2019年10月01日

京洛逍遥(578)訪日外国人のために阪急などの駅名が変えられたこと

 今日から、関西の私鉄3社、阪急・京阪・阪神の駅名のいくつかが変わりました。阪急の場合、「梅田駅」が「大阪梅田駅」に、「河原町駅」が「京都河原町駅」に変えられてしまったのです。この物言いは、迷惑の受け身です。
 私が乗り降りする「河原町駅」では、駅名看板は88枚もあるそうです。初日ということで、新旧入り混じっているのは致し方のないことです。これに加えて、連絡や乗り継ぎの案内板もあるでしょうから、この取り換え作業は大変なことです。
 ちょうど、消費税の変更で運賃も変わり、多くの表示の付け替え作業に奔走されていたことと思われます。駅名の変更は実害がないので、しばらくは共存の状況が続きそうです。
 今しかないと思い、記念に写真を撮りました。

 さて、今回の駅名変更に関して、私個人は、名前が持つ伝統と文化を衰退させ、平板化する一例になったと思っています。特に、観光客からわかりづらいと言われたことを理由に固有名詞を変えることは、自分たちが大事にしてきた文化を否定する行為です。
 京都新聞には、「訪日外国人の増加で、京都の中心繁華街に位置するターミナル駅であることを分かりやすく伝えるため。同駅の変更は、1963年の開設以来初めて。」と書かれています。この変更で、地名が喚起する歴史と文化のイメージは、外から来る人に合わせることで薄められました。こんな論理が通用するとは驚きです。
 私は、大阪に住んでいた小さい頃には「梅田」へ遊びに行きました。今は、「河原町」で乗り降りをしています。そこで育ち、そこで生活する人たちの感覚が大事です。わざわざ、「京都」や「大阪」という地名を頭に付ける必要はないのです。ややこしいからということで、「東京日本橋」・「大阪日本橋」とか「東京京橋」・「大阪京橋」という名前に変える時代が来るのでしょうか。「業平橋駅」を「とうきょうスカイツリー駅」にしたのは、完全に日本の古典文化が持つ豊かさをかなぐり捨てた愚行でした。「江戸漫歩(56)佃テラスから見るスカイツリーと業平橋駅」(2012年05月23日)の記事を参照願います。
 今回は、在原業平を抹殺したことまでではないにしても、これ以上は、人に阿るだけの愚かなことはしないでほしい、と願っています。できることなら、近い将来、若者たちの手で、冠付きとなった「大阪」や「京都」が取り払われることを望んでいます。

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posted by genjiito at 19:41| Comment(0) | ◎京洛逍遥