2018年09月30日

読書雑記(238)望月 麻衣『京都寺町三条のホームズ・9』

『京都寺町三条のホームズ・9〜恋と花と想いの裏側〜』(望月 麻衣、双葉文庫、2018年3月)を読みました。

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 今夏テレビアニメになるという宣伝と、コミック版(作画:秋月壱葉)が発売されていると帯にあります。
 
 
■「プロローグ」
 ホームズのライバルである円生が、葵を「スルメ」だと言って帰ります。何のことだろう、と思いながら、次節へとページをめくりました。
 
 
■「花と酒と恋の鞘当て」
 冒頭に出てくる「府立総合資料館」は、本書が刊行された本年3月よりも前の2年前(平成28年12月)に、「京都府立京都学・歴彩館」としてスタートしています。また、「風見はみるみる画面を蒼白とさせ、額に手を当てた。」(167頁)とか、「今日 皆に暴かれます。〈改行〉 エンターテインメントにすべてを捧げたあなたは、エンターテ インメントの中で消滅してください」(268頁)などは、校正が間に合わなかったようです。
 次第に親しさを増していくホームズと葵の会話が、そろそろ鼻に付くようになりました。特にホームズの歯の浮いたような葵への言葉遣いは、私には次第に下品になって来たように思われます。この作者には男が描けないことが、こうしたところからわかります。
 話の展開中に、抹茶に合う和菓子のことが出てきます。もっと盛り上がればよかったと思います。
 小野小町の「恋ひわびぬ〜」の歌の訳で、「夢に見れなくても、」(118頁)とあります。がっかり。
 この作品は、人間関係で遊びすぎです。短編では、読者が追いかけるのに疲れます。長編にして、もっと豊かな作品に仕上げたらいいと思いました。【2】

 ここで出てくる和歌は、以下の通りです。
 「見せばやな 雄島のあまの 袖だにも〜」(殷富門院大輔)
 「つれづれと 空ぞ見らるる 思ふ人〜」(和泉式部)
 「君こひり 寝てもさめても くろ髪を〜」(与謝野晶子)
 「忘れじの 行く末までは 難ければ〜」(儀同三司母)
 「恋わびぬ しばしも寝ばや 夢のうちに〜」(小野小町)
 「思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ〜」(小野小町)
 「玉の緒よ 絶えねば絶えね ながらへば〜」(式子内親王)
 「君がため 惜しからざりし 命さへ〜」(藤原義孝)

 
 
■「掌編 答え合わせ」
 なぜここに挿入されているのか、意味不明です。内容も、後の物語に関係するのでしょうか。男同士のやりとりとして、ピンボケで品のない話です。【1】
 
 
■「金の器と想いの裏側 〜清貴 十三歳になった日」
 これまた中途半端な話です。前の掌編と話を繋げられます。しかし、この掌編の位置付けが不明です。【1】
 
 
■「掌編 宮下香織の恋路」
 これも、中途半端な短編です。【1】
 
 
■「復讐のショータイム」
 ホームズは、女の子にモテるための前提条件は、清潔感だと言います。若者へのメッセージなのでしょうか。
 本話は、枚方パークでのイベントをめぐる話が中心です。ただし、話と推理がちぐはぐで、読み飛ばしました。シリーズ化における手詰まり感が伝わってきました。【1】
 
 
■「エピローグ」
 これまでを振り返り、これからの話に期待を持たせる話ぶりは、なかなか旨いと思います。
 本書を読み始めて間もなく、もうこのシリーズはこれまでかな、と思いながら読み進めて来ました。しかし、この最後の言葉を読み、次も読んでみるか、と思いました。この、無理をしない、飾らない語り口がこの作者の本領なのでしょう。
 
[追記]「あとがき」に次の付記があります。
 前回、清貴の修業先をメインに書いてしまったことで、葵の十九歳の誕生日の様子をお伝えすることができず、『ちゃんと誕生日を祝ったのでしょうか?』という質問をたくさんいただきましたので、今回、振り返るかたちでエピソードを紹介させていただきました。
 また、シリーズもここまで長くなると、各々のキャラクターのドラマがあり、それをいつもの短編連作に組み込むことが難しくなってきました。
 悩んだ結果、前回同様、『掌編』と分けてお届けすることにしました。
 清貴と円生のやりとり、香織の恋の行方など、『掌編』も小さな楽しみにしていただけると嬉しいです。(306頁)

 過日の「読書雑記(236)高田郁『花だより みをつくし料理帖 特別巻』」(2018年09月19日)で書いたように、この作品も短編が積み上げられてシリーズ化することによって、『源氏物語』でいうところの「並びの巻」が読者の受容の中から生まれます。外伝や別伝に加えて、後日談などで物語の隙間を埋めるのです。物語が次第に形を成していく様子が、この作品の形成過程からも伺えるようです。
 
 
 
posted by genjiito at 19:42| Comment(0) | ■読書雑記

2018年09月29日

読書雑記(237)中島岳志『保守と大東亜戦争』

 『保守と大東亜戦争』(中島岳志、集英社新書、2018年7月)を読みました。

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 「まえがき」で、「保守=大東亜戦争肯定論という等式は、疑ってみる必要があるのではないか? これが本書のテーマです。(中略)戦中派保守の論理とは、一体いかなるものだったのでしょうか。」(4〜5頁)と、明確な問題提起をして語り出しています。過去の論客たちの思索をたどりながら、その歴史を整理したいという思いが冒頭から伝わって来ます。
 しかし、中島岳志氏の著書にしては、しかも新書にしては、単調で読みにくい文章でした。
 さまざまな保守論客たちの思考の過程を通して、保守というものを照らし出そうとします。私が知っている人が、何人も紹介されています。これまでに知らなかったその人の物の見方や考え方を知りました。立場が違えば、このように違って見えるのかと、あらためて切り口による評価の違いに驚いています。
 それにしても、著者は先人の発言に耳を傾け過ぎたのではないか、と思っています。

 竹山道雄の『ビルマの竪琴』については、竹山自身の思想の紹介と確認が中心でした。『昭和の精神史』は、ぜひ読んでみようと思いました。ただし、私個人の興味と関心からは、もっと竹山の作品である『ビルマの竪琴』の内容にまで及んでほしいと思いました。この、よく知られる小説を読み解いて竹山の考え方を示した方が、『ビルマの竪琴』を知る年配者は、素直に理解が及んだように思われます。
 福田恆存については、国語政策に対する独自の意見を持つ方、という理解しかしていませんでした。一人の人間として、福田の思想と行動を見ていなかったことを教えられました。

 恐怖心を植え付けて服従を強いる構造の指摘が随所にあります。今現在、それは構造的に蔓延してはいないと思いながらも、現実には自分の周辺で思い当たることがいくつもあり、ハッとします。言葉を奪われることの恐ろしさについて、あらためて共感します。思考は停止し、条件反射として命令に服従するようになるのです。

 本書を通読して、中島氏が心からの叫びとしての言葉が少なかったせいか、解説を聞かされている印象が拭えません。誰それがどう言っているか、ということよりも、それをどう思うか、ということを楽しみにしていた私は、眠気が時々襲ってきました。
 戦中派保守の論客の見解を巧みに引用して、持論に導こうとしています。しかし私には、さまざまな論客の意見が渦巻く中を彷徨った、という読後感しか残らなかったのは残念でした。いつもの中島岳志流の切り込みの鮮やかさや、諸説を整理する手際の見事さを共に体験することがなかったのです。さらなる展開を楽しみにしています。【3】
 
 
 
posted by genjiito at 19:49| Comment(0) | ■読書雑記

2018年09月28日

キャリアアップ講座(その8)『源氏物語』のくずし字を読む(性を討議)

 昨日の社会人講座では、ペルーで買ってきたコカ茶を、参会者のみなさまと飲みながら始めました。
 スクリーンには、リマ市内にある日秘文化会館において、ペルー日系人協会出版基金から刊行されたスペイン語訳『源氏物語』をはじめとする、多くの日本文学作品のスペイン語訳を映写しました。日系人を中心として、多くの方に日本文学がスペイン語で読まれていることが、その多彩な蔵書から感じ取っていただけたと思います。
 また、ハーバード大学の話では、現在読んでいる『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』とかつては一緒になっていた「須磨」と「蜻蛉」の2冊を調査している様子を、写真で見てもらいました。700年前に書き写された写本が、日本とアメリカに別れ別れで大切に保存されているのです。ハーバード大学でのスライド写真から、そんなことも実感してもらえたと思います。

 この講座でテキストとしている「鈴虫」の変体仮名は、6丁オモテ1行目から6丁ウラ2行目「に者可尓那ん〜」までを確認しました。
 ただし、毎度のことながら、話はあちこちへと飛びます。今日は、頻繁に出てくる「可」「尓」「多」という変体仮名が、明治33年には出現回数の少ない「か(加)」「に(仁)」「た(太)」の平仮名に統一されたことの背景を考えました。
 また、ジェンダーに関する問題も話題にしました。「LGBTX」のことから、男と女の2分類が揺らぎ出した現代において、どのようなことが考えられるかをテーマとするものです。フリートーキングだったこともあり、特に男性からの発言が多く、時間をオーバーして大いに盛り上がりました。
 こうした意見交換は、社会人講座だからこその醍醐味です。今後とも、こうした機会を作りたいと思います。

 次回は、10月11日午後3時からです。
 なお、本講座は年度途中からの参加も可能です。興味と関心をお持ちの方の参加をお待ちしています。
 来週から、また颱風が襲来するようです。
 9月の災害を教訓にして、身の回りでも被害のないように細心の注意をはらいましょう。
 
 
 
posted by genjiito at 20:30| Comment(0) | ■講座学習

2018年09月27日

本日27日(木)の関空の様子

 卒業生のTさんから、関空の今日の様子が寄せられました。あの、9月4日に空港としての機能を停止した関空の復興状況の記録として、あくまでも個人的な視点ながら、これもまた貴重な情報なので、ここに残しておきます。
 Tさん、いつもタイムリーな情報提供を、ありがとうございます。

 今、関西空港「ターミナル1」です。
 関西空港は公式的には、「9月21日に全面復旧」と発表されているようです。

 現在、空路は、国内線、国際線、チケットの取れたものから、離着陸しています。

 空港内は2階、3階に、「ショップ・レストラン」があり、「一部工事中」です。しかし、待ち時間を過ごす事は可能です。お土産、飲食店、お手洗い、本屋、警察、銀行、など。

