2017年12月31日

京洛逍遥(481)大晦日に京都護国神社と錦市場へ行く

 坂本龍馬と中岡慎太郎に関する調査で、大晦日にも拘わらず高台寺の裏にある京都霊山護国神社へ行きました。長い坂を登った所にあります。

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 墓地には実に多くのお墓がありました。
 案内板に記された人名を手がかりにして、龍馬に関わる明治維新の人々のお墓と、その墓石に刻まれた文字を確認して廻りました。

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 大政奉還150周年、明治維新から150年という節目の年ということもあり、龍馬と慎太郎の像には国内外から次々と人が立ち寄っています。人気のスポットのようです。

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 ここには、とにかく多くの明治維新に関係する人々のお墓があるので、お墓の案内板があっても、誰の墓がどこにあるのかを探すのも大変です。
 そんな中で、偶然ながら東京裁判でただ一人日本は無罪だと主張した、パール判事の顕彰碑があることがわかりました。
 ただし、そこへ行く途中で、「平和の杜」にあった記念碑の裏面に、ビルマ(現・ミャンマー)派遣軍の方が建立されたことが記された碑を見かけました。年明け早々にミャンマーに行くので、これも何かの縁だと思い、写真に収めました。

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 池を挟んだ右側には、「満州開拓青年義勇隊碑」もありました。

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 両親がいた満州のことになると、無意識に反応します。両親は命からがら、満州から終戦後に日本に帰ってきました。親がそのことを話をしてくれなかった、ということよりも、聞かなかった自分の不徳を申し訳なく思っています。もっと戦争のことを聞くべきでした。両親は艱難辛苦の末に、やっとのことで過ごしながら、私と姉を育ててくれました。機会あるごとに、感謝の気持ちを伝えるようにしています。

 パール判事のエリアは、狭いながらも引き込まれます。

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 パール判事に関しては、中島岳志氏の本で得た知識が大半です。
 「読書雑記(2)『パール判事』快著誕生」(2007年08月02日)
 こうしたところに来たことも縁なので、今後はもっとあの戦争について考えたいと思っています。

 龍馬と慎太郎のことを確認できたので、その流れで河原町に下り、「坂本龍馬 中岡慎太郎 遭難之地」という石碑の横にある回転寿司屋のかっぱ寿司に入りました。

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 その足で、毎年恒例となっている大晦日の錦市場で、お正月用品やお節料理の材料を買いに行きました。この錦市場には伊藤若冲がいたところということもあり、各お店のシャッターには若冲の絵が描かれていて壮観です。

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 これでお正月の準備は万端です。
 2018年が良い年になりますように。
 
 
 
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今年のブログに掲載した特選写真(その5)

(40)2017年10月28日
 [町家 de 源氏物語の写本を読む](第2回)の報告
 (落ち着いた部屋です)

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(41)2017年10月31日
 孫娘が茶道具を手に拝見のまねをして
 (将来が楽しみです)

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(42)2017年11月01日
 広島大学で開催されたタチアナ先生による古典の日公開講演会
 (11年前の再現です)

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(43)2017年11月13日
 記憶に残る「Hug」の珈琲が届きました
 (このアイデアに感謝しています)

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(44)2017年12月14日
 熊取ゆうゆう大学:「若紫」を読む(その9)「天」と「弖」の対処
 (字母をどうするか?)

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(45)2017年11月18日
 龍田川の紅葉を見てからお茶のお稽古
 (龍田川の上流を走る生駒行きの電車)

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(46)2017年11月19日
 読書雑記(214)中村久司『サフラジェット』
 (13年前に見た著者のご自宅の草花)

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(47)2017年11月26日
 京洛逍遥(475)府立大学前の紅葉と上賀茂から琵琶湖に渡る虹
 (比叡山を背景とする虹)

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(48)2017年12月24日
 クリスマスイブに大和平群で濃茶のお点前を稽古する
 (イブの夜の京都タワーの演出)

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2017年12月30日

今年のブログに掲載した特選写真(その4)

(31)2017年08月15日
 今年のお盆でもお元気な養林庵の庵主さん
 (庵主さんとたくさんお話をしました)

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(32)2017年08月16日
 京洛逍遥(455)快晴の中で京都五山の送り火-2017
 (火が点いた瞬間が好きです)

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(33)2017年08月19日
 京洛逍遥(456)地元の地蔵盆に初めて参加
 (子供たちの数珠回し)

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(34)2017年08月21日
 京洛逍遥(458)京大病院がある聖護院地域での長かった一日
 (荒神橋に刻まれた「くわう志ん者し」)

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(35)2017年08月28日
 「いちぢく」と「いちじく」という表記を見かけて
 (後日、表記が統一されていました)

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(36)2017年08月31日
 大阪市営地下鉄のトイレの前で見かけたピクトグラム
 (「ようおこし」と頭が肩に埋まった姿に違和感が)

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(37)2017年10月01日
 井上靖卒読(210)井上靖が四高時代に住んでいた下宿を訪問
 (親切に案内してくださいました)

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(38)2017年10月08日
 京洛逍遥(469)家族でお茶の後は下鴨神社へ帽額幕の奉納に行く
 (孫が私のお点前を覗き込む)

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(39)2017年10月11日
 鉄道会社の「鉃」の字に関する疑問
 (古い車内の吊り広告)

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2017年12月29日

今年のブログに掲載した特選写真(その3)

(21)2017年06月03日
 京洛逍遥(448)第8回 京都吉田山大茶会に行く
 (茶釜がツルハシで吊られている)

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(22)2017年06月06日
 300年経つ雲南省の茶の木の紅茶をいただく
 (お茶の文化の奥深さを知る)

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(23)2017年06月17日
 京洛逍遥(449)梅雨入りしたのに雨が降らず賀茂川の水嵩が心配です
 (流れない水の路)

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(24)23017年06月24日
 充実した第6回池田亀鑑賞授賞式
 (本橋さんおめでとう)

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(25)2017年06月29日
 熊取駅と天王寺駅に貼られた翻訳本展示に関するポスター
 (目立たない場所で残念でした)

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(26)2017年07月03日
 目が見えない方々と須磨を散歩をするための下見
 (触って聞く散策を企画)

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(27)2017年07月15日
 孫の「百日の祝い」の後に絵本が引き継がれる
 (33年の時の流れを共有)

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(28)2017年07月17日
 京洛逍遥(451)[洗い茶巾]のお稽古の後、巡行を終えた祇園祭の山鉾を見る
 (四条通りのお旅所の前で)

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(29)2017年07月22日
 目が見えない方々と須磨で『源氏物語』の散策をしました
 (石に刻まれた行平の歌を触読して一弦琴の体験)

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(30)2017年07月23日
 神戸で百人一首の合宿の後はお楽しみの食事とスイーツツアー
 (あまりの早業にカメラの連写写真で判定しました)

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2017年12月28日

今年のブログに掲載した特選写真(その2)

(11)2017年03月20日
 江戸漫歩(153)越中島の花壇と公園
 (9年間住んだ宿舎の花畠は妻が育てたもの)

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(12)2017年04月09日
 京洛逍遥(435)京都御苑と第43回鴨川茶店の桜
 (ここまでは観光客が来ません)

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(13)2017年04月10日
 新しい命との対面
 (生まれた日と2日目)

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(14)2017年04月13日
 京都と大阪の花模様から今の想いまで
 (研究室は補修中の大学管理棟の8階に)

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(15)2017年04月14日
 京洛逍遥(437)半木の道の桜と賀茂川の鷺たち
 (仲のいい鳥たち)

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(16)2017年04月16日
 京洛逍遥(439)あかちゃんがきました
 (桜花の下で記念撮影)

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(17)2017年04月21日
 京洛逍遥(440)売茶翁の詩碑と散り初めた桜
 (お茶に関する記念碑)

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(18)2017年05月05日
 京洛逍遥(444)ゴールデンウィークに飛ぶ鷺たち
 (優雅な姿)

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(19)2017年05月09日
 大阪観光大学で翻訳本『源氏物語』の表紙絵を楽しむ
 (小さいながらも大きな意義をもつ展示)

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 2017年06月02日
 翻訳本『源氏物語』の展示は《中国・韓国・インド編》に衣替え
 (右端のポスターは卒業生のデザイナーによる作品)

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(20)2017年05月17日
 『週刊 東洋経済』の大学ランキングを見て夢が膨らむ
 (意外な評価に驚きが広がる)

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2017年12月27日

今年のブログに掲載した特選写真(その1)

(1)2017年01月01日
 京洛逍遥(429)下鴨神社と河合神社に初詣
 (元旦の紅白梅とおせち)

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(2)2017年01月02日
 お墓参りの後は娘たちとの新年会
 (娘が作ったお菓子たち)

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(3)2017年01月03日
 京洛逍遥(430)あらためて下鴨神社へ初詣
 (破魔矢と干支絵と土鈴)

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(4)2017年01月14日
 【追記】高田馬場で「百星の会」の新年会と点字百人一首のカルタ会
 (目が見えなくてもこの気迫)

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(5)2017年01月18日
 『葛原勾当日記』の製作再現映像を試験公開します
 (動画像をホームページから公開)

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(6)2017年02月20日
 『源氏物語別本集成』の前に進行していた『源氏物語別本大成』
 (企画の原案となる資料)

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(7)2017年03月02日
 橋本本「若紫」で同じ文字列を同じ字母で傍記している例
 (なぜ同じ語句を書写したのか?)

