2020年02月29日

予測できない日々の中で

 今日は、いつもより1日多い2月29日です。
 1日得をした、とのんきなことを言ってはいられません。
 コロナウイルスの猛威が、日本中を掻き混ぜています。
 さまざまなイベントが中止となっています。
 今日の「紫風庵」での勉強会は、急遽中止としました。
 明日のお茶のお稽古も、お休みすることにしました。
 大和平群まで4回も乗り換えて、しかも2時間もかかります。
 人との接触と身の安全を守る意味から、残念ながら断念です。
 来月中旬の、お茶の研究会も中止です。
 大徳寺からは、来月中旬のお茶会を中止にする、とのはがきが届きました。
 3月18日から23日まで、ミャンマーのヤンゴンへ行く準備が進んでいます。
 チケットとホテルの予約は終わっています。
 しかし、これもどうなるのか、わからなくなりました。
 みなさまそれぞれに、予定が突然に変更されることが起きていることでしょう。
 ことが命にかかわることなので、慎重に対処し、真剣に受け留めなければなりません。
 事態の急転に対応するためにも、ニュースのチェックが欠かせません。
 明日から3月です。
 まずは、3日から、白内障の手術のためにしばらく入院します。
 予測不能な、不安定なひと月になりそうです。
 最適な判断で日々を送ることにします。
 
 
 
posted by genjiito at 23:10| Comment(0) | *健康雑記

2020年02月28日

京洛逍遥(593)京都市役所にNPOの書類を提出

 特定非営利活動法人(NPO)〈源氏物語電子資料館〉に関する書類を、京都市役所へ提出するために行きました。
 いつものように、ホテルオークラの真向かいにある東口から入ろうとしました。しかし、工事期間中でも開いていた工事塀の一角が、完全に塞がれています。それではと正面に回っても、市役所の本館には行けません。

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 工事関係者に聞くと、反対側の北口から入れる、とのことです。ちょうど建物を時計回りに一周させられました。
 北口から入ろうとしても、それらしき入口がありません。ガードマンの方に聞くと、私が行きたいNPO関係の部署は、ここではなくて、さらに向かいにある、分庁舎地下1階に移っているとのことです。しかも、3人目の方が教えてくださいました。グルグル回って15分。昨夏から、まったく様子が違っています。

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 地域自治推進室は、だだっ広いフロアの一角にありました。正確には、「京都市文化市民局地域自治推進室市民活動支援担当」という係です。

 あらかじめ電話で訪問の意図を伝えてあったので、対応は迅速にしていただけました。ここは、いつもテキパキと気持ちのいい対応をしてくださいます。
 ここ数日、かかりっきりで作成した書類は28枚。対応してくださった係員の女性は、一旦自分の席に持ち帰って点検しておられます。そして、まもなく1枚だけ斜線で訂正する指示があった以外は、問題なしということで受け取っていただけました。
 書類作成が大の苦手な私には、あれだけ四苦八苦して作成したものが、あっけないほど短時間で受理され、拍子抜けです。安堵とともに、ドッと疲れが出ました。

 気分転換を兼ねて、すぐそばの夏目漱石の句碑がある御池大橋を渡りました。ここから下の三条大橋を眺めるのは久しぶりです。そして、写真を撮るのは初めてのように思います。

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 その三条大橋の袂にあるブックオフに、ブラリと立ち寄りました。ここでは、意外な本との出会いがあります。今日は、版本のお茶の本がありました。『茶式花月集 上・下・後編上・後編下』の四冊です。天保10年の板行なので、おもしろいと思っていただいてきました。さて、どんな内容が書いてあるのか、これからパラパラと気ままに読みたいと思います。

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posted by genjiito at 20:54| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年02月27日

《速報》今週26日(土)の「紫風庵」での勉強会は中止します

昨夜の本ブログで、明後日26日(土)に「紫風庵」で開催する勉強会のご案内をしました。

「「源氏物語と36歌仙を変体仮名で読む会」(第9回)のお知ら」(2020年02月26日)

しかし、コロナウイルス流行のこともあり、残念ながら、今回は中止とさせていただきます。
時節の配慮に欠くご案内をしてしまい、大変失礼しました。

参加の心づもりをなさっていた方から、「コロナ感染症リスク回避のため残念ながら欠席します」などの連絡をいただきました。開催する者として思いが及ばず、いつものように参加してくださっている方々へ案内のメールを差し上げてしまい、恐縮しています。
突然の中止のお知らせとなり、もうしわけありません。

次回は、3月28日(土)午後2時から、いつものように「紫風庵」さんで開催します。
また、みなさまと一緒に楽しく変体仮名を読みましょう。

どうぞ、外出や集まりへの参加などには、十分にお気をつけください。
 
 
 
posted by genjiito at 10:56| Comment(0) | ◎NPO活動

2020年02月26日

「源氏物語と36歌仙を変体仮名で読む会」(第9回)のお知らせ

 本日26日(水)の京都新聞「まちかど」欄に、次の紹介記事を掲載していただきました。

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 会場は、平安京の北の基点となった船岡山のすぐ南にある、登録有形文化財に指定されている「紫風庵」です。その「紫風庵」で、ハーバード本「須磨」巻を読むと共に、「紫風庵」所蔵で江戸時代に描かれた三十六歌仙の絵と和歌を読んでいます。平仮名は変体仮名を再確認しながら、書かれた文字を忠実に読んでいきます。
 江戸時代に描かれた三十六歌仙については、その絵が貼られた襖がある部屋で、しかも間近に見ながら、一文字ずつを解読していきます。

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 「紫風庵」に所蔵されている「三十六歌仙」の詳しいことは、「京洛逍遥(538)登録有形文化財「紫風庵」の三十六歌仙絵」(2019年04月13日)をご覧ください。

 前回の活動の記録は、「紫風庵で三十六歌仙と源氏物語の変体仮名を読む(第8回)」(2020年01月25日)に詳しく書いています。

 今回は、南側右第2領の襖絵(小大君、藤原仲文、大中臣能宣朝臣)の3歌人を読みます。

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 1年かけて、この三十六歌仙に取り組んでいます。ぜひこの機会に、生きた古典と接する得難い体験の場としてください。初心者を意識して、丁寧に変体仮名を読むコツなどを説明します。
 前々回から全盲の方も、あらかじめ作成した立体コピーを指でなぞりながら、果敢に触読の挑戦をなさっています。その様子は、「「紫風庵」での触読に関する報告(その2)」(2020年01月27日)をご覧ください。上記新聞記事の末尾には、今回から「視覚障害者可」と記しています。「紫風庵」のすぐそばには、京都府立盲学校と京都ライトハウスがあります。目の見えない方でも、変体仮名が一緒に読めるように手ほどきもしています。お知り合いで、昔の仮名文字が読んでみたいという方がいらっしゃったら、お問い合わせください。ご説明いたします。
 この勉強会に参加を希望される方は、このブログのコメント欄をご利用ください。折り返し、説明の返信を差し上げます。
 なお、この学習会は、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する企画です。小規模ながら、地道に気長に活動を続けています。
 『源氏物語』ともども、「三十六歌仙」という古典文学作品を生で鑑賞し、そこに書かれた文字を忠実に翻字していくことに興味をお持ちの方の参加をお待ちしています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:31| Comment(0) | ◎NPO活動

2020年02月25日

またソフトの法人契約で不愉快な思いをしています

 コンピュータのウイルス・セキュリティ対策として、ソースネクストの「ZERO スーパーセキュリティ」というソフトを導入しました。法人契約で10本を使えるようにしたのです。
 いろいろとあって、ようやく契約が成立し、本日、認証書類を受け取りました。しかし、インストールの段階からつまずいています。うまくいかないのです。
 記されている連絡先に電話をすると、こちらは契約と販売の窓口だということで、製品サポートの連絡先を教えてもらいました。しかし、そこに電話を何度しても、無情な女性の声が流れるだけでつながりません。一日中、個人持ちの携帯電話の接続状態を、今か今かと監視しているわけにもいきません。
 送られてきたプリント3頁分を、研究室に来ている研究協力者6人で何度も読み、試みてもダメです。なまじ、日本語の読解力があるメンバーがやるために、うまくいかないとしか思えません。そのうち2人は留学生です。
 書面に書かれていることを正確に解釈したのではいけないとしたら、このメンバーでのインストールは不可能です。何か、落とし穴があるに違いありません。問題が解決した暁には、なーんだ、ということになるのでしょう。コンピュータに35年以上も関わっていると、これまでに嫌というほどこうした洗礼を受けて来ています。いまだにそうか、というのが正直な思いです。
 とにかく、プリントに書いてあるようには、インストールも認証も進まないのです。送られてきたプリントのようには画面が展開しないので、このプリントが間違っているとしか思えない、ということになりました。とにかく、みなさんには限りある時間で研究協力をしてもらっているので、今日のところは断念しました。また明日、チャレンジします。6人のメンバーが、膨大な時間をドブに捨てています。
 なお、このソフトウェアは私が個人的に自宅で使っていて、使い勝手がいいものなので研究室の10台のパソコンを対象にして法人契約をしました。しかし、複数利用のハードルはとてつもなく高そうです。
 そのことが関係してか、インストールを試みている途中で、私がこの会社から購入しているソフトのリストが表示されました。私の購入履歴が画面に出た時には、なんともユーザー管理が杜撰な会社だな、と思いました。私の研究室にいるメンバーは気心の知れた仲間です。しかし、セキュリティ関係の会社のソフトをインストールする時に、私のプライバシーがみんなにも見られるような仕様は、いかがなものなのでしょうか。このような、セキュリティ意識のない会社が販売しているセキュリティーソフトは、そもそも何なのかと考え込んでいます。不可思議です。

 同じようなことが、「エバーノート・ビジネス」というソフトウェアにもあります。
 これも、10台分を2年前に学校法人で契約しました。ところが、ソフトウェアとそのシステムは非常に出来の良いものなのに、その契約と販売を委託されて担当しているNTTドコモの対応がでたらめです。一番始末におえないのは、対応の中で明らかな嘘を保身のためか平気でつかれることです。これには、私以上に契約対象である大学側の事務担当者も呆れています。
 私は、個人的に「エバーノート・プレミアム」を3本分使いこなしています。いいアプリです。しかし、「エバーノート・ビジネス」は、これ以上使い続けるとストレスが溜まる一方で、身の破滅の予感がします。残念ながら使い続ける気が失せたのと、別の代替ソフトとして「Slack」を見つけたこともあり、この「エバーノート・ビジネス」は来月解約します。また、あの嘘つきおじさんと揉めることでしょう。それを思うと、うんざりします。
 思い出すのも忌まわしいので、この件についてはこれまでブログに書きませんでした。今後の相手の出方によっては、何があったのか、その事実を正確に報告するつもりです。
 なお、「エバーノート・ビジネス」の研修会に行った時のことを、「エバーノートビジネスの研修会に参加して」(2019年10月21日)に書いています。導入を考えておられる方は、この記事もご覧ください。なお、この時にも、上述の問題は解決しませんでした。開発者と販売担当とは、意思の疎通を欠いているようです。

 「ZERO」にしても「エバーノート・ビジネス」にしても、共に開発会社と委託販売業者が別々だという点が、こうして不愉快な思いをさせられる最大の難点です。これから法人契約を考えておられる方は、この点の確認をなさった方がいいかと思います。販売・契約を下請けに丸投げしている会社の商品には、くれぐれもお気をつけてください。
 
 
 
posted by genjiito at 20:29| Comment(0) | ◎情報社会

2020年02月24日

京洛逍遥(592)早々と水温む一日となりました

 賀茂川散歩は、もうダウンのコートがいらなくなりました。
 ぽかぽかとした河原を歩いていると、風が心地よく通ります。
 のんびりと歩く人が多くなりました。
 観光客はまったくいないところなので、いつもの人たちがマイペースで歩いたり走ったりしています。
 買い物帰りの人もいて、時間は止まっています。

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 北山大橋の向こうには、まだ霞がかかっています。

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 いつもはグレーの鷺が陣取っている岩に、今日は黒鵜が座を占めています。
 賀茂川の水が温んできたので、油断したのでしょうか。
 比叡山が、背後の植物園と京都府立大学の向こうに、壁のように聳えています。

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 鴨は周りのことは我関せずと、生真面目に泳いでいました。

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 春を迎える準備が整った川べりからの様子です。
 
 
 
posted by genjiito at 20:58| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年02月23日

バイキング形式の食事の取り分けは衛生上大丈夫?