 交通手段に関して、道路は、依然片側通行です。
 当初は、「りんくうタウンからの臨時バス」がありました。しかし、今日は終了していて、なくなっていました。

 タクシーは、「一般車両」が利用出来るようになったようですので、りんくうタウンからでも、ご利用になれます。
 その場合、連絡橋の通行料がかかりますので、ご注意下さい。

※空港から「一番近い空港バス乗り場」は、泉北ニュータウンかと思われますので、「JR線」ご利用の方は「ターミナルバス乗り場」に、お気をつけ下さい。

 電車は、JR線、南海線共に復旧しています。

 ちなみに「展望台」は、復旧していませんので、飛行機の離発着は、伊丹空港にある大阪空港展望台でお楽しみください。

 ターミナル1の2階に、24時間の空港ラウンジ(インターネットカフェ機能あり)があります。喫煙所、シャワー、化粧ルームも付いているようです。

 コンビニは復旧していましたので、飲料水は順調のようです。その他商品も、そろっています。

 道路は、ネクスト西日本(道路公団)の予定では、「来年5月予定」としか、空港案内所では発表されていません。「一般車両の通行」は、今の時点では、そのあたりとしか分かりません。
 「ネクスト西日本」「JR線、南海線」は、復旧情報待ちといった具合になってきています。
 私からの『臨時緊急速報(メール)』は、これで修了とさせて頂きます。

 
 
 
posted by genjiito at 21:27| Comment(0) | ◎情報社会

2018年09月26日

[ロービジョン対応点字付き百人一首かるた取り札]が届きました

 京都ライトハウス情報製作センターが新たに作成し発売に漕ぎ着けられた、「ロービジョン対応点字付き百人一首かるた取り札」が届きました。

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 写真左下にあるカルタの山のうち、上が「古文表記」で、下が「現代仮名づかい」です。これは、点字がどちらの表記で貼付されているか、という違いがあります。この札は、京都の老舗である大石天狗堂製の本物の札で、しっかりとした贅沢な仕上がりです。このカルタを八ッ橋型に丸く反ったものにすると、もっと実践的なカルタになりそうです。私が勝手に言っている「八ッ橋型」については、「点字付百人一首〜百星の会で見た八つ橋型の新開発カルタ」(2017年03月19日)で説明しています。ご笑覧いただけると、その姿形に納得していただけるとかと思います。

 右下の「視覚障がい児・者競技用かるた台」に、カルタを2枚置いてみました。

 左上にある、緑色の表紙にスパイラルで綴じたものは、「全日本かるた協会」と「百星の会」が監修した、「遊び方・ルールブック」です。関場理華さんが事務局を引き受けて精力的に活動なさっている「百星の会」については、本ブログでも機会がある毎に紹介してきました。最近では、「大阪で開催された「東西でかるたを楽しむ会」に参加」(2018年05月04日)をご覧ください。
 本ブログでこうした『百人一首』を取り上げた記事の一覧は、「おかきで楽しむ『百人一首』」(2018年05月21日)を参照願います。

 上の写真の右上は、「点字リーフ 百人一首かるた読み札(点墨併記)」です。

 これらについてのさらに詳しいことは、京都ライトハウスの花田和枝さんからいただいた案内メールの一部を引いておきます。

【視覚障がい児・者競技用百人一首かるたセット】((1)〜(3)は単品での購入も可)

 (1)「ロービジョン対応点字付き百人一首かるた取り札」 3000円
  白黒反転拡大文字の百人一首かるたの取り札に、タックシールで点字をつけまし
た。
  点字は古文表記と現代仮名づかいのどちらかをお選びいただけます。
  全日本かるた協会・百星の会監修の遊び方・ルールブック付き。
  京都のかるたの老舗・大石天狗堂製の本物の札の手触りを感じてください。

 (2)「視覚障がい児・者競技用かるた台」 1000円
  横に5枚を2列、計10枚の札を並べることができるA4サイズの台です。

 (3)「点字リーフ 百人一首かるた読み札(点墨併記)」 1000円
  点字用紙の約3分の1の大きさの用紙に、
  歌と詠み人を点字と墨字で記しています(序歌も入っています)。
  1穴用のリングで綴じられており、シャッフル可能です。

 ※かるたセットをご購入希望の方には9月12日(水)から注文予約を開始させて
いただきます。

また、11月1日〜3日に、東京錦糸町で行われる「サイトワールド2018」に出展し、11月2日には「ロービジョン対応点字付き百人一首を使用した「バリアフリーかるた競技体験会」のイベントをします。
是非お越しください。


 私は、「点字は古文表記と現代仮名づかいのどちらかをお選びいただけます。」とあるので、両方を注文しました。これは、混ざってしまうと後で仕分けるのが大変なので、早めにカルタの裏に何か印を付けようと思っています。

 これまでは、「百星の会」が中心となって手作りなさった札が使われていました。今、私にも、この点字付きのカルタが使えるようになったのです。これによって、「点字付百人一首」に興味を持つ方が1人でも多くなることを願っています。
 
 
 
posted by genjiito at 21:56| Comment(0) | ■視覚障害

2018年09月25日

観光学部の留学生のナインさんが全国弁論大会で優勝

 先週9月22日に、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた「第22回 WFWP 女子留学生日本語弁論全国大会」において、大阪観光大学の観光学部2回生のエー・タンダー・ナインさん(ミャンマー出身)が、見事に優勝となりました。
 地方大会では約200人が参加し、予選を勝ち抜いた8人による全国大会です。
 学内で回覧された写真を1枚転載します。真ん中でVサインをしているのがナインさんです。

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 ナインさんは、現在私の科研で、科研運用補助員として資料の整理や翻訳のお手伝いをしてくれています。何事にも積極的に取り組むタイプで、昨秋、広島大学で開催された古典の日の公開講演会にも参加しています。

「広島大学で開催されたタチアナ先生による古典の日公開講演会」(2017年11月01日)

 また今春、ミャンマーへ調査研究の旅に行った際には、現地でさまざまな支援をしてくれました。ナインさんのご自宅におじゃました時の話などは、「マンダレーを飛び回り留学生の自宅訪問」(2018年03月15日)の後半に記しています。

 その3月には、ミャンマーから持ち帰った図書資料に関する整理をしてくれました。

 「ミャンマーで調査収集したビルマ語訳の書籍に関する解説文(試案)」(2018年05月16日)

 本年6月17日(日)に開催した「第11回 伊藤科研研究会 「海外における平安文学」でナインさんは、「ビルマ語訳『源氏物語』を日本語に訳し戻して」と題する研究発表をしました。今後の成果が、大いに楽しみです。

「【書影追加】科研の研究会で翻訳に関する多彩な発表と活発な論議」(2018年06月17日)

 さまざまな形で科研に研究協力をしてくれているナインさんです。今回の受賞を、共に喜びたいと思います。
 おめでとう。

 なお、この「WFWP 女子留学生日本語弁論全国大会」の主催団体である「世界平和女性連合(Women’s Federation for World Peace)」は、1992年に創設された国連NGOです。そこでの留学生支援活動の一環として、「女子留学生日本語弁論大会」が行なわれています。
 
 
 
posted by genjiito at 16:26| Comment(0) | ◎国際交流

2018年09月24日

昨日23日までの関空の様子

 今月4日に、関西国際空港が颱風によって孤立し、空港の機能が数日にわたって停止しました。この件で、先週(19日)から今週(23日)にかけて、調査のためにベトナムに行かれた同僚の谷口先生から、旅行者の目で見た関空の様子を教えていただきました。
 観光学はまだ学問として確立されていないとのことです。そこで、こうした災害時のことを少しでも記録に留めることで、今後の【「観光と災害」プロジェクト】のための資料の一つにしていきたいと思います。

2018.09.19_出国
関空の第1ターミナルミに来ております。写真の通りに、見たところでは台風の傷あとは見えません。閉鎖領域もあり、国際線旅客はかなり少ない印象です。

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 伊藤先生が緊急提言なさった、関空の台風被害による「観光と災害の調査研究」の意義は、今となっては少し薄れたかなとも思えます。

リムジンバスが対面交通の1本橋を降りてからは、グルグルとUターン橋を回ってからETCゲートに誘導されます。空港島にたどりつくための左側の元の3車線の橋梁が取り払われていて、ありません。すると、道としては上りと下りがひとつの橋で合流した後に、ひょっとしたら一部、道を逆走させられているかもしれません。
バスは会社からしっかりとした指示を受け、慣れてきたからこそたどり着けるのですね。そのグルグルの途中には分かれ道もあって、分かりにくいですし、一般車両を入れたらたちまち混乱して、事故も起きかねません。
自家用車が入れないために、その車を対岸で預かる外部の駐車場業者は、長期化でかなり割を食うのではないかと思います。


2018.9.23_帰国
つい先程、関空に着きました。
ひとまわりしてみましたが、やはり見る限りでは報道の通りに、21日以降は旅客ターミナル側は全面復旧しているようです。どこの箇所が修復されたのか、すでにわかりません…
結局、何の変哲もない、人の少ない空港の写真になりますので、撮るのをやめました。
しかし、貨物はまだ混乱しているものと思われます。

空港島の中の道を使い、外に向かうには展望ホールへ伸びている、回る橋を使います。
泉佐野方面から空港島へは、橋が切れているところまで上下3車線ずつ。切れた先から空港島までは、泉佐野から2車線、空港からは1車線になっています(19日に出国した時には、双方1車線の対面交通でした)。
車両制限のため、車の数はかなり少ないです。


 この報告からもわかるように、関空の一大事はハイペースで現状回復が進んだようです。
 この経験をもとにして、今後は観光という視点から、まずは閉鎖された空港に取り残された人たちが、どのような情報を受けることができたのか、を可能なかぎり聞き取ることが大切です。そして、どのようして一夜を明かし、空港島をどのようにして脱出したのかも記録したいと思います。そして、関空に入国した旅行者が、どのような旅程に変更して日本を観光したのかの確認も必要です。
 幸い、大阪観光大学には、この空港島でアルバイトをしている学生が多いので、聞き取り調査をお願いするつもりです。また、海外からお出での方々の旅行の足跡は、旅行業者などから情報が得られないかと問い合わせ中です。
 こうしたことに関して、情報を提供してくださる方を探し求めています。
 ご協力のほどを、よろしくお願いします。
 