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(8)2017年03月16日
 橋本本が伝える本文から大島本とは違う表現世界を考える
 (講座の会場である日比谷図書文化館)

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(9)2017年03月19日
 点字付百人一首〜百星の会で見た八つ橋型の新開発カルタ
 (『点字百人一首』は日々進化)

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(10)2017年03月31日
 『変体仮名触読字典』と『触読例文集』が完成しました
 (目が見えない方のための字典と学習帳)

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2017年12月26日

名古屋大学で科研Aのデータベースに関する打ち合わせ

 相変わらず、年末でも飛び回っています。
 今日は、名古屋大学に行きました。

 過日、東京の帝国ホテルでK氏と打ち合わせをした際、名古屋大学のO先生のことを教えてくださいました。そのご縁が薄れない内にと思い、取り急ぎお目にかかって、私が考えていることと連携がはかれないか、相談をすることにしたのです。
 幸い、今日も東京のK氏が同席してくださいました。寒波襲来にもかかわらず東西から名古屋に集まり、O先生と打ち合わせをすることになりました。

 O先生のご専門は情報学です。自然言語処理の中でも、機械翻訳に関する研究をなさっています。今回は、自動翻訳を活用した多言語検索に対応したデータベースシステムの話で、名古屋大学へ行ったのです。そこで、私が取り組んでいる、『源氏物語』の多言語翻訳の成果をウェブ上で活用する仕掛けとの接点がないか、ということで意見交換をしました。
 また、『源氏物語』の本文データベースで、諸本間の本文異同を検索して表示することにも有効な手立てがないか、ということもお尋ねしました。

 お話を伺うなかで、今回のシステムでは作成したデータの表記が統一されていることが必要である、ということがわかりました。大量の翻訳データがあっても、そのコンテンツであるデータの形態や形式が問題です。現在、私の手元にあるデータは、まだそこまで整理をしていません。しかし、そこは工夫次第でどうにかなるのでは、と考えています。

 多言語検索については、ベトナム語やウズベキ語の法令翻訳支援に関する、クイック検索の実例を拝見しました。もともと、ウイグル語やウズベク語と日本語との間の機械翻訳を研究なさっている先生なので、これはその延長上のシステムです。タイ語も用意されているそうです。

 クイック検索については、かつて仲間と、パスカルという言語でデータベースシステムを開発しました。その成果は、次の2冊に盛り込みました。

(1)『データベース・平安朝日記文学資料集 第一巻 和泉式部日記』(伊藤編著、同朋舎、1988(昭和63)年)

(2)『データベース・平安朝日記文学資料集 第二巻 蜻蛉日記』(伊藤・関本編著、同朋舎、1991(平成3)年)


 これは、縦書きに対応した検索表示システムで、パスカル言語によって作成したものです。『蜻蛉日記』に関しては、問題となる検索結果には桂宮本の影印画像も表示されるという、非常に凝った仕様の画像データベースでもあります。このシステムを作っていただいた浅茅原竹毘古さんについては、以下の追悼記事に詳しく書いています。

「亡き仲間を偲んで我が家でお茶会」(2013年08月15日)

「27年来の仲間を思い出しながらの追善供養」(2013年08月04日)

「27年前の西大寺の夜を懐かしく思い出しながら」(2013年04月11日)

「27年も続くパソコン仲間との交流」(2013年04月07日)

 こうしたデータベースの作成に関わった経験があるので、今回の話は、私の構想の中で動くデータベースと連携できそうに思いました。

 『源氏物語』の諸本間の本文異同の比較検討については、今日の時点ではペンディングです。また別の方向から考えることにします。

 今日の打ち合わせは、データベースの背景で動く検索と表示をするためには欠かせない、使い勝手の良いツールとの出会いを続けている旅の一環というべきものです。探し求めて彷徨うこの旅も、かれこれ25年以上も流浪するだけのものとなっています。
 今回は、業者を紹介してくださるとのことです。今日の話が、これからどのように展開していくのか、私自身が大いに楽しみにしているところです。

 仲介の労をとってくださったK氏には、心よりお礼申し上げます。お陰さまで、また新たな展望が拓けそうです。これからの進展を見守っていただき、折々にまた温かいご助言をいけだけると幸いです。本日は、遠方よりお疲れさまでした。ありがとうございました。
 
 
 

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2017年12月25日

2017年の十大出来事〈身辺のこと〉

 先週記した「2017年の十大出来事〈新生活での取り組み〉」(2017年12月22日)に続き、さらに〈身辺のこと〉を追補します。
 まったくの個人的なことながら、時間を追って書き出すと、我が一年が炙り出されてきます。いろいろなことがあった一年でした。

(1)ブログを「イオ」から「さくら」にお引っ越し

(2)定年退職で東京を引き上げ京都を終の住処とする

(3)大阪観光大学国際交流学部に19年ぶりの再就職

(4)科研費の基盤Aで海外平安文学研究が新規採択に

(5)娘たちに初孫となる女の子が誕生しお爺ちゃんに

(6)コナミスポーツクラブに再入会し運動を心掛ける

(7)頭部神経痛と皮膚炎と逆流性食道炎に悩まされる

(8)非営利活動を中心とした年金生活の日々を送る

(9)明浄高校の教壇に立ち26年ぶりに国語を教える

(10)大阪観光大学 国際交流学部の学部長職務代理に

 
 
 
posted by genjiito at 20:39| Comment(0) | *回想追憶

2017年12月24日

クリスマスイブに大和平群で濃茶のお点前を稽古する

 年の瀬の大和路は、思ったよりも寒くありませんでした。
 多分にヒートテックの下着を着ていたせいもあるのでしょう。このヒートテックは、マイナス34度だった数年前の1月に行ったモンゴル・ウランバートルでも、驚異的な効果を発揮してくれた優れものです。今は極暖タイプもあるので、外出には欠かせません。

 龍田川の上流は、お正月を迎える清流になっています。

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 平群のお山を登っていると、少し汗ばむほどでした。この、信貴生駒連山を望む風景が好きです。左端に信貴山があります。

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 お茶のお稽古は、今日から濃茶のお点前です。これまでは薄茶のお稽古をしていました。あらかじめネットで、男性が濃茶を点てる動画を何度か見ておきました。行きの道中の2時間は、車中でこの動画で予習です。しかし、先生もおっしゃるように、動画にもいろいろなパターンがあり、怪しいものがアップされているものもありました。それでも、お手前の流れはイメージできました。

 初めての濃茶にチャレンジした感想としては、動画を見たことはあまり役には立たなかったように思えます。見よう見まねであっても、実際に先生に教えていただきながらの方が、記憶に刻み込まれるような気がしています。お稽古で反復練習をして身体に覚え込ませる、というのは、言い古されたこととはいえ、確かなことのようです。見物ではなく、実際に自分の距離感で、自分の視線と感触で確認しながら実地訓練をするのですから。

 もっとも、それが後で、自分の中でなかなか正確に再現できないので、この思い出せないことが、こうしたお茶の習得などにおいて大問題なのです。それが凡人にはなかなかの難題なのです。お稽古は若い時に、ということは当たっていることを実感しています。

 さて、今日から取り組み出した濃茶のお点前は、これからどのような展開で習得できるのでしょうか。夏の風呂と冬の炉に加えて、薄茶と濃茶、そして丸卓を使ったり箱を使ったりと、さまざまなパターンがあります。このお茶の世界が、ますますおもしろくなってきました。

 帰りの京都駅前から、京都タワーを見上げました。今日はクリスマスイブ仕様のライトアップのようです。

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2017年12月23日

緊急連絡︰明年一月のミャンマー行きを延期します

 慌ただしい年の瀬に、突然のことながらミャンマー行きを延期することになったお知らせです。
 かねてより進めていたミャンマーへの調査旅行に関して、ビザが出発日までに間に合わないことがわかりました。残念ながら、延期します。

 関係するみなさま、急遽このような事態となり延期としますので、各自のご都合をお知らせください。

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 先週からミャンマー行きのビザ取得などで、伊藤の科研(A)の研究分担者である谷口裕久先生が、精力的に動いてくださっていました。いくつかの業者や、オンライン申請についても検討してくださいました。
 しかし、残念なことに、予定していた出発日である1月20日までに、ビザが取得できないことが確定しました。ミャンマー国内での移動において、航空券のお客様控えが不可欠だということです。手配の完了を確認したいということが、今回は最大のネックとなったのです。
 その他、1月4日がミャンマーの独立記念日です。さらには、8日の成人の日の月曜日まで、大使館は続けて休む可能性が高い等のことも絡んでいます。

 ミャンマーの国内での航空券の控えが先に必要だとなると、ビザを一括申請するために東京のミャンマー大使館に行くことの意味もなくなります。旅程の行程表と予約一覧が必要なので、今からでは出発には間に合いそうにないのです。無理はしない、というよりも慌ただしく飛び回らないことを優先することにしました。

 今回の経緯を谷口先生から報告していただき、何度か連絡をとりながら、旅行と観光についていい勉強をさせられました。
 そこで現在は、2月にミャンマーからインドへ渡るプランに切り替えて、慎重に練っているところです。

 いずれにしても、もう少し時間をください。
 早急に次善の策を講じて、年明け早々にはビザなどの手続きに着手します。

 取り急ぎ、関係者への緊急連絡です。
 
 
 
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2017年12月22日

2017年の十大出来事〈新生活での取り組み〉

 今年も、1年を振り返る時期となりました。
 まだまだ、多くの仕事を抱えたままです。
 しかし、思うに任せぬ進捗状況の中で振り返るのも、これまた焦りを鎮める効果があるようです。
 定年退職間際の、あの夢遊病者と見紛うほどの1月、2月、3月を思い出しました。
 また、4月からはまったく新しい環境に身を置き、ひたすら前だけを見て日々を送りました。
 後ろを振り返る暇は、まったくありませんでした。
 そんな1年を過ごしたこともあり、あまりにも多くの出来事が去来したので、十大出来事を2回に分けます。
 まず最初は〈社会活動〉を中心に列記し、明日は〈身辺のこと〉をとりあげます。
 この歳になり、こんなに激変する生活があるとは思ってもみませんでした。
 とにかく、毎日が病人状態であっても大病はしませんでした。
 消化管がない身ながらも、生きているのが奇跡だと言われながら、こうして生き続けています。
 支えていただいている多くの方々に感謝しています。
 持ち越す仕事と来年の仕事を両睨みで、これから年を跨いでいきます。

