2018年07月05日

キャリアアップ講座(その5)『源氏物語』のくずし字を読む(書き手の交代)

 大雨の中、通勤の長い道中で、スマートフォンは8回も避難警告が鳴り響きました。画面に「緊急速報 避難勧告 発令」「緊急速報 避難準備 高齢者等避難開始発令」「緊急速報 避難勧告 土砂災害」などが表示されるのを横目に、ただただ大阪市内を南下して和歌山方面に向かいました。大学では、意外と雨風は強くなかったのでホッとしました。
 この記事を書いている今も、京都市左京区では「避難勧告」のけたたましい警報が少しの間を置いて鳴り響いています。指定緊急避難場所は「京都工芸繊維大学」と表示されているので、私の住んでいる地域からはもっと北の、京都五山の送り火で言うと、「妙」「法」の文字が焚かれる地域のようです。今また「避難指示(緊急)」がスマホの画面に表示されました。今夜は、この警報とお付き合いとなりそうです。賀茂川が氾濫しないか心配です。

 さて、大学でのキャリアアップ講座は順調に回を重ねています。

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 今日も、さまざまな資料を配りました。

◆池田本「桐壺」巻頭部分
 これは、重要文化財になったばかりの、鎌倉時代に書写された写本です。現在読んでいる鎌倉時代の歴博本「鈴虫」の巻頭部分とその雰囲気が似ていないか等々、見比べました。

◆変体仮名「て」の墨跡一覧
 現在一般的に使っている「て」の字母は「天」です。しかし、「く」の長いものをどうするかで、「弖」だけではなくて「氐」があることを、多くの例をあげて考えました。

◆山下智子さんの女房語りのチラシ
 内容を見ながら、ご一緒にコラボレーションする機会がなかなかないことや、美しい京都弁のことなどを話しました。

◆御茶の水女子大学が2020年から「女性自認」の男性を受け入れる新聞記事
 「LGBT」に「Xジェンダー」が加わる時代となりました。男らしさや女らしさについてフリーディスカッションで盛り上がりました。この講座は、年齢が50台から60台を中心とした集まりで、その中に4人の20歳の学生がいるという構成なので、この話はヒートアップします。ここぞとばかりに、男性4人の意見がポンポンと出る場面となります。これが、社会人講座の最大のおもしろさだと言えます。物語や文学作品を読む時に、男と女という枠を取り払って読むと、人と人との関係を男女に決めつけない、また別の読み方ができるのではないか、という提言をしました。


 今日は、テキストである写本は、4丁表から4丁裏の最終行までを確認しました。
 特に、写し手が途中で変わっているのではないか、ということを話題にしました。流れるような筆遣いから、途端につっかえつっかえ、それも頻繁に墨継ぎをして書写間違いが頻出するとなると、これはどうしても書き手が交代したと考えるのが普通です。巻頭部の1丁表裏を見て、そして2丁表に進むと、明らかな筆遣いが違うことが素人目にもわかります。
 一文字一文字を見ていくと共に、視野に入る紙面全体を見ることも忘れていません。この講座では、好き勝手に写本を見て読んでいく楽しさを満喫しています。

 次回は、再来週の7月19日(木)午後3時からです。
 場所は、今日と同じ、1号館4階のセミナールーム1です。
 
 
 
posted by genjiito at 21:03| Comment(0) | ■講座学習