 
 
posted by genjiito at 20:07| Comment(0) | ◎情報社会

2018年09月23日

大和平群でお茶のお稽古(中置の濃茶)

 9月も下旬になると、彼岸花が真っ赤な花を忘れずに咲かせています。
 信貴山を望む田圃の畦道に、線香花火の塊が燃え上がるように並んでいました。

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 今日は、風炉を点前座の真ん中に据えた「中置」という道具の配置で、濃茶のお稽古をしました。道具の置き場所が変わると、初めてということもあり、いつも通りにと言われても戸惑います。
 まずは、水差しの場所が風呂の左横になります。蓋置が左にある水差しの手前です。お仕覆もその手前に置き、後で茶碗をそのお仕覆の手前に置きます。
 柄杓の柄が身体の正面に向かって、真っ直ぐに伸びてきています。その柄の下にある茶入れや茶碗を見つめる時に、寄り目になりそうで目の焦点が揺らぎます。茶筅通しでは、柄が突き出ているので、茶筅は柄の下までしか引き上げられません。
 そんなこんなで、お茶室の中でも二畳ほどの小間を想定してのお稽古ということもあり、慣れない初心者には肩が凝りそうなお点前となります。そこを、背筋を伸ばしておおらかに振る舞うのが、このお手前で気をつけるところなのだろう、と勝手に思いながら進めていきました。

 終わってから、ハーバード大学のお茶室のことを報告しました。その後、お月見の話から『源氏物語』の橋姫巻では撥で月を招く場面があることなどを、問われるままにお答えしました。こうした古典の話は、お茶の世界にふさわしい話題の提供になることを知りました。自宅でお茶会をする時には、意識することにします。

 帰りに、駅のすぐそばの「かんぽの湯 大和平群」に行き、温泉に入って来ました。空の雲は、もう秋の気配です。

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 ここからは、彼岸花越しに二上山が望めました。

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 京都駅前の京都タワーは、今日は鮮やかな緑色です。
 大勢の外国からお出での方々が、みなさんこのタワーを写真に納めておられました。バス停まで真っ直ぐには行けないほど、大混雑です。これから秋のシーズンを迎え、ますます人口が過密な街となります。

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posted by genjiito at 21:31| Comment(0) | *美味礼賛

2018年09月22日

[町家 de 源氏](第12回)(変体仮名「可・尓・多」が圧倒的に多い)

 肌寒かった昨日から、一転して暑くなりました。
 「be京都」(http://www.be-kyoto.jp/)では、晩夏のお花が迎えてくれます。

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 今日は、先月アメリカのハーバード大学で調査をしてきた原本の話から始めました。
 今読み進めているテキストの原本なので、話にも熱が入ります。
 今回の原本調査で翻字に大きな訂正はなかったので、テキストにしている『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』(伊藤編、新典社、2013年)のデータを「変体仮名翻字版」にしたものを使った資料を配布しました。これは、2016年に翻字データを整理したものです。このことに興味と関心をお持ちの方のために、以下に資料を画像にして引用します。(画像をクリックしていただくと精細画像が表示されます)

(1)ハーバード本「須磨」の字母資料(全文字)
 これは、ハーバード本「須磨」に書写されている文字のすべてを抜き出して整理したものです。「漢字」「平仮名」「変体仮名」に分けて一覧できるようにしました。

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(2)ハーバード本「須磨」「蜻蛉」、歴博本「鈴虫」の3巻で、出現数の多い漢字と仮名文字の対比資料

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 この資料をもとにして、今日はほとんどの時間を費やして意見交換をしました。
 特に、(2)の資料にあげた変体仮名で、出現例の多い「可」「尓」「多」については、明治33年に決まった現行の「か(加)」「に(仁)」「た(太)」の意味することを、自由に話し合いました。私は、この現行平仮名は、共に筆先が筆記紙面をポンポンと跳躍する文字であり、きれいに早く書くための旋回文字としての仮名文字としては相応しくないものが選定された背景を考えましょう、と提案しました。今、これについて私案をもっているわけではありません。これは、これまでにもずっと問題提起してきたものです。
 これについて、ご教示いただけると幸いです。

 『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』の写本は、8丁裏の1行目から3行目までと、少しだけ字母を確認しながら読みました。
 「可」が普通に出てくることと、「か」の字形が今と少し異なることを確認しました。

 次の第13回は、10月21日(土)の予定でした。しかし、参加者の都合で、
10月14日(日)16時〜18時
に変更となりました。
 また、第14回は恒例の毎月第4土曜日にもどり、
11月24日(土)14時〜16時
となっています。

 ご自由に参加していただける会です。この記事のコメント欄を利用して連絡をいただけると、詳しい説明を差し上げます。
 
 
 
posted by genjiito at 21:50| Comment(0) | ◎NPO活動

2018年09月21日

学校での試験について思いを巡らす

 今日は高校で模擬試験があり、その試験監督を割り振られたので行って来ました。
 60分間の机間巡視をしながら、50年前の自分を思い出しました。

 定期試験なら、あらかじめ授業を振り返ってノートを見直したり復習するなり、手の打ちようがあります。試験結果からも、授業の何が重要で、何がわからなかったのかがわかります。しかし、模擬試験は出題範囲が茫漠としていてわからないので、出たとこ勝負です。その結果から自分の実力を知ることになると言われても、勢い、取り組む意欲は半減します。本番の試験を疑似体験するものであり、力試しが趣旨の試験なので、それでいいのです。私は座学が嫌いだったし、成績も思わしくなかったので、やらされることをしていただけでした。

 それ以前に私は、物事には正解などはない、ということを当時から思っていました。というよりも、そのようなことをおっしゃった中学時代の先生の言葉が身に染み込んでいました。その先生からは、教科書の背中を割って、今必要な部分だけを切り取って授業に持ち込む、ということを教えていただきました。この癖は、今も本をバラバラにして持ち歩いたり保管しているので、大きな影響を受けた先生だったと言えるでしょう。

 試験では、記述問題は好きでした。しかし、選択問題は出題者は大変だなぁーと思いながら、答えの組み合わせや、消去法の訓練に頭を悩ませ、戸惑うばかりでした。正解があることを前提にして成り立っているのが、学校での試験です。あれこれ迷って何がしかの回答を出す特訓をしているのだと思って、こうした試験を受けて来ました。

 私の両親は、勉強しろとは言いませんでした。高校時代は私がテニスばかりしていたので、母親は成績不振者を対象とする呼び出しを何度も受け、天王寺にある高校に来ていました。そのことで両親からは何も言われなかったので、担任の先生から何を言われようが、親は私を信頼してくれていたと思います。
 そんなことも影響してか、私は子供たちに勉強しろと言った覚えもないし、成績がどうだったのかまったく知りません。子どもの成績には無頓着でした。もちろん、誰も塾に行きませんでした。行けとも、行くかとも聞かなかったからかもしれません。

 今日の模擬試験は、すべての問題が四者択一のマークシート方式でした。相変わらず悩ましいことを生徒たちがさせられていることを知り、仕方のないこととはいえ、耐えてほしいと思いました。私は、試験は格闘技だと思っています。ひたすら耐えれば、勝機やチャンスは訪れるはずだからです。
 そういえば勤務する大学の入学試験も、すべての問題がマークシートだったことを思い出しました。そのような出題にしている事情や背景がわかっているので、高校生が受けている模擬試験について、何も言えなくなります。

 いずれにしても、試験で人間の能力や学力は測れないと知りつつも、他に代わる方法がないので、先達がやってきたことそのままに、惰性としてやっているのです。儀式と割り切るしかありません。それで自分が持っている知の力量が測られている、などと思わないことです。そんなモノサシで測られることに縛られることなく、興味のあることにのめり込んでいってほしいものです。

 試験監督は1時間だけでよかったので、早々にのんびりと梅田を散策しながら帰りました。
 四条烏丸で、8月下旬にできたアップルストアに立ち寄りました。大丸百貨店の東隣です。

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 行燈をイメージした外観だと聞いていました。そういわれたらそうかな、という感じです。
 店の前には、今日発売のiPhoneやApple Watchを買い求める人が、長蛇の列をなしていました。実は、私もApple Watchを買おうかな、と思っていました。初代のApple Watchは、妻と共に購入しました。しかし、未熟な製品だったので、2ヶ月ももちませんでした。以来、このApple Watchには手を出していません。しかし、今回のApple Watch4は、これまでとは違うようです。ただし、この長い列を見て諦めました。今日は縁がなかったということにして、また機会があれば手に入れるチャンスを窺うことにします。
 
 
 
posted by genjiito at 20:55| Comment(0) | *身辺雑記

2018年09月20日

第12回[町家 de 源氏物語の写本を読む]開催のご案内

 今週末の9月22日(土)午後2時から4時まで、「be京都」(http://www.be-kyoto.jp/)で12回目となる[町家 de 源氏物語の写本を読む]を開催します。
 テキストは、『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』(伊藤編、新典社、2013年)です。

 本日20日(木)の京都新聞(朝刊)「まちかど」欄に、勉強会を呼びかける記事が掲載されましたので、あらためてこのブログでも紹介します。

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 今回は、「8丁裏1行目行頭」の「いと可多个れ」から読みます。
 前回の内容については、「[町家 de 源氏](第11回)(石田版新糸罫と中国版糸罫)」(2018年07月28日)をご覧ください。
 先月末には、アメリカのボストンにあるハーバード大学で、この勉強会で読んでいる原本である、フォグミュージアムご所蔵の「須磨」と「蜻蛉」を直接確認してきました。「ハーバードのフォグミュージアムで古写本『源氏物語』の調査」(2018年08月29日)
 その時の報告も、今回いたします。
 とにかく、のんびりと進めていますので、お気軽にご参加ください。

 700年前に書写された『源氏物語』を、変体仮名に注目して読み進めることに興味と関心をお持ちの方は、このブログのコメント欄より、参加希望の連絡をお願いします。折り返し、詳細な案内をお送りします。
 参加費は、初回だけは体験ということで千円です。2回目以降は二千円です。
 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の会員は割り引き特典があります。

