。

私は幼いころから何度も父から矢戶の話を聞かされた。矢戶は生れた在所の名である。父の腕を手枕にして、私は話をきいたものであった。


 清張の作品を読む時、私はいつもこの父の存在に注意をはらっています。

 授賞式の会場では、準備が着々と進んでいます。

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 いつものことながら、池田亀鑑文学碑を守る会のみなさまは、お客様を迎える用意に余念がありません。資料の袋詰めも終えたところです。

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 会場には50名の皆様がお集まりになりました。後半ではさらに増えたために、机と椅子が追加分として運び込まれました。毎年、こうして60名もの聴衆が町内から集まってこられます。専門的な話が多いイベントにもかかわらず、こうして熱心に参集してくださいます。日南町は、文学と文化に対する意識の高い町です。

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 最初に、池田亀鑑文学碑を守る会の加藤会長から挨拶です。

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 今回の第8回で一区切りとし、次回からは再検討をしていくつもりである、という今後の方針が示されました。

 引き続き、池田亀鑑賞授与式に移ります。
 今回の受賞作品は、本宮洋幸氏(北海道武蔵女子短期大学・准教授)の『うつほ物語の長編力』(新典社研究叢書 311、2019年3月)です。

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 選考の経過を、今回から選考委員長となられた妹尾好信先生より、受賞作を手に、わかりやすい説明がありました。

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 来賓挨拶としては、代表して中村英明町長が話されました。
 水と緑と文学にふれる町を標榜する日南町の中にあって、この池田亀鑑賞は誇るべき賞であることを讃えてくださいました。そして、今回を一つの区切りとしても、あと2回、第10回までは続けていきたい、と力強く宣言されました。池田亀鑑賞の設立から運営に関わってきた者の一人として、心強い支援のことばにさらなるエネルギーをもらえる言葉として聞きました。
 開会前に町長にはご挨拶にうかがいました。その時にも、池田亀鑑賞の今後のあり方について、明るい展望を示してくださったので、このご挨拶でこれが確信につながっていきました。

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 受賞者の記念講演は、会場にお集まりの町民の方々にもわかるように、丁寧に優しく語りかけてくださいました。

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 特別講演は原豊二さんです。地元の話題を取り上げて、会場を引きつけたお話でした。

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 最後は私が、池田亀鑑の仕事でもあった古写本を読む追体験講座です。今回で6回目となりました。テキストは、昨秋発見されたことで話題となった、定家自筆本「若紫」です。橋本本と大島本も、その字母を確認しながら一緒に見ていきました。

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 今年も、石見まちづくり協議会の吉澤会長による閉会の挨拶で締めくくられました。

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 閉会式の後は、恒例となった受賞者と一緒に池田亀鑑文学碑の前で、関係者一同での記念撮影です。

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 その後は、場所を岡山駅前に移し、受賞の祝賀会と懇親会を開きました。
 町長の力強い池田亀鑑賞を継続するという言葉をいただいた後ということもあり、早速これからの予定を相談しました。第9回池田亀鑑賞の授賞式は、本年2020年11月28日(土)ということで確認したところです。選考方法については、これから詳細を詰めていきます。これまでの応募方式とは違うものとなります。このことについては、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページと本ブログを通して、告知・広報しますので、いましばらくお待ちください。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | □池田亀鑑