2018年07月04日

読書雑記(231)山本兼一『修羅走る 関ヶ原』

 『修羅走る 関ヶ原』(山本兼一、2014年7月30日、集英社)を読みました。

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 慶長5年(1600)9月15日の話です。
 石田三成に始まり、一人10頁くらいの話を順番に読みます。時々、巻頭の「関ヶ原合戦布陣図」を見ては、各武将の陣地とお互いの勢力図を確認しました。
 一人一人の武将を、その人柄と考え方に至るまでを見通した、的確な描写で描き出します。それらの集積が、関ヶ原の合戦という大きな戦闘の実際と、その背景にある人々の思いを浮かび上がらせていきます。読みながら、うまい、と思いました。
 東西両軍の武将一人一人の性格が浮き彫りにされています。戦いのありようが、各武将の視点で語られるので、複眼的な戦闘場面が立ち現れているのです。驚くべき筆力です。そして、迫力のある戦闘場面が活写されています。
 人は、対立した時にどちらに付くのかを、読みながら思いました。自分が納得のいく場所を探し求める者と、計算尽くで立ち位置を決める者、そして様子見をしながら右顧左眄する者など、さまざまな生き様があることが、この物語に盛り込まれています。
 登場する男たちはみな、自分なりに筋を通しながら生きる道を決め、自分の意思で死んでいくのです。女性が出てこないのもみごとです。【4】

初出誌:『小説すばる』二〇一一年一月号〜二〇一二年十一月号

巻末付記:
「著者が逝去された為、本書は連載時のまま、手を加えておりません。ルビや明らかな間違いについては、著作権継承者と相談し、編集部にて修正しました。」(473頁)
 
 
 
posted by genjiito at 23:00| Comment(0) | ■読書雑記