 なお今後の勉強会は、「第13回 10月21日(日)14時から16時」となっています。
 
 
 
posted by genjiito at 18:30| Comment(0) | ◎NPO活動

2018年09月19日

読書雑記(236)高田郁『花だより みをつくし料理帖 特別巻』

 『花だより みをつくし料理帖 特別巻』(高田郁、ハルキ文庫、2018年9月)は、これまでの10巻を懐かしく思い出しながら読みました。

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 登場人物たちをはっきりと覚えています。それぞれの巻の内容については、以下の記事にゆずります。

(1)「読書雑記(21)高田郁『八朔の雪 みをつくし料理帖』」(2010年11月25日)

(2)「読書雑記(22)高田郁『花散らしの雨 みをつくし料理帖』」(2010年11月26日)

(3)「読書雑記(23)高田郁『想い雲 みをつくし料理帖』」(2010年12月02日)

(4)「読書雑記(24)高田郁『今朝の春 みをつくし料理帖』」(2010年12月04日)

(5)「読書雑記(33)高田郁『小夜しぐれ みをつくし料理帖』」(2011年04月22日)

(6)「読書雑記(42)高田郁『心星ひとつ みをつくし料理帖』」(2011年09月09日)

(7)「読書雑記(48)高田郁『夏天の虹 みをつくし料理帖』」(2012年04月09日)

(8)「読書雑記(74)高田郁『残月 みをつくし料理帖』」(2013年07月26日)

(9)「読書雑記(94)高田郁『美雪晴れ―みをつくし料理帖』」(2014年02月20日)

(10)「読書雑記(105)高田郁『天の梯 みをつくし料理帖』」(2014年08月24日)

(補1)「江戸漫歩(74)『みをつくし料理帖』の舞台を歩く」(2014年02月23日)

(補2)「江戸漫歩(85)『みをつくし料理帖』の爼橋と千代田図書館」(2014年09月05日)


 この『みをつくし料理帖』シリーズが2014年8月に完結してから丸4年。本編で語られなかったことや、その後のつる屋の面々の話です。いわば外伝とか番外編と言われるものであり、『源氏物語』で言えば「並びの巻」にあたるでしょうか。例えば、『源氏物語』の「帚木」には並びの巻として「空蟬」「夕顔」があり、「若紫」には「末摘花」がそれにあたると考えればいいかと思います。人気を博した物語は、読者の要望からこのように隙間を埋める作品が生まれるのです。今回は、作者である高田郁自身が4編を書き足しました。過去を振り返ると、今後は別の作者が現れてこの「みをつくしシリーズ」を書き継ぐことも想定されます。物語の生成過程を見せてくれる好例だと思います。その意味では、『源氏物語』のように物語が長い年月の中で成長発展していく様を現代において追体験できたことは、幸いな時代に身を置いたと言えるでしょう。
 
■「花だより 愛し浅利佃煮」
 江戸から大坂にいる澪に会うために、つる屋に縁のある人々が東海道を下ります。しかし、いろいろなハプニングもあって、箱根から江戸に引き返すことになります。相変わらず、爽やかで人の想いが伝わる話になっています。【4】
 
■「涼風あり その名は岡太夫」
 一風変わった妻乙緒の話です。こうした女性を描けるのは、作者の大いなる成長です。
 小野寺数馬の妻となった乙緒は、夫が過去に惚れていた女料理人、澪のことを知ります。そして、自由に生きる道を選ばせる夫だったことに思い至るのでした。さらには、醍醐天皇も好まれたというわらび餅が、義母とその息子である夫を間に挟んで、つわりに苦しむ乙緒を助けることになります。ひいては、心を開かなかった夫婦が、互いを理解し合うことになるのでした。これまでになかった、高田郁の新しい作風の完成です。【5】
 
■「秋燕 明日の唐汁」
 舞台は大坂高麗橋に移ります。澪の幼馴染だった野江は、唐高麗物を扱う淡路屋を営んでいます。主力の品は眼鏡。方や澪は、道修町に源斎と住み、北鍋屋町に料理屋みをつくしを出しています。二人の往き来は、幼い頃のことや、天涯孤独で江戸に出てからを知る読者を安心させます。
 本話は、野江の婿選びが主題です。その中で語られる、吉原での思い出語りは読ませます。そして最後に辰蔵に対する「嫌だす」が効いています。【5】
 
■「月の船を漕ぐ 病知らず」
 大坂に疫病ころりが蔓延します。源斉も病の床に伏します。澪の料理屋みをつくしも店じまいです。源斉に心尽くしの料理を出しても、まだ食べてもらえません。
 「月も無く、星も無い。暗い暗い闇の海で、船を漕いでいる……」(267頁)とあり、「生きて生きて、生き抜くことだけを考えろ」(268頁)という言葉が、私にも思い当たることが幾度もあっただけに染み渡りました。人の思いやりが静かに伝わる話です。
 澪は、姑に教えられた江戸の味噌汁で源斉に活力を与えます。二人で煌々と輝く月を観ながら語り合う場面は秀逸です。本話も次の話が待ち遠しくさせる趣向となっています。ぜひとも、大坂四ツ橋での料理屋みをつくしの話が続くことを、今から楽しみにしています。ただし、特別付録の「みをつくし瓦版」によると、特別巻の後の続編の予定を聞かれた作者は、次のように答えています。「名残惜しいのは私も同じですが、この特別巻ののちは、皆さまのお心の中を、澪たちの住まいとさせてくださいませ。」(309頁)【5】


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2018年09月18日

第7回 日本盲教育史研究会(於・東京)のご案内

 10月20日(土)に、東京・水道橋の日本大学で日本盲教育史研究会第7回総会・研究会が開催されます。参加申し込みの〆切りは今月末(9月30日)です(参加費千円)。
 今回は、平家琵琶の演奏が聴けるようなので楽しみです。
 ブログラムは次の通りです。

日時 2018(平成30)年10月20日(土)10時30分〜16時30分
会場 日本大学歯学部4号館3階第3講堂 
テーマ 視覚障害者の職業問題を考察する(仮題)
講演と演奏 平家を語る琵琶法師
  鈴木孝庸(たかつね)氏(新潟大学名誉教授 前田流平家琵琶奏者)  
問題提起 
  大橋由昌 近代盲教育における鍼按教育を中心に
  指田忠司 新職業開拓をめぐる我が国の取り組みと欧米諸国の相互交流


 参加の申し込みなどの詳細は、日本盲教育史研究会のホームページ「第7回総会・研究会ご案内」を参照なさってください。
 私は、いつものように懇親会にも参加します。

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posted by genjiito at 00:39| Comment(0) | ■視覚障害

2018年09月17日

京洛逍遥(514)宇治天然温泉「源氏の湯」で充電

 今年も残すところ三分の一となりました。
 先月は、月の半分は海外にいました。帰国した月初から、一気に旅の疲れが出たのか、気だるい日々を送っていました。
 気分一新をと思い、今月2日には鞍馬温泉に行っています。「京洛逍遥(510)鞍馬温泉で霊気と慈雨を浴びて気分一新」(2018年09月02日)
 そして、後半を控えた今日は、京都の南にある「宇治天然温泉「源氏の湯」」へ行って来ました。

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 ここには8種類のお湯があるので、いろいろな泉質が楽しめます。ちょうど今日は敬老の日ということもあり、温泉は満員でした。

 なんとなくボンヤリした日々を送っていたので、これから秋冬に向けて気を引き締めることにします。
 健康第一で無理をしない、が後半のモットーです。生き延びてさえいれば、今は出来ないこともなんとかなる、と自分に言い聞かせています。
 人生百年の時代になっているそうです。まだ33年もあります。
 気長にお付き合いください。
 
 
 
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2018年09月16日

京洛逍遥(513)崩れた半木の道の枝垂れ桜の棚

 植物園の西側を、賀茂川に沿って半木の道が通っています。散策路として雰囲気のある道となっています。
 昨年4月2日の記事「京洛逍遥(433)半木の道の桜はまだまだ蕾です」(2017年04月02日)に、次の写真を掲載しました。

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 その半木の道の桜並木が、過日の颱風21号の襲来によって、無残な姿を見せています。
 枝垂れ桜は、自分だけではその重みを支えきれずに折れてしまいます。そのため、棚を作って支えることで手助けをし、さらには引き締まって見え、ひと際大きく見え、より印象深く見えるようになります。こんな記事がありますので、参考までに。「枝垂れ桜には棚を組んでやりましょう」(2011年1月27日)

 今日の散策の折に見かけた枝垂れ桜の棚の現状を、写真で記録しておきます。
 私がいつも渡る、飛び石の「トントン」の周りを中心に撮ったものです。
 来春の桜の満開までに間に合うように、その対策が練られていることでしょう。
 来年も今年と同じように咲き誇ってほしいと願っています。

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posted by genjiito at 20:02| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2018年09月15日

関西国際空港に関する「卒業生情報・追記」

 一昨日に書いた「今日の関西国際空港と交通機関に関する「卒業生情報」」(2018年09月13日)に追加する情報を、卒業生のTさんからもらっています。
 急ピッチで関空の復興が進んでいます。それでも、まだまだ追いついていません。
 今日も、関西国際空港ターミナル1に行ったところ、閑散としていたとの連絡が入りました。
 また、今日のニュースでは、鉄道は18日の始発から運転を再開するそうです。
 そこで、暫定的とはいえ、今はこんな状況ですよということで、一昨日に引き続き、参考までに追加情報として関西国際空港の様子を紹介します。

 ターミナル1の一部が動きだすとのことなので「追加情報」を送ります。

「追加情報」
 館内は閉鎖、扉前に警備員ありの状態でした。
 その中のお一人に、ターミナル1「T1」からターミナル2「T2」への行き方を聞き、メモを書いてもらいました(※添付写真は省略)。

 ご存じかとは思いますが、ターミナル1から、「関西空港駅」を通過して、ターミナル2へ向かうバス乗り場へ行きます。
 ターミナル2へは、歩いていく事は出来ません。バスで5分?くらいです。(見えているのに遠い場所です)
 通過する関西空港駅のトイレは向かって「右側だけ」、水洗が復旧していましたので、使用出来ました。

 関西空港駅を通過すると、目の前のビルの中の右手にローソンがあります。
 左手に向かうと、ターミナル2「T2」のバス乗り場へ向かう通路があります。
 通路入り口に表示がありますので、見つけて頂ければ大丈夫です。