 今朝は、岡山駅前のホテルで目覚めました。
 少し仕事をしてから、バイキング形式の朝食をいただきに、階下へ行きました。
 入口で食事券を渡すと、手にアルコールスプレイをしてくださいました。
 バイキングは、狭い所に多くの皿などが並べられていました。
 そして、ほとんどが、トングという食材をつまむ道具で、自分の皿に取り分ける方式でした。
 そのトングが、金属の輪で開閉を調節するものだったので、その輪をずらすとパッとトングが開きます。しかも、バネの具合もあって、勢いよく開くのです。慌てて落としたりもしました。食材の上に落とす方もいらっしゃったので、不潔だなと想いました。別の道具がないかを見回しても、それらしきものは見当たりません。みなさん、それを使っておられます。
 そういえば、昨年末の中国・広州のホテルでも、朝食はバイキング形式でした。おかずは、菜箸でとりました。あれも、あまりきれいなものではありませんでした。
 今朝のホテルでは、狭い空間で各自が食材を取り合うので、結構身体は当たります。
 そりよりも何よりも、並んでいる大皿に付いているトングを、みんなが取っ換え引っ換え使っては返し使っては返しを繰り返します。コロナウイルスが問題になっている時期なので、入口で消毒スプレイしておられました。しかし、このトングをみんなが使い回している光景に、しだいに違和感を覚えるようになりました。これまでに、バイキングでは、こうしたトングや菜箸を使って取り分けることが多かったように想います。これは、衛生上、どうなのでしょうか。
 とくに、身体に異常はなかったようなので、目くじらを立てるほどのものではないのかもしれません。しかし、どうもすっきりしません。
 来月下旬には、ミャンマーに1週間ほど行きます。その時の食事については、あらかじめ調べておくことにします。そして、自室で食事をすることも検討したいと想います。
 コロナウイルスの問題を契機として、目に見えない敵から身を守るための、いろいろなことを考えるようになりました。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | *美味礼賛

2020年02月22日

第8回池田亀鑑賞授賞式-2019

 昨秋予定していた第8回池田亀鑑賞授賞式は現地の都合などで延期となり、いろいろとご心配をおかけしていました。関係者のみなさま方のご尽力が結集することにより、無事にイベントを終えることができました。ありがとうございました。
 以下、2019年度の第8回池田亀鑑賞授賞式の様子を、速報として取り急ぎ報告します。

 今回は、このイベントを後援しているNPO法人〈源氏物語電子資料館〉の若手育成プロジェクトの一環として、大学3回生の吉村君を同道しました。2年前には、大学2回生の田中君を引率して参加しました。とにかく、百聞は一見に如かず、です。貴重な体験を通して、これからのNPO活動に活かしてもらいたいと思っています。

 いつもより早いお昼前に、伯備線の生山駅に着く特急「やくも」で日南町に降り立ちました。町役場の松本さんが出迎えてくださり、町内を案内してくださいました。これは、若者に日南町という町を実際に歩いて体感してもらうことが本旨です。

 まずは、今回の主役である池田亀鑑の文学碑です。今年は例年と違って雪がまったくない中で、碑の前には少しだけ雪がありました。

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 井上靖の小説『通夜の客』に出てくる上石見駅では、通過する特急「やくも」と出会えました。

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 井上靖記念館である「野分の館」の前にも、少し雪が残っていました。

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 この中の展示品に、翻訳本があります。ほんの少ししかないので、いつか手持ちの翻訳本で、補充のお手伝いをしようと思っています。

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 松本清張文学碑の建つ地にも連れていっていただきました。清張の父が生まれた矢戸の家は、この文学碑から目の前、写真に写る緑の信号の向こうに望めます。

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 清張は、『父系の指』の中で次のように言います。

私は幼いころから何度も父から矢戶の話を聞かされた。矢戶は生れた在所の名である。父の腕を手枕にして、私は話をきいたものであった。


 清張の作品を読む時、私はいつもこの父の存在に注意をはらっています。

 授賞式の会場では、準備が着々と進んでいます。

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 いつものことながら、池田亀鑑文学碑を守る会のみなさまは、お客様を迎える用意に余念がありません。資料の袋詰めも終えたところです。

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 会場には50名の皆様がお集まりになりました。後半ではさらに増えたために、机と椅子が追加分として運び込まれました。毎年、こうして60名もの聴衆が町内から集まってこられます。専門的な話が多いイベントにもかかわらず、こうして熱心に参集してくださいます。日南町は、文学と文化に対する意識の高い町です。

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 最初に、池田亀鑑文学碑を守る会の加藤会長から挨拶です。

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 今回の第8回で一区切りとし、次回からは再検討をしていくつもりである、という今後の方針が示されました。

 引き続き、池田亀鑑賞授与式に移ります。
 今回の受賞作品は、本宮洋幸氏(北海道武蔵女子短期大学・准教授)の『うつほ物語の長編力』(新典社研究叢書 311、2019年3月)です。

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 選考の経過を、今回から選考委員長となられた妹尾好信先生より、受賞作を手に、わかりやすい説明がありました。

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 来賓挨拶としては、代表して中村英明町長が話されました。
 水と緑と文学にふれる町を標榜する日南町の中にあって、この池田亀鑑賞は誇るべき賞であることを讃えてくださいました。そして、今回を一つの区切りとしても、あと2回、第10回までは続けていきたい、と力強く宣言されました。池田亀鑑賞の設立から運営に関わってきた者の一人として、心強い支援のことばにさらなるエネルギーをもらえる言葉として聞きました。
 開会前に町長にはご挨拶にうかがいました。その時にも、池田亀鑑賞の今後のあり方について、明るい展望を示してくださったので、このご挨拶でこれが確信につながっていきました。

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 受賞者の記念講演は、会場にお集まりの町民の方々にもわかるように、丁寧に優しく語りかけてくださいました。

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 特別講演は原豊二さんです。地元の話題を取り上げて、会場を引きつけたお話でした。

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 最後は私が、池田亀鑑の仕事でもあった古写本を読む追体験講座です。今回で6回目となりました。テキストは、昨秋発見されたことで話題となった、定家自筆本「若紫」です。橋本本と大島本も、その字母を確認しながら一緒に見ていきました。

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 今年も、石見まちづくり協議会の吉澤会長による閉会の挨拶で締めくくられました。

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 閉会式の後は、恒例となった受賞者と一緒に池田亀鑑文学碑の前で、関係者一同での記念撮影です。

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 その後は、場所を岡山駅前に移し、受賞の祝賀会と懇親会を開きました。
 町長の力強い池田亀鑑賞を継続するという言葉をいただいた後ということもあり、早速これからの予定を相談しました。第9回池田亀鑑賞の授賞式は、本年2020年11月28日(土)ということで確認したところです。選考方法については、これから詳細を詰めていきます。これまでの応募方式とは違うものとなります。このことについては、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページと本ブログを通して、告知・広報しますので、いましばらくお待ちください。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | □池田亀鑑

2020年02月21日

デューク・エイセスの吉田さんの訃報を知って

 今朝の新聞に、「デューク・エイセス」のセカンドテナーだった吉田一彦さん(84歳)がお亡くなりになったことが報じられていました。

 本ブログの「大阪中之島の中央公会堂での入学式」(2018年04月01日)で、次のように書きました。

 今から40年ほど前になります。大阪府立の高校で教員をしていた時、視聴覚観賞行事でこの中央公会堂を使いました。私が担当だったので、いろいろと検討を重ねた末に、デュークエイセスを呼んで男声コーラスグループの歌声を聴くことにしました。そして、司会役として私はこの壇上でマイクを握ったことを思い出しました。この公会堂は、私にとっても懐かしい舞台です。


 この出演依頼の経緯と調整にあたっては、吉田さんが大阪のご出身だったこともありました。
 「デューク・エイセス」は、2017年に解散。「にほんのうた」シリーズの「いい湯だな」や「女ひとり」、そして「遠くへ行きたい」などは、今も多くの方が歌えると思います。私の個人的な記憶では、「鉄人28号」や「忍者部隊月光」、さらには「ララミー牧場」も蘇ります。

 一昨日(2月19日)の記事、「若者と話をしていて「死語」とか「廃語」について考える」で、5つの言葉を引きました。実は、ここには揚げなかったものに、「ダークダックス」「デューク・エイセス」「ボニージャックス」がありました。若い方々は、この四人組の男声コーラスグループのことは、まったく知らないとのことでした。そのため、例示の中には含めませんでした。来週、「いい湯だな」や「女ひとり」という歌は知っているのか、聞いてみることにします。
 
 
 
posted by genjiito at 18:43| Comment(0) | *身辺雑記

2020年02月20日

京洛逍遥(591)梅の開花と廻転寿司屋の開店

 白川疎水の植え込みの梅が花開きました。

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 洛北阪急スクエア(旧称:カナート洛北)に、新たに廻転寿司屋さんがオープンします。

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 この「CHOJIRO(長次郎)」は、奈良にあったお店によく行きました。少し上品なお店でした。京都では、四条木屋町のお店は、接客態度に疑問を持ってから行かなくなりました。
 さて、この新しいお店はどうでしょうか。英語表記なので、海外の方を意識しているのでしょう。しかし、この高野地域は観光地ではないので、海外からのお客さんはあまりいません。個人的には「長次郎」の方がよかったと思います。さて、どうでしょうか。今から楽しみです。
 ただし、この開店日には、残念ながら私は白内障の手術で、この近くの京大病院に入院しています。退院したら、すぐに様子を見に行くつもりです。

 おまけとして、我が家のハリネズミのハッチャンが、夜中になるとクルクルと回っている写真を紹介します。真夜中に、一人で運動会をしているのです。

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posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年02月19日

若者と話をしていて「死語」とか「廃語」について考える

 科研運用補助員として研究協力をしてもらっている学生さんと話をしていると、単語が共有できないことがしばしばあることに気付かされます。私が使う単語を、聞いたことはあるが、とか、知らなかった、と言われると、世代間のギャップをストレートに肌身に感じます。
 たとえば、こんな言葉がそうです。

「アベック」
(ホームランで聞いたことがあるとか)
「ザ・ピーナッツ」
(映画『ゴジラ』の話をしていて)
「スラックス」
(私は「パンツ」に違和感あり)
「デート」
(近所の喫茶店の名前でもある)
「VHS」
(私はソニーの「β」派でした)

 よくわからないながらも、なんとなくわかる、という程度の言葉が、いろいろと出てきます。いつの時代にもあることだとしても、実際に話をしていてこの異文化世代の反応にぶつかると、少なからずショックは隠せません。これらがカタカナ語なので、言葉と世の移り変わりに関連するのかもしれません。
 私は使わない言葉で、もう通じなくなっていると思われるものは、「E電」とか「ナウい」をすぐに思いつきます。これらを、「死語」とか「廃語」というそうです。歳と共に、こうした言葉が増えていくようです。寂しくなるというよりも、自分が伝統と文化を持ち続けている貴重な世代だ、と、かえって誇りに思いたくなります。
 この問題に関する研究成果もあることでしょう。「新語・流行語」に関する位置づけとも違うようです。それよりも、自分の生活の中で直面し、目の前で話題になったことなのです。生きた経験値を伴う出来事であることに、意義深いものがあると思います。言葉の生き死にの、その根元が知りたくなります。
 こうした言葉を挟んで、今、若者と接しています。得難い視点をもらっているチャンスなので、この機会を大切にしたいと、あらためて思います。まさに、翻訳本の調査研究で異文化間コミュニケーションを考えながら、研究支援者とのやりとりの中でも異文化間を泳ぐ日々にいるのです。楽しくておもしろいテーマと格闘しています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:03| Comment(0) | *身辺雑記

2020年02月18日

不安な世相に戸惑うばかりです

 今朝、外の草木がうっすらと雪に覆われていました。
 一転して寒い1日の始まりです。
 今朝の大阪の地下鉄は2時間も遅れました。
 駅で異臭がしたことが原因だそうです。
 連日、コロナウイルスやインフルエンザが報じられています。
 これまでに体験したことのない事態に、様子見をするばかりです。
 65歳以上で糖尿病患者である私は、毎日体温を測っています。
 今のところ、36.9度までに留まっています。
 箕面にある研究室は、90平米という広さがあります。
 ここに7人が籠もって、平安文学情報の収集や整理にあたっています。
 幸い、密室ではないので、のびのびとしています。
 入口には、消毒用のノンアルコールとアルコールのスプレー2種類を置いています。
 総合研究棟の6階は、私の研究室だけで独占しているので、人の出入りはありません。
 今日は、帰りのバスや電車が渋滞に巻き込まれることもなかったのです。
 予想外に早かったために、乗り換えがスムースでした。
 いつもは乗れない電車に乗り継げました。
 河原町から乗ったバスの車窓からの景色は、これまでとは様相を異にしています。
 人通りが絶えた夜の雰囲気があります。
 車が少ないせいか、バスもスイスイと走ります。
 家には、いつもよりも30分も早く、1時間半で着きました。
 街中では人も車も少なくて、何かと滞ることがなさそうです。
 こうした社会生活が待ち望まれていたように思います。
 しかし、実際に実現したかのような今の様子は、何となく不気味です。
 商売をなさっている方は、突然のことで途方に暮れておられるようです。
 いつまで、このような状況が続くのかわかりません。
 これを機会に、社会生活が一変していくような気配を感じます。
 得体の知れないウイルスが、どのようにして収束するのか注目しています。
 過剰に不安がることはないと言われています。
 それでも、何となく不安な思いをさせる世相に、戸惑うばかりです。
 
 
 
posted by genjiito at 20:15| Comment(0) | *身辺雑記

2020年02月17日

藤田宜永通読(37)『大雪物語』

 『大雪物語』(藤田宜永、講談社、2016年11月)を読みました。

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 前回の「藤田宜永通読(36)『ラブソングの記号学』」(2020年02月01日)に続いて、追悼の2回目となります。

 本作のキャッチコピーには、「想定外の雪が生んだ、奇跡の出会い」とあり、著者は「得がたいあの経験が、これらの物語を紡がせてくれた」と言います。さらに、「ドカ雪に閉じ込められ、雪かきに奮闘した著者が描くハートフル・ヒューマンストーリー」とか、「○●○記録的な積雪に見舞われたK町・6つの"心の記録"●○●」とも添えられています。

