2019年11月23日

神野藤先生の与謝野晶子語りを聞きに堺へ行く

 久しぶりに京阪電車に乗り、堺に行きました。家の前のバス停で、「205」番に乗るはずが「206」番のバスに乗ってしまいました。東山に向かうバスなので高野橋東詰で降り、タクシーで出町柳駅まで行き、走って電車に飛び乗りました。危ない危ない。目の調子が良くないせいか、バスの「205」と「206」が見分けられなくなりました。特にLEDの表示になってからは、数字が滲んで見えにくいのです。この前も、同じ経験をしました。

 出町柳駅前は、八瀬大原鞍馬方面へ紅葉を見に行く方たちで長蛇の列。通勤ラッシュ状態です。タクシーの運転手さんが、出町柳から八瀬の瑠璃光院へ行くのに2時間以上かかった、とおっしゃっていました。道路も大渋滞のようです。

 さて、今日は神野藤昭夫先生の講演会が、さかい利晶の杜であるのです。

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 ホームページから、該当する部分を引きます。

 本年は、与謝野晶子の最後の大作『新新訳源氏物語』完成からちょうど80年になります。
 晶子は、少女時代から「源氏物語」に親しみ、54帖の各帖を1首ずつ歌にして、1時間で30首も詠むことができたと回想しています。紫式部を恩師として尊敬し、「源氏物語」を「日本精神の大きな本源」として高く評価していた晶子は、生涯に3度も「源氏物語」の現代語訳を手掛けました。
 最初の訳は明治末期のヨーロッパ旅行前後に『新訳源氏物語』全4巻として刊行され、2度目は執筆途中の原稿を関東大震災で焼失してしまい、3度目の訳が昭和13年(1938)から翌年にかけて『新新訳源氏物語』全6巻として刊行されました。その3年後に晶子がこの世を去ったため、『新新訳源氏物語』は晶子にとって最後の大作となりました。
 本展では、晶子が少女時代から最晩年にかけてその情熱を注いだ「源氏物語」の魅力を、『新新訳源氏物語』の自筆草稿や、各巻を歌に詠みこんだ「源氏物語礼讃」から解き明かします。晶子がいかに「源氏物語」を愛し、未来永劫に読み継がれるために心血を注いでいたかを知っていただく機会になれば幸いです。

会期
令和元年11月2日(土)〜12月15日(日)
 ※11月19日(火)は休館

時間
午前9時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)

場所
さかい利晶の杜 企画展示室

料金
一般300円(240円) 高校生200円(160円) 中学生以下100円(80円)
 ※「与謝野晶子記念館」「千利休茶の湯館」の観覧券で企画展示室にもご入場いただけます。

主催
堺市

協力
与謝野晶子倶楽部

記念講演会
「『新新訳源氏物語』はどのようにして生まれたか╶╴その魅力の源泉をかんがえる」
日時:11月23日(祝・土)午後2時〜3時30分(90分)
講師:神野藤昭夫氏(跡見学園女子大学名誉教授)
会場:さかい利晶の杜 講座室
定員:40名(先着順)
料金:300円(展示観覧含む)


 あらかじめ連絡をしていたので、世話役の足立匡敏さんが手配をしてくださっていました。足立さんは、与謝野晶子の自筆原稿を国文学研究資料館で画像データベースにする時、写真撮影などでお世話になりました。
 会場は満員です。堺の晶子人気は日本一でしょう。

 講演会の前に、展示室で神野藤先生とバッタリ出会いました。学芸員の森下さんの説明を一緒に聞き、晶子の『源氏物語』への情熱をあらためて感じました。
 今回あらたにわかったことがあります。晶子の『新新訳源氏物語』の自筆原稿で、与謝野光氏所蔵の以下のものが、このさかい利晶の杜に寄託資料として収蔵されていることでした。

夕顔 15枚
薄雲 31枚
少女 22枚


 これらは、すでに撮影して国文学研究資料館から公開している画像データベースに含まれていません。また、堺市博物館所蔵の「松風」数枚も、画像データベースに入っていません。
 晶子の原稿は万年筆で書かれており、光が当たると色が落ちていきます。そのため、2008年に鞍馬寺所蔵の自筆原稿から、精細な画像で公開して原稿を守る対処をした経緯があります。

「与謝野晶子の自筆原稿『新新訳源氏物語』と『蜻蛉日記』の撮影」(2010年10月26日)

 この未公開の原稿も、1日も早く撮影して、国文学研究資料館の画像データベースに追加していただきたいと思います。

 本日の神野藤先生のご講演は、最初に「落とし穴」が後半にあると宣言して始まりました。
 いつものわかりやすくておもしろい名調子に加えて、謎解きの要素がふんだんのスリリングなお話でした。今回の講演の準備を終えてから気付いた「落とし穴」が、最後に用意されているということです。これは、ライブでお聞きしたからこそ伝わる、調査研究の醍醐味が伝わるものでした。
 いつもなら、ご講演の内容を順を追って整理するところを、今回に限り、お話の展開は控えます。会場のみなさまと共に楽しんだ、あの筋書きが見通せない新鮮な語り口を、自分の中で反芻して楽しむことにします。
 一つだけ、忘れないように記します。晶子と河内本についての問題意識と、「柏木」の巻末部の文章の不可解さについては、今日私にとって一番インパクトがあった話題でした。晶子の『新新訳源氏物語』の訳文の違いとどう関係するのか、楽しい宿題をいただきました。

 終わってから、娘と孫たちに会っていただきました。フランスの話や孫のことなどが話題となり、もっと時間があればと思いながらも、先生を独占するわけにもいかず、またの機会を約束し、みんなで記念写真を森下さんに撮っていただいてお別れしました。
 先生は、いつも私が休みなく飛び回っているので、自制を促すメールをよくくださいます。ありがたい大先輩です。
 また元気を先生からいただいた後は、娘と孫たちを連れて、近くでケーキと飲み物で和やかな時間を過ごしました。
 帰りの堺駅前で、今日の記念にと、与謝野晶子の像の写真を撮りました。

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 晶子さんは、西口にひっそりと佇んでいます。東口の賑やかな所に引っ越しさせることはできないのでしょうか。ほとんど人通りがない側なので、気の毒です。堺市の方、ご一考をお願いします。
 
 
 
posted by genjiito at 20:36| Comment(0) | ■講座学習