(1)世界各国の翻訳本の表紙絵を大学図書館で6回にわけて展示

(2)日比谷図書文化館の「古文書塾」で変体仮名講座を継続する

(3)日比谷図書文化館での講座の後に有楽町で課外学習会をする

(4)熊取ゆうゆう大学の社会人講座で『源氏物語』の古写本を読む

(5)「点字付百人一首〜百星の会」のみなさまを須磨散策に案内

(6)広島大学で開催のロシア・タチアナ先生の講演会のお手伝い

(7)NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のロゴマークが完成

(8)京町家のBe京都で『源氏物語 須磨』の写本を読む会を再開

(9)NPO法人の活動報告や役員交代に伴う登記手続きが完了

(10)NPO法人主催の第2回源氏物語散策の後に自宅でお茶会

 
 
 
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2017年12月21日

米田先生から突然のお電話をいただいて

 携帯電話にメッセージが入っていることに気付きました。長崎県美術館の米田耕司館長からでした。つい先程くださったようです。

「お元気ですか? 今 長崎の院友会です。酵素風呂が健康に良いとの話です。」


 大学からの仕事帰りに、大阪駅で乗り換える時、先生からメッセージが来ていることがわかりました。電話を鳴らしても私が出なかったので、メッセージにしてくださったようです。

 折り返しメッセージを送ると、すぐに電話がかかって来ました。いつものお元気な声です。しかも、宴会の最中のようです。
 以前も、酒席から電話がありました。思いついたら、すぐに電話をなさる先生です。

 今回は、私の体調が気になるので、京都にある酵素風呂を紹介してあげる、ということでした。
 長崎での宴会中に、ガンを患っている方の話になり、そこで先生は私のことを思い出されたようです。

 酵素風呂に詳しい方が、代わって電話口に出られました。大学では私の8年後輩であるという自己紹介から、いろいろなガン患者の事例を話してくださいました。
 一通り伺ってから、また電話を代わられた先生は、押し付けではないけど、興味があったら調べて行ってみたらどうだ、とおっしゃいます。お気遣いに、気持ちが温かくなります。

 幅広くご活躍の先生が、ヒョイと私のことなどを思い出してくださるだけで、ありがたく嬉しいことです。先生こそ、大きな病気をなさっているので、それだけ教え子や後輩のことが気になるのでしょう。

 私は、先生から1年間だけ、博物館学の経営論と情報論を受講しただけです。そのことは、本ブログの「長崎県美術館の米田館長からの温かい励ましの声を聞いて」(2017年06月13日)に書いた通りです。

 米田先生に思い出してもらえるのは、身に余る光栄です。あらためて感謝の気持ちを強くしました。
 先生こそお酒はそこそこに、ますますのご活躍をお祈りしています。また、九州に、長崎に行きたくなりました。
 
 
 
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2017年12月20日

今年の研究成果として刊行した編著書を整理すると

 今年は、定年退職と同時に3つの科研費研究の最終年度だったこともあり、予想外に多くの研究成果を3月に集中して刊行・発行しました。以下のように9点ありました。
 このうち、(2)はNPO法人〈源氏物語電子資料館〉からの刊行で、(7)は国文学研究資料館から発行したものです。それ以外はすべてが、科研の研究成果を報告書としてまとめたものです。
 私の研究生活の最終盤は、このように、ほとんどが日本学術振興会から交付された科学研究費補助金による、公的資金による研究であったことが、これで一目瞭然となっています。個人的な研究テーマは、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉から公開していると言ってもいいようです。
 そして、文学研究の分野でも〈作品研究〉ではなくて〈研究基盤〉とでもいうべき、インフラの整備に特化したものとなっています。
 さて、今年の4月からは職場も仕事の内容もガラリと変わり、研究者という肩書きは脱ぎ捨てて、新たな生き方に転身しました。この成果が確認できる形で公開できるのは、まだまだ先です。
 しかし、新たな世界に所を変え、自分なりの取り組みを着実に進めていますので、これまでとは違った成果物を楽しみにしていただければ幸いです。

(1)『日本古典文学翻訳事典〈2・平安外語編〉』を刊行
(2)『池田本『源氏物語』校訂本文「桐壺」(第一版)』を刊行
(3)『海外平安文学研究ジャーナル vol. 6.0』を電子版で発行
(4)『海外平安文学研究ジャーナル《インド編 2016》』を電子版で発行
(5)『海外平安文学研究ジャーナル』Vol.1〜6の合冊本を2冊同時刊行
(6)『古写本『源氏物語』触読研究ジャーナル2』を電子版で発行
(7)総合研究大学院大学最終講義『国文研蔵橋本本『源氏物語』の実態』を刊行
(8)視覚障害者用の立体文字版『変体仮名触読字典』を刊行
(9)視覚障害者用の立体文字版『触読例文集』を刊行

 
 
 
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | *回想追憶

2017年12月19日

第2回「大阪点字付きかるたを楽しむ会」のご案内

 今秋11月4日(土)に、【第1回 大阪点字付きカルタを楽しむ会(仮称) 「手探りで始めてみます」の巻】がスタートしました。
 これまでは、畑中ご夫妻が大阪で点字百人一首を楽しむ会を、長年なさっていました。しかし、ご夫妻が東京へ転居なさることとなり、5月27日(土)をもって活動を停止し、残念ながら閉会となっていました。
 畑中さんとは何度も会っています。本ブログで紹介した記事では、「【追記】高田馬場で「百星の会」の新年会と点字百人一首のカルタ会」(2017年01月14日)があります。そこでは、畑中さんのことを、次のよう紹介しています。

 大阪のカルタ会では「まゆみさんの和歌講座」をしているとのことです。そこで、専門書に書かれている解説を、畑中さんが読みあげてくださいました。詳細な光孝天皇の歌の解釈に、うなずいたり感心したりと、これも中身の濃い時間をみんなで共有することとなりました。
 この「百星の会」では、行くたびに新しい点字かるたの台が開発されています。
 今回も、まだ東京と大阪に1セットずつしかないという、畑中さんの開発による、5列5行に札を並べる新台で、上級者の試合が行なわれました。1人が25枚なので、50枚を取る競技です。こうなると、目が見えるとか見えないということは、まったく問題ではなくなります。
 新しく考えられたルールでは、15分で札を並べ、覚えるのに5分というのが原則なのだそうです。ただし、まだ出来たばかりなので、今後ともさらなる改良がなされるようです。


 その大阪の灯を絶やさないようにと、兵藤さんが「百人一首を楽しむ場を、大阪で!」という旗印の下、「大阪点字付きかるたを楽しむ会」を新しく立ち上げられたのです。京都ライトハウスの野々村さんも協力なさっています。

 日本語による点字は、1890年(明治23年)11月1日に制定されました。それにちなんで、特定非営利活動法人 日本点字普及協会が11月1日を「点字の日・日本点字制定記念日」と制定したのです。奇しくも、「古典の日」と一緒になっています。私の関心事では、この11月1日は「すしの日」「いい医療の日」「本の日」でもあります。ちなみに、「キティちゃん」の誕生日もこの日だそうです。

 それはともかく、東京で関場さんが精力的に展開なさっている「点字百人一首〜百星の会」と響き合う形で、東西の『点字百人一首』の会がますます発展することを楽しみにしています。
 私は点字も『百人一首』も素人なので、この東西の活動を広報する立場で協力していきます。

 なお、前回の第1回目は、私が東京の日比谷図書文化館で『源氏物語』の講座を開講する日でした。
 そして今回の第2回目も、あろうことか、またもや日比谷図書文化館での講座の日と重なってしまいました。
 今回も私は欠席です。しかし、興味と関心のある方は、下記の兵藤さん宛に連絡を取られたらいいと思います。大阪中之島の肥後橋が会場なので、交通の便がいいところです。

 新年早々、盛会となることをお祈りしています。

第2回「大阪点字付きかるたを楽しむ会」ご案内



師走の気忙しい時期を迎えておりますが、皆さんお元気でお過ごしでしょうか。
「点字の百人一首を楽しめる場を大阪で作りたい!」という思いから、日本点字制定記念日の直後、今年の11月4日に集まりを持ちました。
当日は9名の方が参加してくださり、坊主捲りや4人一首などで盛り上がりました。

さて、いよいよお正月です。お正月と言えば、何といってもかるたです。
そこで、第2回「かるたを楽しむ会」を開催し、色々な方法で百人一首を楽しみたいと思います。
点字の付いたカルタ(百人一首)をお持ちの方は、ご持参いただけるとありがたいです。
「点字は苦手」という方も一緒に楽しめる場にしたいと思います。
皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2018年1月13日(土)14時30分〜17時
場所 日本ライトハウス情報文化センター 4階 会議室3
(大阪市西区江戸堀1-13-2 電話  06-6441-0015)
交通:大阪市営地下鉄四つ橋線「肥後橋駅」北改札から2番出口を出てすぐ左。
もしくは地下鉄御堂筋線・京阪本線「淀屋橋駅」4番出口から西へ400m
(肥後橋交差点の南西角)
参加費:大人―500円 高校生以下―無料
定員:先着20名
申込:事前に、下記へメールでお願いします。
putti-castle205@key.ocn.ne.jp(兵藤美奈子)
お問い合わせ先:野々村好三(電話090−3841−9107)


posted by genjiito at 20:28| Comment(0) | ■視覚障害

2017年12月18日

ミャンマー政府ホテル観光省からの研修生の「修了証書」授与式

 今日は、大阪観光大学の明浄1号館3階にある明浄ホールで、「ミャンマー政府ホテル観光省 研修生 修了証書 授与式」がおこなわれました。ミャンマーからお越しの俊英5名が9月から3ヶ月間、初めての慣れない日本での生活を乗り切って、無事に研修を終了なさったのです。おつかれさまでした。