 同じビルに、ホテルもあります。右手ローソン側です。
 そのホテルは、部屋数制限があります。しかし、フロントの方に聞いたところ、ほぼ通常通りでした。


 今の関空の様子を知りたい方の参考にでもなればと思い、あくまでも個人レベルでのメモとして記し留めておきます。
 
 
 
posted by genjiito at 18:58| Comment(0) | ◎情報社会

2018年09月14日

高校での入試前の授業と社会人講座の広報活動

 今日は、少し蒸し蒸しするかと思わせながらも、秋の気配を十分に感じる一日でした。

 高校での授業は、「インフォームド・コンセント(患者が自分の病気と医療行為について説明を受けたうえで、同意をすること)」のあり方について考えました。生徒が提出した小論文を添削した例を示して、気付いた点を解説しました。

 来月からは大学受験の推薦入試が始まります。今後の個別指導のために、各自の受験スケジュールと、予定している自己ピーアールのポイントを書いてもらいました。
 これを参考にして、今後とも一人一人に対処していきます。

 来月から開催する社会人講座の広報については、高校の副校長とチラシの配布方法を中心とする打ち合わせをしました。講座の内容については、一昨日の記事「大阪天王寺地域で新しく社会人講座がスタートします」(2018年09月12日)に記した通りです。

 先生方や全生徒には、副校長からの一斉メールなどで連絡が行き渡っていました。用意したチラシは、各クラスの担任を通して帰りの終礼で全生徒に配布してもらいました。先生方全員にも、チラシをお渡ししました。

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 高校周辺地域の自治会の皆様にも、副校長のご尽力により、チラシを配布していただけることになりました。大学の方には早速、チラシを800枚ほどを刷り増ししてもらえるように依頼しました。
 地域に貼るポスターは、A3版をラミネート加工してくださることになり、これも大学から大至急データを送ってもらい、お願いをしました。ご理解とご高配に感謝しています。
 さらには、ありがたいことに、京都学を担当なさる本多健一先生のご協力で、高校の近くにある阿倍王子神社の境内にビラを貼ってもらえることになりました。

 この社会人講座も、少しずつ広報活動が広がってきています。さまざまなことから出遅れた取り組みでした。しかし、このようにして手助けしてくださる方が増えてきたのです。感謝感謝です。
 この社会人講座に何人の方が集まってくださるのかは未定ながらも、広報活動は今後のためにも積極的に展開していくつもりでいます。
 さらなるご協力をいただけることを願っています。

【追記】
 明浄学院高等学校のホームページの中にある「明浄ニュース」で、「お知らせ」として、この社会人講座のことが紹介されました。参考までに追加情報とて記します。

「【地域における学びの拠点を目指す】社会人講座を開設します!」(2018年09月14日)
 
 
 
posted by genjiito at 20:32| Comment(0) | ■講座学習

2018年09月13日

今日の関西国際空港と交通機関に関する「卒業生情報」

 大阪観光大学のすぐ近くの関西国際空港(略称「関空」)が、過日の颱風で大きな被害の中にあることは、ニュースなどで詳細に報じられています。
 そこで、専門外ながら、「観光と災害」について考え出しています。

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 そうしたことを察知したのか、大阪観光大学の前身である大阪明浄女子短期大学の教え子から、「卒業生情報」として貴重な現状についての報告が寄せられました。
 先月私は、ペルーやアメリカに出かけました。そのことから、またどこかへ出かけるのではと気遣っての情報提供のようです。ありがたいことです。

 時々刻々と変化している模様です。くれぐれも今(平成30年9月13日(木)午後3時現在)の記録として、念のためにここに残しておきます。

 今日、関西空港に行ってみました。
 ターミナル1は、もちろん閉鎖中で、ターミナル2のみの運航です。
 ターミナル2は、スーツで乗って頂けるほどの状態に整ってきています。
 ただし、キャンセル待ち等、待ち時間がありそうな場合は、ベンチが少ないので、その辺は、お気をつけ下さい。

「国内線」
 Jetstar
 JAL
 Peach
 FINNAIR
 HAWAIIAN

「国際線」
 Peach
 全日空
 JEJUair
 春秋航空

あたりが運航して来ていました。

 交通機関は、電車は、JR、南海、共に通常運転で
  天王寺→りんくうタウン
  難波→りんくうタウン
どちらも大丈夫です。

 「りんくうタウン」からの「空港バス」は、「南海バス」もありますので、比較的乗りやすかったです。

 帰りに天王寺で確認したところ、「はるか」は環状線のレールを使っていますので、増便させたり、積載オーバーになると、環状線の遅れにつながります。
 あくまでも「阪和線のみ」の通常運転であり、南海は確認が取れていません。
 詰めが甘くて、すいません。


 こうした情報は、このブログでも随時取り上げます。もろもろの情報を含めて、提供やご教示を、よろしくお願いします。
 
 
 
posted by genjiito at 18:15| Comment(0) | ◎情報社会

2018年09月12日

大阪天王寺地域で新しく社会人講座がスタートします

 来月10月12日(金)から、大阪の天王寺地域を舞台として、新しく社会人講座が始まります。この場をお借りし、参加者の募集を兼ねてお知らせします。
 次の画像をクリックしていただくと、高精細な画像となり文字も読みやすくなります。

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この講座について、当初の趣意文は次のとおりのものでした。

■開講の趣旨■
 大阪観光大学の社会人講座については、大阪市内を舞台として広く開かれた形で実施することに意義があるとの認識のもとに、複数の教員が理解を共有するにいたった。その観点から、天王寺にほど近い、阿倍野区文の里にある明浄学院高等学校を会場とする社会人講座の開講を立案し、ここに提案するものである。
 明浄学院高等学校は、創立100周年に向けて、2021年4月に文の里新校舎が完成する予定である。その新館に、大学のサテライトが入ることとなっている。そこで、それまでの3年間に現校舎の施設を活用して、以下の10講座をスタートさせることにした。
 この社会人講座では、大学の授業やゼミではできないことで各教員が語り出したら止まらない内容を盛り込み、受講者と共に楽しく考える場を創出することを目的とする。併せて、大阪観光大学の名前を近畿圏に広く告知する場になればとの願いもある。

          2018年04月16日
          代表世話人:大阪観光大学国際交流学部・伊藤鉄也

■開講期間と日時■
 第1期は、2018年10月より2019年2月までとする。
 原則、毎月第2・4金曜日の午後6時より90分の講座とする。

■受講料■
 全10回の講座を1セットとし、受講料は15,000円とする。
 ただし、個別の講座だけを受講する場合は、1講座3,000円とする。


 本年3月に準備が整い、ようやく来月から実施の運びとなりました。
 大阪市内にお住まいの方や、仕事帰りに立ち寄れる方、興味のある講座だけなら受講したいなどなど、多くの方が参加していただけるように用意を進めて来たものです。

 明日からポスターの掲示とチラシの配布を始めます。
 お知り合いの方などへ、伝言などでお勧めいただけると幸いです。

 第2期は、来年5月からスタートする予定です。
 
 
 
posted by genjiito at 21:23| Comment(0) | ■講座学習

2018年09月11日

清張全集復読(22)「五十四万石の嘘」「顔」「途上」

■「五十四万石の嘘」
 加藤清正と徳川家康の微妙なバランスから生まれた話です。清正の孫の光正は、茶坊主玄斎を脅してからかったことから、加藤家を潰す原因を作ります。その過程が語られるものの、私には盛り上がりに欠ける話でした。一挿話という作品です。【2】
 
初出誌:『講談倶楽部』(1956年8月)
 
 
■「顔」
 映画俳優として有名になる幸運と、過去の露見で身の破滅となることのせめぎ合いの中で、男の心は揺れ動き、行動に移そうとします。そもそも、人は初見の顔を覚えているのか。それを思い出す時の描写がみごとです。【5】
 
 
初出誌:『小説新潮』(1956年8月)
 
※短編集『顔』が第10回(昭和32年度)「日本探偵作家クラブ賞」受賞。
 
 
■「途上」
 市営の厚生施設「愛生寮」に入れられた男の、生と死の間をもがくようにいき続けようとするさまを語ります。特に何かインパクトがある作品ではありません。弱い立場の人間を観察する清張の目が生きています。【2】
 
初出誌:『小説公園』(1956年9月)
 
※『松本清張全集 36』(文藝春秋社、1973.2.20)の巻末に収載されている著者自身による「あとがき」には次のようにあります。
「途上」は、「芥川賞受賞第一作」として書いた小説が不掲載になったのを、その材料で書き直した作品である。小倉の養老院を見て架空の舞台にした。なお、「第一作」は「菊枕」を書いてこれに替えた。(543頁)

 
 
 
posted by genjiito at 20:22| Comment(0) | □清張復読

2018年09月10日

清張全集復読(21)「増上寺刃傷」「背広服の変死者」「疑惑」

■「増上寺刃傷」
 信濃守尚長は、意地悪であくどい男でした。その裏には、祖父と兄の失態からくる敗北感に裏打ちされた卑屈さがあったのです。
 和泉守忠勝は、この尚長に虐められます。堪忍袋の尾が切れた時に、切りかかっていたのです。まさに、殿中松の廊下の翻案です。
 清張は、この劣等感と憤懣やる方ない気持ちが、己に内在するものでもあることから、作品によく取り上げています。お得意の男の捻じ曲がった心情を描くのは得意なのです。読者を納得させる筆の力を感じる作品です。【5】
 
初出誌:『別冊小説新潮』(1956年7月)
 
※『松本清張全集 36』(文藝春秋社、1973.2.20)の巻末に収載されている著者自身による「あとがき」には次のようにあります。
どこの職場や住む世界にもイヤな奴はいるもので、この材料を読んだとき、自分の体験からそう思って書いた。(542頁)

 
 
■「背広服の変死者」
 地方紙の広告部校正係で38歳の男が、金銭的な問題から自分で変死体になることを望みます。その背後には、新聞社という職場での高卒と大卒の違いによる「劣弱感」や「劣敗感」があったのです。清張自身の姿が投影されています。嫉妬と遣る瀬なさを抱え込んで生きる男の描写は巧みです。
 惨めな生き様を見せる男が、次々と、これでもかと描き出されます。清張の心の片隅に眠っていた、過去の亡霊たちのように思えます。溜まりに溜まったものを吐き出すかのように、暗く陰鬱な男たちが立ち現れるのです。みごとな再現という他はありません。【5】
 