 この掌編集の位置づけがわかりやすいように、冒頭に置かれた「序」を引いておきます。

二〇一×年二月中旬、九州の南で発生した低気圧が発達しながら本州南岸を通過し、近畿から東北にかけ、記録的な大雪をもたらした。
 関東甲信越の至るところでも、これまでの観測記録を上回る豪雪となった。
 長野県K町も例外ではなかった。
 公式発表によると九十九センチの積雪ということだが、場所によっては一メートルを遥かに超えていて、発表を鵜呑みにした地元民はひとりもいないと言っても過言ではない。
 多くの別荘地を有し、避暑地として全国に名を馳せているK町だが、ここにもいろいろな人間が生きている。そんな人たちの暮らしに、想像だにしていなかった豪雪がちょっとした混乱をもたらした。
 出会い、再会、別れ……。ここに描かれている六つのエピソードは、思わぬ変化に遭遇した老若男女の心の"記録"である。(4頁)


 以下、各短編ごとの私見を記します。

☆「転落」
 雪に振り込められた信州の別荘地で、ひったくりを繰り返す犯罪をして逃げる31歳の若者と、一人で暮らす82歳の老婆との、見ず知らずの者の心の交流を描きます。作者は、心温まる物語にしようとしています。ただし、私には嘘が目立ちすぎて作者の苦心しか伝わってきません。老婆の気持ちが描けていません。いつものように、着地が決まりません。【1】
 
 
☆「墓掘り」
 遺体を搬送中に、大雪に閉じ込められた話です。運転手と亡くなった母とその娘。閉ざされた状況での、人間の行動と心理を描こうとします。静かな物語に、遺体を絡めて変化をつけようとするものの、これといって工夫がないので読後感は淡白です。それを狙ってなのか、思うように展開しなかったのか、雪以外に色のない物語です。遺体を運び終わってからの、男と女の物語は不発です。煩わしい人間関係になることを避けたのでしょう。【2】
 
 
☆「雪男」
 愛犬を探しに出た女子高校生が途中で道に迷い、帰宅困難になります。犬が訪れたと思われる同級生の修の家に向かいます。しかし、修とは今は冷え切っています。その理由を知りたい思いのまま、犬を探します。その途中で、今井という一人の男に助けられます。
 結局、修がなぜ冷たくするのか、その理由は語られないままです。そして、今井の家を探し当てても、そこにいた女は今井のことを、もう関係ない人だと言うだけです。2人の男が女に対して抱いている気持ちを語らないまま、描かれないままに終わります。女の状況がよく理解できていないために、対する男の気持ちも書けなかったのではないのでしょうか。
 雪に降り込められた中での物語として、表面的にはきれいな話にまとまっています。残念でした。【2】
 
 
☆「雪の華」
 大雪の中を、かつての彼女が避難するためにやってきました。男は、今は花屋をやっています。気まずさの中で、妻と一緒に元彼女は、これまた避難してきた修学旅行生のために温かい麺を作ります。2人の女を前にして、微妙な時間が流れます。その心のバランスが巧みに描かれています。人の情と人間関係が、バランスよくソフトに語られています。温かみのある物語に仕上がっています。【4】
 
 
☆「わだかまり」
 18年ぶりに姉を見つけました。自衛隊員として孤立した街の除雪活動の最中に。その姉弟の間に生まれる肉親の情愛が、温かく伝わって来ます。
 親を巡っての血縁関係の話は、あまりにも作り過ぎです。しかし、単純なだけに読み流せます。もっとおもしろい設定にできなかったのかと、心残りなままに読み終えました。
 これは、長編小説としてさらにいいものに仕上げることができます。まだ私は、すべての藤田宜永の作品を読み終えていません。この話に類する物語と、どこかで出会えそうな気がします。【4】
 
 
☆「雨だれのプレリュード」
 最初の1頁で、物語の展開と結末が見えたと思いました。その通りに進むのかどうかを確かめるようにして、読み進めることになりました。
 さすがに、思った展開ではありませんでした。恋愛話と離婚話が真ん中にデンと座り、大雪と娘が味付けをします。
 シカゴに住む別れた妻に聞かせるピアノ曲は、電話やメールを使っている2人にとって、通信でリアルタイムに届けられます。しかし、そうではなかったことから、物語の破綻を実感しました。
 心温まる世界を、ことばで築き上げながら、細かな設定で崩れたことは残念でした。これも再構築すれば、もっといい作品になります。もっとも、先月、1月30日に藤田氏は69歳で亡くなっているので、書き直しは叶わない願いとなりました。ご冥福をお祈りいたします。【2】
 
 
初出誌:『小説現代』2014年9月号、2015年3月号、6月号、9月号、12月号、2016年4月号。
追記:本作は「第51回 吉川英治文学賞」を受賞(2017.03.03)しています。
 
 
 
posted by genjiito at 19:03| Comment(0) | □藤田通読

2020年02月16日

時節柄、外出自粛

 今朝から、鼻がムズムズします。喉も突っかかるような感触があります。昨秋からずっと続いている兆候ながら、しばらくは小康状態でした。それが、またぶり返したようです。お茶のお稽古に行くのは諦めました。
 昨夜、東京から帰りの新幹線が怪しかったのです。
 品川を出たあたりで、斜め前の席の方がクシャミをされました。迷惑の受け身です。隣の女性が、チョットチョットという仕草で制しておられました。
 後ろの方では、咳をする方がおられます。こんなこともあろうかと、自由席にしたので、別の車両に移る体勢に入りました。新横浜で、クシャミ氏とゴホゴホ氏も降りられたようです。
 まもなく、車掌さんが検札に来られました。顔をくっつけるようにして「切符を拝見」と話しかけられ、切符を取るとスタンプを押して返してもらいました。この検札は必要なのでしょうか? 顔を近づけて話しかけられるのも、こんなご時世には迷惑なことです。
 名古屋まで様子を見ていたら、それ以降は私がいた車輌は2人だけでした。しかも、ずっと前の方は熟睡中のようです。これで安心です。
 京都駅からのバスも、ガラガラでした。
 今日は、身体を休めるために、外出は自粛します。ただし、雨なので賀茂川散歩は足が冷えるのでやめました。ショッピングモールも、人混みを避けるように言われているのでやめておきます。
 運動不足を解消するためには、スポーツクラブです。ただし、マシンを使うジムは、器具との接触が心配です。残るは、プールです。ここなら、消毒されているので大丈夫だと判断しました。
 来場者も少ないので、のんびりと泳いで来ました。ゆったりと英気を養えました。休息と運動と食事に気をつけて、この不安定な時期をやり過ごしたいものです。
 
 
posted by genjiito at 23:24| Comment(0) | *健康雑記

2020年02月15日

日比谷で源氏の橋本本を読む(19)[大島本との違い]

 朝一番で上京しました。富士山は真っ白です。

210215_fuji.jpg

 有楽町では、ゴジラが赤いマフラーをまとっていました。小さなゴジラが大きく見えます。

200215_gozira.jpg

 早めに着いたので、いつものように帝国ホテルのラウンジで、今日の講座のおさらいです。今日は、「若紫」の中でも藤壺懐妊の場面を取り上げます。

 まずは、午前中の[異文を楽しむ講座]から。
 最初に、宮川保子さんが臨模された「須磨」と「鈴虫」の巻を回覧しました。鎌倉時代の古写本を実際に触ることで、写本の大きさや、紙の手触りを体感してもらうためです。この感触は、自身の古典体験として今後につながっていくことでしょう。

 次に、橋本本の校訂本文を確認しながら、以下の資料にある亀甲カッコの語句のいくつかを削ることによって、大島本が出来上がっているのではないか、という仮説を提示しました。これは、橋本本は熟さない段階の物語の本文を伝えており、その語句を削ったり表現を簡潔にすることで出来上がったのが大島本ではないか、という考え方からの私見に基づくものです。

05若紫 橋本本 校訂本文(部分2)(052970〜053136)

 何ごとをかは聞こえつくしたまはん、くらぶの山に【も】宿も【とらまほしくおぼへたまへど】、あやにくなる短夜にて、あさましうなかなかなり。
  (源氏)見てもまたあふ夜まれなる夢のうちに やがてまぎるるわが身ともがな
とむせかへりたまふさまも、さすがにいみじければ、
  (藤壺)世がたりに人や伝へんたぐひなく うき身を醒めぬ夢になしても
思し乱【り】たるさまも、・ことわりにかたじけなし。命婦の君・、御直衣・【御衣】かき集めもて来た【り】。殿におはして、【やがて】泣き寝に臥し暮らしたま【ふ】。御文なども、例の御覧じ入れぬ【さまに】のみあれば、【めづらしからぬことなれど】、つらくいみじう思しほれて、内裏【に】も【まいりたまはず、】【三四日】籠りおはすれば、【上は】また、【いかにと】御心【を】動か【しおはしますも、さまざま】、恐ろし【く】おぼえたまふ。宮も、なほいと・憂き身なりけりと思し嘆くに、【いとど御心地も】なやまし・まさりたまひて、とく参りたま【へど】御使【は】しきれど思しも【かけず】。まことに【いと苦しく】例のやうにも【おぼされぬ】はいかなるにかと、人知れず思すこともあり【て】、【いかにせむと】心憂く、・思し乱る【ることまさりぬ】。暑きほどはいとど起きも上がりたまはず。三月【ばかりになれば、しるく】見たてまつり【しることどもありて】人は思ひ【も】よらぬことなれば、【今まで】奏せ・たまはざりけることと・【きこゆるに、あさましかりける御身の宿世のほど、いかがおぼししらざらん】。御湯・など【のほどにも】親しう仕うまつりて、何ごとの御気色・もしるく見【たてまつれる御乳母】、命婦など【ばかり】ぞ、あやし【く思わくことあれど】、かたみに言ひあはすべき【こと】にあらねば、なほのがれがたかりける御宿世を、・【あはれにも】思ふ。


 ここでは、文末の一例だけを確認しておきます。
 大島本が「命婦はあさましと思ふ。」とあるところを、橋本本は「【あはれにも】思ふ。」としています。藤壺の懐妊の真相を知っている王命婦の心情を、「あさましと思ふ」という語句で語るか、「あはれにも思ふ」という語句で語るかでは、大きくその表現も意味も異なってきます。ここでは、2つの『源氏物語』が楽しめるのです。
 こうした表現の違いを一つずつ確認し直すことで、江戸時代の大島本とは違う、鎌倉時代の『源氏物語』が浮き彫りにされていくことでしょう。
 今日の講座で使用した資料の中から、本文異同に関するものを、この問題に興味を持たれる方のため、末尾に引用しておきます。分量が多いので、じっくりと確認をお願いします。これによって、大島本と橋本本の違いが確認できるはずです。
 この資料を使うと、数本の論文が書けることでしょう。私は現役を引退しているので、こうした資料の提供であれば協力できます。若手研究者の挑戦を、大いに楽しみにしています。

 いずれにしても、この「若紫」巻では2種類の本文が確認できます。これまでは、大島本だけを読んで来ました。これからは、まったく読まれて来なかった橋本本の物語本文を読むことで、新しい『源氏物語』の体験ができるのです。新たな『源氏物語』が読めることの楽しみが残されていたことの幸せを、強調しました。

 午後は、[翻字者育成講座]です。
 ここでも、宮川さんの臨模本の回覧をしました。一人でも多くの方に、原本の感触を味わっていただきたいからです。

 橋本本の本文は、52丁表10行目から確認をしました。今日も、順調に読み進めました。ただし、今日も翻字のミスを見つけてくださいました。以下のものの訂正が必要です。

120頁10行目「【道】なれ半」

123頁8行目「多万へ」

124頁3行目「多万へ類」

132頁8行目「【月】」

 こうした細かな修正が、少しずつ増えてきました。
 橋本本「若紫」が終わった時に、これまでのものを整理して一括で掲載します。不備がいろいろと見つかっていることを、あらためてお詫び申し上げます。
 今日は、53丁表(123頁)まで確認しました。
 来月、3月14日の今期最終回は、53丁裏(124頁)1行目から見ていきます。

 講座終了後は、受講生の方8名が地下のラウンジに集まり、全盲で古写本の触読に挑んでいる尾崎さんの就職が決まったことを祝しての、ささやかながらもティーパーティーを催しました。障害者だから採用されたのではないことを聞き、みんなで心からお祝いの気持ちを伝えました。
 新しい環境で、いい仕事をしてほしいと思います。みんなで応援していることは、しっかりと伝わったと思います。ますますの活躍が楽しみです。

 日比谷図書文化館を出る時、玄関口の点字ブロックの改修工事があることを知りました。

200215_kouji.jpg

 尾崎さんも私も、点字ブロックは不要であるという立場なので、入口にいらっしゃった職員の方で、いつも講座でお世話になっている方には、点字ブロックの問題点や、エレベータに何階かを音声で知らせていない問題点などを伝えました。

 来月来たら、ここには視覚障害者のための処置がなされているのでしょう。
 エレベータ周辺に貼られている点字シールも含めて、実態に合った多視点での対処に取り組んでいただきたいとの思いを強くしました。