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 今日のみなさまの挨拶をうかがい、この3ヶ月間に日本語が格段に上達なさったことが、その話しぶりからよくわかりました。多くの得難い実務の体験や勉強の成果が、今後の日本とミャンマーの文化交流に生かされることでしょう。
 来月の下旬にミャンマーへ行く計画を練っている私にとっても、心強いことだと思いながら祝福の拍手を送りました。

 この式典の直前に、5名のみなさまが私の研究室においでになりました。そして、プランニング中の私の渡航に関して、親しく相談に乗ってくださいました。ありがとうございます。
 今日の段階で、おおよその旅程がまとまって来ました。もっとも、また大幅に変更になるかと思いますが……

■目的
 ミャンマーにおける、日本文学と日本文化に関する研究情報と関連書籍と翻訳本の調査収集。
 1.日本学を研究しておられる先生や学生に会う
 2.日本の文学や文化に関する研究情報を収集する
 3.日本の文学や文化を翻訳した書籍を入手する


 今回この旅に参加されるみなさんは、過密スケジュールの中を調査研究の協力をしてくださいます。そのため、慌ただしい行程となっています。ご協力をありがとうございます。

 現地の研究情報や翻訳本などの資料収集の成果は、今年度中に公開します。楽しみに、お待ちください。
 
 
 

posted by genjiito at 21:51| Comment(0) | ◎国際交流

2017年12月17日

学外授業で堺の与謝野晶子記念館へ行く

 大阪観光大学における後期の授業では、与謝野晶子の短歌を読んで来ました。座学だけでは作者の実像がわからないので、校外での授業を実施することで補うことにしました。
 幸い、与謝野晶子が生まれた堺市へは、大学から至近の距離にあり、電車一本で行けます。学生も40分ほどで行けるということなので、寒波が襲来している中をものともせずに日曜日の時間をとって出かけました。
 行き先の「さかい利晶の杜」は、与謝野晶子と千利休を通じて堺を体験できる施設で、2年前の2015年に開館したところです。

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 実は、私は勝手知ったる与謝野晶子文芸館というイメージから、今回の集合場所をJR堺市駅にしました。しかし、実は与謝野晶子文芸館が南海堺駅の方に移転して、与謝野晶子記念館になっていたのです。
 これまでに、与謝野晶子文芸館のことは、以下のブログで詳しく取り上げています。

(1)「与謝野晶子と蜻蛉日記の講演会」(2011年01月17日)

(2)「西国三十三所(27)粉河寺」(2010年10月27日)

(3)「与謝野晶子の自筆原稿『新新訳源氏物語』と『蜻蛉日記』の撮影」(2010年10月26日)

(4)「与謝野晶子の源氏訳自筆原稿「夕顔」等を確認」(2010年07月16日)

(5)「神野藤昭夫先生の晶子がたり」(2010年02月21日)

(6)「与謝野晶子の『新新訳源氏物語』自筆原稿画像データベース公開」(2010年02月20日)

(7)「与謝野晶子と『源氏物語』(2)」(2008年09月07日)

(8)「与謝野晶子と『源氏物語』(1)」(2008年09月06日)

 上記のブログで報告している通り、一時はここに通い詰めていたことがあったのです。そのため、この与謝野晶子文芸館が移転しているとは思いもしませんでした。与謝野晶子文芸館は今、堺アルフォンス・ミュシャ館となっていました。

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 すぐに堺市駅前からバスで「さかい利晶の杜」へ移動しました。
 また、一人だけ遅れて来た学生も、奇跡的としか思えない偶然で、目的地である「さかい利晶の杜」の入り口で出会えました。私の思い込みからスタートが遅れてしまいました。しかし、幸いなことに大事には至りませんでした。

 与謝野晶子文芸館に足を運んでいた頃にお世話になった方が、今も記念館にお勤めだということがわかりました。しかし、今日はお休みということで、お目にかかることはできませんでした。これを機会に、今春からは大阪の大学にいることの報告を兼ねて、あらためて連絡を取りたいと思っています。

 記念館の中では、学生に説明しながら、ゆっくりと観て回りました。ただし、文芸館の頃の専門的な立場からの充実した展示を知っているので、この記念館の展示の内容には大いに失望しました。与謝野晶子と千利休という、堺が輩出した偉人を広く広報することを目的とする施設なので、専門性は限りなく削ぎ落とされています。しかし、それにしても内容がありません。
 さまざまな制約の中で、やっとここまでできた、という事情があるに違いありません。そうは言っても、やはり義務教育の生徒を対象にしただけのこの展示では、少し与謝野晶子を知っている人には物足りないはずです。何も知らない人ばかりを対象にするのではなく、少しずつ理解が深まる展示をお願いしたいものです。一見さんだけではなく、何度も足を運べる内容にすべきです。これは、展示スペースが狭いということとは別問題です。生意気なようですが、学芸員の一人としてこのことを痛感しました。

 また、晶子が生まれた和菓子屋「駿河屋」の再現はまったく無意味です。これだけのスペースをこんなものに充てるのは、究極の無駄遣いです。堺市は晶子に関するすばらしい資料をお持ちです。せっかくの宝物が死蔵されているのはもったいないことです。この展示室は、根本的なところから見直すべきです。来訪者を甘く見過ぎです。

 このことは、その下の階にあった千利休茶の湯館も同じことです。お茶に関係するものが並んでいるだけで、まったく面白味も中身もありません。共に、著名人の名前に寄り掛かった無策の展示室となっています。企画展示室が2部屋もあるようです。ここの利活用には、大いに期待したいと思います。

 一通り見終わってからは、ロビーの一角で説明を補ったり今後の打ち合わせなどをしました。
 また、遅れてきた学生が先日の授業を休んでいたので、その補講を兼ねて帰り道に南海堺駅まで一緒に歩きながら、いろいろな話をしました。こんな授業があってもいいでしょう。

 堺駅前には、植え込みに与謝野晶子と千利休がデザインされたフラワーポットがありました。

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 また、西口駅前には、平成10年に晶子生誕120年を記念して建てられた、与謝野晶子の等身大のブロンズ像がありました。

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 その台座には、明治38年に『明星』に発表された次の歌が刻まれています。

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  ふるさとの 潮の
 遠音の
  わか胸に ひひくを
      おほゆ
   初夏の雲
      晶子の
       う堂


 帰りに振り返ると、晶子の自信に満ちた後ろ姿が印象的でした。

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 次の機会には、晶子の歌碑めぐりをしたいと思っています。
 
 
 
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ・ブラリと

2017年12月16日

[町家 de 源氏物語の写本を読む](第4回)の報告(虫損と誤読)

 本日「be京都」(http://www.be-kyoto.jp/)で開催した、第4回目となる[町家 de 源氏物語の写本を読む]の報告です。参加者は5名でした。
 図書館関係の方が参加なさっていることもあり、いつものように、写本を読むことよりも書物としての写本のありようや、変体仮名というものについての話が中心となりました。
 テキストとしている『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』(伊藤編、新典社、2013年)は、5丁裏1行目から6丁表最終行までの見開き2ページ分を確認しました。今日の進行役も、前回に引き続き須藤圭氏(立命館大学)です。

 読み進んでいる内に、黒丸に見え点が問題となりました。

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 翻字の部分には、何も注記がありません。すると、須藤氏から虫食いではないか、という見方が示されました。そう思って前後のページを見返すと、その可能性が高いことがわかりました。

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 次のページの同じ位置にも、この虫によると思われる穴があります。

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 この箇所を左右逆転した鏡文字にしてみると、まさに穴の位置と虫が食べた方向がまったく一致します。

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 さらによく見ると、この写本の表紙から虫が入ったことがわかりました。
 また、この写本の書き始めである、墨付き本文第1丁表の手前に貼られた極札にも、虫食いの跡があることに気づきました。

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 ということは、この極札は虫が食う前からこの位置に貼られていたことになります。思いつきながら、ここに虫が入ったのは、江戸時代以降のこと、ということになりそうです。写本は、いろいろと楽しいことを教えてくれます。

 さて、ここが虫食い箇所ならば、国冬本「須磨」で「つかうまつらせはや△/△〈虫損〉」(123510)としたように、ここに〈虫損〉という付加情報としての記号を使っているはずです。
 後でハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」「蜻蛉」とそのツレの巻である歴博本「鈴虫」を調べてみると、この3本に関する私の手元にある翻字データでは、〈虫損〉という記号は1例も使っていませんでした。さらに、同じ鎌倉時代の書写になる『国文学研究資料館蔵 橋本本『源氏物語』「若紫」』においても、この〈虫損〉という付加情報は見当たりません。どうやら、2年前から取り組みだした「変体仮名翻字版」の翻字データでは、〈虫損〉という記号によって虫食い箇所を明示してはいないようです。これについて、今後は詳細な付加情報を付けるような対処をすることにします。

 なお、このハーバード大学美術館蔵『源氏物語 須磨』の凡例では、次のように記したところがあります。

(12) 書写状態を明示するため、説明的な注記を傍記した場合がある。
  例 (五ト六ノ間ニ墨デ中黒点アリ)
     五六人はかり
 「五六人はかり」(42ウ2行目)では、「五ト六ノ間ニ墨デ中黒点アリ」と注記を右横に付した。


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 このことから、先に揚げた例が〈墨〉による点ではないことは、おおよそ推読できます。墨の跡や汚れについて、丹念に注記で明示したつもりです。しかし、それも指摘漏れがあるようです。

 上掲の写真で〈墨ヨゴレ〉と思われる箇所については、次のような状況にあります。ここは、〈墨ヨゴレ〉としておくべきでした。

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 さらには、テキストにしている刊行本(27ページ、6丁表最終行末)に、明らかな翻字間違い(誤字)があることもわかりました。

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 ここを私は、「ぬ可」として印刷しました。しかし、これは「ぬに」が正しい翻字です。「変体仮名翻字版」として表記すると「ぬ耳」です。これは、この丁の前から2行目に「可尓」という漢字表記があり、これは「べきに」と読ませるものです。それに引かれて「耳」を「可」としてしまった勘違いです。