初出誌:『文學界』(1956年7月)
 
 
■「疑惑」
 自制心の強い縫之助は、妻の留美が同役の源兵衛との仲に疑念を抱きます。
 最後の最後に、意外なことが語られます。私には、この結末は承服できません。余りにも妻をよく描こうとしていると思えるからです。そうであっても、この物語は読ませます。【5】
 
初出誌:『サンデー毎日 涼風臨時増刊号』(1956年7月)
 
※なお、同題名で内容はまったく異なる長編推理小説『疑惑』(『オール讀物』、1982年2月)があります。
 
 
 
posted by genjiito at 23:12| Comment(0) | □清張復読

2018年09月09日

清張全集復読(20)「調略」「箱根心中」「ひとりの武将」

■「調略」
 毛利元就の巧みな諜報戦が語られます。元就の物の見方や考え方が活写されているのです。
 陶晴賢を厳島におびき寄せて葬り、次に尼子晴久を。
 元就を通して、人間の心の中を冷静に解析しています。【2】
 
初出誌:『別冊 小説新潮』(1956年4月)
原題:『戦国謀略』
 
 
■「箱根心中」
 従兄弟同士という関係が、男女の気持ちを微妙に近づけています。そして、お互いの結婚相手への満たされないものが、自然と気持ちを共有されるようになったのです。そして箱根へ。しかし、タクシーの事故で予定通りに日帰りできなくなり、2人の想いと行動が狂い出します。
 抑制された筆致で、自らを追い込んで行く男女が、会話を通してその心の内が描かれています。抑え込んだ、淡々とした口調と展開がうまいと思いました。【3】
 
初出誌:『婦人朝日』(1956年5月)

※『松本清張全集 36』(文藝春秋社、1973.2.20)の巻末に収載されている著者自身による「あとがき」では、「情死はいっさいの世間的な抵抗が面倒臭くなる結果ではなかろうか。その面倒臭さが虚無に通うようである。」(542頁)とあります。
 
 
■「ひとりの武将」
 信長に仕える2人の若者。歳が同じということからくる対抗意識が、巧みに物語の展開に関わっていきます。秀吉に付くか家康に付くかで、この2人の運命がわかれます。その過程が、戦乱の中を生き抜く2人を通して炙り出されるのです。
 日本アルプスを横断する判断と決行が圧巻でした。この話は、人間の末路を思わせます。秀吉の姿が遠くに見えるだけ、という設定はうまいものです。【4】
 
 
初出誌:『オール讀物』(1956年6月)
 
※『松本清張全集 36』(文藝春秋社、1973.2.20)の巻末に収載されている著者自身による「あとがき」には次のようにあります。
「ひとりの武将」は佐々成政のことである。これも「腹中の敵」(第35巻所収)に登場した柴田勝家や丹羽長秀と同じように秀吉の被害者の一人だ。秀吉と佐々成政との関係は、同じ年に書いた「陰謀将軍」における足利義昭と信長の関係にも似通っている。新しい勢力者に絶えず抵抗しながら滅びて行く旧い人間の形をここに見るのである。成政は居城富山から雪のアルプスを越えて松本に抜け、浜松に行って家康の味方を誘うのだが、家康動かず、彼はむなしく同じ路を引きかえし、ふたたび雪の北ア越えをして帰る。最後は熊本の大名になるが、土豪一揆の鎮圧に失敗し、秀吉から死を命じられるのである。これくらい一生空回りをした武将も珍しく、この男から人間の努力の虚しさを教えられたような気がする。成政の通った黒部越えの下にはいま黒四ダムが完成している。前から誘われているので一度そこに行き、かたがた成政の"壮挙"の跡を見たいと思っている。(542頁)

 
 
 
posted by genjiito at 19:49| Comment(0) | □清張復読

2018年09月08日

京洛逍遥(512)下鴨神社の倒木と鴨川合流地点の清濁

 颱風21号は、今夏も地蔵祭の場所ともなった児童公園の中の、お地蔵様と向かい合う巨木も倒して行きました。

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 散策の途次、糺ノ森に与えた被害を見てきました。
 バス通りとなっている下鴨本通りの西口から入ると、すぐ左に下鴨神社の説明板があります。それが倒れていました(次の写真の左端)。

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 上の写真右には、印納社が壊れたために修理中だとあります。
 この印納社については、「京洛逍遥(468)下鴨神社の印章祈願祭と手作り市」(2017年09月25日)に書きました。また、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉を設立した時、印鑑が出来上がるとすぐにお参りをした時のことを、「NPOの法人印を精魂込めて彫っていただく」(2013年02月04日)に書きました。

 楼門の南に建つ鳥居の横の木が折れていました。

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 糺ノ森の木々も大変な状況となっていました。

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 糺ノ森を下って出町柳に出ました。賀茂川と高野川の合流地点となる賀茂大橋の下で、ここから鴨川と呼ばれる所の水が2色に分かれています。次の写真の左側に、高野川の澄んだ緑色の水が確認できます。右側が賀茂川の茶色く濁った水が流れ込んで合流しています。水量は賀茂川の方が多いので、高野川の清流を左に押し流すようにして合体して下っています。京都府河川課による説明でも、この現象の理由はよくわからないとのことです。

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 出町橋の袂の鯖街道口では、有名な出町の柳がかわいそうな状態になっていました。

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 太古の昔から生い茂っている糺ノ森も、今回の颱風で大きな痛手を負いました。建物の被害が少なかったのが幸いといえるでしょうか。倒れた木々はまた新たな息吹を溜め込んで、さらに何千年と生き伸びてほしいものです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2018年09月07日

久しぶりの高校での授業は盛りだくさんになり過ぎて

 高校では、早々と2学期が始まっています。今日は、「見る、聞く、考える」を強く意識した授業をすることの確認をしました。前回は、「京洛逍遥(502)祇園祭 -2018- 四条通散策」(2018年07月13日)の記事の最初に書いた通りです。約2ヶ月ぶりの授業となります。

 看護系の「小論文」対策が主眼の科目を担当しています。そこで、文章を書くためには、日頃から身の回りや仲間の話をよく観察し、新鮮なネタを集めておくことを勧めています。生きのいい素材は、インパクトのある文章に仕上げやすいからです。そのためにも、こまめにメモをすることです。
 書いて添削をしてもらうことも有効です。しかし、その前に、さまざまな角度から料理ができるネタを用意しておこう、という話です。

 また、関西国際空港が台風で機能を失ったことや、北海道での震度7という大地震のニュースに関連して、「災害時の医療」というテーマで自分なりの考えを整理しておくことも提案しました。まだ17歳の生徒たちなので、今日のところは問題意識を持つところまでです。これらは、引き続き課題にしていきたいと思っています。

 教科書に関連しては、「ノーマライゼーション」と「児童虐待防止法」について扱いました。「ノーマライゼーション」については、盲学校に生徒が来なくなっている現実を例にして、何が「普通」か、という視点で説明をしています。「児童虐待防止法」については、今日は詳しくは取り扱えませんでした。別のテーマと抱き合わせにする予定です。

 白杖と点字ブロックと点字プレートについても話しました。ただしこれは、機会をあらためて、整理してからにします。

 最後に、漢字コンテストに応募する小文を回収して終わりました。

 久しぶりの授業で、たくさん詰め込みすぎたかもしれません。まだまだ残暑が厳しいので、教室は蒸し暑いのです。窓を開けたりして、風通しをよくすると、幾分ましになりました。暑いという生徒と、寒いという生徒が混在しています。部屋の温度管理は難しいものです。次回からは熱中できる作業を取り入れた内容にしたいと思っています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:46| Comment(0) | ◎情報社会

2018年09月06日

朴光華編著『源氏物語−韓国語訳注−(若紫巻)』の紹介

 韓国の朴光華先生が、『源氏物語』の「夕顔」巻に続く「若紫」巻の訳注本を刊行なさいました。

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 「桐壺」については「朴光華著『源氏物語─韓国語訳注─(桐壺巻)』」(2015年09月06日)を、「夕顔」については「朴光華訳の第2弾『源氏物語−韓国語訳注−(夕顔巻)』刊行」(2016年08月26日)を参照願います。
 また、朴先生とのことは、「朴光華先生のハングル訳『源氏物語』」(2010年07月05日)に記した通りです。

 この韓国語訳注は、今後とも19年という長い歳月をかけて、さらに巻を次いで刊行されることになっています。
 韓国語がわからない私には、このようにして紹介することでしかお手伝いができません。一日も早い完結を待ち望んでいます。

 本書の書誌情報を、いただいたお手紙から転記します。

1)著者;朴光華(Park KwangHwa)
2)初版発行日;2018年7月2日
3)出版社;図書出版DNP
 〒31166韓国忠南天安巿西北区双龍4GIL 8、1F
 電話;041-572-7887
 Email;tdxl000@naver.com
4)総頁;508頁
5)定価;W60000
6)ISBN;979-11-964307-0-2 (03830)
7)本書の構成;写真4枚
序、凡例、若紫巻の概要、登場人物系図、参考文献など;1~23頁 若紫巻(日本語本文、韓国語訳、韓国語注);24~500頁 後記(日本語);501~502頁 図録1~6 ; 503~508頁


 また、本書の性格と編者のお人柄がわかる「後記」を、参考までに引用します。

六、後記

 『源氏物語−韓国語訳注−』(若紫巻)は、「文華」(第十号、2011年1月1日)雑誌に発表されたものである。当時は『源氏物語韓釈−若紫−』(日本文学研究会)という題目でこの世に出た。それから約六年後、今日、ようやくこれに相当な注釈を施して発刊することになった。当時の若紫巻をいまになって見ると、情けなく間違った個所も多く目立つ。その後「文華」は十二号(2013年1月1日)まで続刊した。既刊の桐壼巻では、尊敬語(補助動詞)、謙譲語(補助動詞)、丁寧語(補助動詞)などで苦労して、夕顔巻では、助動詞「む・べし」、接続助詞「に・を」などで苦労した。今度の若紫巻でも助動詞「む・べし」、接続助詞「に・を」などの用法、丁寧語「はべり」などで苦労した。たとえば、やや前半部の供人のことばに「外(ひと)の国などにはべる海山(うみやま)のありさまなどを御覧ぜさせてはべらば、」という文がある。この「はべら」を丁寧補助動詞としたが、謙譲語(話し手の動作を表わす文につく「はべり」)とする説もあるから、どうしようかと思いつつ、いくつかの謙譲語の用例を除いてすべての「はべり」を丁寧語(補助動詞)と処理した。しかし、このような用例が後半部にもけっこう出てくるから甚だ心許ない。それに、これらの「はべり」の異同を明らかにする自信もまだない。
 夕顔巻の後記でつぎのようなことを述べた。

