2019年10月19日

紫風庵で三十六歌仙と源氏物語の変体仮名を読む(第6回)

 大徳寺に近い「紫風庵」で、「源氏物語と三十六歌仙の写本を変体仮名で読む会」の第6回となる勉強会を開催しました。主催は、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉です。
 午後2時、ちょうど始めようとした時に、大雨となりました。紫風庵の背後に建つ建勲神社では、織田信長が上洛した日に因み、10月19日の今日は船岡大祭が行われていました。大鼓の音の合間に、物が爆発する音が何度もします。信長にゆかりがあるとのことで、火縄銃が演武されている音だそうです。来年の大河ドラマは明智光秀が主人公です。すでにこの建勲神社への参拝客は日々増えているそうです。
 そんな中で、まずは配布したA4版のプリント10枚を見ながら、今日の勉強内容の確認からです。
(1)10月26日(土)の百人一首のイベントのお誘い
(2)定家本「若紫」に関する新聞記事から。補入された2文字の説明文が、写本のことをよく知らない人が書いていることを証明する。
(3)福沢諭吉の『学問のすゝめ』の冒頭などに残されている変体仮名。
(4)山下智子さんの京ことばで読む『源氏物語』の宣伝(11月17日分)
(5)襖絵の詞書と和歌の確認
(6)ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」の今日読む箇所の確認

 今日見る、襖に貼られた三十六歌仙の絵と和歌については、座卓を囲んだ学習形式で、書かれている文字をプリントを使って確認しました。今回は、「壬生忠峯」「斎宮女御」「大中臣頼基」「藤原敏行」の四名です。

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 目ならしのプリント学習を経て、部屋を奥の座敷に移動して、実際の作品を見ます。

 左から四領目の襖《左上》は「壬生忠峯」です。

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■忠峯(有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし)
                   (古今和歌集 六二五)
  右   壬生忠峯
あ可つき    王可れ
   【斗】    よ里
     【有明】農
 うき
  【物】  つれな具
   ハ
   なし   三盈
         し


 このチラシ書きについては、ど真ん中に初句「【有明】農」がくっきりと書かれていることがわかります。

 2首目は斎宮女御です。
 ◎左から四領目の襖《右上》
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■斎宮女御(琴の音にみねの松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ)(拾遺和歌集 四五一)
    斎宮女御
こと能【音】耳三ねの
  【松】可せ可よふらし
  い都連の乎よ里
   志らへ所め介む


 3首目は大中臣頼基。
 ◎左から四領目の襖《右中》

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■頼基(ひとふしに千世をこめたる杖なればつくともつきじ君がよはひは)
                       (拾遺和歌集 二七六)
  右  大中臣頼基
【一】婦し尓【千世】越
   こめ多る【杖】な連
            者
  津くともつきし
  【君】可よ者飛盤


 4首目は敏行朝臣です。
 ◎左から四領目の襖《右下》 にあります。

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■敏行(秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる)
                      (古今和歌集 一六九)
  右   藤原敏行朝臣
【秋】きぬ登めにハ   おとろ
   さや可尓みえね    可連
         とも
               努
    【風】のをとに
                る
          そ


 参会者の中に、すでに京都国立博物館へ佐竹本三十六歌仙を見に行かれた方がいらっしゃいました。歌仙絵が切断された時には、斎宮女御が一番高い値段であったことや、平日は入館者が少なかったことなど、いろいろな話に花が咲きました。

 続いて、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」を読みました。
 「堂」が普通に読めるようになると、もう大丈夫ですと言っていると、15丁表には5例も出てきました。
 今日は、15丁表10行目の行末まで確認し終えました。来月は、15丁裏1行目から読みます。

 次回は、11月30日(土)午後2時からです。

 帰りに建勲神社前で、「京都刀剣御朱印めぐり」の大型バスが停まっていました。刀剣女子かと思いきや、結構年齢層の高い方々が乗り降りしておられました。
 
 
 
posted by genjiito at 21:03| Comment(0) | ◎NPO活動