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 鎌倉時代の写本としてシリーズ化して刊行したハーバード大学美術館蔵『源氏物語「須磨」「蜻蛉」』の2冊については、下段の翻字が写本に正確なものではありません。明治33年に統制された、従来の50文字に限定された現行平仮名による翻字でした。そのため、正確な翻字としての「変体仮名翻字版」は、その直後に刊行した『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』(伊藤鉄也・阿部江美子・淺川槙子 編著、新典社、2015年10月)の巻末に、「須磨」と「蜻蛉」のものを掲載しました。そこでは、この箇所は「ぬ耳」(78頁)と正しく印刷されていますので、ご安心ください。

 今回は、こうした不備に関する確認をできたことが大きな収穫でした。翻字を進めつつも、確認を怠らないことを肝に銘ずる場となりました。
 
 
 

posted by genjiito at 19:31| Comment(0) | ◎NPO活動

2017年12月15日

明日11月16日(土)に[町家 de 源氏物語の写本を読む]を開催

 明日の[町家 de 源氏物語の写本を読む]集まりに関して、今回も京都新聞の「まちかど」欄に告知を掲載していただきました。

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 この記事をご覧になって参加なさる方は、実際のところはほとんどいらっしゃいません。しかし、活動報告を兼ねて、掲載していただいています。
 前回から、「NPO法人 源氏物語電子資料館」という主催者名を追加してもらいました。どこの「伊藤さん」なのかわからないので、怪しげな集まりには参加しない、とか、物を売りつけられるのではないか、という声を耳にしたからです。
 今回は、定例の第4土曜日ではなく、また時間も午前10時からです。
 いつもと違いますので、お気をつけください。

 明日は、『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』(伊藤鉄也編、新典社、185頁、2013(平成25)年)の第5丁裏1行目行頭の「くなんなと・きこゑ給て」(テキスト26頁)から文字を追いかけていきます。変体仮名の字母を確認しながら進めていきます。

 前回は4名の参加者でした。少人数で読み進めていますので、短期間に変体仮名が読めるようになると思います。興味のある方は、本ブログのコメント欄などを利用して連絡をいただければ、折り返し詳細をお知らせします。
 
 
 
posted by genjiito at 21:05| Comment(0) | ◎NPO活動

2017年12月14日

熊取ゆうゆう大学:「若紫」を読む(その9)「天」と「弖」の対処

 大阪観光大学の課外勉強会では、社会人の方々と学生とを交えたメンバーで、気楽に『源氏物語』の古写本を読んでいます。
 場所は、大学の図書館1階にあるラーニングコモンズというスペース。活動時間は、学生たちの授業が終わる午後4時半から6時までです。

 今日の参加者は10名で、橋本本「若紫」を前回の続きである2丁裏1行目「あな」から3丁裏3行目「の堂まふ」までを読みました。
 ただし、私はいくつかの用務が入ったために、出たり入ったりで落ち着かないことで、本当に申し訳ないことでした。1年生のK君に進行役をお願いし、私は事務室と図書館を行ったり来たりしていました。

 今日は、これまで「て」で統一していた字母の「天」と「弖」について、これからは読み分けたいことを伝えました。先週の日比谷図書文化館がそうであったように、「天」と「弖」は、字母の認定で二つに分けるということです。これは、長い間をかけて逡巡して来たことです。しかし、この時点で変更することによって、当座は様子見をすることにします。

 もちろん、起筆と終筆の書かれ方を見ると、どちらかに読み分けるのは問題が残ります。

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 「く」のように見える「弖」の場合、終筆の線が右下に流れる様子は「天」の方に近いからです。素人の集まりである今日の勉強会でも、この不自然さはみんなが認めるところでした。割り切ったと言っても、実のところはスッキリと説明しきれません。
 しかし……です。書き写されている文字の形が明らかに違うのですから、ここは字母を異なるものに認定しておいた方が何かといいのでは、と判断しました。

 このことは、「个」と「介」についても言えます。ただし、今日はその例が出なかったので、このことはまた次回に考えます。

 思ったままの、素直な疑問がぶつけられる勉強会だからこその、怖いもの知らずの結論です。いつでも訂正や方針の変更ができることだと思って、こうして好き勝手に書いています。

 なお、この問題はすでに今から1年前に、「ひらがな「て」の字母とされている「天」と「弖」の区別について」(2017年01月23日)で取り上げています。その後も、時々問題としてきました。迷いながらの、「変体仮名翻字版」の翻字方針に関する、あくまでも暫定的な変更です。
 折々に、みなさまのお考えを聞かせていただけると幸いです。
 
 
 

posted by genjiito at 22:05| Comment(0) | ■変体仮名

2017年12月13日

通院は4時間半の小旅行

 私の身体は、体内に部品が少ないこともあり、何かと面倒な問題を抱えています。そのため、病院とは親しくお付き合いをしています。今回も、定期的な検査のため京大病院のお世話になって来ました。
 診察時には、あらかじめ採血した検査の数値と尿検査の結果を基にして、主治医と面談をします。そのため、1時間前に血液を採ってもらいます。採血室には多くの方が並んでおられるので、毎回30分以上の待ち時間があります。その前に、自動受付機に15分ほど並びます。さらには、自宅から病院までバスで行くので、その乗車時間が20分。
 つまり、予約した診察時間の2時間前には家を出ていないと、診察が後回しになるのです。

 診察を受ける時間は、毎回10分前後です。今回は、35分遅れの診察でした。
 診察の後は会計窓口で並び、書類の点検や保険証の確認などをしてもらってから、自動支払機の前で20分は待たされます。この待ち時間を有効に使うため、薬をもらう指示書である処方箋を病院の前にある薬局に提出しておきます。いつも行く薬局でも、毎回40分以上の待ち時間は覚悟しています。
 薬局で待っているうちに、病院から渡されている受信機が支払い可能になったという通知をしてくれます。それから、病院に引き返して支払いをします。そしてまた薬局に戻って、薬をもらうために待ちます。

 こうして、家を出てから家に戻るまでを、だいたい4時間半とみておけば大丈夫です。

 さて、今回の検査結果では、ヘモグロビン A1cの値は、前回の【7.2】から【7.3】へと、少し悪くなっていました。しかし、これは誤差の範囲なので、前回から変化なし、と考えていいようです。
 それよりも、今回はタンパク質が急に少なくなっていることを指摘されました。思い当たることは、何もありません。運動の後にプロテインも試してみては、とのアドバイスをもらいました。しばらく様子をみます。
 
 
 
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2017年12月12日

京洛逍遥(480)kokoka 京都市国際交流会館で打ち合わせ

 地下鉄東西線で蹴上駅を降りてから、右手に南禅寺とインクラインを、左手にウェスティン都ホテルを見ながら平安神宮に向かって坂道を下りました。すると、すぐに「kokoka 京都市国際交流会館」があります。

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 この近くには、パナソニックの迎賓館である「松下 真々庵」があります。そこへ行った時のことは、「京洛逍遥(208)「真々庵」でPHPを考える」(2011年12月22日)に書きました。

 今日は、「kokoka 京都市国際交流会館」の3階で説明会と打ち合わせです。

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 部屋の窓からは、南禅寺が望めます。写真の左手には、永観堂が見えます。

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 2階にあるフランス料理の「TSUMUGI」に入りました。ここでは、窓から東山の絶景が一望のもとに見渡せました。

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 右端に永観堂の塔が、左端に真如堂の塔が聳えています。

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 みごとな眺めを楽しんでいた時、永観堂の塔の右側から煙が立ち上ってきました。しばらくして消えたかと思うと、またあたりを白煙が包みます。お店の方に聞くと、国宝や重要文化財があるところで落ち葉を焚くことはないはずなのに、とおっしゃっていました。消防車が駆けつける事態ではなかったようです。一体何だったのでしょうか。何事もなかったようなので安堵しました。

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2017年12月11日

科研の打ち合わせを帝国ホテルで一日中おこなう

 今回は、日比谷図書文化館での講座と勉強会が終わってからは、赤坂の宿に移動しました。夜の散策の途中に、高層マンションの間から東京タワーが見えました。私が好きな東京タワーです。京都タワーよりも、このスタイルの方が気に入っています。

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 東京の新聞配達店に住み込みで仕事をしていた19歳の時、両親を東京見物に呼びました。そして、お店の車を運転して東京タワーに案内したのです。母が私の車庫入れを褒めてくれたことを、今でも懐かしく思い出します。結婚式は、この東京タワーの真下で挙げました。私が好きな漫画家である西岸良平の『夕焼けの詩』と、その映画『三丁目の夕日』シリーズは、何度も見ました。私にとって東京というと、まずはこの東京タワーです。

 翌日曜日の朝から、帝国ホテルの1階のラウンジで、IT関係者と科研に関する打ち合わせをしました。科研のホームページがまったく進展しないので、新しくやり直すためです。ホテルのロビーには、立派なツリーが飾られています。

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 目の前に現れたのは、私がコンピュータと出会った36年前にはまだ生まれてもいない若者でした。完全に4世代は隔たってしまっていることを実感します。昔抱いていた夢と今の夢が交錯する、実に楽しい話をしながら、科研で私がやりたいことを語り、支援をお願いしました。彼なら、夢を実現してくれそうです。頼もしい若者とのいい出会いとなりました。

 そのすぐ後、午後からはまた別の方と、今度は場所をホテルの地下に移し、和食をいただきながらの打ち合わせです。今度は、データベースの構築について、その実現に向けた夢のある話です。具体的には、多言語に翻訳された日本文学作品を比較検討するためのデータベースを、どのようにして実現するか、という問題です。名古屋大学の先生を紹介していただくことになりました。
 また、『源氏物語』の写本を翻字してデータベース化して公開することについても話し合いました。打ち合わせを重ねる中で、まずは池田本と大島本の本文を「変体仮名翻字版」でデータベース化し、その2つの本文の違いが容易に確認できるデータベースの構築に取り組むことになりました。これから、その手配に着手します。
 異分野の方の力を借りて、積年の課題を何とか実現したいと思っています。