 以下、上記の調査に有用な資料を提示します。
 長大なデータなので、利用なさる時にご覧ください。

《本文校異資料》
20200215_「若紫」異文校合 十七本

橋本本・・・・050000
 大島本(1)[ 大 ]
 尾州河内本(1)[ 尾 ]
 中山本(1)[ 中 ]
 麦生本(1)[ 麦 ]
 阿里莫(1)[ 阿 ]
 陽明本[ 陽 ]
 池田本[ 池 ]
 御物本[ 御 ]
 国冬本[ 国 ]
 肖柏本[ 肖 ]
 日大三条西本[ 日 ]
 穂久邇本[ 穂 ]
 保坂本[ 保 ]
 伏見本[ 伏 ]
 高松宮本[ 高 ]
 天理河内本鉛筆なし[ 天 ]
--------------------------------------
なに事をかは[橋=大阿陽池国日]・・・・052970
 なにことをかは[尾肖高天]
 何事をかは[中麦伏]
 なにことをかは/〈改頁〉[御]
 なに事かは[穂]
 何ことをかは[保]
きこえつくし[橋=大尾中陽池御国肖日保伏高]・・・・052971
 聞えつくし[麦阿]
 きこへやり[穂]
 きこえつくし/こ〈改頁〉[天]
給はん[橋=中麦阿陽国肖穂保伏天]・・・・052972
 給はむ[大御]
 たまはん[尾池日高]
くらふの[橋=大尾麦阿陽御国保伏天]・・・・052973
 くらふ[中]
 くらふの/〈朱合点〉、「墨染のくらふの山にいる人はたとる/\そかへるへらなる」〈行間〉[池]
 くらふの/「今夜たにくらふの山に宿もかな暁しらぬ夢やさめぬと」「やとりせぬくらふの山を恨つゝはかなの春の夢の枕や」〈付箋〉[肖]
 くらふの/〈朱合点〉[日]
 くらふの/〈改頁〉[穂]
 くらふの/〈朱合点〉、六「くらふ山くらしと名にはたてれともいもかりいはゝ夜もこえなん」〈行間〉、撰「すみそめのくらふの山にいる人はたとる/\そ帰るへらなる」〈行間〉[高]
やまにも[橋]・・・・052974
 山に[大尾中麦阿御国肖穂保高天]
 やまに[陽池日伏]
やとりも[橋=大尾麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・052975
 やとん[中]
とまらほしく/まら〈ママ〉[橋]・・・・052976
 とらまほしけなれと[大麦阿国日穂保伏]
 とらまほしく[尾陽高天]
 とはまほしう[中]
 とらまほけなれと/ほ+し[池]
 とらまほしけれと[御]
 とらまほしけなれと/△〈削〉ら、ら=らか、傍〈削〉[肖]
おほえ[橋=尾中陽高天]・・・・052977
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
給へと[橋=中]・・・・052978
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 たまへと[尾陽高]
 給へは[天]
あやにくなる[橋=大尾中麦阿陽池御国肖日穂保高天]・・・・052979
 あやにくなる/〈改頁〉[伏]
みしか夜にて[橋=大中麦阿陽池御日穂保天]・・・・052980
 みしかよにて[尾国肖伏高]
あさましう/〈改頁〉[橋=国]・・・・052981
 あさましう[大中麦阿池御肖穂保伏高天]
 あさましう/△〈削〉う[尾]
 あさましふ[陽]
 あさましう/ま〈改頁〉[日]
なか/\なり[橋=尾御伏高天]・・・・052982
 中々なり[大陽池国肖日穂]
 中々也[中麦阿保]
「見ても[橋=大麦阿陽日穂保伏天]・・・・052983
 「みても[尾中]
 「みても/〈改頁〉[池]
 「見ても/=源[御国肖高]
また[橋=中池国日穂伏天]・・・・052984
 又[大尾麦阿陽御肖保高]
あふ[橋=全]・・・・052985
夜[橋=大麦阿御国肖穂保]・・・・052986
 よ[尾中陽池日伏高天]
まれなる[橋=全]・・・・052987
ゆめの[橋=尾中陽御]・・・・052988
 夢の[大麦阿池国肖日穂保伏高天]
うちに[橋=大尾中麦阿陽御国肖穂保高天]・・・・052989
 内に[池日]
 中に[伏]
やかてまきるゝ[橋=全]・・・・052990
我[橋=中陽御国肖穂]・・・・052992
 わか[大尾麦阿池日保伏天]
 わか/〈改頁〉[高]
身ともかな」と[橋=大麦阿御国肖穂保伏高天]・・・・052992-001
 みともかな」と[尾]
 身とも哉」と[中陽池日]
むせかへり[橋=大尾中麦阿陽池御国日高天]・・・・052993
 むせかへらせ[肖保伏]
 おほゝれ[穂]
給[橋=中麦阿陽国穂伏]・・・・052994
 給ふ[大天]
 たまふ[尾池御日高]
 給も[肖保]
さまも[橋=大尾中麦阿陽池御国日穂伏高天]・・・・052995
 ナシ[肖保]
さすか[橋]・・・・052996
 さすかに[大尾中麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]
いみしけれは[橋=全]・・・・052997
「世かたりに[橋=阿陽穂保]・・・・052998
 「よかたりに[大尾麦池国日伏天]
 「夜かたりに[中]
 「世かたりに/=藤ツホ[御]
 「世かたりに/=藤つほ[肖]
 「よかたりに/=薄雲[高]
人や[橋=全]・・・・052999
つたえん[橋=陽穂]・・・・053000
 つたへん[大尾中麦阿御国肖伏高天]
 つたへむ[池日保]
たくひなく[橋=大尾中麦阿陽池国肖日穂保伏天]・・・・053001
 たくひなく/=アチキ[御]
 たくひなく/=あちきイ[高]
うき[橋=大尾中麦阿池御国肖日穂保伏高天]・・・・053002
 うき/〈改頁〉[陽]
身を[橋=大麦阿陽池御肖日伏高天]・・・・053003
 みを[尾中国穂]
 身を/〈改頁〉[保]
さめぬ[橋=全]・・・・053004
ゆめに[橋=尾陽池国日伏]・・・・053005
 夢に[大中麦阿御肖穂保高天]
なしても」[橋=全]・・・・053006
おほしみたりたる[橋]・・・・053007
 おほしみたれたる[大尾中麦阿陽池日穂伏高天]
 おほしみたれたる/〈改頁〉[御]
 おほしみたれたる/=藤[国]
 おもほしみたれたる/み〈改頁〉[肖]
 おもほしみたれたる[保]
さまも[橋=大尾中陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・053008
 さま[麦阿]
事はりに[橋=中陽]・・・・053009
 いとことはりに[大麦阿御国肖穂保伏]
 ことはりに[尾高天]
 いとことわりに[池日]
かたしけなし[橋=全]・・・・053010
命婦の君[橋]・・・・053011
 命婦のきみそ[大池御日]
 みやうふのきみ[尾]
 命婦そ[中]
 命婦の君そ[麦阿国肖穂保]
 みやうふのきみそ[陽伏]
 みやう婦のきみ[高]
 みやう婦の君[天]
御なをし[橋=尾陽国高天]・・・・053012
 御なをしなとは[大麦阿御肖穂保]
 御なをしなと[中]
 御なほしなとは[池日]
 御なをしなとは/後な〈改頁〉[伏]
御そ[橋=尾高天]・・・・053013
 ナシ[大中麦阿池御肖日穂保伏]
 御そなとは[陽国]
かきあつめ[橋=大尾麦阿陽池御国肖日保伏高]・・・・053014
 ゝりあつめて(とりあつめて)[中]
 かきあつめて[穂]
 かきあつめ/き〈改頁〉[天]
もてきたり[橋=尾陽高天]・・・・053015
 もてきたる[大阿池御肖日穂保伏]
 もてまいれる[中]
 もきたる[麦]
 もてきたる/〈改頁〉[国]
とのに[橋=尾陽国伏高天]・・・・053016
 殿に[大中麦阿池御肖日穂保]
おはして[橋=大尾麦阿池国日穂保伏高天]・・・・053017
 をはして[中陽御肖]
やかて[橋=尾中麦阿陽国高]・・・・053018
 ナシ[大池御肖日穂保伏天]
なきねに[橋=大尾麦阿陽池御国肖日保伏天]・・・・053019
 なきねに日一日[中]
 なきねに/き〈改頁〉[穂]
 なきねに/〈朱合点〉、「逢こともいまはなきねの夢ならていつかは君を又はみるへき」上東門院〈行間〉[高]
ふしくらし[橋=全]・・・・053020
給[橋=中天]・・・・053021
 給ひつ[大陽池日]
 たまふ[尾高]
 給つ[麦阿御国肖穂保伏]
御文なとも/と〈改頁〉[橋]・・・・053022
 御ふみなとも[大尾陽御国穂保伏高]
 御文なとも[中麦阿池肖天]
 御文なとも/〈改頁〉[日]
れいの[橋=全]・・・・053023
御覧しいれぬ[橋=中陽肖日穂伏高天]・・・・053024
 御らんしいれぬ[大阿御保]
 御覧しいれぬ/〈改頁〉[尾]
 御らむしいれぬ[麦]
 御覧しいれぬ/し〈改頁〉[池]
 御覧し入ぬ[国]
さまにのみ[橋=尾中陽高天]・・・・053025
 よしのみ[大阿池御国肖日穂保伏]
 よしのみは[麦]
あれは[橋=大尾中阿陽池御国肖日穂保伏高]・・・・053026
 ナシ[麦]
 あわれ/わ$〈朱〉、れ+は〈朱〉[天]
めつらしからぬ[橋=尾中陽高天]・・・・053027
 つねの[大麦阿池御国肖日穂保伏]
事なれと[橋=中陽]・・・・053028
 ことなからも[大池肖日保]
 ことなれと[尾高天]
 事なからも[麦阿国穂伏]
 ことなから[御]
つらく[橋=尾中陽高天]・・・・053029
 つらう[大麦阿池御国肖日穂保伏]
いみしう[橋=大尾中麦阿池御国日伏高天]・・・・053030
 いみしふ[陽]
 いみしく[肖穂保]
おほしほれて[橋=大尾麦阿陽池御国肖日穂伏高天]・・・・053031
 おほされて[中]
 おもほしほれて[保]
うちにも[橋=尾高天]・・・・053032
 うちへも[大麦阿陽御国肖穂保伏]
 内にも[中]
 内へも[池日]
まいり[橋=尾中陽高天]・・・・053033
 まひらて[大]
 まいらて[麦阿池御国肖日穂保伏]
給はす[橋=中陽]・・・・053034
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 たまはす[尾高天]
三四日/に&日[橋]・・・・053035
 二三日[大尾麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]
 三四日[中]
こもりおはすれは[橋=大尾阿池国肖日穂保伏高天]・・・・053036
 こもりをはすれは[中陽御]
 こほもりおはすれは/ほ$[麦]
うへは[橋]・・・・053037
 ナシ[大麦阿池御肖日穂保伏]
 うへ[尾国高天]
 うゑは[中]
 上[陽]
また[橋=中国肖穂保伏天]・・・・053038
 又[大尾麦阿陽池御日高]
いかにと[橋=尾中天]・・・・053039
 いかなるにかと[大阿陽池御国肖日穂保伏]
 いかなるにか[麦]
 いかにと/〈改頁〉[高]
御心を[橋=尾陽高]・・・・053040
 御/御+心〈朱〉[大]
 御こゝろを[中]
 御心[麦阿池国肖日穂保伏天]
 御こゝろ[御]
うこかし[橋=尾中陽高天]・・・・053041
 うこかせ[大阿池御肖日穂保伏]
 うこかせ/か&こ[麦]
 うこき[国]
おはしますも[橋=尾高天]・・・・053042
 給へかめるも[大麦肖穂保伏]
 をはしますも[中陽]
 給へるめるも[阿]
 たまふへかめるも[池日]
 たまふへかめるに[御]
 給へかめるも/△&へ[国]
さま/\[橋=尾中麦陽高天]・・・・053043
 ナシ[大池御国肖日穂保伏]
 様々[阿]
おそろしく[橋=尾陽高天]・・・・053044
 おそろしうのみ[大麦阿池国日穂伏]
 をそろしう[中]
 をそろしうのみ[御]
 おそろしくのみ[肖保]
おほえ[橋=大尾中麦陽池御肖日穂保伏高天]・・・・053045
 おほし[阿]
 覚[国]
給[橋=中麦阿陽池御国肖日穂保伏天]・・・・053046
 給ふ[大]
 たまふ[尾高]
宮も[橋=大中麦阿陽池御国日穂保伏天]・・・・053047
 みやも[尾高]
 宮も/=藤つほ[肖]
猶[橋=中阿陽池日]・・・・053048
 なを[大尾麦御国肖穂保伏高天]
いと[橋=大尾中麦阿陽池国肖日穂保伏高天]・・・・053049
 いと/〈改頁〉[御]
うき[橋=尾中高天]・・・・053050
 心うき[大麦阿陽池国肖日穂保伏]
 こゝろうき[御]
身なりけりと[橋=麦阿陽池御日保伏高天]・・・・053051
 みなりけりと[大尾国]
 みなりと[中穂]
 身也けりと[肖]
おほしなけくに[橋=大尾中麦阿陽池御国日穂伏高天]・・・・053052
 おもほしなけくに[肖]
 おもほしなけくに/け〈改頁〉[保]
いとゝ[橋=尾中麦阿陽高天]・・・・053053
 ナシ[大池御国肖日穂保伏]
御心ちも[橋=陽高天]・・・・053054
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 御心地も[尾]
 御こゝちも[中]
なやまし/し±さ[橋]・・・・053055
