2017年08月28日

「いちぢく」と「いちじく」という表記を見かけて

《第一話》
 学生時代に、近松門左衛門の『女殺油地獄』をテキストとする授業を受講していました。そのレポートで私は、「ジ・ヂ・ズ・ヅ」という四つ仮名のことを調べて書いたことがあります。おもしろい結論を出したように思います。しかし、引っ越しを繰り返したこともあり、その内容は跡形もなく消え去っています。

 近所のスーパーマーケットで、次の写真のような広告を見かけました。

170821_itijiku.jpg

 上の表示に「いちぢく」が1例、下の表示に「いちじく」が2例あります。
 上の「いちぢく」の方の「ぢ」は、「ちぢむ(縮む)」のように同音の連呼によるものとは思えません。明らかな勘違いだと思われます。おそらく、上の「いちぢく」はお店の方の手作りで、下の「いちじく」は納入業者が持ち込んだ宣伝掲示用のシートなのでしょう。このお店の方は、何歳くらいの方だったのでしょうか。同じ青果部門の方が掲示されたはずなので、おもしろいと思い記録に残しておくことにしました。
 便秘解消用である浣腸の薬で有名な「イチジク製薬株式会社」の会社の沿革を見ていたら、昭和10年に「イチジクぢの薬」というものも併売していたことが記されています。この「じ」か「ぢ」かという問題は、いかに奥が深いかを知らされました。どうでもいいことですが……
 四つ仮名の問題は、取り上げるときりがありません。今はもう一つだけ。
 「世界中」は「せかいじゅう」でも「せかいぢゅう」でもいいとされているようです。
 ことばに関してうるさい方がおられます。私は、正しいか間違いかという二者択一の判断ではなくて、どうして違うものが併存し、混在しているのかという現象に興味をもっています。その前提には、ことばは時の流れと共に変移し変容していく、という思いがあるからです。

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《第2話》
 上と同じスーパーマーケットで、同じ日に見かけたものです。

170821_toufu.jpg

 この藤野のとうふは人気があるので、ご存知の方も多いことでしょう。
 そのパッケージの左端に「おいし をす」と書いてあります。この「をす」に注意が向きました。「をす」なのか「おす」なのか。
 言葉を専門的に研究しているのではないので、この問題についての最新の成果を知りません。勢い、インターネットで検索することになります。便利な時代に生まれたことに感謝しています。
 すると、次のような説明に出会いました。


[い形容詞]いです ⇒ [い形容詞]おす
おいしいです ⇒ おいしおす / おいしゅうおす
さむいです ⇒ さむおす / さむうおす
いいです ⇒ よろしおす / よろしゅうおす
嬉しいです ⇒ 嬉しおす / 嬉しゅうおす
http://hougen.u-biq.org/kyoto.html

 
おす
「ある」の丁寧語で、大阪の「おま(す)」に相当。形容詞の後ろにもつく。(例)「誰もおへん」(誰もいません)、「おいしおすなぁ」(美味しいですねぇ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/京言葉)

 
 今、これ以上、私は情報を持ち合わせていません。
 一般的には「おす」なのでしょう。しかし、製品には「をす」と印刷されています。
 説明して下さる方がいらっしゃいましたら、わかりやすく、よろしくお願いします。
 
 
 
posted by genjiito at 19:49| Comment(0) | *身辺雑記