 あまりにも楽しい話が続いたので、つい話し込んだこともあり、新幹線に乗ったのは、もう夜でした。
 2つの面談は、これまでの課題を新しく展開させる上で、共に数歩前に進むことを確信させるものでした。今年一番の、稔り多い打ち合わせでした。
 車中では、話し合った内容を思い出し、期待に胸を膨らませながら文字にまとめていきました。
 人との出会いに恵まれていることを実感します。このいくつかのプロジェクトも、うまく展開していきそうです。感謝しながらの帰洛となりました。

 京都では、駅ビルの吹き抜けの間から、電飾に彩られたツリーが見えました。

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 駅前の京都タワーの前では、これも艶やかな水芸のショーが見られました。
 年の瀬となり、光の粒々が賑わいを盛り上げる演出を手伝っています。
 
 
 

posted by genjiito at 23:42| Comment(0) | ◎情報社会

2017年12月10日

日比谷図書文化館で橋本本「若紫」を読む(2017-第7回)

 日比谷図書文化館の「古文書塾 てらこや」で『源氏物語』の変体仮名を読む講座のため、観光客で大混雑の京都から上京しました。
 会場である日比谷公園へ行く前に、帝国劇場の隣にある出光美術館で、「書の流儀U 美の継承と創意」という贅沢な展覧会を見ました。高野切や石山切など、重要文化財や重要美術品を堪能しました。みなさんと仮名文字を読む前に、いい目の保養となります。
 出光美術館の展望室から日比谷公園を望むと、もう紅葉は終わりかけていることがわかります。

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 日比谷図書文化館では、国文学研究資料館所蔵の橋本本「若紫」を読み進めています。
 昨日は、27丁表の3行目「や可て・可の・く尓より」からです。

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 ここで、「や可て」の「て」について、これまでとは字母の認定を変えたいと思っていることを話しました。
 これまでは、「く」に見える「て」の字母は、「弖」ではなくて「天」としてきました。「弖」は、最終画が横棒になっていない限り、字母として採択してこなかったのです。しかし、「天」とは明らかに違う形の文字で書かれている「く」に見える「弖」らしき文字は、その区別を明確にしておくべきだと思います。そこで、筆の入り方が「て」のようにはっきりとした横線ではなく、筆を突いてすぐに下に流れ、さらに「く」の線を描く仮名は、「天」ではなくて「弖」を字母とするものにしたいと思います。

 とはいっても、例外が多くて、一概にそうとは言い切れない文字もあります。
 今回の「や可て・可の・尓より」とある文字列でみると「尓より」の「く」などは、文脈からは「く」としか読めないものの、「弖」との形を区別することは容易ではありません。

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 「弖」を認めつつも、今後ともさらに検証していくという方向で対処していきます。

 また、これまで「个」としてきた文字についても認定を変えたいと思います。最後の縦棒がまっすぐ下に引かれず、一度立ち止まって筆を右に折り返して横向きの線を残してから下に流れる場合は、「个」ではなくて「介」を字母とするものとしたい、ということです。

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 これらの「弖」と「介」については、今後とも様子を見ながら、これまでの認定を変えていく方向で検討をすすめていきたいと思います。

 昨日は、27丁表の最終行末「ときやうの」まで進みました。

 終了後は、日比谷図書文化館の地下にあるレストランで、課外の勉強会である橋本本「若紫」を現代語訳する集まりに参加しました。この日は風邪が流行っていることもあって、幹事さんなど数人が欠席でした。しかし、それでも7名で侃侃諤諤の検討を展開しました。遅々として進まないながらも、楽しく「若紫」の解釈に挑んでいます。

 なお、多くのおもしろい話題が交わされた中で、「変体仮名」という名称に代わるものを提案してくださる方がいらっしゃいました。
 「大和仮名」「いにしえがな」「源仮名」「よめんがな」「歴字」「なでしこがな」などなど。
 今後、若い方々と共に親しむ「へんたいがな」の普及を考えた時、その名称は大事です。これについては、さらに検討を重ねることになりました。ご意見をいただけると幸いです。
 
 
 
posted by genjiito at 22:40| Comment(0) | ◎NPO活動

2017年12月09日

オイオイ!!と思うこと(5)バスやバス停で

(1)女性が持ち歩いておられるバッグのほとんどが、口をパックリと開けたままです。中が丸見えなので、財布や個人が特定できるものが眼に入ると、目のやり場に困ります。平和すぎて無防備になった社会に戸惑います。

(2)雨の日のバス停で、通りかかった車に水飛沫を浴びせかけられた時は、その車を追いかけてクリーニング代金を請求したくなります。

(3)やっと来たバスに乗ろうとした時、車体に沿うようにして来て割り込む方がいらっしゃいます。しかも、サッと乗り込むやいなや仲間のために席をいくつか確保されると、これから45分乗って帰る身としては「オイ」と言いたくなります。生活者と観光客が共存できる社会を考えるのも「観光学」だと思います。

(4)バスの中で化粧や食事をする方がいらっしゃいます。効率的な生活を実践しておられるようです。しかし、そんな醜態を見せられる方としては、できることなら見たくないものです。

(5)京都駅前のバス停では、最近は待つ人の列をジグザグにする線を地面に引いて、狭いスペースの効率化を図ろうとしておられます。しかし、現実にはその卍のような線は無視され、一直線に長々と列が続きます。緑の窓口や銀行のATMのように、ポールとベルトを屋外に設置するのも大変です。日本人だけならまだしも、海外からの方々にもこうしたルールを周知徹底することは至難の技のようです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:37| Comment(0) | *身辺雑記

2017年12月08日

エクセルではなくてナンバーズを使い出す

 高校は、2学期の期末試験の時期となっています。いつもよりも早めに、天満橋経由で文の里にある明浄高校に行きました。
 私の出講日である金曜日でいうと、今年は学校行事と重なることが何度かありました。その関係で、2学期の中間試験以来、たった2回だけの授業で期末試験をすることになりました。授業はもとより、試験問題を作成するのにも何かと苦労し、そのためにいろいろと工夫をしました。

 試験日の今日は、出題した試験問題の質問を受けるために、教室を回りました。とにかく、26年ぶりの高校教員なので、昔を少しずつ思い出しながら対応しています。
 始まって30分してから、受験教室となっているクラスへ行きました。みんな、必死に試験問題と格闘していました。
 「何か質問は?」と遠慮がちに聞き、一通り教室内を机間巡視してから、試験監督の先生に挨拶をして部屋を出ました。5分くらいだったでしょうか。
 解答中の生徒のじゃまをしてはいけないと思い、そっと解答用紙を見て回りました。前回の中間試験の平均点がよかったので、この期末試験では少し多めの出題をしました。時間が足りないことが予想されてか、生徒たちは文学史の暗記をまずは片づけて、それから長文読解と作文に没頭しているところでした。

 回収されてきた解答用紙は、午後から早速採点にかかりました。
 ほぼ予想通りで、納得しながら生徒の顔を思い出して成績処理に入りました。

 その成績処理のプログラムは、これまではエクセルを使っていました。しかし、今回からはアップルのナンバーズを使うことにしました。
 エクセルをやめたのは、マイクロソフトのサポートがあまりにもいいかげんだからです。

 今年度の科研で購入した3台のMacMiniのために、マイクロソフトの「Office Academic 2016 for Mac」を2本購入しました。1本で2台までインストールできる製品です。
 アルバイトで来ている学生たちに、そのインストールをしてもらいました。しかし、私のパソコンと同様に、どうしてもインストールできないのです。私の場合は、「マイクロソフトの心寂しくやがて笑える電話サポート」(2017年10月20日)と、「他人のパスワードを勝手に削除するマイクロソフトのスタッフ」(2017年11月10日)に書いた通りです。

 学生が電話でサポートセンターに相談しても、結局はインストールを諦めざるをえなくなったのです。とにかく、電話口の担当者のおっしゃることが、学生にも意味不明なのです。理解できないのは、私だけではなかったのです。自社のサポートチームがサポートしきれない製品など、販売すべきではありません。信じられないほどに、あの栄華を誇ったマイクロソフトの惨めな凋落は、これ以上は見たくはありません。

 エクセルは、ビル・ゲイツがマッキントッシュのために作ったソフトだと聞いています。そうだからこそ、使いにくいと思いながらも、私は30年近く使い続けて来ました。しかし、多機能すぎて使いにくいエクセルは、もう我慢しながら使うことはしないことにします。
 学生たちは、Macにはナンバーズというソフトウェアが標準装備されているので、これで十分にエクセルの仕事はできる、と言います。マイクロソフトに無為な時間を吸い取られるよりもいいかと思い、もったいないことながら2本の「Office Academic 2016 for Mac」は引き出しの奥で仮死状態となります。

 今日、私はナンバーズを初めて使いました。しかも、iPad Pro で。初めてなのに、問題なく使えました。その後、iPhone と Macintosh でも、そのデータが自由に確認や書き換えができることもわかりました。

 2学期中間試験と期末試験を足して2で割り、それを国語科で決められた比率で置き換えます。そこに、これも教科で決まっている基準で産出した平常点を加えて100点満点にしたものを、2学期の成績とします。これらの一連の数字の処理を、ナンバーズで立ち所にできました。初めて使うソフトとは、とても思えませんでした。

