2019年03月10日

カンテミール大学訪問後は書店へ

 朝10時の約束で、カンテミール大学の先生方と外国言語・文学部で親しく面談をしました。

190308_kante1.jpg

190308_kante2.jpg

 お出でくださったのは次のお三方です。
 マグダレーナ・チューバンカン、カンテミール大学外国言語・文学学部助教授
 Dr. アンジェラ・ドラガン、同上講師、ルーマニア日本語教師会副会長
 Dr. アンドレーア・シオン、ヒペリオン大学日本研究学科講師、ルーマニア日本語教師会会長

190308_kante3.jpg

 2時間ほど、大学の様子や翻訳について、自由に意見交換をしました。
 この時の内容も、同行の保坂さんが後でメモをくださいましたので、それを引きながら以下に報告します。

〇2011年から、毎年研究会を行い、紀要を出版している。英語版もあり、インターネットに公開している。

190308_journal.jpg

〇文学関係で、日本にいるルーマニア人研究者としては、兵庫大学にカルメン・タマシー(上記研究グループにも所属)、イリナ・ホカ(東大)、ローマンさん(神田大学)がいる。
〇(シオン氏)日本の書籍でルーマニア語に翻訳された書籍のリストとしては、Scumpieru氏が編集した本に掲載されているものが最も網羅的だと思われる。2011年までに出版されたものが掲載されている。(大使館で作成したリストを見て、)必ずしも網羅的ではないので、これを作った大使館のフロレンティナ・トマ氏と連絡をして、改定したものを伊藤教授の方に送りたい。
〇「Fujiwara Teika」(内容は百人一首の解説本)の訳者はカンテミール大学に所属している。しかし、現在はサバティカルで不在。
〇ヒペリオン大学には、日本学科があり、学生は50人在籍、1年生は20人弱入学。カンテミール大学では、日本語を勉強している学生は25人程である。他に日本語学科があるのは、ブカレスト大学、バベシュ・ボヤイ大学(クルジュ市?)、ルーマニア・アメリカ大学(ブカレスト市)である。
〇翻訳は、出版社から話が持ち込まれるものをそのまま訳すことがほとんどである。出版社の方で売れ筋の作家を決めて持ち込んでくる。自分たちの方から訳したいものを取り上げるのはほとんど不可能である。そのような贅沢ができるのは、ホンドル先生のような、名前が通った権威のある人だけである。
〇翻訳は、かつてはアカデミック・ポイントにならなかった。しかし、現在は幾分状況が改善されている。国内学会での発表は10点、国際学会での発表を20点とすると、翻訳は2〜5点である。
(伊藤教授からは、現在進めている平安期文学作品の外国語訳本のデータベース、出版の活動状況の説明、ルーマニア側の研究者の状況、日本語作品の翻訳事情を聴き、今後の情報提供を依頼した。)


 お昼には、在ルーマニア日本大使館の代理大使も務めておられる渡部隆彦参事官とご一緒に食事をしました。お店は「涙と聖人」という名前で、ルーマニアの郷土料理をいただきました。
 このお店の名前は、詩的な表現となっています。ブログやフェイスブックで発言する方々は、必ず詩を書いておられるそうです。

190308_restran1.jpg

 ブカレスト大学で勉強をなさった渡部さんの話は、政治・経済・文化にわたる幅広い話題で、大いに知的好奇心をくすぐられました。渡部さんは、オーストラリアでは、総領事だった保坂さんの部下だったとのことです。仲むつまじい上司と部下の再会には、爽やかで温かな空気を感じました。私はというと、日頃はお付き合いの機会がない外交官の方々との会食で、しかも異国でのこともあって、ほんとうに楽しいものでした。

 午後は、書店巡りです。ホンドル先生の『源氏物語』は、どの本屋さんにもあります。

190308_G-book.jpg

 古書店でおもしろい本を見つけました。どこの国でも、古書店は楽しみの館です。

190308_old-book.jpg

190308_new-book.jpg

 ピータ・マクミランさんの英訳『百人一首』なども入手しました。英語の本であっても見つけた時が買い時だと思うので、いろいろと買いました。
 この日の収穫は、こんな本たちです。英語の本も混じっています。

190308_book2.jpg

190308_book1.jpg

 3月8日は女性の日です。街の至る所で花が売られています。花をもらった女性が、たくさん歩いておられます。
 聞くところによると、2月のバレンタインデーに始まり、3月1日、8日は、男にとってはじっと我慢を強いられる3日間だそうです。世界のいずこも、女性の機嫌をとることに疲れる男性はいるものです。今や、女性の存在なしには社会は動かないのです。そうであるからこそ、余計に男性の肩身は狭くなっている、と嘆く方に出会いました。すみません。私もぎこちない思いをするタイプなので、同感するところが少なからずあります。女性にお花を贈るなど、照れくさくてできません。

 農民博物館では、茶碗と建水に使える陶器と、孫のおもちゃを買いました。このお土産物屋さんは、なかなか見つけにくいところにあります。次の写真のドアは平時には閉じているので、入りにくいのは確かです。

190308_shop.jpg

 このブカレストの街のそこかしこで見られる街並みの重厚感は、社会主義の時代の雰囲気を留めています。実際に歩くと、かつての時代が実感として伝わってきます。失礼ながら、小京都とでも言う落ち着いた雰囲気があります。また来たくなります。

190308_street1.jpg

 夜は「カルク・ベーレ」(ビールの馬車)で、食事をしながら民族舞踊を観ました。

190308_street2.jpg

190308_dance1.jpg

190308_dance2.jpg

 ルーマニアはラテン系の民族だとのことです。こうした踊りを目の当たりにすると、おのずと納得します。豪華な中にも伝統の積み重ねを感じさせるお店で、楽しい食事となりました。
 素晴らしいお店に連れて行ってくださったガイドのダンさん、ありがとうございました。
 
 
 
posted by genjiito at 05:54| Comment(0) | ◎国際交流