「桐壺・夕顔両巻の作業中において、一つのたのしみがある。それは、本書の訳と注釈に使った六書(『全書』『大系』『評釈』『全集』『集成』『新大系』)に、なにかあやまりはないのか、編集印刷ミスなどはないのか、と、それらを見つけることである。…」

 若紫巻では、はじめて今泉忠義の『源氏物語全現代語訳(二)』(講談社学術文庫)を使ってみた。
 若紫巻のやや前半部、「吹き迷ふ…」「さしぐみに…」という贈答歌のあとに、次のような本文がある。「いろいろに散りまじり、…」。
 これを『源氏物語全現代語訳(二)』は「色もとりどりに咲きまじって、…」のように訳している。どうして「咲きまじって、…」のように訳されたのか不思議である。底本の首書本をみても「散りまじり、…」となっているが、本書の訳と注釈に使った六書(『全書』『大系』『評釈』『全集』『集成』『新大系』)の誤った個所は、本書の中にすべてを記して置いた。ハングルであるから残念ではある。
 『源氏物語−韓国語訳注−』は前期、後期に分けて発刊する予定で、所要期間は当初は十四年であったが、大幅に変更された。まず前期30巻は2015年8月〜2033年(19年)となっている。前期の第1期発刊は、桐壺巻(既刊)、夕顔巻(既刊)、若紫巻、須磨巻、明石巻、総角巻、浮舟巻などが順次的で発刊される予定である。そして、各巻ごとに諸先生方の論考が掲載されることになっている。桐壺巻(「桐壺院の贖罪」伊井春樹先生)、夕顔巻(「夕顔の宿」糸井通浩先生)。
 そもそもこの若紫巻には中野幸一先生の論考が予定されていたが、あとの巻に回されることにした。やや不本意な若紫巻になってしまった。次は須磨巻で、今西裕一郎先生の論考が予定されている。ちなみに『源氏物語−韓国語訳注−』の訳注の原則、方法、内容、発刊計画などについては、日本言語文化研究21号(2017年1月30日)で「『源氏物語−韓国語訳注−』について」という題で発表したことがある。ご参照まで。
 目下『源氏物語−韓国語訳注−』は後世に残すために執筆している。この若紫巻はSにさしあげる。
           2017(ママ)年7月1日 朴光華

 
 
 

posted by genjiito at 21:30| Comment(0) | ◎国際交流

2018年09月05日

誤差1時間を見込んだ生活と「すゝめ」のこと

 昨日の台風の影響もあり、今朝の交通は乱れていました。
 大学へ行くために、事前に情報を収集。天王寺駅まで出れば、阪和線は大阪方面へ向かう電車は止まっているけれども、和歌山方面は大丈夫だとありました。大学がある関西国際空港の手前の日根野駅には行けそうです。いつもの通勤ならば、行きは3時間ほどを見ています。この状況ならば、今日は4時間ほどを考えておけばよさそうです。毎月、東京の日比谷図書文化館へ新幹線で行く時と同じです。その意味では、長時間の通勤は特に苦にはなりません。それよりも、今日はこのプラスとなる1時間が閃きをくれました。
 日頃は、何かとあたふたバタバタと生活をしています。そこへ、1時間の誤差を見込んだ生活にしたらどうだろうか、と。
 会議や約束の時間は、守らなければなりません。人に迷惑をかけるからです。少なくとも、日本ではそうなっています。この点は、海外ではそんなにがんじがらめに縛られてはいない方が多いように思います。
 そこで、これからは、私も1時間の誤差を見越した生活のパターンを取り入れたいと思うようになったのです。もし、設定された時間に対応できないことが想定される時には、最初からその予定はパスをするか、責任者にそのことを伝えてあらかじめ了解を取ることにすればいいのです。

 もう現役は引退しています。そのためにも、自分に課せられた責任は可能な限り軽くしたいものです。人様に迷惑をかけないように、必要最低限のことはします。しかし、いつまでも中心にいることは控え、可能な限り立ち位置を少しずらすことにするのです。

 とにかくやって見ます。これも、一日も長く生きるための試行錯誤の一つとして、ご理解の程をお願いします。

 と書きながら、JR以外の私鉄と地下鉄を乗り継いで、やっと天王寺駅に着いて呆然。JRの改札口に入れないことがわかったのです。
 依然として、大学から今日は休学かどうかの連絡はありません。昨日は、いくつかのルートで休学の連絡があったので、今日はさらなる混乱の中なのでしょう。

 またまた情報を集めました。

・JR阪和線の天王寺駅から日根野駅までは動いているけれども120分の遅れ
・朝9時の段階では、天王寺駅と日根野駅とは折り返し運転中のはず
・ところが、阪和線はホームに入ることすらできない
・それでも情報では阪和線は動いていると書いてある
・阪和線は、やっと乗れても普通だけ
・異音感知のため、阪和線は緊急の不通状態になる
・やっと乗れても、普通だけの上、信号待ちなどで止まって進まず、トイレで苦しんでいる人がいる
・南海はやっと和歌山方面が10時から動くとか
・異音感知解決で、運転再開らしい
・信太駅にいる人からの情報では、日根野行きは駅でずっと止まったまま
・天王寺行きはホームに人が溢れていて乗れない
・普通電車は4両のみで異常な混みよう
・線路上に葉っぱが乗っていて、また停車とのこと
・阪和線があまりにも止まってばかりなので、ちゃんと点検してから再開しろ、とネットが炎上
・泉佐野市は今も停電中なので、大学のエレベーターもエアコンも無理?
・科研のプロジェクト研究員で大学の近くに住んでおられる方から、停電でメールの送受信ができないため携帯で失礼を、として連絡あり
・大学のシステムに不具合が発生しているらしい
・科研のことでお世話になっている大学の事務の方から、大学は停電はしていないものの、スクールバスは運行していない、と


 以上の情報から導き出した結論は、天王寺から京都に引き返すことになりました。
 帰り道、天満橋駅で「学問のすめ」というおつまみを見つけました。

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 このネーミングは、もう一捻りできそうです。
 例えば、『源氏物語』の写本では「すゝめ」は次のような字形で書かれています。
 高校の教科書に採択されている、「若紫」の「雀の子をいぬきが逃がしつる」という場面です。「鈴虫」にもあるので、参考までにあげておきます。

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 商品名に変体仮名を使うと、もっとおもしろい文字遊びができる名前ができるでしょう。
 徒労に終わった出勤の気分転換に、こんなことでいろいろと楽しく頭の体操をしながら帰りました。

 出町柳は、昨日とはちがってのどかでした。
 ただし、飛び石が、水嵩が増したために見えなくなっています。

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 参考までに、3日前の出町柳の様子を再掲載しておきます。

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posted by genjiito at 20:08| Comment(0) | ■変体仮名

2018年09月04日

京洛逍遥(511)颱風一過の賀茂川で想うこと

 電車やデパートの機能を奪った颱風21号は、傷跡だけを残してあっという間に近畿圏を過ぎ去って東北へ行きました。妻の実家に近い秋田の漁港が、テレビに映し出されるようになりました。まだ一暴れしようというのでしょうか。
 昨夜から不穏な雰囲気の中で、我が家の周辺でもさまざまな物を吹き飛ばしてくれました。雨樋が飛び舞い、ご近所の車が傷つけられました。アンテナが折れたり、木々の小枝が路地に点在しています。

 町内会の方々が、一人暮らしの方がいらっしゃるお宅を一軒一軒訪ね廻っては、無事を確認しておられます。若い方々には、こうした訪問は余計なお世話だと煩わしく思われているかもしれません。しかし、隣近所を気遣う優しい方々に囲まれていると、何となく心和む光景として見えます。我が家も、先月の地蔵盆が契機ともなり、みなさまとの関わりの中で生活をしていることを実感しています。一人だけで、自由気儘に生きた時代の対局にいる、と思っています。
 自分の研究においても、コラボレーションといわれる共同研究を中心とした手法を導入して、この20年間はやってきました。それが、生活においてもみなさまと一緒に、というスタイルになりつつあります。これもいいものです。一人で歯を食いしばって、という歳でもないのですから。

 雨風が止んだこともあり、賀茂川の散策に出かけました。
 折れた桜の木の枝を、チェーンソーで片付けておられました。自治体の対応も迅速です。

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 川は濁った水が川底を勢いよく押し流しています。しかし、思ったよりも水嵩は増えていません。とにかく、風颱風だったようです。

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 鷺たちも、元気よく動き始めています。

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 下鴨神社や糺ノ森に、颱風の被害があったというニュースを聞きました。太古からの過酷な自然環境に耐えて今があるので、何があっても生き返ることでしょう。
 娘たちがいる大阪では、今も停電が続いているそうです。各地の被害が大きくなっていないことを祈るだけです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:06| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2018年09月03日

【復元】移転9・公共施設での停電と非常ベル

 これまでに何度も、ウエブに公開した記事が消えています。そのような中で、幸運にも探し出し、拾い出せた文章や写真は見つけ次第に、忘れない内に復元してきました。
 今回のものは、今から12年前に書いた記事です。
 突然の事態に出くわすとどう対処するか、という問題です。
 記録として、復元することで再現してみました。
 今、大きなデパートやスーパーなどでは、買い物客の対応に細心の注意を払い、店員の訓練もしているようです。
 しかし、中小の商業施設ではどうでしょうか。アーケード街では?
 自然災害を含めて、身近な場所での身の守り方を、あらためて確認しておきたいものです。
 明日は近畿地方を大型颱風21号が直撃します。
 身近なところでの災害対策も怠らないようにしましょう。

(※以下の記事は、平成19年3月に消失したブログの復元です。)
 
 
********************** 以下、復元掲載 **********************
 
 
2006年9月10日公開分
 
副題「何の説明もないのは危機管理意識の欠如か(8月12日)」
 
 今日は、お盆で帰省するためのお土産を買うために、奈良・西大寺の近鉄デパートへ行きました。

 買い物の途中で書籍売り場へ行き、研究仲間である中島岳志君の新刊『インドの時代』を探しました。見つからないので、レジでコンピュータによる検索をしてもらっている時でした。突然、全館がパシッと停電になったのです。