 次は、機会を見て、マイクロソフトのワードに代わる、アップルのページズを使いこなそうと思っています。
 
 
 

posted by genjiito at 22:59| Comment(0) | ◎情報社会

2017年12月07日

読書雑記(216)望月麻衣『京都寺町三条のホームズ・3』

 『京都寺町三条のホームズ・3 〜浮世に秘めた想い〜』(望月麻衣、双葉文庫、2015年12月)を読みました。

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■序章「忍ぶ想い」
 平兼盛の「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」などが話題となります。これをプロローグとして、物語は軽快に進みます。物語る人々と物語られる内容や環境が、うまく物語世界に導いてくれます。心優しい仕掛けです。【3】

■「歌舞伎美人の恋慕」
 芸事をめぐる、雅な話題が展開します。ホームズに憧れるアルバイトの葵は、かすかな恋心を秘めてお店に通います。ホームズも、この葵が気になりながらも、特に話を発展させることなく語りは続きます。この微妙な二人の心の内が、巧みに語られて行きます。そして、歌舞伎の世界におけるドロドロとした愛憎が渦巻くのです。
 後半を楽しみにしていました。特に、喜助の襲名にあたっての口上を。しかし、作者はその内容を書きません。どう盛り上げるのか、楽しみにしていたのに、作者には逃げられました。下世話な話に脱したのは残念です。この作家の限界を感じてしまいました。【1】
 
 
■「聖夜の涙とアリバイ崩し」
 ホームズが葵の家に来ます。話題になるお菓子屋さんの「バイカル」「ラマルティーヌ」「ふたば」は、私にとってもご近所さんなので、日常生活の延長として、現在進行形で物語の中の一人になれます。
 しかし、語られる恋愛談義には、作者の無理な背伸びが感じられます。また、人の心を読むくだりにも、ぎこちなさを感じました。これは何なのでしょうか。空疎感が漂う物語です。
 また、次のような表現は意味不明でした。
「人は誰しも自分のことになると駄目になるとは、よく言ったものだ。
 どんなに性能の良いコンピユーターでも、甘いシロップをかけてしまったら壊れてしまうのと同じなのかもしれない。」(153頁)
 これは、不可解な文章です。【2】
 
 
■「祇園に響く鐘の音は」
 話は展開するものの、描写が少ないように思います。話に膨らみを齎らすためにも、人の心や情景を描いてほしいものです。
 新京極通りの八社寺詣りには、まだ行ったことがありません。おもしろい話題です。
 宝探しゲームと真贋判定ゲームも、それぞれにおもしろい話でした。しかし、バラバラの流れとなり、一つの作品としては構成が崩れています。このあたりがまとまれば、小ネタでつなぐ一発芸、ピン芸人的な作家から抜け出せるのではないでしょうか。子供騙しの話に終わらないストーリーテーラーになってほしいと思いました。【2】
 
 
 
posted by genjiito at 20:08| Comment(0) | ■読書雑記

2017年12月06日

日本とミャンマーの国際交流研究会に出席して

 大阪観光大学の2階にある国際交流サロンで、観光学研究所主催の「日本とミャンマーの国際交流研究会」がありました。
 今回は、以下の趣旨と内容で開催されました。配布資料から、そのプログラムを引用します。

 ミャンマー政府ホテル・観光省職員5名の当大学での研修終了にあたって、学内で日本とミャンマーの国際交流研究会を開催します。
 研修生の所属に合わせ、テーマを「ミャンマーの食と観光」とし、プロモーションの観点でプレゼンテーションしてもらうとともに、日本人にいかにしてミャンマーをPRできるかについて参加者と討議します。

タイトル:日本とミャンマーの国際交流研究会
テーマ:「ミャンマーの食と観光」
期日:12月6日(水)15:00−16:30
   *意見交換会 16:30−17:00
場所:大阪観光大学国際交流サロン
主催:大阪観光大学観光学研究所
コーディネーター:大阪観光大学観光学部 中村忠司

プログラム:

発表1 「ミャンマーの観光について」  ミャンマー政府ホテル・観光省
       ティッパイン・チョ(日本語) テッテッ・ウェー(英語)

発表2 「ミャンマーの食について」   ミャンマー政府ホテル・観光省
     テーザー・トゥン(日本語) タンザー・チュー・ジン(英語)

発表3 「日本におけるミャンマーのプロモーションの検討」
               大阪観光大学 中村忠司(英語、日本語)

質疑応答

*発表の視点:地域再生、イベント、ユニバーサル、女性、健康


 まだミャンマーに行ったことのない私にとって、非常に興味深い内容でした。
 最後に私は、一つ質問をしました。それは、日本文学作品でミャンマー語に翻訳されている本を集めたいと思っていることです。
 これに関しては、実際にミャンマーに行けば、いろいろとお手伝いしていただける、という回答をいただきました。
 これまでがそうであったように、実際に現地に足を運ぶと、書籍はもとよりさまざまな情報が集まります。大学の先生のみならず、図書館の司書の方とお話をする中で、貴重なものが得られるのです。こうした手法で、海外における日本文学に関するたくさんの情報をこれまでに得て来ました。
 今、私の手元には、ミャンマー語訳の日本文学関連の書籍も情報も皆無です。これは、自分で実際に行って収集して来るしかありません。
 ということで、来週は具体的に現地調査についての打ち合わせをすることになりました。
 これに関連する情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけると幸いです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:49| Comment(0) | ◎国際交流

2017年12月05日

読書雑記(215)白川紺子『下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ』

 『下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ』(白川紺子、集英社オレンジ文庫、2015年6月)を読みました。シリーズ第2作目です。

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■「ペルセフォネと秘密の花園」
 粗筋だけが語られています。描写がないので、話に付き合うだけでした。モタモタした話で、緊張感がない眠い話です。【1】


■「杜若少年の逃亡」
 連想ゲームのように、メッセージを巡って話が展開します。能の演目であったり、シェクスピアであったり。しばらくは振り回されました。この話が、スーッときれいに着地してまとまります。この作者は、短めの話がうまいようです。【3】


■「亡き乙女のためのパヴァーヌ」
 アンティーク調の着物を着た女子高生たちのティーパーティーが、軽やかに音楽の話へと転調していきます。帯に刺繍された音符から謎解きが始まります。中程からは、鹿乃の友達の奈緒が中心となります。話が長くなったにも関わらず、この手法で物語は緩んだり拡散したりしません。うまい切り替えです。
 昭和20年の西陣空襲のことが、話を引き締めています。男女の恋心も、ふんわりと話全体を覆っています。【5】


■「回転木馬とレモンパイ」
 本話は、アンティークの着物ではなくて、オルゴールの謎解きです。回転木馬にレモンパイなど、話が飛び過ぎていて作り過ぎだと思いました。情の部分で話を盛り上げようとします。しかし、空回りをしていたのが残念です。最後はなんとか着地しました。しかし、作り事めいた印象が終始拭えませんでした。【2】
 
 
 
posted by genjiito at 20:42| Comment(0) | ■読書雑記

2017年12月04日

京洛逍遥(479)冬支度に入った洛北北山と有馬六甲

 賀茂川上流に位置する北山方面の景色は、鮮やかな紅葉が見られないままに冬支度へと移っていきます。

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 川風が弱い日に、鴨たちは賀茂川の散策路に上がってきます。川岸には、鷺が一休みしています。

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 賀茂街道は桜と欅の並木道なので、紅葉が見られるのはほんの数箇所です。

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 洛北は日々冬に向かって、色あいを薄くしています。

 義兄のお見舞いがてら、芦屋から六甲に行ってきました。紅葉はすでに終わり、山は冬支度に入っています。東六甲の展望台から眼下を眺めました。
 眺望図の左手の北から右手の南へと視線をずらすと、私の通勤経路が一筋の線として確認できます。

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 まずは、左端に比叡山が。

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 続いて、中央に生駒山が。

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 そして、右端に関西国際空港が見えます。

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 こうして見ると、左端から右端へと通勤で移動するのに3時間かかるということが、視覚的に納得できます。距離にしてちょうど100キロメートル。鳥の目で見る鳥瞰図というものを体感することができました。
 
 
 
posted by genjiito at 20:38| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2017年12月03日

アレッ! と思う時〈その4〉日々の中で

(1)颱風の襲来で大暴れしている風鈴。異常気象のせいか、夏や秋にこれまでになかったパターンで颱風が来るようになりました。日本的な風物詩も、自然と社会の噛み合わせがうまくいかず、実情と合わないものに出くわすことが多くなりました。

(2)空き家の軒下にぶら下がったままの、なんとも寂しげな風鈴。もちろん、短冊は付いていません。京都でも洛外は空き家が目立ちます。狭い路地の奥の家は、建て替えもできず、さびれ行くままです。高齢化と少子化の波が押し寄せているせいだとか。

(3)確認や相談のために病院や会社に電話をしたら、ちょうど受付時間が過ぎていた、ということがよくあります。不具合やトラブルの対処を、まずは自力でします。そして、電話で確認や相談をしようとする頃は、決まって17時を過ぎていることが多いのです。

(4)用事のある会社が、コンビニに変身していたことに気づきました。用件をすまそうと思って行ったところ、お目当ての会社がなかったのです。最近、会社やお店が移転や新設をめまぐるしく行なっています。これは洛中に多い現象です。喫茶店・美容室・歯医者・携帯電話店・コンビニ・パン屋・ラーメン屋などなど。

(5)電車の自動改札で、別の鉄道会社の定期券やカードや回数券を入れて「ピンポン」と鳴った時。通勤に3つも4つもの鉄道を乗り換えているので、無意識に別会社のカードを出してしまうことが増えました。いろいろな経路を試し、一番いいものを探しているせいでもあります。
 
 
 
posted by genjiito at 20:39| Comment(0) | *身辺雑記

2017年12月02日

オイオイ!!と思うこと(4)バスの中で

(1)バスなどの車内放送で、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください。それ以外の方は通話をご遠慮ください。」と流れています。これは実態とあまりにも違いすぎます。「電源」と「通話」という言葉が虚しく聞こえます。みなさん、この放送を無視しておられるのではなくて、単語が意味をなしていないのです。