 なやましさも[大陽池御国肖日穂保伏]
 なやましさ[尾中高天]
 御なやましさも[麦阿]
まさり[橋=大尾麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・053056
 まさりて[中]
給て/て〈削〉て[橋]・・・・053057
 給ひて[大天]
 たまひて[尾池日高]
 ナシ[中]
 給いて[麦]
 給て[阿陽御国肖穂保伏]
とく[橋=大尾中麦阿陽池御肖日穂保伏高天]・・・・053058
 とく/〈改頁〉[国]
まいり[橋=尾麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・053059
 まひり[大]
 まいらせ[中]
給へと[橋=中天]・・・・053060
 給へき[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 たまへと[尾高]
 給へと/〈改頁〉[陽]
御使は[橋=中]・・・・053061
 御つかひ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 御つかひは[尾高天]
 御文は[陽]
しきれと[橋=大尾中麦阿陽池御国日穂保伏高天]・・・・053062
 しきれと/〈改頁〉[肖]
おもほしも[橋=中肖保]・・・・053063
 おほしも[大尾麦阿陽池御国日穂伏高天]
かけす[橋=尾中陽高天]・・・・053064
 たゝす[大麦阿池御国肖日穂保]
 たゝす/す〈改頁〉[伏]
まことに[橋=全]・・・・053065
ナシ[橋=尾中高天]・・・・053066
 御心ち[大麦阿陽池国肖日穂伏]
 御心地[御保]
いと[橋=尾陽高天]・・・・053067
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 いとゝ[中]
くるしく[橋=尾陽高]・・・・053068
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 くるしう[中]
 くるしく/し〈改頁〉、し&し[天]
れいの/の〈改頁〉[橋]・・・・053069
 れいの[大尾中麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]
やうにも[橋=大尾麦阿陽池御肖日保伏高天]・・・・053070
 やうに[中]
 様にも[国穂]
おほされぬは[橋=尾中陽高天]・・・・053071
 おはしまさぬは[大麦阿池国日伏]
 をはしまさぬは[御]
 おはしまさねは[肖保]
 おはしまさぬ[穂]
いかなるにかと[橋=大尾中麦阿陽池御国肖穂保伏高天]・・・・053072
 いかなるにかと/な〈改頁〉[日]
人しれす[橋=大中麦阿陽池御国肖穂保伏高]・・・・053073
 ひとしれす[尾日天]
おほす[橋=大尾中麦阿陽御国肖日保伏高天]・・・・053074
 おほす/〈改頁〉[池穂]
事も[橋=大中麦阿陽国穂伏天]・・・・053075
 ことも[尾池御日保高]
 ことも/とも〈削〉こと[肖]
ありて[橋=尾高天]・・・・053076
 ありけれは[大池御日穂保伏]
 ありてひとしれす[中]
 有けれは[麦阿国肖]
 有て[陽]
いかに[橋=尾中陽高天]・・・・053077
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
せむと[橋=尾]・・・・053078
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 せんと[中陽高天]
心うく[橋=大尾麦阿池御国肖日穂保伏高天]・・・・053079
 こゝろうく[中陽]
ナシ[橋=尾中高天]・・・・053080
 いかならむとのみ[大池穂]
 いかなるらんとのみ[麦]
 いかならんとのみ[阿陽御国肖日保伏]
おほしみたるゝ[橋=尾中陽高天]・・・・053081
 おほしみたる[大池御国日伏]
 おもほしみたる[麦阿肖保]
 おほしみたれ[穂]
事[橋=中陽]・・・・053082
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 こと[尾高天]
まさりぬ[橋=尾中陽高天]・・・・053083
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
あつき[橋=全]・・・・053084
程は[橋=中陽池伏]・・・・053085
 ほとは[大尾麦阿御国肖日穂保高天]
いとゝ[橋=全]・・・・053086
をきも[橋=中御]・・・・053087
 おきも[大尾麦阿陽池国肖日穂保伏高天]
あかり[橋=全]・・・・053088
給はす[橋=大中麦阿陽池御国肖日保伏天]・・・・053089
 たまはす[尾穂高]
三つきはかりに[橋]・・・・053090
 三月に[大池国肖穂保伏]
 三月はかりに/△〈削〉三[尾]
 三月許に[中]
 みつき斗に[麦]
 み月はかりに[阿高]
 みつきはかりに[陽]
 三月に/=藤ツホ事[御]
 三月に/=三〈朱〉[日]
 三月はかりに[天]
なれは[橋=尾中陽高天]・・・・053091
 なり給へは[大国穂保伏]
 成給へは[麦阿肖]
 なりたまへは[池御日]
しるく[橋=尾陽高天]・・・・053092
 いとしるきほとにて人々[大麦阿池御国日穂保伏]
 しるう[中]
 いとしるき程にて人々[肖]
見[橋=大尾中伏高]・・・・053093
 み[麦阿陽池国肖日穂保天]
 み/〈改頁〉[御]
たてまつり[橋=大中陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・053094
 たてまつり/ま〈改頁〉[尾]
 奉り[麦阿]
しる[橋=尾中陽高天]・・・・053095
 とかむるにあさましき御すくせのほと心うし[大麦阿池国日]
 とかむるにあさましき御すくせの程心うし[御伏]
 とかむるもあさましき御すくせのほと心うし[肖保]
 とかむなりあさましき御すくせのほと心うし[穂]
事とも[橋=陽]・・・・053096
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 ことゝも[尾高天]
 事も[中]
ありて[橋=尾中陽高天]・・・・053097
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
人は[橋=全]・・・・053098
思も[橋=天]・・・・053099
 思ひ[大肖穂]
 おもひも/よ〈削〉も[尾]
 おもひも[中高]
 思[麦阿御国伏]
 思ひも[陽]
 おもひ[池日保]
よらぬ[橋=大中麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・053100
 よらぬ/△ぬ〈削〉よらぬ[尾]
事なれは[橋=麦阿陽日穂保伏天]・・・・053101
 ことなれは[大尾御肖高]
 事にて[中]
 事なれは/と〈削〉は[池]
 事なれは/〈改頁〉[国]
いまゝて[橋=尾中陽高天]・・・・053102
 この月まて[大池御国肖日穂保伏]
 此月まて[麦阿]
そうせ/せ+させ[橋]・・・・053103
 そうせさせ[大尾中麦阿陽池御国肖日穂伏]
 そうせさせ/前せ〈改頁〉[保]
 そうせさせ/〈改頁〉[高]
 そうせさせ/を&前せ[天]
給はさりける[橋=大麦阿陽御肖穂保天]・・・・053104
 たまはさりける[尾池国日伏高]
 給はさりけると[中]
ことゝ[橋=尾陽池御日保伏高天]・・・・053105
 事と[大麦阿穂]
 ナシ[中]
 とゝ/±こ[国]
 ことと[肖]
ナシ[橋=尾中高天]・・・・053106
 おとろき[大麦阿陽池国肖日穂保伏]
 をとろき[御]
きこゆるに[橋=尾中高天]・・・・053107
 きこゆ[大池国日]
 聞ゆ[麦阿肖]
 ゝこゆるに(きこゆるに)[陽]
 ゝこゆ(きこゆ)[御穂保伏]
あさましかりける[橋=尾中陽高天]・・・・053108
 わか[大麦阿池日穂保伏]
 我/=藤[御]
 我[国]
 わか/=藤[肖]
御身の[橋=尾中陽高天]・・・・053109
 御心[大麦阿池御国肖日穂保伏]
すくせの[橋=尾中陽高天]・・・・053110
 ひとつには[大池御国肖日穂保伏]
 一には[麦阿]
程[橋=陽]・・・・053111
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 ほと[尾中高天]
いかゝ[橋=尾中高天]・・・・053112
 しるう[大麦阿池御国肖日保伏]
 いかゝ/い〈判読〉[陽]
 しるく[穂]
おほししらさらん[橋=天]・・・・053113
 おほしわく事もありけり[大阿穂]
 おほしゝらさらん[尾陽]
 をほししらさらん[中]
 おほしわく事も有けり[麦国伏]
 おほしわくこともありけり[池御日]
 おもほしわくことも有けり[肖保]
 おほししらさらむ[高]
御ゆなとの[橋]・・・・053114
 御ゆ殿なとにも[大池肖日]
 御ゆとのなとの[尾中高天]
 御ゆとのなとにも[麦阿御国穂保]
 御ゆとのなとの/前と〈判読〉[陽]
 御ゆとのなとにも/な〈改頁〉[伏]
ほとにも[橋=尾高天]・・・・053115
 ナシ[大麦阿池御国肖日穂保伏]
 程にも[中陽]
したしう[橋=大尾中麦阿陽池御国保伏高天]・・・・053116
 したしう/後し〈改頁〉[肖日]
 したしく[穂]
つかうまつりて/後つ〈改頁〉[橋]・・・・053117
 つかふまつりて[大陽天]
 つかうまつりて[尾麦阿御国肖日保伏高]
 つかまつりて[中]
 つかうまつりて/り〈改頁〉[池]
 つうまつりて/前つ±か[穂]
なに事の[橋=大阿池国肖日天]・・・・053118
 なにことの[尾御高]
 何事の[中麦陽穂伏]
 何ことの[保]
御気しきも[橋=高天]・・・・053119
 御けしきをも[大麦阿池御国肖日保伏]
 御けしきも/を〈削〉も[尾]
 御けしきも[中]
 御気しきをも/を〈改頁〉[陽]
 けしきをも[穂]
しるく[橋=大中麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・053120
 しるく/も〈削〉し[尾]
見[橋=大麦陽日伏高]・・・・053121
 見/△〈削〉見、見=見〈削〉[尾]
 み[中阿池御国肖穂保天]
たてまつれる[橋=尾陽高天]・・・・053122
 たてまつりしれる[大中池御国肖日穂保伏]
 奉りてしれる/て$[麦]
 奉りしれる[阿]
御めのと[橋]・・・・053123
 御めのとこの[大麦阿池御国肖日保伏]
 御めのとの[尾陽高]
 御ちぬしの[中]
 御めのとこの/こ〈改頁〉[穂]
 御めのとの/と〈改頁〉[天]
ナシ[橋]・・・・053124
 弁[大尾中麦阿陽池御日穂伏]
 弁の[国保高天]
 弁の/の$[肖]
命婦なとはかりそ[橋=尾阿高天]・・・・053124-001
 命婦なとそ[大国日穂]
 命婦はかりそ[中]
 命婦なと斗そ[麦]
 命婦なとはかり/=めい[陽]
 命婦なとそ/も〈削〉そ[池]
 命婦なとそ/=二人事[御]
 みやう婦なとのみそ/のみ$[肖]
 命婦なとのみそ[保]
 みやう婦なとそ[伏]
あやしく[橋=尾陽高天]・・・・053125
 あやしと[大麦阿池御国肖日穂伏]
 あやしう[中]
 あやしうと[保]
思わく[橋=尾陽高天]・・・・053126
 おもへと[大池肖日]
 思ひわく[中]
 思へと[麦阿御穂保伏]
 おもひわく[国]
事あれと[橋=中国]・・・・053127
 ナシ[大麦阿池御肖日穂保伏]
 ことなれと[尾高]
 事なれと[陽天]
かたみに[橋=全]・・・・053128
いひあはすへき事にも[橋]・・・・053129
 いひあはすへきに[大阿陽池御国肖日穂保伏]
 いひあはすへきことにし[尾高天]
 いひあはすへき事ならぬは[中]
 いひあわすへきに[麦]
あらねは[橋=大尾麦阿陽池御国肖日穂保伏高天]・・・・053130
 ナシ[中]
猶[橋=中阿陽穂保]・・・・053131
 なを[大尾麦池国肖日伏高天]
 なを/〈改頁〉[御]
のかれかたかりける[橋=大尾中麦阿陽池御肖日穂保伏高天]・・・・053132
 のかれかたかりける/前2か〈改頁〉[国]
御すくせを[橋=尾中高天]・・・・053133
 御すくせをそ[大麦阿陽池御国肖日穂保伏]
ナシ[橋=尾中高天]・・・・053134
 命婦は[大麦阿陽池御国肖日穂保]
 みやうふは[伏]
あはれにも[橋=尾陽高]・・・・053135
 あさましと[大麦阿池国肖日穂保伏]
 あはれに[中]
 あさましう[御]
 あわれにも[天]
おもふ[橋=大尾陽国保高]・・・・053136
 思[中肖穂伏天]
 思ふ[麦阿池日]
 をもふ[御]

