2019年02月04日

機内で観た『妻よ薔薇のように 家族はつらいよV』

 ヤンゴンからバンコク経由での帰りの機内では、あまり観たいと思う映画はありませんでした。最近はJALやANAに乗ることが多かったので、そのせいか今回のタイ航空では、日本人向けの番組がラインナップの中にないのです。そんな中で、『妻よ薔薇のように 家族はつらいよV』(山田洋次監督、松竹、2018年)を観ました。
 この「家族はつらいよ」というシリーズの、第1作のテーマは「熟年離婚」、第2作は「無縁社会」、そしてこの第3作は「主婦への讃歌」だそうです。前2作は観ていません。この第3作が初めてとなります。
 家族をめぐる物語です。泥棒が入ったことで夫婦の均衡が崩れ、妻の家出から夫の生き様が家族の話し合いの俎上にのぼります。何気ない日常の中で起きた問題が、家族一人一人の考え方や役割をあぶり出します。専業主婦のありようが問われます。
 今、結婚や夫婦や家族に関して、これまでの画一的な価値観とは異なる多様さが生まれ、波紋を拡げつつあります。答えは一つではなくて、多くの組み合わせがそれぞれに認められていく時代となりました。
 そんな時代の中で、この映画が指向するところは、従来の枠から大きくはみ出さない範囲での帰結だったように思われます。「妻の反抗」により波風が立つものの、「夫婦の和解」で収束する、というものです。夫が妻に謝り、妻が夫を許すという場面には、大いに違和感を抱きました。そして、それでよしとする家族のみんなのあり方にも、疑問を感じました。
 今や専業主婦でいられる、という時代ではなくなっています。男女の働き方が問われる現代において、ここで取り上げられている事例は、あくまでもこれまでの生態から生まれた問題です。その影響下に今があるとしても、若い人たちは、ここに語られる人間関係からは、もう少し違う環境にいるのではないでしょうか。変化の過程にいると思われます。とすると、この映画は現在50歳から上の世代を意識して作られたものだ、ということになるのでしょうか。
 この映画の評論はともかく、私にはそのように映る作品でした。
 観ていて疲れない展開だったので、流し観にはちょうどいいかと思っていました。後半から問題が浮き彫りとなり、そしてもめ事も無事に円満解決で穏やかに終わります。自然体の物語だと言えるでしょう。ただし、こうしたホームドラマは私の好みではありません。どちらかと言うと、非日常を描いた物語が好きです。【3】
 
 
 
posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | *身辺雑記