(2)バスの車内案内で、「次、停まります。扉が開くまでその場でお待ちください。」とか、「バスが停車するまで、お立ちにならないでください。」というアナウンスが流れます。これは、他の乗客に迷惑をかけないためにも早く降りなければ……、という、他の乗客への気遣いという心理と、その実情が合っていません。

(3)前降りのバスの精算機付近が狭くなっています。旅行者が荷物を持っていると、なかなか降りられません。特に京都では日常茶飯事で、運転手さんがマイクで「降りる方のために空けてください」と叫んでおられます。この実態を受けて、最近は前乗り後降りが検討されているようです。

(4)前から降りるバスでは、出口付近がすぼまっています。その近くに座っていると、しばしば靴のつま先を踏まれたり蹴られたりします。旅行者のキャリーバッグが弁慶の泣き所や膝の皿などにぶつかると、本当に蹲ります。かと言って後方に座ると、降りるときに人を掻き分けるのが大変です。

(5)車中で女性が肩から掛けておられる高価そうなバッグが、目と鼻の先で揺れています。座席に座っている私の顔を、そのバッグで殴られることがよくあります。角などが当たると、顔面を覆ってしばらく苦しみます。当のご本人は知らぬ存ぜぬなので、独り静かに耐えるしかありません。
 
 
 

posted by genjiito at 19:21| Comment(0) | *身辺雑記

2017年12月01日

翻訳本のミニ展示・第六弾は《上代・中世・近世文学》

 6回目となる翻訳本の展示替えをしました。
 大阪観光大学の図書館3階の一角を借りて、日本文学作品の翻訳本を展示しています。
 これで、本年度のミニ展示は終了します。
 今回も、『源氏物語』以外の作品として、上代・中世・近世文学の諸作品をご覧いただきます。
 20冊の翻訳本を並べました。ただし、今回も個人的に持っている本ということもあり、平安時代以外の本は極端に少なくなりました。お手元に余っている翻訳本がございましたら、ご恵与いただけると幸です。
 なお、これまでに展示した翻訳本と書誌情報は、一冊のパンフレットとしてまとめる準備を進めています。明年3月までには発行しますので、しばらくお待ちください。

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 この展示で見ていただくのは表紙だけです。しかし、それでも多彩な各国の顔がうかがえますので、どうぞお楽しみください。

 今回も、展示ケースの上にプリントを置きました。ご自由にお持ち帰りください。以下に、その内容を参考までに引用します。



《世界中の言語に翻訳された上代・中世・近世文学》



  平成29(2017)年11月30日(木)〜
       平成30(2018)年3月30日(金)

          於:大阪観光大学 図書館3階

 今回の特設コーナーでは、翻訳された上代文学・中世文学・近世文学の表紙デザインの多彩さを楽しんでいただけるような選書をしました。各国で古典文学作品がどのように受容されているか、という視点でご覧いただけると幸いです。

【上代文学・中世文学・近世文学が翻訳されている21種類の言語】
イタリア語・英語・韓国語・スペイン語・タイ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・デンマーク語・ドイツ語・トルコ語・ハンガリー語・ヒンディー語(インド)・フランス語・ブルガリア語・ベトナム語・ベンガル語(インド)・ポーランド語・ポルトガル語・ラトビア語・ルーマニア語・ロシア語


【展示している作品】
上代:『古事記』、『風土記』、『万葉集』

中世:『山家集』、『住吉物語』、『徒然草』、『東関紀行』、『とはずがたり』、能(『葵上』、『敦盛』、『綾鼓』、『生田』、『生贄』、『烏帽子折』、『杜若』、『景清』、『通小町』、『邯鄲』、『砧』、『熊坂』、『絃上(玄象)』、『猩々』、『須磨源氏』、『隅田川』、『卒塔婆小町』、『高砂』、『谷行』、『田村』、『張良』、『経正』、『錦木』、『白楽天』、『羽衣』、『橋弁慶』、『鉢の木』、『初雪』、『船弁慶』、『放下僧』)、『弁慶物語』、『毎月抄』

近世:『心中天網島』、『懐硯』、『万の文反故』



≪ 上 代 ≫


☆『古事記』
◯イタリア語訳『古事記』(2006年)
パオロ・ヴィランニによる訳。
表紙には、アイボリー色の地にタイトルと古事記の文字。

◯タイ語訳『古事記』(2010年/タイの暦で2553年と記載)
スワンダラー・アッタヤにより、『古事記』に登場する神と神話、神社の話が翻訳されている。
表紙には、日本地図、花、渦巻き模様。

☆『風土記』
◯英訳『風土記』(1997年)
ミチコ・山口・青木による訳。
表紙には、赤茶色の地に金色の字でタイトル、同じく金色で月と木。

☆『万葉集』
◯英訳『万葉集』(2009年)
中村久司による訳。
表紙は風景写真の地に緑色と桃色の絵の具をかける。

◯スペイン語訳『万葉集』(1992年)
ジェニ・ワキサカによる訳。
表紙は『万葉集』第4巻543にある笠金村の歌「大君の行幸のまにま〜立ちてつまづく」のうち、「(真土山 越ゆら)む君は〜すべを」までの写本の画像。裏表紙には、同歌の画像が全文掲載。

◯中国語訳『万葉集』(2002年)
赵乐甡による訳。
表紙は徳川美術館蔵『国宝源氏物語絵巻』「橋姫」。


≪ 中 世 ≫


☆『山家集』
◯英訳『山家集』・『聞書集』(1991年)
バートン・ワトソンによる訳。
表紙は岩佐又兵衛が西行を描いたもの。

◯英訳『山家集』(2003年)
ウィリアム・R・ラフレールによる訳。
表紙は加山又造『花』(東京国立近代美術館蔵)。

☆『住吉物語』
◯イタリア語訳『住吉物語』(2000年)
カロリーナ・ネグリによる訳。
表紙は早稲田大学蔵『住吉物語』の絵。

☆『徒然草』
◯中国語訳『徒然草』(2004年)
王以鑄による訳。
表紙の上部には草の絵。

☆『東関紀行』
◯フランス語訳『東関紀行』(1998年)
ジャクリーヌ・ピジョ−による訳。
表紙は『西行物語絵巻』の一部。

☆『とはずがたり』
◯フランス語訳『とはずがたり』(2004年)
アラン・ロシェによる訳。
表紙はいわゆる引目鉤鼻の女性の顔を描いたもので、絵巻の一部と思われる。

☆能に関する翻訳書籍
◯能に関する翻訳書籍(英語・1959年)
『通小町』、『須磨源氏』、『熊坂』、『猩々』、『田村』、『錦木』、『砧』、『羽衣』、『景清』、『葵上』、『杜若』、『張良』、『絃上(玄象)』
エズラ・ウェストン・ルーミス・パウンド/アーネスト・フランシスコ・フェロノサによる訳
パウンドがフェロノサの遺した原稿を英文でまとめたもの。能の写真が掲載されている。
表紙は、能の写真を中心にチャールズ・カプランがデザイン。

◯能に関する翻訳書籍(英語・1965年)
『敦盛』、『生田』、『経正』、『熊坂』、『烏帽子折』、『橋弁慶』、『景清』、『鉢の木』、『卒塔婆小町』、『綾鼓』、『葵上』、『邯鄲』、『放下僧』、『羽衣』、『谷行』、『生贄』、『初雪』、『白楽天』
アーサー・ウェーリーによる訳。
上記の作品の他に、代表的な作品と狂言についての解説を掲載。
表紙はクリーム色の表紙に橙色でタイトルの文字。

◯能に関する翻訳書籍(英語・1981年)
『敦盛』、『生田』、『経正』、『熊坂』、『烏帽子折』、『橋弁慶』、『景清』、『鉢の木』、『綾鼓』、『葵上』、
『邯鄲』、『放下僧』、『羽衣』、『谷行』、『生贄』、『初雪』、『白楽天』(英語・1981年)
アーサー・ウェーリーによる訳。
上記の作品の他に、代表的な作品と狂言についての解説を掲載。
表紙は『羽衣』に登場する天女の写真。

◯能に関する翻訳書籍(スペイン語・2008年)
『高砂』、『敦盛』、『杜若』、『羽衣』、『隅田川』、『邯鄲』、『通小町』、『葵上』、『船弁慶』
クララ・ジェーンズにより翻訳され、高木香世子が編集したもの。本文には翻訳作品の他、能に関する解説・写真と『羽衣』の版本と『七十一番職人歌合絵巻』「白拍子」・「曲舞々」の絵を掲載。
表紙は能の写真を中心にチャールズ・カプランがデザイン。

☆『弁慶物語』
◯アラビア語訳『弁慶物語』(2001年)
アフマド・モスタファ・ファトヒによる訳。
表紙には赤紫色で「弁慶物語」というタイトル。

☆『毎月抄』
◯イタリア語訳『毎月抄』(2006年)
アルド・トリーニによる訳。
表紙は書道家のナツミ・カトウによる、「帰るさのものとや人のなかむらんまつ夜ながらの有明の月」、「旅人のそて吹きかへす秋風にゆふ日さひしき山のかけはし」の歌と、その背景に「藤原定家」の文字。

≪ 近 世 ≫


☆『心中天網島』(スペイン語・2000年)
◯スペイン語訳『心中天網島』
ハイメ・フェルナンデスにより翻訳され、タシアナ・フィサックと高木香世子が編集したもの。
表紙は鈴木春信『雪中相合傘』。

☆『懐硯』・『万の文反故』(フランス語・2000年)
◯フランス語訳『懐硯』巻1-1、1-2、2-2、『万の文反故』巻5-3
ダニエル・ストリューブによる訳。翻訳本文の他に、西鶴の研究者による論文を掲載。
表紙は芳賀一晶『浪華西鶴翁像』、裏表紙はこの書籍の説明と「烏賊の甲や我が色こぼす雪の鷺」(難波西鶴/『俳諧百人一句』)という、西鶴の俳句が書かれた絵。

 
 
 
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