2019年03月11日

ブカレスト大学で『百人一首』に関する基調講演

 3月9日と10日の2日間にわたって、ブカレスト大学で「日本研究シンポジウム」が開催されます。第19回とのことなので、着実に研究成果の発表と討議がなされているようです。

190309_entrace.jpg

190309_annai.jpg

190308_univ2.jpg

 この初日9日の冒頭で、私が話をする機会を与えられました。

20190309_ito.jpg

 題目は「映画「ちはやふる」における百人一首の享受と恋の和歌」です(英文とは多少表現が異なります)。

 簡単な自己紹介を兼ねて、私が現在取り組んでいる研究テーマを3つ提示しました。
 (1)『源氏物語』の本文に関する研究
 (2)海外での平安文学の翻訳本の調査と収集
 (3)視覚障害者と共に『百人一首』のカルタ取り活動を支援
 また、ホームページ「海外へいあんぶんがく情報」〔http://genjiito.org〕と、ブログ「鷺水庵より」〔http://genjiito.sblo.jp/〕の紹介もしました。

 本題に入るにあたり、参会者のみなさまには小倉山荘の『百人一首』をテーマとする個包装のカルタ版の〈おかき〉を配布しました。まずは、遊びの要素から入りました。
 そして、映画「ちはやふる 結び」(2018年、東宝、小泉徳宏監督)の一場面をスクリーンに映写しました。歌合わせとは何か、ということと、2首の和歌の意味をおおよそ知ってほしかったからです。
 そして、平安時代の歌合で勝負がつかなかった、恋の歌を読み解く意味を話しました。
 問題とした和歌は、次の2首です。

四〇番歌「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は
         ものや思ふと 人の問ふまで」
                   平兼盛

四一番歌「恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
         人知れずこそ 思ひそめしか」
                  壬生忠岑

 あらかじめ印刷して持参した8ページ分のレジメを配付し、それを活用しながら、『百人一首』の歌の配列のことや、定家が和歌をどういう意図で選定したのか、などについて確認していきました。
 質問を受けた時に、「国文学論文目録データベース」のことにも言及しました。
 この日は、作品の解釈ではなくて、研究をする視点でのアドバイスを意識して語りかけました。
 終了後も、何人かの方から質問を受けました。研究環境がまだ十分ではないようなので、1人で研究するのではなくて、複数の方との共同研究がいいのではないか、と思いました。

 時間通り、正午前には終わったので、コーヒーを一杯いただき、大急ぎで空港に向かいました。
 ブカレストの空港を発つ飛行機は、14時25分なのです。まさに、綱渡りのスケジュールです。


 

 
posted by genjiito at 01:00| Comment(0) | ◎国際交流