 
 
 
posted by genjiito at 22:51| Comment(0) | ■講座学習

2020年02月14日

ウイルス警戒中に外出する時の注意点

 今日の午後は、吹田キャンパスへ行きました。
 コロナウイルスとインフルエンザの話題で持ちきりの昨今、出かけることへのためらい半分での外出です。
 バスに乗るとき、吊革や手摺や摑まり棒には、できるだけ触らないように心がけました。
 しかし、どうしても乗り込んだ時とシートに座る時は、安全のために握ってしまいます。
 除菌のウエットティシュを持参していたので、下車後に手を拭きました。

 電車では、身体を支えるものには触りませんでした。
 しかし、電車を降りてから、うっかりとエスカレーターの手摺をしっかりと握ってしまいました。無意識にです。

 今日は、大阪モノレールの阪大病院前駅で降りて吹田キャンパスにある国際教育交流センターに行きました。
 慣れない場所ということもあり、建物内で階段の手摺などを触ってしまいました。
 これも、帰りには手を拭きました。

 幸い、京都市内は観光客が激減しているので、人混みでの対面や接触はほとんどありません。
 また、道路は車が少なくてガラガラです。
 バスのお客さんも、観光の方がまったくおられないので、ほんの数人というガラガラ状態です。
 みなさんマスクをしておられたことと、咳をする方がいらっしゃらなかったので安心しました。
 日頃の込み具合が酷すぎるので、これは大歓迎です。

 結局は、バスの乗り降りとエスカレーターでの両手の使い方に要注意、ということがわかりました。

 さて、明日は毎月のことながら、東京の日比谷公園へ行く日です。
 先月は、ウイルスのことがここまで話題にはなっていない、1月18日でした。
 新幹線でのこと、東京駅と有楽町駅の往復のことなどを考えると、少し緊張します。
 日曜日は奈良行きなので、長距離移動が続きます。
 年齢が65歳以上であり、かつ糖尿病患者で、おまけにひ弱な身体の持ち主です。
 体調に気をつけながら行ってきます。
 
 
 
posted by genjiito at 19:07| Comment(0) | *健康雑記

2020年02月13日

映画雑記『坊っちゃん教授の事件簿』と『とりかへばや物語』

 2020年1月27日に<BSフジサスペンス劇場>で放映されたドラマに、『とりかへばや物語』が謎解きの隠し味として扱われていました。ドラマのタイトルは『坊っちゃん教授の事件簿・四国道後殺人事件』(脚本:古田求)。
 BSフジテレビの「番組情報」には、このドラマの内容が以下のように紹介されています。

 花園女子大教授夏目龍之介(橋爪功) は、「坊っちゃん」文学賞審査を依頼されて助手の育美(谷川清美) とともに四国松山へ。
 迎えたのは昔の龍之介の教え子、松山高校教師の谷崎浩一(尾美としのり) で、道後温泉の宿の案内から歓迎大宴会と教授の接待に努める。その宴会の夜、酔った浩一の車を代わって運転して帰った浩一の友人が事故死した。ブレーキが細工されていたのだ。何者かが浩一殺害を狙ったに違いない。
 浩一の谷崎家は松山の旧家で、当主も跡取りのはずだった啓一郎も死亡、愛人の子の浩一が財産を引き継いでいる。製菓業の“狸”を筆頭に校務主任“野だいこ”、郷土史研究家“山嵐”、新聞記者“赤シャツ”など浩一の親戚たちはじめ、啓一郎の恋人だったマドンナ(美保純) ら、「坊っちゃん」さながらの顔ぶれが、浩一を狙った容疑者となり…。


 約2時間の番組の1時間半後くらいに、『とりかへばや物語』の話が出て来ます。しかも、『とりかへばや物語』(桑原博史、全4巻、講談社学術文庫、1978年)を探偵役の夏目龍之介が取り出して見せてから、謎解きが俄然急展開します。

200213_torikaebaya.jpg

 突然、古典文学の受容史の様相を呈してからは、それまで漫然と見ていたこのドラマに注目してしまいました。
 こうした、古典作品を取り込んだドラマや映画は、いろいろとあることは知っています。しかし、意外な流れの中で出てくると、興味が深まり、物語の展開を再確認しながら見てしまいました。
 
 
 
posted by genjiito at 19:51| Comment(0) | ■読書雑記

2020年02月12日

京洛逍遥(591)観光客の激減で安堵の想い

 京都の街が一変しています。四条界隈を例にとると、海外からの方々、というよりも中国の方の姿を見ることが少なくなり、中国語も通りで聞くことが稀です。すべて、コロナウイルスのせいだと思われます。
 先週から今週にかけて、三条にある回転寿司屋さんの「むさし」に2度行きました。いつもは、海外の方が6〜7割、日本人が3〜4割というお客さんのように見受けられました。それが、今回は2回とも、海外からの方は1割にも満たず、2回目はゼロでした。共に、お昼の時間帯で、混み合うはずの時です。日本人ばかりと言っても、席の2割も埋まっていません。一言で言うと、あの混み合うお寿司屋さんが、バラバラでガラガラの状態でした。
 この、外国からの観光客は最近どれくらい京都を訪れているのか、その動向を示す数値が公表されることを、今か今かと待ち望んでいます。
 お店の方々は予想外の事態に困惑しておられることでしょう。しかし、私のように四条で乗り換えて家に帰る者にとっては、人やキャリーバッグにぶつかることもなく、お店は混んでいないので快適です。これは、大歓迎です。しかも、朝も夕方も、バスがスイスイ走るので、スムースに移動できます。いいこと尽くめです。
 今月はこれでラッキーだとしても、3月になると、観光客で溢れかえる、またあの喧騒と賑わいに包まれるのでしょうか。もう、うんざりです。
 正直なところ、遊び半分で物見遊山に来ないでほしい、という気持ちは、多くの京都市民が抱いていたようです。そのことは、先週まで市内で展開していた市長選挙の中でも、多くの方が問題にしておられたことです。選挙があったことにより、街角でのインタビューなどで、市民の多くは観光客をあまり歓迎していないことが浮き彫りとなりました。商売をしている方々との違いは明らかでした。
 さて、継続して市政にあたられる市長は、この観光公害をどのように対処していかれるのか、その手腕を大いに楽しみにしています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:46| Comment(0) | ◎国際交流

2020年02月11日

無料のスマホアプリ「一太郎Pad」を使ってみる

 ジャストシステムから先週、無料版のスマホアプリ「一太郎Pad」が公開されました。これは、次の3種類のテキスト入力ができるメモアプリです。iOSとAndroidに対応しています。

・キーボードで入力して文章を作成
・カメラで文字を読み取りテキストにする
・マイクで音声入力をする


 この内、特にスマホのカメラで撮影した画像から、テキストが自動で抽出される機能は重宝します(次の画像はジャストシステムのホームページから)。

200211_ititaro-pad.jpg

 「一太郎」のマッキントッシュ版は、現在は存在しません。しかし、日本語の仮名漢字変換システムとして独立した「ATOK for Mac」は、これまでにも長く使っていました。なかなか優秀なアプリでした。最近は使っていませんが。
 その延長線上にあるものとして、この「一太郎Pad」を先週から使い出しました。
 これまでは、「eTypist」で文字列を写真撮影してテキストにしていました。「活字文書のデータ変換アプリは「e.Typist WorldOCR」に移行」(2017年10月17日)を参照願います。
 それに加えて、これからは「一太郎Pad」が使えるのです。

200211_moji.jpg

 現在、「一太郎Pad」をいろいろと試しています。マッキントッシュユーザーにとって、日本語ワープロソフト「一太郎」との連携はできません。しかし、文字列が画像から抽出できるだけで十分です。
 パソコンによる日本語表現に関しては、これまでに「一太郎」が果たした役割は大きいと思います。私も、『新・文学資料整理術パソコン奮戦記』(桜楓社、1986(昭和61)年)で、「一太郎」について書きました(114頁)。しかし、「一太郎」がガラパゴス化したために、時代と世界の趨勢にその存在価値を低くしているように思います。一部の集団では重宝されているようですが。
 一太郎は今年、2020年で35周年を迎えることになります。その「一太郎」の歴史は、以下のようになっています。私は、この最初の「JS-WORD」から付き合っています。日本語を守り育てた功績は、高く評価していいと思います。

1983年「JS-WORD」
1984年「jX-WORD」
1985年「jX-WORD太郎」→「一太郎」
1995年 「一太郎Ver.5 for Macintosh」
2020年「一太郎2020」 「一太郎2020 プラチナ[35周年記念版]」


 そして今、スマホ用の日本語入力編集アプリが求められる時代となりました。その中で、「一太郎Pad」は新しい流れを開拓していきそうです。私は、「一太郎」にこだわらず、「Atok Pad」として進化してほしいと思っています。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◎情報社会

2020年02月10日

展覧会や展示会で正直に連絡先を書いたがための後悔

 興味のある展覧会や展示会があると行きます。そして、私に関する所属などの情報を書かないと入場できなかったり、今後の関連情報がほしい場合には、素直に連絡先などを書いて来ました。これが、今に尾を引く大失態だったのです。

 例えば、昨日こんな案内メールが来ました。

【 招待券申込 受付中 】日本最大の人工知能の専門展、AI・人工知能EXPO【春】にぜひご来場ください!

(中略)
主催:リード エグジビション ジャパン(株)
後援:(一社)人工知能学会
   (一社)日本ディープラーニング協会


 この内容に興味はあります。3年前までは、このイベントが開催される会場である「東京ビッグサイト」の近くに住んでいました。しかし、今は東京を引き払い、すぐには行けません。こうした案内がしつこく来ます。たしか、2002年に職場で大規模なデータベースを構築することになり、教育と情報に関する参考情報の収集のために参加したのが、この主催団体との関わりの最初でした。始めのうちは、登録抹消の連絡をしていました。しかし、これには巧妙な仕掛けがあります。次の文言が、案内メールの最後にあるのです。

このメールはリード エグジビション ジャパン(株)が開催する展示会情報をお届けするものです。
お手数ですが、送信先の変更、配信の停止を希望される方は以下の手続きを行ってください。

【送信先の変更】
https://regist.reedexpo.co.jp/expo/REED/?lg=jp&tp=up&ec=UPDATE
をクリックし、新しいアドレスをご連絡ください。
メールアドレス以外の情報変更もできます。

【配信停止】
https://www.ai-expo.jp/cancel_form/
をクリックし、配信停止希望のメールアドレスをご連絡ください。
今回送られた展示会に関するメールが停止されます。


 つまり、上の赤く表示した文言が曲者なのです。一回ごとに、その都度、その開催主体のものは配信停止にすることができても、それ以外の他の催しの案内は永遠に来るのです。そして、モグラ叩きが始まります。

 昨年末には、以下の配信停止を依頼するメールを送りました。しかし、すべて無視されています。

担当者 さま

「ID:・・・」の・・・です。
この手のメールがいまだに届いています。
来るたびに配信停止の手続きをしています。
しかし、その後も続いています。
私は、死ぬまで、こうしたメールを受け続けるのでしょうか。
一度行った展示会でメールアドレスを書いたのが大失態でした。
何とか来ないような手だてはないものでしょうか。
とにかく、迷惑です。


 それでなくても私は、毎日300通以上のメールの対処をしています。読むだけでも数時間かかり、返信のことを考えると、膨大な時間をこうしたメールの対応に当てざるを得ない中にいます。勢い、多くの仕事が停滞し、多くの方々に迷惑をかけています。かといって、貴重な情報提供も多いので、受信を制限するわけにはいきません。とにかく、毎日数百通のメールを数秒で読み流す日々です。勢い、取りこぼしや返信を忘れることは日常茶飯事です。

 そんな中なので、こうした私にとっては迷惑この上もないものとなったメーリングリストは、極力避けたいのです。この、停止にかける時間も馬鹿になりません。
 最近は、いろいろな契約にも、個人情報を求められるものは、契約しない、買わない、お願いしない、という態度に変えました。自分を守るためです。それでも、個人情報を提示しないとどうしようもないものがあります。
 時々、嘘の情報を書きます。メールアドレスなどがそうです。正直には書かないで、ありそうにはないと思えるものなどを書きます。もし、そのデタラメな情報が存在していたら、たまたま合致したその方には申し訳ないことです。
 コンピュータに関わって半世紀を迎えた私は、草分けと言われる化石と化した存在となっている昨今です。当時は、まさかこんな時代が来ようとは思いもしませんでした。何かと煩わしい環境に身を置いていることを、こんなダイレクトメールや連絡をもらった時に実感しています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:02| Comment(0) | ◎情報社会

2020年02月09日

昨日の科研研究会に関する吉村報告

 昨日、大阪大学箕面キャンパスで伊藤科研-第13回研究会「海外における平安文学」を開催しました。その詳細な内容を、記録係をつとめた吉村君がまとめてくれましたので、以下に引用して報告します。

 

伊藤科研 第13回「海外における平安文学」研究会報告



■日時:2020年2月8日(土)14:00〜18:00

■場所:大阪大学箕面キャンパス 日本語日本文化教育センター1階 多目的ホール

■プログラム

・14:00~14:05 挨拶(伊藤鉄也)

・14:05~14:20 自己紹介

・14:20~14:40 研究発表「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳−原典とadaptationの間を見つめる−」(緑川眞知子)

・14:40~15:00 研究発表「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」(常田槙子)

・15:00〜15:20 研究発表「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容−同音類音反復式の序詞を中心に−」(フィットレル・アーロン)

・休憩(20分)

・15:40~16:00 研究報告「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」(飯塚ひろみ)

・16:00〜16:20 研究報告「中国での国際シンポジウムを終えて」(伊藤鉄也、須藤圭)

・16:20〜16:50 共同討議「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)

・16:50~17:00 挨拶、連絡事項(伊藤鉄也)

