2019年10月11日

再録(28)自動車のマフラーが外れる〈2002.5.5〉

 この一連の「再録」は、〈大和まほろば発 へぐり通信〉の【ハイテク問はず語り】というコーナーから発信していた情報群の一部です。
 このサイトのデータが見られない状態が続いているので、オリジナルのデータから抜き出して再現しています。

 私は、さまざまな製品でトラブルに遭っています。以下で取り上げる車のトラブルは、今から17年前の出来事です。
 今回、ノーベル化学賞でまた日本人が受賞し、その吉野彰さんが開発されたリチウムイオン電池が脚光を浴びています。吉野さんは、地球温暖化とエネルギー問題を解決する一環として、電気自動車を視野に夢を大きく育てようとなさっています。
 そのような明るい未来が語られている中ではあるものの、形ある物は壊れるし、日常的に不具合も起きることは避けて通れません。その時に、どのようにして対処するか、という問題に突然直面することになるのです。私はこんな体験をしました、という記録をここに再生させて残しておきます。
 
----------------- 以下、再録掲載 ---------------------
 

自動車のマフラーが外れる〈2002.5.5〉


 これまで乗っていた自家用車が古くなった。11年目である。10年は乗ろうと言って買った。今年の7月に車検を控えているので、この機会に買い換えようと決心した。しかし、このトヨタのクラウンのマフラーが、走行中に突然外れたのである。

 北は青森から西は広島まで、家族6人を乗せて全国を走りまわった。前席がタクシー仕様のべンチシートなので、前に3人が座れる。子どもが幼い頃は、前にチャイルドシートをダブルで並べ、よく通行人にのぞき込まれたものである。

 その子どもたちも大きくなり、今では夫婦二人で乗ることが多くなった。おまけに、単身赴任ということもあり、週末にしかエンジンをかけない。私がインドへ行っていた3ヶ月間は、姉が時々拙宅に来ては、エンジンをかけてくれていた。燃費は当初より「6」以下なので、「20」近い実績を示す最近の車に比べると、非常に効率が悪く不経済である。車庫にもガーデニング用品が溢れ、大きな車を持て余すようになってきた。買い換え時である。

 目当ての新車はほぼ決まっていた。選択肢は、卜ヨタの「ビッツ」とホンダの「フィッ卜」の2つ。小型車である。まず、トヨタへ息子と下見に行った。説明を聞いている内に、来月の5月初旬に、「ビッツ」が少しグレードアップして「イスト」という名前で販売されることを知った。資料が少なかったが、これはいい情報である。ただし、ホンダ車に乗ったことのない私は、またトヨタになるということに引っかかった。

 夕方、「ビッツ」と「フィッ卜」の2つを、妻と試乗しに行くことにした。どちらの車でも、助手席に座った販売員の方は、私が両足で運転するのに感心しておられた。私が、右足はアクセル、左足はブレーキを踏むので、それが珍しいとのこと。お二人とも、初めて見るそうである。そんなものかと思った。みなさん、右足だけで車を操作なさっているのであろうか。危なくないのだろうか。一本の足で二つのペダルを操作するよりも、左右の足で一つずつのペダルをコントロールする方が自然だと思うのだが。一本足で運転するのは、恐らくマニュアル車でクラッチを左足で操作していた時代の名残なのだろう。カーマニアの知人は、クラッチをつなぐ快感が何とも言えないこともあり、マニュアル車に拘っている。しかし、オートマ車を今でもまだ一本足で運転する人がいることを知り、私の方が驚いた。ブレーキを踏むタイミングが遅くならないのだろうか。日本は、インドのように車間距離十センチという走り方はしないので、緩慢なブレーキ操作でも事故に直結することは少ないのだろう。私には、怖くてできないことであるが。

 さて、トヨタの次にホンダ車を試乗した後、妻が後ろの荷台のスペースのことが気になるというので、再度トヨタへ立ち寄ることにした。そして、トヨタのお店の直ぐ前にある信号に近づいた時に、後ろの方で「コトン」という乾いた音が聞こえた。トランクの中の荷物が倒れたのかと思った。信号が変わったので発進するためにアクセルを踏むと、今度は暴走族の改造車のような「ヴオーン」という音が聞こえた。もう一度ふかすと、やはり自分の車から発する音である。何やらいやな予感がしたので、すぐに信号の直前にあるお店の駐車場に車を入れた。このお店は、トヨタのすぐ裏にあたり、ここに車を入れてもトヨタへ行けるのである。私はすぐに車を降りて、後ろから車体の下をのぞき込んだ。すると、排気ガスを放出するマフラーがゆがんでいた。熱かったが触ってみると、ブラブラしているのである。すぐにトヨタのお店へ行き、「イスト」の荷物スペースのことを聞いてから、車を見て欲しいと頼んだ。整備員の人がお店の裏へ周り、車をトヨタのカーピットまで運転してきてくれた。そして、油圧機でリフティングして車体の下部を調べてくれた。整備員の人がマフラーを少し押したところ、それがガタンと外れて落ちたのである。腐食したパイプ(修理完了後の写真、赤丸箇所)が完全に崩れ落ち、かろうじて接合部分の下端に引っかかって、脱落を免れていたのである。

