2019年03月08日

日本大使館で日本文学と教育に関する情報を収集

 定刻にブカレストの空港に降り立ちました。あらかじめお願いしていたガイドさんであるダンさんの車で、まずは日本大使館を訪問しました。

 今回の旅は、日比谷図書文化館の古文書塾「てらこや」で、私が担当している『源氏物語』の鎌倉期写本を読む講座に、今年の1月から受講してくださることになった保坂英博さんとの出会いから、急遽実現したものです。私が、『平安文学翻訳本集成〈2018〉』の話をしたところ、そのゲラにルーマニア語訳『源氏物語』のことがないことをご教示いただいたことに端を発します。そのルーマニア語訳の仕事に関して、翻訳者であるホンドル先生のお手伝いを保坂さんがなさったとのことです。それでは、ルーマニアに行って翻訳者とお話がしたいという希望を伝えたところ、トントン拍子に話が進んだのです。
 保坂さんは国際交流の仕事をなさっているとのことだったので、世界を飛び回っておられたビジネスマンなのだなという理解で、提示される内容を進めていただいていました。ある時、プロジェクト研究員の大山さんから、保坂さんは2015年9月まで在ルーマニア日本大使館参事官で、2015〜2017年に在ブリスベン日本総領事だった方でした、という情報が入りました。どうりで、お願いしたことが次々とまとまっていくはずです。その不思議さに納得しました。

 そんなこんなで、ルーマニア訪問の段取りを保坂さんにお任せしているうちに、こうして今ご一緒にルーマニアに来ているのです。関空から飛び立った私は、羽田からお越しの保坂さんとはドバイで待ち合わせました。そして、共にブカレストに降り立ったという経緯があったのです。

 日本大使館では、警備員の方をはじめとして、保坂さんのかつてのお知り合いの方との久しぶりの再会で、懐かしさとともに迎えられての大使館入りです。
 入口に嵌め込まれている日本大使館のプレートの「I」や「A」の頭に付いている記号「^」の有無に関する説明は、発音に関するものであることがよくわかりました。

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 大使館員である関谷美緒さんとフローレンティナ・トマさんからは、興味深い話をたくさんうかがいました。その過程で、大使館で整理なさった翻訳本のリストをいただけることになりました。私の方で、科研やブログを通して公開しても構わないとのことでした。ルーマニア語に翻訳された本のデータを、広く活用できる道をつけてくださったのです。来週以降に公開し、みなさまからのご教示やご協力をいただこうと思っています。
 また、ルーマニアの日本語教育事情も教えていだきました。そして、分析を加えた資料も提供してくださったので、これも翻訳本のデータと共に、来週以降に報告します。

 ビルの8階にある大使館の入口には、お雛さまの7段飾りがありました。お内裏さまとお雛さまは、京都以外の並べ方でお姫さまが向かって右側におられます。この前で、みんなで記念撮影をしました。

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 長時間の滞在で、多くの情報をいただくことができました。ありがたいことです。その後は、ガイド兼運転手をお願いしているダンさんの運転で、今回の主目的であるホンドル先生のご自宅に向かいました。

(以下つづく)
 
 
 
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ◎国際交流

【速報】1969年版ルーマニア語訳『源氏物語』との出会い

 アーサー・ウェイリーの英訳『源氏物語』を、ルーマニア語に翻訳した本との出会いがありました。やはり、現地に足を運ぶと、確実に新しい本との出会いがあります。

 伊井春樹先生から教わった1つに、「本は探し求めている人においでおいでをする」ということばがあります。今、それを思い出しています。

 昨夜、今回の調査旅行の目的である、『源氏物語』のルーマニア語訳をなさったホンドル先生のお宅に招かれて、さまざまなお話をしていた時でした。
 先生が書斎の書棚から取り出して見せてくださった本の中に、私がまったく情報として持っていなかった、ルーマニア語訳『源氏物語』がありました。

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 奥付を見ると、1969年に刊行されたものです。この年には、アーサー・ウェイリーの英訳を基にしたオランダ語訳「夕顔」巻が翻訳されています。前年には、スロベニア語訳が出ています。

 今回、私の前に姿を見せた1冊のルーマニア語訳『源氏物語』は、第9巻「葵」までを収録しています。

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 ホンドル先生のご好意により、この本を私のライブラリーに加えてもいいということで、拝受することができました。ありがたいことです。大事に保管し、若い世代に伝えて行きたいと思います。

 詳しくは帰国後に報告します。
 
 
 
posted by genjiito at 15:34| Comment(0) | ◎国際交流