・17:00〜 科研運用に関する打ち合わせ
 
 
■議事録

・研究発表「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳−原典とadaptationの間を見つめる−」(緑川眞知子)
 ウェイリーの言葉とされる「transcreation」という点からのウェイリー訳の考察であった。
 具体的には絵合巻を取り上げ、「大臣もいという(優)におほえ給て」という部分の訳し方に着目された。ウェイリーはこの部分を「Genji felt smmewhat shy」と訳している。「shy」は「いう(優)に」に対応していると考えられる。ウェイリー訳の日本語訳である佐復訳と姉妹訳において、この部分はそれぞれ「源氏はいくぶん気恥ずかしく感じ、」「ゲンジもいささか気遅れがして」と訳されており、誤訳のように思われる。しかし当時の辞書にもこの語は載っていた事から単に訳し間違えたとは考えにくく、むしろ自分の中でロジックが通じるように意図的にこのような訳としたのではないか、という発表であった。

・研究発表「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」(常田槙子)
 20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』の翻訳者とその人間関係、随筆の定義等を踏まえながらそれぞれの訳を比較検討するものであった。石川とルヴォンは「随筆」を「筆に任せて」書かれた特殊なジャンルだとしているが、この考えはボジャールには引き継がれていないとのことであった。また石川によって随筆がフランス語でいう「印象派文学」であるという点に着目しての考察があった。それぞれの訳の比較には「春はあけぼの」の章段が取り上げられた。
 その他、「あはれ」という語の訳され方の特徴や『枕草子』を随筆というジャンルに入れる事の問題点等にも言及された。

・研究発表「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容−同音類音反復式の序詞を中心に−」(フィットレル・アーロン)
 『万葉集』のドイツ語訳における同音反復の序詞について、翻訳者が見たと考えられる注釈等を踏まえつつ、具体例を示しながらその特徴を考察するものであった。序詞の訳し方を、序詞と心情部の関係を内容的にまたは文法的につなげるかどうか大きく二つに分けた上で、原典の歌の特徴からさらに細かく分けて考察された。具体例を一つずつ取り上げ、翻訳者の傾向などについても言及があった。

・研究報告「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」(飯塚ひろみ)
 百人一首歌のうち5首を取り上げ、先行する4種類のフランス語訳における手法を考察した上で、飯塚氏によるフランス語訳の実践を紹介するものであった。先行訳はそれぞれ5行書きや冒頭大文字などの型がある。しかし飯塚氏は何のために、誰のために訳すべきであるのかが現時点では不明であるいう点を踏まえ、型を定めずに訳を実践された。具体的には枕詞をあえて訳出しない、説明的な訳を付け加えて6行にする事でフランスの6行詩に近づける、など様々な試みがあった。

・研究報告「中国での国際シンポジウムを終えて」(伊藤鉄也、須藤圭)
 2019年12月20日から22日に行われた「2019年度中日比較文学国際研究会」の報告であった。
 分科会では中古・中世・近世に受容された『源氏物語』から翻訳についての発表が行われた。
 中古では様々な物語や和歌が『源氏物語』に影響を受けたことについて、翻訳においてどのように向き合うことができるかということに言及された。中世では古註釈の影響を翻訳にどのように組み込んでいくかということに言及された。近世では『源氏物語』の俗語訳者の「翻訳意識」を探るために、用いられた用語や比喩などを考察したものであった。

・共同討議「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)
*まず吉海氏から、昔は日本文学の翻訳というと英訳が主であった。しかし、現在は様々な言語に翻訳されていることがわかっていること、ネットや動画により日本文学が広く享受されるようになっていること、翻訳機の登場、原典と異なる訳であっても読者に享受されること等々、これからの学問について言及された。翻訳機については現在写真による翻訳ができるものがあることや、AIによる劇的な精度向上が進んでいるということが、伊藤氏や須藤氏から報告された。

*緑川氏の発表について、ウェイリー訳に辞書は影響を与えたのか、誰に向けて書かれたのか等の質問があった。辞書についてはウェイリーの環境等から考えると見たはずであろうとのことであった。想定されていた読者としてはブルームスベリーの人々が第一ではないか、とのことであった。またウェイリー訳は原典のリライトであり、その訳し戻しはリライトのリライトであるとのことであった。これについてモハンマド氏から、インドではすべてウェイリーの重訳であることが報告された。しかし、ウェイリー訳の問題点についても言及し、翻訳の目的や方法を考えていくことや対象となる読者の社会的背景を踏まえることの必要について言及された。また機械翻訳については、どの程度文学に使うことができるのかについての疑問も呈された。

*常田氏の発表について、吉海氏から『枕草子』は随筆というジャンルに入れない方が良いという事について、さらなる言及があった。常田氏はこれに賛同し、同様に『枕草子』をエッセイとする学生がいるという問題についても言及された。

*飯塚氏の発表について、伊藤氏から各国語訳で同様の取り組みを行うことでそれぞれの特徴を掴むことができるのではないか、という言及があった。

 
 
 
posted by genjiito at 23:46| Comment(0) | ■科研研究

2020年02月08日

盛会だった第13回の科研研究会「海外における平安文学」

 研究会に先立ち、本日の参加者の中で翻訳本の資料などを見たい方々のために、私の研究室にある書籍を見ていただきました。引き続き午後1時半から、大阪大学箕面キャンパスにある外国学図書館で書庫の見学を行いました。各国の新聞や雑誌の貴重な資料や、翻訳本の書架などを見ていだきました。

 2時からは、場所を日本語日本文化教育センターに移して、研究会を開きました。

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 今回は、フィットレル・アーロン先生の研究会(日本学術振興会外国人特別研究員P19302「古典和歌の翻訳、および和歌と西洋詩の比較研究」)との合同開催です。
 まずは、自己紹介からです。大阪大学に所属を移して最初の研究会なので、参会のみなさまはほとんどが初めての方々です。少し緊張気味に始まりました。

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 プログラムは以下の通りです。

(1)研究発表 緑川眞知子先生/「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳―原典とadaptationの間をみつめる―」

(2)研究発表 常田槙子先生/「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」

(3)研究発表 フィットレル・アーロン先生/ 「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容―同音類音反復式の序詞を中心に―」

(4)研究報告 飯塚ひろみ先生/「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」

(5)研究報告 伊藤鉄也先生、須藤圭先生/「中国での国際シンポジウムを終えて」

(6)共同討議 「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)


 それぞれの発表内容は、明日に譲ります。

 今日は、タイムキーパーを置いたこともあり、時間通りに進みました。こんなことは、滅多にないことです。みなさまの運営への協力に感謝しています。

 共同討議は、本日のゲストでもある吉海直人さんから発言してもらいました。それに続いて、いろいろと発表の核心に触れる質問があり、充実した質疑応答が展開しました。30分という時間は短かすぎました。
 すべてが終わってからは、千里中央駅に移動して、懇親会でまた翻訳についての話題で盛り上がりました。
 本日、多彩な問題提起がなされた稔り多い研究会となったことは、ひとえに参加者の皆様のご協力とご理解があってのことです。寒い中、また遠路遥々ありがとうございました。
 次回は、6月に開催する予定です。また、お集まりくださることを、楽しみにお待ちしています。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■科研研究

2020年02月07日

京洛逍遥(590)散策の道すがらに見かけたもの

 今日の賀茂川には、鷺がいませんでした。
 その代わり、鴨がいつもよりも多く集まっていました。
 今年の冬は食べ物が豊富なのか、丸々と太っています。

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 ラーメン屋さんの看板に、何となく気になる「ゑ」が書かれていました。元の漢字は「恵」なので、「心」が点4つになっています。

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 一般的には「灬」(れんが、連火)と言われるものです。しかし、それは漢字の話であって、「ゑ」のように仮名文字ではどのような扱いになっているのでしょうか。
 「魚」の連火(灬)は、中国の簡体字では【鱼】となっているようです。
 あやふやな知識しかないので、この文字を見つめながら納得できなくて困ってしまいました。

 スーパーマーケットのプレートにも、目が点になりました。「a」という漢字が出なかったようで、「?」となったままです。その場ですぐに、スマートフォンではこの「a」が呼び出せることを確認しました。

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帰ってから調べると、次のような情報が入手できました。

200207_go.jpg

 シフトJISにない漢字なので、スーパーの電子機器では表記できなかったようです。それにしても、「?」のままというのはいただけません。文字を貼るなりしてもよかったのではないでしょうか。
 
 
 
posted by genjiito at 21:21| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年02月06日

皮膚科で受診後に綿の下着を調達

 今朝は、この冬はじめての雪がちらつきました。とにかく寒い日になりました。
 そんな中、年末から身体の痒さが日毎に増してきたために、思い切って病院で診てもらうことにしました。
 以前にかかった京大病院の皮膚科が一番安心なので、診察開始時間を少しずらして行きました。予約をしていない場合は、受診者が少し落ち着いてからの方が、待ち時間は少ないからです。これは、この病院に長年通い続けて来ての体験からの感触です。
 予約がないので、長々と待つことは覚悟の上です。やっと診察室に入ると、アイドル歌手のような先生でした。ぱっと見、頼りないと思ったのは偏見でしょうか。いろいろと問診や触診を受けてから、後で別の先生に診てもらいましょう、とのこと。ああそうですか、と拍子抜けしました。修行中の身なのでしょうか。
 また待合エリアで待つことになりました。40分ほどしたころに、看護師さんが本を読みながら待っていた私のソファーに来られ、まだまだ待ってもらうことになります、とのことです。あと2時間までではないとしても、1時間前後だそうです。ちょうどお昼です。この病院に到着して3時間。食事をして待ってもらうにしても、時間的に微妙ですね、と思案顔でおっしゃいます。4時間や5時間なら、待つことに慣れていて大したことではないので、このまま本を読んで待っていることにしました。長い間ソファーで読書をしている私を見かねて、いろいろと気遣いをしてくださったのです。これまでにもあまりない、非常に親切な対応に感謝です。
 本を読み進んだ頃、また心優しい看護師さんが来られ、小声で、今先生が診察を終わられたので、このタイミングでサッと診てもらいましょうと、奥の方の診察室に案内してくださいました。長丁場を覚悟していたので、本当に助かりました。診察待ちの方が多い中で、少し変則的な診察の順番になることが周囲に目立たないように、何かと配慮をしてくださったようです。
 診察してくださった先生も、親切に、丁寧に対応してくださいました。先ほどの問診が表示された画面を見ながら、足や肘の様子を見て、すぐに塗り薬を処方してくださいました。私の既往症を確認して、飲み薬はやめておきましょう、とのことです。一つの病院に通い続けていると、情報の共有ができて助かります。
 また、妻から確認するように言われていた、ヒートテックの下着を綿のものに変えてみるという提案は、それもいいでしょうとお墨付きをいただきました。
 ヒートテックの下着は、2010年の1月にモンゴルへ行く時にはじめて身に付けました。その効果のすばらしさを、マイナス34度のウランバートルで実感したので、以来冬場はヒートテックで身を包んでいます。そのことは、「ヒートテックの下着は効果あり」(2009年12月28日)や、「マイナス34度のウランバートルに到着」(2010年01月10日)の記事でも確認できます。
 加齢と共に、我が身体も変化しているのでしょう。愛用の化学繊維と離れてみるのも、問題を解決するための一案なのかもしれません。
 無事に診察を終え、支払いのことなどをして外に出ると、京大エリアは粉雪が降りしきっていました。
 何はさておき、綿の下着の調達です。若者相手の衣料品店は、この周辺にも数多くあります。数店あるショッピングセンターも、さまざまな衣服を置いています。もっとも、それらはほとんどが若者を意識したものです。その点では、イズミヤさんは、高齢者を大事にした品揃えをしておられます。すぐに妻と連絡を取って待ち合わせをし、高野橋にあるお店で綿の下着を買い揃えました。確かに、イズミヤさんのお客さんは高齢者ばかりです。すぐ横にある、昨年末に新装開店したばかりの洛北阪急スクエア(旧称:カナート洛北)は、同じイズミヤの兄弟会社であっても、明らかに若者仕様のお店です。すぐ横に並ぶようにして建ちながらも、うまく客層を分けていることがよくわかります。年配者向けの綿の下着などは、どちらかと言えばイズミヤさんの領域のようで、品数が豊富なので選ぶのも大変です。
 家に着く頃には、雪もボタン雪に変わっていました。さて、今夜は積もるのでしょうか。明日の朝が楽しみです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:27| Comment(0) | *健康雑記

2020年02月05日

映画や演劇の次は触って楽しむ『源氏物語』へ

 科研のお手伝いで研究室に来ている二十代前半の学生さんに、『源氏物語』の映画や演劇・ドラマのことを聞きました。すると、何も思いつかない、というのです。意外でした。
 私の世代なら、ちょうど私が生まれたその年の長谷川一夫(1951年、谷崎潤一郎・池田亀鑑が監修)に始まり、市川雷蔵(1961年)、花ノ本寿(1966年)、沢田研二(1981年)、東山紀之(1991年)、中条きよし(1993年)、天海祐希(2001年)、紫吹淳(2010年)、生田斗真(2011年)、さらにはピアスをしたアニメ(1987年、声・風間杜夫)、ドラマ(2017年、城田優)、ミュージカル(2018年、初風緑)、プロジェクションマッピングと歌舞伎(2018年、市川海老蔵)、アイスショー(2019年、高橋大輔)と、いろいろ出てきます。
 今春(2020年4月)からのドラマ『いいね!光源氏くん』では、千葉雄大が光源氏役だそうです。これで、今の若者たちが『源氏物語』との新しい接点を持つことになるのでしょうか。
 『源氏物語』の受容が、読書という視覚によるものが中心となり、しかも孤独に黙読の世界で物語を味わう時代となって久しいのです。『源氏物語』は《物語》なので、本来は《かたり》であることが忘れられていました。朗読や宝塚の存在は、その意味では貴重です。
 目で、耳で、と『源氏物語』が視聴覚によって楽しめるのですから、次は触って楽しむ『源氏物語』のことを考えてみようと思います。
 