 目の前のコンピュータは、画面に一条の光を収束させてダウンしました。ハードディスクがクラッシュしたのではないかと、他人事ながら心配しました。

 天井に設置されていた、いくつかの非常用の電球がつきました。しかし、辺りを見回しても全館は真っ暗です。そんな中、どうにか5分後に復旧しました。長い5分でした。そして、書籍検索用のパソコンは再起動し、画面にウインドウズ98の起動画面を見せていました。私のリクエストで検索中に、ハードディスクを読んでいる時に突然シャットダウンしたので、機器へのダメージはあったかもしれません。書き込み中ではないので、大丈夫だとは思いますが。

 この間、3台あったレジスターのうちの1台だけは、補助電源で動いていました。もっとも、その画面は通常のものではなかったように見えましたが、それはおいておきましょう。

 とにかく、こんなに古いシステムでレジや書籍の検索をしていたことを知り、愕然としました。不出来なウインドウズの、それも旧システムを操作する店員さんの苦労を考えると、非効率的だと思いました。人に優しいシステムを、経営者は模索すべきです。

 それはともかく、なかなか検索用のパソコンのシステムが立ち上がりません。店員の方も、まだ相当時間がかかるので、本探しはまたにしてほしい、との意向でした。店員さんの対応は、申し訳ないという気持ちが伝わる、誠意を感じる振舞いでした。しかし、一体何が起こったのか、それに関する館内放送は、まったくありませんでした。何だか変だな、と思いました。

 気味が悪いので、すぐに駐車場に戻って帰宅することにしました。その前に、肝心のお土産を買うために地下の和菓子売り場へ立ち寄りました。
 そこで品定めをしている時に、今度は突如、非常ベルが数回鳴りました。ここで初めて館内放送があり、「3階のエレベーター付近で発砲(?)、発光(?)があったので、買い物客のみなさまはそのままの場所で、確認が終わるまで、しばらくお待ちください」、とのことです。

 私は、店側のこうした対応に疑問を持ちました。すぐにエスカレータを使って駐車場の方へ移動しました。気のせいかもしれませんが、館内に焦げたような、カビ臭いような匂いがしていたと思います。ほとんどの買い物客は辺りを見渡しながら、そのまま自分がいた位置に立ち止まっておられました。

 私はサッサと近鉄デパートを脱出しました。その間にも事態の説明は、放送でも、店員からも、まったくしていなかったのです。
 こんな場合には、とにかく何が起こっているのかを、来館者に知らせるべきです。今は、隠すのではなくて、情報を公開して共有することが、パニックを回避する手だてだと思います。そうでないと、大事に至った時に、買い物客は出口に一挙に突進します。

 また、買い物客も、もっと慌ててもいいと思います。今の日本人は平和ボケしているので、こんな事態でも大したことではないと、我が身を守ることには思い至らないようです。
 この国が、これからの激動の時代を生き抜けるのか、おおげさではありますがやや悲観的になりました。

 それにしても、店側は、なぜ簡単な一報だけで、それも大分経ってから、その後の事態の様子を買い物客に知らせなかったのでしょうか。私は早々にデパートの建物から外に出ました。しかし、事態を知るよしもない新たな買い物客は、どんどん店内に入っていきます。もっと手際よく連絡をして、不測の事態に対処すべきだと思います。

 帰り道、海外の国々だったら、どんな反応があったか仮想してみました。
 今、戦争の中にいる多くの国は、すぐに反応することでしょう。その中で日本は、口で戦争反対を称えていればいいというスタンスです。その戦争反対はあくまでも観念の中のものであって、賛成よりも反対を、という現実を直視しての実感を伴ったものではありません。

 危機意識を共有することについて、子どもたちと話し合ってみたいと思うようになりました。
 
********************** 以上、復元掲載 **********************
 
 
 
posted by genjiito at 18:47| Comment(0) | *身辺雑記

2018年09月02日

京洛逍遥(510)鞍馬温泉で霊気と慈雨を浴びて気分一新

 今回の旅では、帰国後に時差ボケがありません。旅慣れして来たのでしょうか。
 しかし、成田に着いた一昨日は、東京での宿で両足が急に吊り出したために、一晩中ベッドの上で必死に痛みに耐えていました。疲れが脚にどっと出てきたのかもしれません。
 昨日は、日比谷図書文化館での講座があったので、少し緊張感も手伝ってか痛みを忘れていました。
 今朝方からまた、ふくらはぎのツッパリ感が酷くなって来たので、温泉に浸かって足を温めて労ることにしました。
 我が家から手っ取り早く行ける温泉は鞍馬山です。

 賀茂川と高野川の合流地点である出町では、多くの人が思い思いに休日を楽しんでおられます。日本に帰って来たことを実感します。

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 お盆に主役を果たした如意ヶ岳の大文字は、来年のための眠りに入ったようです。

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 出町柳駅から叡山電車で鞍馬駅まで30分ほどです。入浴券付きの切符(1,800円)を買うと、少しだけ安くなります。

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 終点の鞍馬駅と、一つ手前の貴船口駅の間は乗り降り自由なので、貴船神社に先にお参りなさった方がたくさん乗り込んで来られます。

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 鞍馬駅前のロータリーでは、鞍馬温泉行きの無料送迎バスが待ってくれています。

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 温泉に脚を漬けて温めていた時、突然ポツリポツリと小雨が落ちて来たかと思うと、あっという間に大粒の雨が露天の湯を叩きつけます。
 慈雨、法雨、霊雨、恵雨、甘露、甘雨、瑞雨、喜雨。
 鞍馬のお山の霊気に触れていた時だったので、これは慈雨というべきでしょうか。
 頭に雨粒を受けていると、適度な指圧を受けている気分になりました。
 雷が鳴ったら東屋に移ろうと思っていると、しだいに雨脚はおとなしくなりました。まさに法雨です。
 しばらくのんびりと露天風呂に身を沈めていました。
 外国の若者が4人と日本の若者が2人。それぞれに気持ちよさそうに甘露を口に受けながら上空を見上げています。贅沢な時間が過ぎていきます。
 風呂上がりには、すっかり雨は上がっていました。
 石段がすっかり雨に濡れていたので、気をつけて降りていた時です。

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 後ろから付いて来ていた若者が、濡れた石に足を取られて転んだのです。
 大丈夫ですかと言って手を貸そうとすると、苦笑いをして「オーケー」との返事。相当痛そうでした。日本の濡れた石段に慣れていなかったのでしょう。これも日本文化の勉強です。日本をたくさん身体に染み込ませて、母国に帰ってほしいものです。

 鞍馬駅で、「京都寺町三条のホームズ」のスタンプラリーをしていたので、この作品を読み続けている私はすぐに反応しました。

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 帰りの電車のヘッドマークには、この物語のキャラクターのデザインパネルが取り付けられていました。

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 程よく身体がほぐれたので、束の間の休日の温泉療法となりました。
 
 
 
posted by genjiito at 22:32| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2018年09月01日

日比谷で橋本本「若紫」を読む(2018年度-その5、誤植発見)

 昨夜は、神宮外苑の近くで、久しぶりにぐっすりと眠りました。ハーバードでの夜中は、大学の前期試験の成績処理や学生からの問い合わせの回答、インドから急に届いた校正依頼に加えて、今秋から新たに始まる社会人講座の対応などに追われていました。なかなか寝る時間の確保ができませんでした。ネットワークにつながっていることは、世界のどこにいても仕事が付いて回ります。これは、便利さと忙しさのもろ刃の剣であり、長短があるのは仕方のないことだと諦めています。

 そんなこともあり、自宅ではなくても、日本にいるという安心感と距離感は、何物にも変えがたいものがあります。

 今朝は、地下鉄銀座線の赤坂見附駅で丸ノ内線に乗り換えて霞ヶ関駅に行こうとしました。赤坂見附駅のホームに降り立って見回しても、丸ノ内線のホームへの指示がよくわかりません。目の前を通り過ぎる電車を見て、何と丸ノ内線のホームが到着した銀座線のホームの真向かいだったことを知りました。ボストンで乗り換えに苦労したばかりの身には、この心憎い仕掛けは驚くばかりです。

 今日の講座は、ハーバード大学が所蔵する鎌倉時代に書写された『源氏物語』を調査して来た話から始めました。写真をスライドで映写しました。もちろん、ハーバード大学蔵本「須磨」と「蜻蛉」の実情も、スライドで見てもらいました。
 配布した資料は、京都で印刷したものなので、ボストン経由で日比谷に持ち込んだものです。昨日までいたハーバードの香りを伝えるものとなりました。

 今日は、33丁裏6行目「あてに〜」から34丁表5行目「〜か者可り」までの半丁分を、いつものように字母を確認しながら進みました。
 「【事】八里那里」と「【人】そう尓」について、「事(こと)」や「人(ひと)」という漢字が使われていることに対する質問がありました。今の時代の表記では、「【事】八里」は「理り」と表記し、「【人】そう」は「一族」と表記するところです。これは宛漢字とでも言うのでしょうか。現代においては、馴染みのない表記です。しかし、漢字表記の一つ一つには統一された意味が込められているはずであり、統一された表記以外に違和感をもつという理解は、近現代の答えありきという風潮に起因するものだと思います。漢字優先の教育方針の元で、画一的な答えを求める現代の国語科の先生方の教育の弊害だと思っています、と答えました。
 多様な表記や表現をしていたかつての日本語の状態が、今は画一的な、採点して評価しやすいものを正解とする風潮になっているように思います。そのように教育されてきたので、それに躍らされないようにしましょう、という変な話になっていき、慌てて押し留めて自重しました。
 なお、34丁表4行目「・思・【給】ふる・」の「思」は、これが漢字表記であることを明示して「【思】」としなくてはいけません。校正時の見落としなので、ここにその不正確な印刷になっていることを明記してお詫びします。

 今日は、日比谷図書文化館での講座を終えた後は、有楽町駅前で課外講座の一環で打ち合わせをし、ゆったりと新幹線で京都に向かっているところです。
 明日は、久しぶりに自宅で手足を伸ばして身体を休めます。





posted by genjiito at 21:53| Comment(0) | ◎NPO活動