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 このマフラーは後部一カ所で吊ってあるだけなので、もう少し走っていたら、このマフラーが落下して先端が路面に食い込み、次に車を後ろから押し上げる形になる所であった。そして、外れたマフラーが道路上に転がり、信号停止から発進しだした後続車に跳ね飛ばされる、という事態。夕刻で渋滞状態だったので、アクセルを踏み込んでスタートした反対車線の車をも巻き込むことになる。考えただけでもゾッとする光景が想像される。

 マフラーを取り替えると、相当な金額になるとのこと。これから新車を買おうとしている時である。とにかく1ヶ月ほどもてばいいので、応急処置として溶接という対処で凌ぐことにした。5千円くらいだそうだ。不幸中の幸いということにしよう。そして、これも何かの縁なのだから、ということで、トヨタの「イスト」を買うことにした。実車は3週間後に展示車として見られるそうである。参考までにと、販売員用に作成された内部用ビデオテープを貸してもらえた。家で家族と見ながら、これにしようということで意見が一致した。

 なお、数日後、このソニーのビデオ機器も不調になり、分解してみたらカセットローディング部分のギヤが破損していることがわかった。かつて、β形式のビデオで同じような症状になったことがある。その時は、本体を日本橋のソニーのお店に持って行き、店頭で部品をもらって自分で修理したことがある。しかし、今はそんなことはメーカーもさせてくれないだろう。預かって、見積もりを出し、技術料がどうのこうとのなるのだろう。さて、これもどうしようか。

 新しい車体の色は、息子たちの意見を採り入れた。しかし、これは後日、妻の要望に変更となった。私は、ソニーのカーナビに拘ったが、何かと取り付けに問題があるようなので、トヨタの純正で妥協した。車がネットワーク社会の小道具として活かされていないことに不満を感じた。車は、移動手段だけではなく、情報収集の道具となるべきである。

 それにしても、一本のフックで吊られていたマフラーのことである。何ともお粗末なような気がする。このようなトラブルはめったにないことなのだろうか。これまでに、私は車に関していろいろなトラブルに巻き込まれてきた。

◆マツダの「ファミリア」
・高速道路上で突然エンジンが止まり、新型車に買い換える
・その新車が、高速走行中にドアのロックが勝手に外れる(リコール対象)
 ※注、拙著『新・文学資料整理術パソコン奮戦記』(桜楓社、1986年)の143頁に詳述

◆ニッサンの「セドリック」
ブレーキオイルが急速に消耗する
ダイナモが過充電で白煙をあげる
高速走行中に後部車輪のブレーキが壊れる
走行中にエンジンが焼き付きエンジンを取り替える


 私は、激しい運転をするタイプではない。車の点検整備も、比較的こまめにしている方だと思う。とにかく、コンピュータともども、私は手にする機械の当たりが悪いのである。いい仲間との出会いには恵まれていると思う。しかし、機械との出会いはまったくダメである。欠陥商品が私の手元にはよく転がり込んでくる。新製品にすぐに手を出すという性癖が原因だと言えばそうかもしれない。それにしても、あまりにも欠陥品を手にすることが多すぎる。いずれにしても、機械はよく壊れる。自動車事故と聞いても、そのうちの相当数は車の突然の故障に起因するものだと考えている。よく人間の操作ミスとされるものも、引き金はハードウェアの問題が多いにちがいない。私は、幸運にも、車が壊れるという問題に早く反応して対処できたので、大きな事故に至らずに済んでいると思う。その車で死ぬのも、すべて運である。事故になれば、車は大破していることが多いので、メーカーにとっては人間の操作ミスにしやすいのである。事故を起こした方も死んだ方も、機械の故障に起因することを証明するのは不可能に近い。自動車メーカーは、人殺しを巧妙に隠蔽しているに過ぎない、と私は思っている。

 近日中に入手する新車は、どのような欠陥を私に見せてくれるのであろうか。機械の不具合との対面が、非常に楽しみである。

----------------- 以上、再録掲載 ---------------------
 
 
 
posted by genjiito at 19:59| Comment(0) | *回想追憶