 
 
posted by genjiito at 20:40| Comment(0) | ◎源氏物語

2020年02月04日

納豆についての複雑な思い

 今、また納豆がブームだとか。
 これまでに、何度も納豆礼賛の話を聞きました。我が家でも、納豆が常備されています。東北の雪国生まれの妻は、小さい時から食べている大好物。しかし、出雲生まれで大阪育ちの私は、どうもあの糸を引くベタベタ感が苦手です。ねっとりした糸が口の周りに付くのが耐えられません。とにかく、薬だと思って食べています。とは言っても、最近はしばらくご無沙汰しています。

 私が最初に納豆を食べた時のことは、今でも鮮明に覚えています。高校を卒業して上京した1970年2月、吉祥寺にいた従兄弟の家に泊まった時の朝食で、生まれて初めて納豆を口にしました。匂いと不気味なネバネバ感を我慢して、どうにか一口食べてすぐに遠慮しました。それまでは、納豆というと正露丸のような大徳寺納豆しか知らなかったのです。

 私が薬だと思って食べているのは、この納豆とニンニクに加えてゴーヤがあります。牡蛎も3個が限界です。糖尿病の私は、血糖値を急激に上げない食事を心がけています。この苦手な食材は、お医者さんも栄養士さんも勧めてくださいます。そのこともあって、できることなら食べたくないものの、少しだけならと自分に言い聞かせ、薬だと思っていただいているのです。

 さて、問題の納豆です。身体にいいことはわかっているので、何とかして食べる機会を増やしたい気持ちはあります。夏場は無理なので、この寒い時期だけでも「長生きするために」という呪文を唱えながら、折々にいただくことにします。
 
 
 
posted by genjiito at 19:52| Comment(0) | *美味礼賛

2020年02月03日

何もしない日(2月)

 今日は何もしない、何も考えない1日。

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 これまで回遊魚と言われて来ました。
 マグロは泳ぎ続けないといけません。
 しかし、寄る年波を自覚する日々に、そういつまでも身体は持ちません。
 そこで、今年からは何もしない日を毎月1日は作っています。
 
 
 
posted by genjiito at 23:14| Comment(0) | *身辺雑記

2020年02月02日

大和平群で丸卓を使ったお茶のお稽古

 今日は、京都市長選挙の日です。朝早くに、少し南に下ったところにある地域の投票所、下鴨小学校まで歩いて行きました。ここは避難所にもなっています。しかし、実際に災害があった時に、ここまで歩いて行くよりも、京都府立大学や植物園に行くか、河原に出た方が近いのです。その時の判断によって、どちらへ行くかを考えようと思っています。

 コロナウイルスの感染者は、関西方面では奈良が最初でした。その奈良へ、お茶のお稽古に行ってきました。出がけには、感染のことで少しためらいがありました。しかし、最近は特に感染者に関するニュースは報じられていないので、いつものように出かけました。

 大和平群まで電車で2時間。特に、大和西大寺駅での乗り換えは混み合います。人混みを避けるようにしてのホームの移動です。車中で、マスクをしていない方で咳をする方が何人かいらっしゃったので、少し緊張しました。念のために、車輌を移りました。

 龍田川は、いつものように流れています。定点観測のつもりで、いつも写真に収めています。

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 今日は、丸卓を使った運びの薄茶のお稽古をしました。前回は「入れ子点前」でした。微妙な違いがよく理解できていないので、何箇所かで戸惑いました。どうも、まだその違いが身に付いていません。
 お茶室を出入りする回数はもとより、最後に水次を使うかどうかや、棗を丸卓の上に置いて帰るか持ち帰るかなどなど、書き出すといろいろと違いはあります。そうした中で、丸卓の上には棗と柄杓と茶碗が残されている、という最終形態の風景が気に入っているので、この棗を残すお点前である「入れ子点前」を、特に習得することを当面の目標にしようと思います。
 まずはこれを、そしていろいろなお点前を、というステップでお稽古を組もうと思います。相変わらずわがままな生徒です。

 帰りの電車の中でも、マスクをしていない方が咳をしておられました。身を守るために、違う車輌に移りました。周りをキョロキョロしながら、乗客の様子を見ていました。結局、竹田駅で乗り換えず、京都駅まで出て、バスで帰りました。当分の外出は、こうして状況判断をしながらとなりそうです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:37| Comment(0) | *身辺雑記

2020年02月01日

藤田宜永通読(36)『ラブソングの記号学』

 一昨日1月30日に藤田宜永氏が69歳でお亡くなりになったことを知り、お別れに何か読もうと思って手にしたのが本書『ラブソングの記号学』(昭和60年8月、角川文庫)です。

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 昭和70〜80年代の歌を取り上げ、好き勝手な想いを語っているので、同じ世代の者同志が共有できるネタを通して生きた時代を振り返り、見送ろうと思ったのです。また、本書の解説を妻の小池真理子氏が書いていることも、このエッセイ集にしたことに少しは関係しています。
 しかし、あらためて再読し、あまりいい選書ではなかったと思っています。意外と中身がなかったことを知ることになったからです。作者には申し訳ないと思いながらも、そのような一人の作家と共に作品を通して楽しみ、貶して来たことを思い出すことになりました。
 それでも、逝く人に阿ることもなく、感じたままを記し留めることで、私なりの送別の気持ちを残しておきたいと思います。
 本書の中では、「優良物件案内」と題する一文だけは、おもしろく読みました。
 恋愛感情を表現する場としての恋愛空間を、たくみに歌にしたものを取り上げています。その視点がおもしろいと思います。藤田は私と同じ世代なので、引かれている歌詞がそのまま口ずさめます。
 藤田は、学生時代には歌手になろうと思っていたそうです。我々の高校時代にはグループサウンズがはやり、私も小さなバンドを作ったり、デュオをやっていました。恥ずかしながら、リードギターでボーカルをやったりもしていました。いつだったか、その時の写真をこのブログに掲載したことがあります。
 歌は、世代を超えて歌い継がれるものです。しかし、藤田や私たちが生きた昭和時代の中期は、まだ自分たちの世界を歌うものでした。「神田川」や「赤ちょうちん」はまさに私の学生時代の生活そのものです。そのことから見ると、ここに出てくる歌は、恋愛の場所を背景に持っています。そこに着目した、その切り口のみごとさに感心します。
 本書では、この節だけが光っています。総体に、演歌を初めとする情話を歌うものを扱った文章に、私はほとんど気を引かれませんでした。これは、藤田が情念の世界や、人情話を得意としない原因ともなっているように思います。男女の愛情の機微を表現するのは、当初から苦手だったのではないかと、勝手に思っています。そのために、藤田の恋愛話の作品の質が高くならないのではないかとも。
 本書でも、読み進むうちに、だんだん話に飽きてきました。藤田の作品の、特に恋愛物に多い、中盤から失速するパターンに入りました。恋愛観が薄っぺらいので、恋愛論が酒場での軽口の域を出ないのです。恋愛談議が平板です。同じことの繰り返しなので、飽きてくるのでしょう。
 そんな中で、吉行淳之介に言及する箇所が2つあります。少なからず藤田が意識していた作家だったといえるでしょう。

「『夕暮れまで』が寂しい印象を与えるのは吉行淳之介自身が『恋愛小説』の不可能をすでに知っているからではないのか」と川本三郎はあるところで書いている。
 『春の雪』(三島由紀夫)のように時代を溯らせている作劇の背景をつくり出し恋愛空間を成立させている作品は別にすると、確かにここ数年、これは、と思うような恋愛小説に出喰わさない。(42頁)
(中略)
 例えば、男女関係を描いた場合を取り上げてみても、吉行淳之介氏が二十代後半から三十代前半に書いた小説と今の三十前後の作家のものを比べてみると一目瞭然だ。吉行氏の場合は全て"私"で、しかも何度も出てくるが、今の若い作家の場合は、大半が"僕"でしかも使われる回数も少ない。これは何を意味するかというと、吉行氏の主人公は自分と自分以外の物事(女も含む)とのずれ、違和感といったものを明晰につかんでいたのだが、今の若い作家の主人公は、そういうことがつかみ切れず、右往左往しているということなのではないだろうか。これは、吉行氏が、その道のことを書かせれば右に出る者がない作家だということもさることながら、現代の男の生き様の反映だという気がする。(133頁)


 なお、船戸与一に対する藤田宜永が抱いていた親近感については、機会をあらためて『亡者たちの切り札』(祥伝社文庫、令和元年8月)を取り上げる時に触れます。
 本書には、社会の変動を扱ったネタも多く収録されています。ただし、多分に表面をなぞっただけで、深みがありません。社会現象を分析するのは、苦手なのでしょう。自分の周辺の話が社会一般に拡がらないのは、視点の狭さと切り込みの甘さからでしょう。お酒の席で無理やり聞かされる話のように感じられました。
 話が佳境に入った頃に、チャンネルが切り変わります。その切り返しがうまくないので、読んでいて爪先が突っかかる感じがします。何度か経験すると、読み進む楽しさも半減します。藤田の文章が持つそうした特徴を心得ていると、肩透かしを喰らった気分にならずに読めます。藤田宜永の作品を読むのには、こうした心得やコツがいるのです。
 亡くなった人を悼む気持ちで書く文章らしくなくなってきました。しかし、これも藤田への敬意からの追慕なので、これはこれとして許してもらいましょう。
 藤田のハードボイルドの作品は、大いに楽しめます。それだけに、恋愛もので失望する落差の理由が知りたくて、ずっと読み続けています。以下に、「藤田宜永通読」として書いてきたもののリストを揚げます。もう作品が書き継がれることがないことは残念です。それでも、こうして一度読んだ作品の読み直しは、発表された順を追うことを一つの方針として、折々に続けていくつもりです。
 以下、ご冥福をお祈りしながら。


書誌:本書に収録されたエッセイは『野性時代』に連載されたもの。


《藤田宜永通読リスト》

 (2020.2.1_までのもの35件)


「藤田宜永通読(1)『リミックス』」(2007年09月18日)

「藤田宜永通読(2)『いつかは恋を』」(2007年10月27日)

「藤田宜永通読(3)『戦力外通告』」(2007年11月22日)

「藤田宜永通読(4)『恋愛事情』」(2008年04月04日)

「藤田宜永通読(5)『喜の行列 悲の行列』」(2008年10月22日)

「藤田宜永通読(6)『恋愛不全時代の処方箋』」(2009年02月20日)

「藤田宜永通読(7)『たまゆらの愛』」(2009年09月01日)

「藤田宜永通読(8)「還暦探偵」」(2010年03月26日)

「藤田宜永通読(9)『空が割れる』」(2010年04月13日)

「藤田宜永通読(10)『老猿』」(2010年06月29日)

「藤田宜永通読(11)『愛ある追跡』は駄作です」(2011年07月08日)

「藤田宜永通読(12)『夢で逢いましょう』」(2011年11月14日)

「藤田宜永通読(13)『還暦探偵』」(2011年12月20日)

「藤田宜永通読(14)『敗者復活』」(2013年03月11日)

「藤田宜永通読(15)『野望のラビリンス』」(2013年08月08日)

「藤田宜永通読(16)『標的の向こう側』」(2013年08月28日)

「藤田宜永通読(17)『瞑れ、優しき獣たち』」(2013年08月31日)

「藤田宜永通読(18)『ライフ・アンド・デス』」(2014年02月06日)

「藤田宜永通読(19)『女系の総督』は次作を期待させるか?」(2014年07月02日)

「藤田宜永通読(20)『孤独の絆』」(2014年07月03日)

「藤田宜永通読(21)『モダン東京2 美しき屍』」(2014年09月23日)

「藤田宜永通読(22)『モダン東京3 哀しき偶然』」(2015年02月09日)

「藤田宜永通読(23)『ダブル・スチール』」(2015年08月18日)

「藤田宜永通読(24)藤田宜永『探偵・竹花 潜入調査』」(2015年10月06日)

「藤田宜永通読(25)『探偵・竹花 再会の街』」(2015年12月17日)

「藤田宜永通読(26)『血の弔旗』」(2016年01月12日)

「藤田宜永通読(27)『探偵・竹花 帰り来ぬ青春』」(2016年03月07日)

「藤田宜永通読(28)藤田宜永『呪いの鈴殺人事件』」(2016年06月14日)

「藤田宜永通読(29)藤田宜永『タイホされたし度胸なし』」(2017年08月14日)

「藤田宜永通読(30)『女系の教科書』」(2018年08月06日)

「藤田宜永通読(31)『彼女の恐喝 Blackmail』」(2018年11月23日)

「藤田宜永通読(32)『モダン東京1 蒼ざめた街』」(2019年01月10日)

「藤田宜永通読(33)『モダン東京4 堕ちたイカロス』」(2019年04月25日)

「藤田宜永通読(34)『銀座 千と一の物語』」(2019年09月27日)

「藤田宜永通読(35)藤田宜永『ボディ・ピアスの少女』」(2020年01月11日)

 
 
 
posted by genjiito at 18:32| Comment(0) | □藤田通読